WO2007116655A1 - 歯列矯正装置 - Google Patents

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Hiroshi Kamioka
Taiji Adachi
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Abstract

本発明は、治療期間を大幅に短縮し、かつ、患者の負担を軽減させることができる歯列矯正装置を提供することを目的とする。そのために、歯列に含まれる特定の歯に装着される矯正器具と、磁界生成装置20と、歯列に取付けられる磁性体8とを備える。磁性体8は、磁界生成装置により生成される磁界により振動してその振動を前記矯正器具が装着された歯に付与する。

Description

明 細 書
歯列矯正装置
技術分野
[0001] 本発明は、歯列矯正装置に関する。
背景技術
[0002] 従来、歯列矯正装置としては、歯列に装着されるワイヤを備えるものが知られている 。前記ワイヤのもつ弹性的な戻り力が前記歯列に一定の静荷重として作用し、歯並 びや咬み合わせを矯正する。すなわち、前記歯列矯正装置は、歯列に一定力が付 与されると、歯茎の中で歯を支えている歯槽骨が徐々に変形 (骨改造、骨リモデリン グ)することで、歯列が矯正されると 、う原理に基づく。
[0003] しかし、前記ワイヤを用いた歯列矯正は、完治までに非常に長い期間を要する(早 くて 6ヶ月、通常は数年)。このことは、患者にとって大きな負担となる。また、この矯正 は痛みを伴うことから患者が治療を希望しな 、ことも多 、。
[0004] このような歯列矯正の期間を短縮するために、歯列に振動力を与えるという技術が 研究されている。例えば非特許文献 1には、図 17 (a)に示すように、歯列に一定力を 加えたサンプル Aと、歯列に振動力を加えたサンプル Bとを比較すれば、振動力を加 えたサンプル Bの方が期間の短縮に効果があるという研究成果が記載されている。
[0005] 同様に、非特許文献 2には、図 17 (b)に示すように、歯列に一定力を加えたサンプ ル Cと、歯列に一定力 +振動力を加えたサンプル Dとを比較すれば、一定力 +振動 力を加えたサンプル Dの方が期間の短縮に効果があるという研究成果が記載されて いる。
[0006] これらの研究によると、前記歯列への振動力の付与は歯列矯正の期間を従来の約
1Z2〜1Z3まで大幅に短縮する。さらに、前記非特許文献 1は、振動力の付与が 1 日に 1. 5時間だけで良ぐ前記非特許文献 2では 2週間に 1回でかつ 1回が 2分間だ けで良いことを示している。
[0007] これらの研究から、歯列にワイヤ等で一定の矯正力を付与するだけの歯列矯正より も、その矯正力に加えて振動力を付与する歯列矯正の方がその矯正期間の大幅な 短縮に効果があることを理解できる。
非特許文献 1 :清水:日矯歯誌 45 : 56— 72, 1986
非特許文献 2 :大前他:日本矯正歯科学会雑誌, 60 (4) : 201, 2001
特許文献 1 :特開 2002— 102255号公報
特許文献 2 :特開 2004— 201895号公報
発明の開示
[0008] 本発明は、前記のような研究成果を利用して、治療期間を大幅に短縮し、かつ、患 者の負担を軽減させることができる歯列矯正装置を提供することを目的とする。
[0009] その目的を達成するための手段として、本発明は、歯列を矯正するための歯列矯 正装置であって、前記歯列を矯正するために当該歯列に含まれる特定の歯に装着さ れる矯正器具と、磁界生成装置と、前記歯列に取付けられ、前記磁界生成装置によ り生成される磁界により振動してその振動を前記矯正器具が装着された歯に付与す る磁性体と、を備える。
[0010] この装置では、磁界生成装置が生成する磁界が磁性体を振動させ、この磁性体は 矯正器具が装着された歯にその振動を伝える。この振動は、前記矯正器具による矯 正作用を促進し、歯列矯正のための治療期間を短縮する。また、この装置は、給電 用の配線その他を要しな 、ので、患者の負担を軽減する。
図面の簡単な説明
[0011] [図 1]本発明の第 1の実施の形態に係る歯列矯正装置の全体構成図である。
[図 2]図 1に示される使用者の下顎側の歯列を示す斜視図である。
[図 3]図 2に示される歯列に図 1に示されるマウスピースが装着された状態を示す斜 視図である。
[図 4]前記マウスピースを表面力も見たときの分解斜視図を示している。
[図 5]マウスピースを裏面から見たときの分解斜視図を示している。
[図 6]前記歯列矯正装置における交流信号発生部の構成を示すブロック図である。
[図 7] (a)は、前記歯列矯正装置におけるコイルが生成した磁界が永久磁石に及ぼ す作用を示す図であり、(b)は、前記コイルが生成する磁界の経時的変化を示すダラ フである。 圆 8]本発明の第 2の実施の形態に係る歯列矯正装置のコイルを示す図である。
[図 9]本発明の第 2の実施の形態に係る歯列矯正装置の交流信号生成部の構成を 示すブロック図である。
[図 10]前記交流信号発生部における制御装置の表示部に表示される交流信号を設 定するための操作画面を示した図である。
[図 11]前記コイルの例であるヘルムホルツコイルを示す斜視図である。
[図 12]前記コイルが枕 (ヘッドレスト)の両側壁に配置された例を示す斜視図である。 圆 13]本発明の第 3の実施の形態に係る歯列矯正装置のコイルを示す斜視図である
[図 14]本発明の第 3の実施の形態に係る歯列矯正装置の交流信号生成部の構成を 示すブロック図である。
圆 15]本発明の第 4の実施の形態に係る歯列矯正装置の矯正器具が取り付けられ た下顎側の歯列を示す斜視図である。
圆 16]本発明の第 4の実施の形態に係る歯列矯正装置の矯正器具の他の例を示す 斜視図である。
[図 17] (a) (b)は、それぞれ歯列矯正の期間の短縮効果を説明するためのグラフであ る。
[図 18]本発明に係るマウスピースの製造装置の例を示す斜視図である。
[図 19]図 18で示す製造装置を用 、た本発明のマウスピースの製造方法の第 1の例 を説明するための図である。
[図 20]図 18で示す製造装置を用いた本発明のマウスピースの製造方法の第 2の例 を説明するための図である。
[図 21] (a) (b)は、 EVAシートを用いたマウスピースの成形工程を模式的に示した図 である。
圆 22]本発明の第 5の実施の形態に係るマウスピースが歯列に装着された状態を示 す斜視図である。
圆 23]本発明の第 6の実施の形態に係るマウスピースが歯列に装着された状態を示 す斜視図である。 [図 24]本発明の第 7の実施の形態に係るマウスピースが歯列に装着された状態を示 す斜視図である。
[図 25]本発明の第 8の実施の形態に係るマウスピースが歯列に装着された状態を示 す斜視図である。
[図 26]本発明の第 9の実施の形態に係るマウスピースが歯列に装着された状態を示 す斜視図である。
[図 27]本発明の第 10の実施の形態に係るマウスピースが歯列に装着された状態を 示す斜視図である。
[図 28]本発明の第 11の実施の形態に係るマウスピースが歯列に装着された状態を 示す斜視図である。
[図 29]本発明の第 12の実施の形態に係るマウスピースが使用者の下顎に装着され た状態を示す斜視図である。
[図 30]図 29の切断面線 30— 30から見た断面図である。
[図 31]本発明の第 12の実施の形態に係るマウスピースを表側力も見た分解斜視図 である。
[図 32]本件発明者の実験結果を示すグラフである。
[図 33]本発明の第 12の実施の形態に係るマウスピースに類しかつ当該マウスピース と矯正方法が異なるマウスピースの例を示す斜視図である。
[図 34]本発明の第 13の実施の形態に係るマウスピースが使用者の歯型に装着され た状態を示す斜視図である。
[図 35]本発明の第 14の実施の形態に係るマウスピースが使用者の歯型に装着され た状態を示す斜視図である。
[図 36]本発明の第 15の実施の形態に係るマウスピースが使用者の歯型に装着され た状態を示す斜視図である。
[図 37]矯正具が装着された使用者の歯型に沿う内面形状を有するマウスピースを製 造するための方法を説明するための図である。
発明を実施するための最良の形態
図 1は、本発明の第 1の実施の形態に係る歯列矯正装置の全体構成を示す。この 歯列矯正装置は、使用者 (患者) Zの歯に装着されるマウスピース 7と、磁性体である 永久磁石 8と、磁界生成装置に相当するコイル 20及び交流信号生成部 30と、を備え る。前記コイル 20は、前記永久磁石 8を振動させるための交流磁界を生成する。前 記永久磁石 8は、前記交流磁界により振動し、その振動を前記マウスピース 7を介し て歯列 3に与える。この永久磁石 8としては、鉄を含むフェライト磁石や、最大エネル ギ一積 (BH) max [j/m3]の非常に大きなネオジゥム—鉄—ボロン系やサマリウム コバルト系の希土類の磁石などが用いられることが好まし 、。
[0013] 前記コイル 20は、この実施の形態では円形コイルにより構成され、この円形コイル の中心軸 C1が水平方向を向くように配設される。詳細には、筒状のボビン 22と、この ボビン 22に対して所定の巻き数で巻き回された電線 21とを備え、前記ボビン 22の内 径は、前記使用者 Zの顔の断面の最大外径よりも大きな径に設定される。
[0014] 前記交流信号生成部 30は、前記コイル 20の電線 21に電気的に接続され、このコ ィル 20に前記交流磁界を生成させるための交流信号を当該コイル 20に与える。この 交流磁界が前記永久磁石 8を振動させる。詳しくは、前記交流信号生成部 30は、周 波数が例えば 50〜 150Hz程度の交流信号を前記コイル 20に供給することにより、 当該コイル 20に磁界を生成させる。このコイル 20の巻き数と、前記交流信号生成部 30が生成する交流信号の振幅は、当該コイル 20の中心軸 C1における磁界の実効 値又は振幅を 0. 15mT〜0. 18mT、より好ましくは 0. 16mT〜0. 17mTとするよう な値に予め設定される。このような 0. 15mT〜0. 18mTの大きさの磁界を歯列 3に 与えることと、当該歯列 3に永久磁石 8が機械的刺激 (振動)を与えることとの相乗効 果カ 治療期間を有効に短縮する。すなわち、前記歯に対して 0. 15mT〜0. 18m Tの磁界を与えると骨化促進効果が高まることが知られており、このことに関しては、「 Τ. Ί akano- Yamamoto, et. al., 'tiifect of a Pulsing Electromagnetic rield on
Demineralized Bone- matrix- induced Bone Formation", J. Dent. Res., Vol. 71, No. 12, pp. 1920-1925, 1992」に掲載されている。
[0015] 前記歯列矯正装置は、次の要領にて使用される。使用者 Zは、後に詳述する矯正 器具(図 2)及び前記マウスピース 7を装着した状態で前記コイル 20の内側にその顔 を入れ、コイル 20の中心軸 C1上であってコイル 20の中心にその口を位置させる。一 方、前記コイル 20は、前記マウスピース 7に取り付けられた永久磁石 8を振動させるよ うな交流磁界を生成し、この交流磁界により振動する前記永久磁石 8は、その振動を 前記マウスピース 7を介して前記歯列 3に伝え、これを振動させる。つまり、前記歯列 3には、前記矯正器具による矯正力にカ卩えて前記永久磁石 8の振動が加えられる。こ の振動は、前記矯正器具による歯列矯正作用を促進し、歯列矯正の治療期間を大 幅に短縮する。
[0016] 治療中における使用者 Zの姿勢は任意に設定されることが可能である。例えば、図 1は使用者 Zの横臥姿勢を示している。この姿勢が採用される場合、使用者 Zを横た わらせるベッドが配設されてもよい。このベッドの高さは、前記使用者 Zの口が前記コ ィル 20の中心軸上に位置するような高さに設定されることが好ましい。また、前記コィ ル 20の中心軸 C1が鉛直方向を向くように当該コイル 20が配置されてもよい。この場 合、使用者 Zは起立姿勢でコイル 20の内部に顔を入れるので、この使用者 Zの身長 に合わせて前記コイル 20の高さを調節することを可能にする調節機構(図略)がコィ ル 20に取り付けられてもよい。さらに、コイル 20の中心軸 C1が鉛直方向を向くように コイル 20が配設される場合、使用者 Zは椅子に着座した姿勢で治療を受けることも可 能である。この着座姿勢での治療は、使用者 Zの負担をより軽減させることができる。
[0017] 図 2は、前記矯正器具の一例を示す。この矯正器具は、前記使用者 Zの下顎側の 歯列 3に装着されるもので、その歯列 3に沿って配されるワイヤ (アーチワイヤ) 5と、こ のワイヤ 5を係止するための金具である複数のブラケット 4とを備える。前記歯列 3は 複数の歯 3a〜3nにより構成され、そのうち奥歯 3a, 3nを除いた歯 3b〜3mの外面部 に前記各ブラケット 4が固定され、これらのブラケット 4が前記ワイヤ 5を前記歯列 3に 係止する。前記ワイヤ 5は、弾性変形した状態で歯列 3に装着され、その弾性復帰力 を前記歯列 3に一定力(静荷重)として付与することにより、歯並びや咬み合わせを治 す効果を発揮する。
[0018] 本発明に係る矯正器具は、前記ワイヤ 5及びブラケット 4からなるものに限定されず 、歯列 3に対して適当な矯正力を付与することができるものであればよい。
[0019] 前記マウスピース 7の構造の例を、図 3〜図 5を参照しながら説明する。図 3は、前 記図 2に示される歯列 3に前記図 1に示されるマウスピース 7が装着された状態を示 す。この図 3に示されるマウスピース 7は、歯列 3の全体にわたって装着される形状を 有し、そのうち中央力も数えて左右それぞれ 2番目の歯 3f, 3iの外側に位置する部 分に前記永久磁石 8が取付けられる。この永久磁石 8は、前記コイル 20が生成する 交流磁界の作用により振動し、その振動を歯列 3に付与する。
[0020] 図 4は、前記マウスピース 7を表側力 見た分解斜視図であり、図 5は、前記マウス ピース 7を裏側から見た分解斜視図である。このマウスピース 7は、内外二重構造を 有している。具体的には、前記歯列 3に直接被せられる内側ピース 7Aと、この内側ピ ース 7Aのさらに外側に被せられる外側ピース 7Bとを備え、これらのピース 7B, 43が 内外二重に重ね合わされることにより前記マウスピース 7が構築される。
[0021] 前記内側ピース 7A及び外側ピース 7Bの材料は、特に限定されな 、が、マウスピー ス材料として普通に用いられ、衛生面の安全性が保証された材料であることが好まし い。例えば、高分子材料である EVA (エチレン酢酸ビニル榭脂)、熱可塑性プラスチ ック、熱可塑性選エラストマ一、シリコーンゴムといった材料の使用は、歯や歯肉への アレルギー等の影響を抑えることができるので好ましい。特に、 EVAシートは高い電 気的絶縁性及び断熱性を有するため、好適である。この EVAシートが内側ピース 7 Aに用いられると、当該 EVAシートのもつ軟質性が永久磁石 8から歯 3i, 3fに伝えら れる振動を和らげ、当該振動に起因する前記歯 3i, 3fの付近の損傷を防止する。
[0022] 図 5に示すように、前記外側ピース 7Bには外側に膨らむ凸部 7aが形成され、この 凸部 7aの内側に前記永久磁石 8が入れられた状態で当該外側ピース 7Bに前記内 側ピース 7Aが貼り合わされる。これにより、永久磁石 8がマウスピース 7に内蔵される 。前記外側ピース 7Bと内側ピース 7Aは、例えば、超音波溶着等を用いて気密状態 で互いに接合され、一体ィ匕されることが好ましい。ここでいう気密状態とは、両ピース 7B, 43の間に水分が侵入することが阻止される (すなわち水密が保たれる)状態を 意味する。このような気密状態を形成する外側ピース 7Bと内側ピース 7Aとの接合は 、両ピース 7B, 43の内面(特に凸部 7aの内部)に唾液や洗浄水等の水分が侵入す るのを阻止して、当該水分力 前記永久磁石 8を有効に保護する。
[0023] 前記凸部 7aの内側の空間は、永久磁石 8の外形よりも大きめであることが、好まし い。前記永久磁石 8に前記凸部 7aの内側面及び前記内側ピース 7Aの内側面が完 全に密着することは、前記永久磁石 8の振動を規制するおそれがある。よって、前記 凸部 7aの内側空間は、前記永久磁石 8の振動を許容する程度まで大きいことが好ま しい。このように刺激の付与のための荷重を増加させることを目的として前記永久磁 石 8のサイズよりも大きな収容空間をマウスピース 7内に確保するための手段として、 例えば、前記永久磁石 8が当該永久磁石 8よりも大きめのカプセルに収容された状態 でそのカプセルごとマウスピース 7内に組み込まれてもよい。
[0024] 図 6は、前記交流信号発生部 30の構成の例を示すブロック図である。この交流信 号生成部 30は、制御装置 31、 DZ Aコンバータ 32、及びアンプ 33を備える。
[0025] 前記制御装置 31は、パーソナルコンピュータにより構成され、デジタルの交流信号 を生成して前記 DZAコンバータ 32に出力する。前記パーソナルコンピュータは、液 晶パネル等の表示装置、マウス及びキーボード等の入力装置、 CPU、 ROM、 RAM 、ハードディスク等、を備える。前記ハードディスクは、前記入力装置を用いて入力さ れた交流信号の振幅及び周波数等に基づいて所定のデジタルの交流信号を生成 するための交流信号生成プログラムを記憶する。前記 CPUは、前記交流信号生成 プログラムの実行により前記交流信号 (ユーザにより指定された振幅等をもつ信号)を 前記 DZAコンバータ 32に出力する。
[0026] 前記 DZ Aコンバータ 32は、前記制御装置 31に例えば USBケーブルを介して接 続され、制御装置 31から出力されたデジタルの交流信号をデジタル Zアナログ変換 することによりアナログの交流信号を生成し、この信号をアンプ 33に入力する。アン プ 33は、前記 DZAコンバータ 32から入力されたアナログの交流信号を所定の利得 で増幅し、その増幅した信号を前記コイル 20に向けて出力する。
[0027] 図 7 (a)は、前記コイル 20が生成する磁界 Hが永久磁石 8に及ぼす作用を示した図 であり、図 7 (b)は、当該磁界の経時的変化を示すグラフである。図 7 (a)に記される「 +X」は中心軸 C1の手前向きの方向を示し、「― X」は「+X」に対して反対(180度) の方向を示す。
[0028] 前記コイル 20内にはそのボビン 22の周方向に沿って電流が流れるため、当該コィ ル 20の中心付近には中心軸 C 1と平行な方向の磁界 Hが生成される。前記電流は 交流なので、前記磁界 Hの大きさは周期的に変化する。具体的には、図 7 (b)に示す ように、時刻 tlにおいて +X方向を向いていた磁界 Hは、時刻 t2に向かうにつれて サインカーブに沿って減少し、時刻 t2において 0となる。その後、時刻 t3に向かうに つれて、サインカーブに沿って一 X方向に増大していき、時刻 t3において、ピークに 到達した後、再度、サインカーブに沿って減少していく。
[0029] 従って、前記永久磁石 8の振動は、この永久磁石 8がもつ磁気モーメント Mの向き が前記 +X方向及び X方向に対して直交するような姿勢で当該永久磁石 8が配置 されることにより、実現される。この姿勢で配置された永久磁石 8は、前記磁界 Hが + X方向を向いているときは、当該磁界 Hと前記磁気モーメント Mとの積に比例する大 きさをもつ鉛直下向きのトルク Tを受け、逆に、前記磁界 Hが— X方向を向いていると きは、当該磁界 Hと前記磁気モーメント Mとの積に比例する大きさの鉛直上向きのト ルク Tを受ける。このように向きが周期的に変化するトルク T力 前記永久磁石 8を図 7 (a)に矢印符号 Bで示されるように振動させる。
[0030] 前記交流信号の周波数の増大は、前記磁界の向きの変化を速くし、これにより永久 磁石 8の振動速度を高める。従って、前記交流信号の周波数の上限値が前記永久 磁石 8の質量や形状等の条件により制約されるものの、その制約の範囲内で前記周 波数が調節されることが前記永久磁石 8の振動速度の制御を可能にする。また、前 記コイル 20が生成する磁界 Hの強さは当該コイル 20に供給される交流信号 (交流電 流)の実効値に比例するので、前記永久磁石 8の磁気モーメント Mが一定であるとす ると、前記交流信号の実行値の調整が前記トルク Tの大きさの制御を可能にする。
[0031] つまり、前記マウスピース 7に内蔵される永久磁石 8の機械的振動の速度及び振幅 力 当該マウスピース 7の外部に設けられるコイル 20に供給される交流信号の周波 数及び実効値の調整によって制御される。このことは、前記マウスピース 7を装着する 使用者 Zの歯にその矯正に適した特性をもつ機械的刺激 (振動)を付与することを可 能にする。
[0032] 以上説明したように、この第 1の実施の形態に係る歯列矯正装置では、前記コイル 20が磁界 Hを生成して永久磁石 8を振動させ、この振動を前記矯正器具が装着され た歯に与える。この振動力 前記矯正器具による矯正作用を促進し、歯列矯正の治 療期間を短縮する。前記永久磁石 8は、前記磁界 Hの作用によって振動するので、 この永久磁石 8とコイル 20とが物理的に直接接続される必要がない。このことは、起 振素子である前記永久磁石 8に対して給電を行うための配線を不要にし、さらには、 使用者 Zが磁界生成装置を装用する必要もなくす。従って、前記コイル 20が生成す る磁界 Hが及ぶ範囲内で患者 (使用者 Z)は配線等に煩わされることなく自由に移動 することが可能であり、このことは、当該患者の負担を低減させる。
[0033] 前記永久磁石 8が前記外側ピース 7Bと内側ピース 7Aとの間に埋め込まれることは 、この永久磁石 8が使用者 Zに直接触れることを阻止する。このことは、前記使用者 Z の唾液が永久磁石 8から特定成分を溶出させること、及びこの成分が使用者 Zに悪 影響を与えることを防ぐ。
[0034] また、前記マウスピース 7による前記永久磁石 8の内蔵は、当該マウスピース 7の水 洗を可能にする。前記永久磁石 8が鉄を含む場合、この永久磁石 8は水分に曝され ることによって腐食するおそれがある力 当該永久磁石 8が前記マウスピース 7に内 蔵されて外部から隔離されることは、このマウスピース 7を水で洗浄することを可能に し、当該マウスピース 7のメンテナンスを容易にする。
[0035] 本発明に係るマウスピースは、図 3に示されるように歯列全体を覆うように装着され るものに限られない。例えば、歯列のうち矯正対象歯を含む特定の部分のみに装着 されるサイズのものでもよ 、し、矯正対象歯のみを覆うサイズのものでもよ 、。
[0036] 前記マウスピース 7は、それ自身が矯正機能を発揮するような形状に形成されても よい。このことは、前記ワイヤ 5等力もなる専用の矯正器具を不要にする。前記のよう なマウスピース 7の形状としては、矯正対象となる歯列に適合した形状であってもよ!/ヽ し、矯正前の歯列 3とはわずかに異なっていて矯正目標となる歯列 3の形状に適合し た形状であってもよい。後者の形状は、前記マウスピース 7がもつ弾性力を矯正力と して利用することを可能にする。
[0037] 前記永久磁石 8の個数および配設箇所も限定されない。図 3では、 2個の永久磁石 8が左右の歯 3g, 3iに配された装置が示される力 当該永久磁石 8は単数であっても よいし、 3個以上であってもよい。また、永久磁石 8は歯列 3の裏側(舌側)の側面に 取り付けられてもよいし、当該永久磁石 8が歯の冠部に位置するようにマウスピース 7 の頂部に取り付けられても良 、。 [0038] 前記マウスピース 7の構造は、内外二重の構造に限られない。このマウスピース 7は 、単一のピースで構成されたものでもよい。
[0039] 本発明の第 2の実施の形態を図 8〜図 10を参照しながら説明する。なお、この実施 の形態に係る歯列矯正装置と前記第 1の実施の形態に係る歯列矯正装置とが共通 する部分については、同一の符号が付され、その説明が省略される。
[0040] この第 2の実施の形態に係る歯列矯正装置は、図 8に示されるような 2個の円形コィ ノレ 210, 220を備える。前記コィノレ 210は、ボビン 211と、このボビン 211に卷き回さ れる電線 212とを備える。ボビン 211の内径は、前記第 1の実施の形態に係るボビン 22と内径とほぼ同一である。コイル 220は、ボビン 221と、このボビン 221に巻き回さ れる電線 222とを備え、このボビン 221の内径が前記コイル 210の外径と略同等の径 に設定される。前記両ボビン 211, 221は共通の幅 dを有する。
[0041] この第 2の実施の形態に係る歯列矯正装置は、図 9に示されるような構成をもつ交 流信号生成部 30aを備える。この交流信号生成部 30aは、前記第 1の実施の形態に 係る交流信号生成部 30と同様に制御装置 31及び DZAコンバータ 32を具備するが 、さらに、前記 2個のコイル 210, 220に対応して 2個のアンプ 33, 34を備える。
[0042] 前記制御装置 31は、前記コイル 210に対応するデジタルの交流信号 A1と、前記コ ィル 220に対応するデジタルの交流信号 A2とを生成し、これらの信号 Al, A2を時 分割多重して DZAコンバータ 32に入力する。
[0043] DZ Aコンバータ 32は、マルチプレクサ 321と、チャンネル ChOに対応する DZAコ ンバータ 322と、チャンネル Chiに対応する D/Aコンバータ 323とを備える。前記マ ルチプレクサ 321は、制御装置 31の制御の下、デジタルの交流信号 A1を、 DZAコ ンバータ 322に出力し、デジタルの交流信号 A2を DZAコンバータ 323に出力する 。 DZ Aコンバータ 322は、制御装置 31による制御の下、デジタルの交流信号 A1を アナログ Zデジタル変換してからアンプ 33に出力する。 DZAコンバータ 323は、制 御装置 31による制御の下、デジタルの交流信号 A2をデジタル Zアナログ変換して 力 アンプ 34に出力する。
[0044] 前記アンプ 33, 34は、それぞれ、前記交流信号 Al, A2を所定の利得で増幅して 力ら各 =3ィノレ 210, 220に出力する。 [0045] 図 8に示すように、前記両コイル 210, 220は、当該コイル 210の中心軸 C210が当 該コイル 210の中心 Oにお!/、て相手方のコイル 220の中心軸 C220と直交するように 、配置される。このような配置は、前記コイル 210, 220にそれぞれ供給される交流信 号 Al, A2の振幅、位相、周波数を適当な値に設定することによって中心軸 C210及 び中心軸 C220を含む水平面 S1上の任意の方向に磁界を発生させることを可能に する。
[0046] 例えば、前記コイル 210, 220にそれぞれ供給される交流信号 (交流電流) Al, A 2の周波数が互いに同一でかつ両信号 Al, A2の位相差が 0である場合には、前記 図 7 (b)に示されるように 1方向にのみ変化する磁界 Hが生成される。このように向き 力 ^方向で大きさが周期的に変化する磁界は交番磁界と呼ばれる。この交番磁界は 交流磁界の特殊な例である。
[0047] 前記コイル 210, 220にそれぞれ供給される交流信号(交流電流) Al, A2の周波 数が互いに同一でかつ両信号 Al, A2の位相差が 90度であるとき、生成される磁界 Hの向きは図 8に示すように前記水平面 S1上を回転する。この回転方向は、交流信 号 Al, A2のうちどちらの位相が進んでいるかによって決まる。
[0048] さらに、前記コイル 210, 220にそれぞれ供給される交流信号 Al, A2の周波数の 間に整数比の関係があるとき、生成される磁界 Hの向きが水平面 S1上を回転するの に加え、当該磁界 Hの大きさが周期的に変化する。従って、永久磁石 8の磁気モーメ ント Mの方向の設定によって当該永久磁石 8に与えられるトルク Tの向き、ひいては 当該永久磁石 8の振動方向を調整することが可能である。前記磁気モーメント Mの向 きは、前記マウスピース 7内における永久磁石 8の向きや使用者の顔の向きの変更に よって、調整されることが可能である。
[0049] 前記制御装置 31は表示部を有し、この表示には、前記交流信号 Al, A2を設定す るための操作画面が表示される。その操作画面の例が図 10に示される。ここに示さ れる画面は、 2つの波形表示欄 Gl, G2と、 3つの設定欄 G3〜G5と、を含む。
[0050] 前記設定欄 G3〜G5には、位相、電圧、及び周波数をそれぞれ設定するための欄 が設けられる。交流信号 A1の位相、電圧、及び周波数は、設定欄 G3の操作により 設定され、交流信号 A2の位相、電圧、及び周波数は、設定欄 G4の操作により設定 される。後述の第 3の実施の形態のように 3個のコイルが使用される場合は、その 3個 目のコイルに対する交流信号 A3の位相、電圧、及び周波数が設定欄 G5の操作に より設定される。これらの設定欄 G3〜G5は互いに同一の構成を有する。よって、以 下の説明は設定欄 G3を例にとって行う。
[0051] 前記設定欄 G3は、その左側部分に表示される 3つの数値表示欄 W1〜W3と、各 数値表示 W1〜W3の右側にそれぞれ表示される 3つのスライドバー SL1〜SL3とを 有する。前記数値表示欄 W1〜W3は、それぞれ、交流信号 A1に対して設定された 位相、電圧 (振幅)、及び周波数を数値表示する。前記各スライドバー SL1〜SL3は マウスによってドラッグされることが可能であり、そのドラッグ量に応じた数値が前記各 数値表示欄 W1〜W3に表示される。例えば数値表示欄 W1は、位相を調整するた めのスライドバー SL1が左端に位置するときに「0」を表示し、右端に位置するとき「36 0度」を表示する。従って、操作者は、前記スライドバー SL1のドラッグにより交流信号 A1の位相を設定することができる。また、前記数値表示欄 W1〜W3に直接数値を 入力することによつても位相、振幅、及び周波数の設定が可能である。
[0052] 前記各スライドバー SL1〜SL3の右側には、交流信号 A1の波形を選択するため の出力波形欄 W4が表示される。この出力波形欄 W4には、予め定められた複数種 の波形の中力 所望のものを選択するためのプルダウンメニューが表示される。
[0053] 前記設定欄 G3〜G5の右側には、交流信号の振幅スケールを設定するための電 圧レンジ欄 W5が表示される。例えば、この電圧レンジ欄 W5によって電圧レンジが 10V〜 + 10Vの範囲に設定された場合、数値表示欄 W2には 0〜10の範囲内の数 値が表示可能であって、当該範囲内で交流信号 A1の振幅の設定が可能である。
[0054] 前記波形表示欄 G1は、縦軸に電圧、横軸に位相が設定されたグラフであり、前記 各設定欄 G3〜G5により設定された 3つの交流信号の波形を表示する。この第 2の 実施の形態では 2個のコイル 210, 220が使用されるため、図 10には、前記設定欄 G3, G4でそれぞれ設定された交流信号 Al, A2の波形が表示された状態が示され ている。 3個のコイルが使用される場合には、その 3個目のコイルについて設定される 交流信号 A3の波形も前記波形表示欄 G1に併せて表示される。
[0055] 前記制御装置 31は、前記設定欄 G3〜G5で設定された交流信号 A1〜A3を合成 したものを波形表示欄 G2に表示させる。波形表示欄 G2は、前記コイル 210, 220を 真上から見る方向での合成波形を示し、その縦軸が Chiすなわちコイル 220を示し 、横軸が ChO、すなわちコイル 210を示す。例えば、図 10に示すように、交流信号 A 2の位相が交流信号 A1の位相に対して 90度ずれている場合、コイル 210が生成す る磁界とコイル 220が生成する磁界との合成磁界は前記水平面 S1上で反時計回り の方向に回転するため、波形表示欄 G2では磁界 Hを示す扇形の領域 D1が反時計 回りに回転する。
[0056] 以上説明したように、この第 2の実施の形態に係る歯列矯正装置の磁界生成装置 は、 2個のコイル 210, 220を備えるため、 1方向に大きさが周期的に変化する交番 磁界、水平面 S1上で方向が回転する磁界、又は、水平面 S1上で方向が回転しなが ら大きさが周期的に変化する磁界、のそれぞれを発生させることができる。このことは 、永久磁石 8を複数のパターンで振動させることを可能にする。
[0057] 前記コイル 210の中心軸 C210と前記コイル 220の中心軸 C220は必ずしも直交し ていなくてもよい。例えば、前記両中心軸 C210, C220が前記中心 Oにおいて 90度 以外の角度で交差するように両コイル 210, 220が配置されても良 、。
[0058] また、本発明に係る磁界生成装置は、ヘルムホルツコイルを備えるものでもよ ヽ。こ のヘルムホルツコイルでは、例えば図 11に示されるコイル 210, 220のように、互い に半径の等しい複数の円形コイルがその共通半径に等しい間隔で互いに同軸の位 置に配される。このヘルムホルツコイルでは、各円形コイルに同じ大きさの電流が同 じ向きに流されることにより、中心付近の磁界 Hの強さが一定となる領域が拡大され、 この領域の拡大が永久磁石 8の振動を安定させる。すなわち、使用者 Zの頭部が多 少動いたときにも永久磁石 8に作用する磁界を一定に保つことを可能にする。このこ とは、不意の頭部運動に対する頑健性を高め、より均一なトルクを永久磁石 8に付与 することを可能にする。
[0059] 前記コイル 210, 220は、図 12に示すように、使用者 Zが頭を置く枕 (ヘッドレスト) 4 00の両佃 J壁 401, 402に酉己置されてもよい。この場合も、両コィノレ 210, 220は互い に同軸の位置に配されることが好ましい。両コイル 210, 220の直径は例えば 100m m程度が好適である。使用者 Zがマウスピース 7を装着した状態でその頭を前記枕 4 00の上に載せて横たわると、コイル 210, 220の生成する交流の磁界 Hが前記マウ スピース内の永久磁石 8を振動させてその振動を使用者 Zの歯に与える。このような 枕 400の使用は使用者 Zの負担を軽減する。
[0060] 本発明の第 3の実施の形態を図 13及び図 14を参照しながら説明する。なお、この 実施の形態に係る歯列矯正装置と前記第 1の実施の形態に係る歯列矯正装置とが 共通する部分については、同一の符号が付され、その説明が省略される。
[0061] この第 3の実施の形態に係る歯列矯正装置は、図 13に示されるような 3個の円形コ ィル 210, 220, 230を備える。これらのコイル 210, 220, 230は、それぞれの中心 軸 C210, C220, C230が中心 Oにおいて互いに直交するように配置される。コイル 230の構成は、前記第 2の実施の形態に係るコイル 210, 220のそれと同一である。 例えば、コイル 210〜230の卷数、直径、幅は、いずれも互いに同一である。
[0062] 図 14は、この第 3の実施に形態に係る交流信号生成部 30bの構成を示す。この交 流信号生成部 30bは、前記第 2の実施の形態に係る交流信号生成部 30aに、前記コ ィル 230に対応するチャンネル Ch2及びアンプ 35が増設されたものであり、 DZAコ ンバータ 32は、前記チャンネル Ch2に対応する D/Aコンバータ 324をさらに含む。
[0063] この交流信号生成部 30bの制御装置 31は、 3個のコイル 210〜230の各々に供給 するデジタルの交流信号 A1〜A3を生成し、時分割多重により前記 DZAコンバータ 32のマルチプレクサ 321〖こ出力する。マルチプレクサ 321は、前記制御装置 31によ る制御の下、アナログの交流信号 A1〜A3をそれぞれ DZAコンバータ 322〜324 に入力する。 DZAコンバータ 322〜324は、それぞれ、デジタルの交流信号 Al〜 A3をデジタル/アナログ変換してからアンプ 33〜35に入力する。アンプ 33〜35は 、それぞれ、交流信号 A1〜A3を所定の利得で増幅してからコイル 210〜230にそ れぞれ出力する。
[0064] ユーザは、前記図 10に示される操作画面において、交流信号 A1〜A3の位相、電 圧 (振幅)、及び周波数を設定することで、 3次元空間内の任意の方向に磁界 Hを発 生させることができる。前記第 2の実施の形態では、水平面 S1上でしか磁界 Hを発生 させることができないが、この第 3の実施の形態に係る 3個のコイル 210〜230は、中 心 Oを通る任意の平面内で磁界 Hの大きさを特定方向に変化させたり、磁界 Hの向 きを回転させたりすることを可能にし、永久磁石 8の振動パターンをより多様ィ匕する。
[0065] 本発明の第 4の実施の形態を図 15に基づいて説明する。図 15は、この実施の形 態に係る歯列矯正装置の矯正器具が下顎側の歯列 3に取り付けられた状態を示す。 この第 4の実施の形態において前記第 1〜第 3の実施の形態に係る構成要素と同一 の構成要素には同じ参照符が付され、その説明が省略される。
[0066] この実施の形態に係る歯列矯正装置では、矯正器具が磁性体を兼ねる。具体的に は、矯正器具を構成するワイヤ 5が磁性材料により形成される。このワイヤ 5に前記第 1〜第 3の実施の形態と同様に適当な交流磁界が印加されると、当該ワイヤ 5が振動 してその振動 (機械的刺激)を歯列 3に直接付与する。すなわち、このワイヤ 5は、そ れ自身の弾性復帰力と機械的振動の双方を歯列に付与することによって、歯列矯正 作用を促進する。
[0067] 前記ワイヤ 5が矯正器具と磁性体とに兼用されることは、矯正器具とは別に磁性体 を設ける必要をなくし、その分部品点数を削減する。また、患者の口内に取り付けら れる部品の数を減らすことにより、患者が抱く不快感をより軽減する。
[0068] 前記磁性体は、ワイヤ 5全体を構成しなくてもよぐ少なくとも矯正対象歯に対向す る部分を構成すればよい。例えば、図 15に示す歯 3fが矯正対象である場合、ワイヤ 5のうち前記歯 3fに対向する部分 5aのみが磁性体で構成されても、矯正促進効果は 実現される。このようなワイヤ 5は、例えば、前記部分を構成するための磁化されたヮ ィャ切片と、それ以外のワイヤ 5の部分を構成するための磁ィ匕されて 、な 、ワイヤ切 片とを溶接等でつなぐ、という方法により作成されることが可能である。
[0069] 前記矯正器具にお!、て、前記ワイヤ 5の代わりに一部または全部のブラケット 4が磁 性体を兼ねてもよい。その場合、少なくとも矯正対象歯に取り付けられるブラケットが 磁化された材料で構成され、あるいは当該ブラケットの一部が磁石により構成されれ ばよぐそれ以外の歯に取付けられるブラケットが磁性体を兼ねる力否かは問わない
[0070] 図 16は、磁化されたブラケット 4aを含む矯正器具が下顎の歯列 3に装着された状 態を示す。この図の例では、歯 3fが矯正対象であり、この矯正対象歯 3fに、磁性体 で構成されたブラケット 4aが取付けられる。このブラケット 4aは、前記第 1〜第 3の実 施の形態と同様に適当な交流磁界の印加を受けることにより振動し、その振動 (機械 的刺激)を歯列 3に付与する。この場合も、歯列 3には、ワイヤ 5の弾性復帰力とブラ ケット 4aの機械的振動の双方が付与され、当該機械的振動が前記弾性復帰力によ る歯列矯正作用を促進する。
[0071] 前記ブラケット 4が矯正器具と磁性体とに兼用されることも、矯正器具とは別に磁性 体を設ける必要をなくし、その分部品点数を削減する。また、患者の口内に取り付け られる部品の数を減らすことにより、患者が抱く不快感をより軽減する。
[0072] 図 18は、前記マウスピース 7を製造するための装置の一例である製造装置 111を 示す斜視図である。この製造装置 111は、本体 114と、この本体 114上に立設される 複数本の支柱 118と、これらの支柱 118に当該支柱 118に沿って昇降可能となるよう に支持され、 EVAシート 115を上下から挟み込む一対のシート固定具 116, 117と、 前記支柱 118上に搭載される電熱器 119とを備える。前記本体 114は、前記歯型 1 が搭載可能なステージ 112を有するとともに、前記ステージ 112に形成された多数の 吸引孔 113からエアを吸引するための図略のポンプを内蔵する。
[0073] 図 19は、上述の製造装置 111を用いて行われるマウスピース 7の製造方法の第 1 の例を示す図である。
[0074] 図 19のステップ S1では、歯科医院において、使用者の歯列 3に印象材を付着させ ることによる型取りが行われる。ステップ S2では、歯科技工所等において、歯列形状 を保持している印象材に石膏を流し込み、固形化した後に石膏を取出すことで、前 記歯型 1が完成する。このとき、使用者の歯列 3に前記ブラケット 4やワイヤ 5を含む矯 正具が取り付けられていると、マウスピース 7を歯列 3に対して着脱する際に、内側ピ ース 7Aが矯正具のエッジに引掛力つて破損したり、ブラケット 4が歯の表面より外れ たりするおそれがある。このような不具合を防止するためには、前記歯型 1のブラケッ ト 4の部分やワイヤ 5の部分の隙間へのワックス剤等の充填により前記エッジを消滅さ せる方法が有効である。この方法は、使用者から印象を採取する際に水で流せる無 毒のワックス剤等をブラケット 4やワイヤ 5の隙間に予め充填しておく方法と比べて、 使用者の負担をより軽減する。
[0075] 図 19に示される製造方法において第 1に注目すべきは、前記内側ピース 7Aおよ び外側ピース 7Bが前記歯型 1に搭載された状態のままマウスピース 7の製造が進行 することである。前記の歯型 1は、ステップ S3で、製造装置 11のステージ 112上に搭 載される。一方、 EVAシート 115は、前記シート固定具 116, 117によって挟まれな 力 操作される。具体的には、前記シート固定具 116, 117が前記支柱 118に沿って 前記電熱器 119の近傍位置までリフトされることにより、同位置で加熱され、軟化する 。その軟ィ匕後は、前記シート固定具 116, 117の下降によって前記 EVAシート 115 が前記歯型 1上に徐々に被せられてゆく。
[0076] このとき、前記吸引孔 113からのエアの吸引力 前記 EVAシート 115を歯型 1に密 着させるための気流を形成する。その吸引を可能にするために前記歯型 1に切込み laが形成される。前記吸引は正確な型取りを可能にする。このような吸引式の成形 の原理がごく模式的に図 21 (a)に示される。前記シート固定具 116, 117の下降に 伴って前記電熱器 119も下降してもよ 、。この電熱器 119の下降は連続加熱を可能 にする。或いは、図 21 (b)に示すように、 EVAシート 115の周囲のエアの加圧によつ てもマウスピースの成形が可能である。この加圧と前記吸弓 Iとが併用されてもよ!、。
[0077] 以上のような成形によって内側ピース 7Aが完成する。このステップ S3までは、従来 のマウスピースの製造方法と同じである。図 19は、「マウスガードだけじやない!成形 器利用マニュアル」(前田'松田著、クインテツセンス出版)の 15頁の図 2— 11に示さ れるものである。
[0078] 次に注目すべきは、この第 1の例に係る製造方法では、ステップ S4において、前記 内側ピース 7Aが熱いうちにこの内側ピース 7Aに前記永久磁石 8が取付け可能であ ることである。前記マウスピース 7の材料、特に前記 EVAは、いわゆるホットボンドの 主原料にも使用されるほど、溶融時に高い粘性を示す。したがって、上述のようにス テツプ S3にお 、て半溶融状態で成形された直後の高温の内側ピース 7Aは、冷える までの間、高い粘性を示す。この内側ピース 7Aの余熱により該内側ピース 7Aの素 材が発揮する粘着力を前記永久磁石 8の取付けに利用することが可能である。具体 的には、前記内側ピース 7Aが高温であるうちに当該内側ピース 7Aに前記永久磁石 8が単に押付けられるだけでよい。これにより、接着剤等の特別な固定手段を用いる ことなく永久磁石 8の仮固定が可能である。 [0079] 前記内側ピース 7Aの粘性による接着力が不十分である場合には、その不足分が 補われればよい。例えば、永久磁石 8の側に突起が設けられ、前記内側ピース 7Aに 前記突起が差し込まれる部分が形成されてもよ!ヽし、加熱された EVAが補助的な接 着剤として固定部位に注入されてもよい。
[0080] さらに注目すべきは、図 19に示されるステップ S5において、内側ピース 7Aおよび 外側ピース 7Bの内部に前記永久磁石 8を気密状態で封止することが可能である点 である。具体的には、前記のように永久磁石 8が搭載された内側ピース 7A上に、前 記ステップ S3と同様に、加熱された EVAシート 115が被せられ、ァクチユエ一タが吸 引される。これにより、外側ピース 7Bが作成されるとともに、この外側ピース 7Bと前記 内側ピース 7Aとの間に前記磁性体が封止される。
[0081] 前記内側ピース 7Aおよび外側ピース 7Bの材料である前記 EVAシート 115の軟化 温度は、前記磁性体の耐熱温度よりも低く設定される。つまり、前記磁性体として予 め所定の耐熱温度が設定された永久磁石 8が用いられる場合、前記 EVAシート 115 には前記耐熱温度よりも低 ヽ軟ィ匕点を有するものが選ばれる。このような EVAシート の採用は、磁性体の過度の昇温による不具合を確実に防止しつつ、当該磁性体の 上に直接 EVAシートを被せて前記外側ピース 7Bを溶融成形することを可能にする。 このような低い軟ィ匕点を有する EVAシートとしては、「バイオプラスト」(製品名)が例 示される。
[0082] 前記磁性体の耐熱温度がさらに高 ヽ場合には、前記 EVA系の材料に代えて、そ れよりも軟ィ匕点の高い材料を用いることが可能である。具体的には、軟化点が 100°C 前後のポリオレフイン系の材料、例えば「MG— 21」(製品名)や、軟化点が百数十。 C の PET— Gの材料、例えば「デュラン」(製品名)を用いることができる。
[0083] 前記永久磁石 8は、例えば電動ァクチユエータのように配線を要しな 、。このことは 、マウスピース 7内への永久磁石 8の完全な内蔵を容易にする。
[0084] 図 20は、第 2の例に係るマウスピースの製造方法を説明するための図である。この 製造方法は、前記図 19に示される第 1の例に係る製造方法に類似するので、両例に 共通する要素には共通のステップ番号が付され、その説明が省略される。
[0085] この第 2の例に係る製造方法において注目すべきは、前記図 19に示されるステツ プ S5における外側ピース 7Bの作成工程が、図 20に示されるステップ S 5' に変更さ れることである。このステップ では、前記永久磁石 8が搭載された内側ピース 7A がセットされた歯型 1が、前記図 18に示されるステージ 112上に傾斜状態でセットさ れる。この傾斜は、前記永久磁石 8によって前記歯列 3が気流の陰になるのを防ぐた めのものである。この傾斜は、歯型 1のうち永久磁石 8が搭載される部分の裏側に図 2 0に示されるような架台 121が挟み込まれることにより与えられる。
[0086] 前記内側ピース 7Aおよび外側ピース 7Bの材料は、その軟ィヒ点の温度が前記永久 磁石 8の耐熱温度よりも低ぐかつ、人体に害のないものであればよい。この条件を満 たす範囲で、成型後に各ピース 7A, 7Bにそれぞれに要求される硬度に基づいて任 意に前記材料が選択される。し力 ながら、好ましくは当該材料として柔らかい榭脂 が使用されるのがよい。この柔らかい榭脂の使用は、磁性体から歯や歯肉に与えら れる刺激の緩和、当該歯や歯肉に与えられる荷重の軽減、痛みなどの不快感の軽 減、硬質のマウスピースと比べての装用感の向上といった利点を有する。
[0087] 一方、前記材料として硬 ヽ榭脂を採用することは、マウスピースの精密な成形を可 能にし、また、保存環境によるマウスピースの変形が少なぐその品質を保ちやすいと いった利点を有する。従って、これらの利点を重視する場合には硬い樹脂が採用さ れてもよい。
[0088] また、内側ピース 7Aを構成する材料と外側ピース 7Bを構成する材料とが相違して いてもよい。
[0089] 例えば、軟質樹脂で作成された内側ピース 7Aと、硬質樹脂で作成された外側ピー ス 7Bとからなる 2重構造のマウスピースでは、その内側ピース 7Aが磁性体の衝撃を 有効に緩和し、矯正対象の歯や歯肉への負担を軽減する一方、硬質樹脂からなる 外側ピース 7Bが環境により変形しにく 、ために保存しやす!/、。
[0090] 逆に、硬質榭脂により作成された内側ピース 7Aと、軟質榭脂により作成された外側 ピース 7Bとを備えるマウスピースは、その軟質榭脂からなる外側ピース 7Bがスポーツ 時や日常生活時に外部力 の衝撃を吸収することにより、当該衝撃に起因するマウ スピースや当該マウスピースが装着された歯の破損を有効に抑止する一方、硬質榭 脂からなる内側ピース 7Aが精密な内面形状を有するマウスピースの作成を可能にす る。また、全体が軟質樹脂からなるマウスピースよりも形状の保持が容易である。
[0091] さらに、前記のような二重構造ではなく単一ピース力 なるマウスピースにおいても 、柔らかい部分、すなわち歯列 3に刺激を弱く伝える部分と、硬い部分、すなわち歯 列 3に刺激を強く伝える部分とを混在させることが可能である。
[0092] 前記マウスピースを構成する榭脂としては、柔らか!/、順に、 EVA→ポリオレフイン→ ポリエステルなどが挙げられる。同じ素材でも製品によって配合比及び硬さが異なる 力 前記 EVAのほとんどは、ショァ硬度 80〜90程度の柔らかい素材で、軟質マウス ピースの素材として広く使用されている。逆に、前記ポリエステルはほとんどが硬い素 材で、硬質マウスピースの素材として広く使用されている。ポリオレフインは、その配 合比により柔らカ 、ものと硬いものとが存在する力 一般には前記 EVAと前記ポリェ ステルとの間に位置する硬度をもつ材料として用いられて 、る。
[0093] 次に、第 5〜第 11の実施の形態に係るマウスピースを図 22〜図 28を参照しながら 説明する。これらの実施の形態に係るマウスピースは、矯正対象歯 3g, 3hに対応す る部分以外の特定部分が分断された分断部を有する。この分断部は、磁性体が生成 する機械的振動が矯正対象歯 3g, 3hに限定的に作用するように当該機械的振動の 伝達を抑制する。
[0094] 図 22は、第 5の実施の形態に係るマウスピース 7— 1を示す。このマウスピース 7— 1 における分断部は切り欠き部 7pである。この切り欠き部 7pは、前記マウスピース 7—1 のうち矯正対象歯 3g, 3hに対応する部分以外の部分の歯冠部が切り欠かれたもの であり、図では歯 3c〜3e及び歯 3j〜31の歯冠部が例えば楕円状に切り欠かれてい る。この切り欠き部 7p以外でマウスピース 7—1に残る歯根部分 7qが切り欠き部 7pよ りも前側の部分と後側の部分とを一体に連結している。
[0095] 図 23は、第 6の実施の形態に係るマウスピース 7— 2を示す。このマウスピース 7— 2 の分断部も切り欠き部 7pである。この切り欠き部 7pは、前記マウスピース 7— 2のうち 矯正対象歯 3g, 3hに対応する部分以外の部分の歯根部が切り欠かれたものであり 、図では歯 3c〜3e及び歯 3j〜31の歯根部が例えば楕円状に切り欠かれている。こ の切り欠き部 7p以外でマウスピース 7— 2に残る歯冠部分 7rが前記切り欠き部 7pより も前側の部分と後側の部分とを一体に連結している。 [0096] 前記マウスピース 7— 1, 7— 2では、矯正対象歯 3g, 3hに対応する部分に、機械 的振動を生成するための永久磁石 8が格納されるとともに、矯正対象歯 3g, 3h以外 の部分に、機械的振動の伝達を抑制する切り欠き部 (分断部) 7pが形成されて 、る。 このことは、矯正対象歯 3g, 3hに対して部分的にかつ正確に振動を付与することを 可能にする。
[0097] 前記切り欠き部 7pは、例えば前記図 1に示されるマウスピース 7のうちの歯冠部また は歯根部をカッターナイフ等を用いて切除するという後加工により形成される。従って 、この切り欠き部 7pを有するマウスピース 7—1 , 7— 2の製造が容易である。例えば、 使用者が現に装着しているマウスピースからもその後加工によって前記切り欠き部 7 pをもつマウスピースを容易に製造することができる。
[0098] 前記マウスピース 7— 1, 7— 2に残った歯根部分 7qまたは歯冠部分 7rが前記切り 欠き部 7pの前側部分と後側部分とを連結することは、歯列 3の全体に装着可能なマ ウスピース 7—1, 7— 2の形状を保つ。この形状は、マウスピース 7—1, 7— 2を歯列 3に装着する操作を容易にし、装着状態では、永久磁石 8が矯正対象歯 3g, 3hに対 応する部分に正確に位置することを可能にする。
[0099] 図 24は、第 7の実施の形態に係るマウスピース 7— 3を示す。このマウスピース 7— 2 の分断部はマウスピース 7— 3のうち矯正対象歯 3g, 3hに対応する部分以外の部分 に形成されたスリット部 7sである。図では歯 3f, 3gの間の部分と歯 3h, 3iの間の部分 とにそれぞれ前記スリット部 7sが形成され、各スリット部 7sの前後部分が互いに一体 に連結されている。図 24の右側のスリット部 7sは、歯根部側から歯冠部側に向いて おり、左側のスリット部 7sは、歯冠部側力も歯根部側に向いている。本発明ではこの スリット部の向きが限定されない。
[0100] この第 7の実施の形態に係るマウスピース 7— 3も、前記マウスピース 7—1, 7— 2と 同様の作用効果を奏することができる。
[0101] 図 25は、第 8の実施の形態に係るマウスピース 7—4を示す。このマウスピース 7—4 の分断部は、矯正対象歯 3g, 3hに対応する部分以外の部分が切断された切断部 7 tである。図では、歯 3f, 3gの間と歯 3h, 3iの間がそれぞれ切断されることにより切断 部 7tが形成され、各切断部 7tの前後部分が別の部材、例えばマウスピース 7— 4に インサートモールドされたワイヤ 21等で一連に連結されている。
[0102] この第 8の実施の形態に係るマウスピース 7—4も、前記マウスピース 7—1, 7— 2,
7— 3と同様の作用効果を奏することができる。
[0103] 図 26は、第 9の実施の形態に係るマウスピース 7— 5を示す。このマウスピース 7— 5 の分断部は、柔軟な素材で形成された柔軟部 7uである。このマウスピース 7— 5では 、矯正対象歯 3g, 3hに対応する部分が通常のマウスピース素材で形成される一方、 それ以外の部分(図 26に斜線で示された部分)が、機械的振動が伝達しにくい柔軟 な素材で形成されて前記柔軟部 7uを構成して 、る。
[0104] この第 9の実施の形態に係るマウスピース 7— 5も、前記マウスピース 7—1, 7— 2, 7- 3, 7— 4と同様の作用効果を奏することができる。さらに、このマウスピース 7— 5 では、前記切り欠き部 7pや前記スリット部 7sのような隙間が存在しないという利点が ある。
[0105] 図 27は、第 10の実施の形態に係るマウスピース 7— 6を示す。このマウスピース 7— 6の分断部は、二点鎖線で示される切り除き部 7vである。この切り除き部 7vは、マウ スピース 7— 4の少なくとも矯正対象歯 3g, 3h (図では矯正対象歯 3g, 3hにカ卩えてそ の付近の歯 3f, 3iも含まれる。 )に対応する部分以外の部分が切除されることにより 形成される。従って、このマウスピース 7— 6は、矯正対象歯 3g, 3h (もしくは矯正対 象歯 3g, 3h及びその付近の歯 3f, 3i)のみに装着される。
[0106] この第 10の実施の形態に係るマウスピース 7— 6も、前記マウスピース 7—1, 7— 2 , 7- 3, 7-4, 7— 5と同様の作用効果を奏することができる。
[0107] 前記マウスピース 7— 6が装着される歯は単一でもよい。例えば、マウスピース 7— 6 は、 1本の矯正対象歯 3gや矯正対象歯 3hのみに装着される形構造を有するもので ちょい。
[0108] 全ての歯 3a〜3nが矯正対象歯である場合、その矯正対象歯 3a〜3nの 1本毎に、 個々にマウスピース 7— 6が装着されてもよい。この場合には、前記マウスピース 7— 6 のうち治療が完了した歯に対応するもの力も順に取り外すことが可能である。あるい は、マウスピース 7— 6の装着及び取り外しを順次行うことも可能である。例えば、最 初に奥歯側の歯にマウスピース 7— 6を装着して治療を行い、治療が完了した後に、 このマウスピース 7— 6を取り外し、次に、これよりも前歯側の歯にマウスピース 7— 6を 装着して治療を行うと!、うように、奥歯側力も前歯側の方向に順にマウスピース 7— 6 を装着 Z取り外すことも可能である。
[0109] 図 28は、第 11の実施の形態に係るマウスピース 7— 7を示す。このマウスピース 7— 7の分断部は、マウスピース 7— 7のうち矯正対象歯 3c, 3dに対応する部分と矯正対 象歯 3g, 3hに対応する部分と矯正対象歯 3k, 31に対応する部分とを除く部分を切り 除いた切り除き部 7v (二点鎖線参照)である。従って、このマウスピース 7— 7は前記 矯正対象歯 3c, 3dと前記矯正対象歯 3g, 3hと前記矯正対象歯 3k, 31とにのみ装着 される。
[0110] この第 11の実施の形態に係るマウスピース 7— 7も、前記マウスピース 7—1, 7- 2 , 7- 3, 7-4, 7- 5, 7— 6と同様の作用効果を奏することができる。
[0111] 前記マウスピース 7— 7は、前記切り除き部(分断部) 7vによって複数 (本例では 3個 )の互いに独立したセグメントに分断されている。この構造では、セグメント毎に与える 振動の方向、強度を変更することが可能であり、このことは様々な歯列や咬合の状態 に適応することを可能にする。また、セグメント毎に単数または複数の永久磁石 8が格 糸内されることが可會である。
[0112] 第 9〜第 11の実施の形態に係るマウスピース 7— 1〜7— 4では、その分断部よりも 前側の部分と後側の部分とがー体に連結されて 、るために、マウスピース全体が単 一のセグメントにより構成される力 各分断部は機械的振動の伝達を抑制するので、 当該分断部の前後部分を互いに独立したセグメントと同視することができる。従って、 前記分断部の前後のセグメントに、第 11の実施の形態に係るマウスピース 7— 7と同 様にして、永久磁石 8が格納される構造では、セグメント毎に与える振動の方向、強 度を変更することが可能であり、これによつて様々な歯列や咬合の状態に適応するこ とができる。また、セグメント毎に単数または複数の磁性体が格納されることも可能で ある。
[0113] また、第 9〜第 11の実施の形態に係るマウスピース 7— 1〜7— 4では、その分断部 が切り欠き部 7p、スリット部 7s、または切断部 7tであるから、その分断部の前後部分 のセグメントにそれぞれ磁性体が格納されている場合、治療計画により治療が不要と されるセグメントや治療が完了したセグメントを、前記分断部での切断により局所的に 除去することも可能である。分断部で切断された箇所は再度結合可能である構造を 有することが、より好ましい。この構造は、例えば、互いに係脱可能な金具、互いに吸 引し合う磁性体、粘着性素材等が予め前記切断箇所に取付けられることにより実現 可能である。
[0114] 前記実施形態に係るマゥスピース7— 1〜7— 7は、内側ピース 7Aと外側ピース 7B とを有する内外二重構造のものに限られない。要するに、矯正対象歯に相当する部 分に磁性体が格納されて 、ればよ 、。
[0115] 図 29は、本発明の第 12の実施の形態に係るマウスピース 7を使用者の下顎に装着 した状態を示す斜視図であり、図 30は図 29の切断面線 40— 40から見た断面図で ある。
[0116] この実施の形態に係るマウスピース 7の特徴は、磁性体格納部の格納空間の形状 にある。この格納空間は、当該格納空間内で前記磁性体自身が移動することを可能 にする遊びを当該磁性体に与える形状を有する。
[0117] 図 29において、前記マウスピース 7を構成する外側ピース 7Bには、前記第 1の実 施の形態と同様に膨らみ部 7aが形成され、この膨らみ部 7a内に磁性体である永久 磁石 8が格納される。この永久磁石 8は、円柱状をなし、その中心軸の方向が歯列 3 に沿う水平方向(左右方向)となる姿勢で前記膨らみ部 7a内に格納される。
[0118] 一方、前記膨らみ部 7a内に形成される格納空間 7b、すなわち前記永久磁石 8を収 納するための空間は、その軸直角断面が水平方向に長 、小判状である筒状をなし ている。従って、この格納空間 7bの形状は前記永久磁石 8の外形よりも大きくて当該 格納空間 7b内に水平方向(口腔の内外方向)の空隙すなわち遊びが生じる形状とな つている。
[0119] この実施の形態に係る格納空間 7aは、前記永久磁石 8を完全には拘束せず、当該 永久磁石 8が水平方向(口腔の内外方向)に変位するのを許容する。すなわち、前記 永久磁石 8に遊びを与える。従って、磁性体である永久磁石 8が生成する振動荷重 は、当該永久磁石 8自身を前記空隙の方向(水平方向)に振動させ、前記格納空間 7bを形成する壁面と衝突する。この衝突荷重は、前記マウスピース 7を装着した使用 者の歯列 3に加えられる振動を大きくし、その分矯正効果をより一層高める。
[0120] 図 32は、本件発明者による実験結果を示すグラフである。図 32 (a)は、参考例とし て、前記格納空間 7bの形状が永久磁石 8の外形と同等であるマウスピース 7、すなわ ち、前記格納空間 7b内に前記永久磁石 8が完全に拘束されているマウスピース 7か ら前記矯正対象歯 3g, 3hに加えられる振動の大きさを示し、図 32 (b)は前記図 29 に示されるように格納空間 7b内に遊びを有する場合の振動の大きさを示す。
[0121] 図 32 (a)は、前記永久磁石 8が前記格納空間 7b内で完全に拘束されている場合 に、前記永久磁石 8の偏心錘により 200Hz程度の規則正しい振動が 30g程度の振 動荷重で加わることを示している。一方、同図(b)は、前記遊びが有る場合に振動は 不規則になるが振動荷重が最大で 60g程度まで増カロ (倍増)していることを示す。
[0122] さらに、この実施の形態では、前記遊びの方向(間隙の方向)は、前記格納空間 7b 内で前記矯正対象歯 3g, 3hの矯正方向に適応した方向と一致している。このことは 、矯正効果の促進に大きく寄与する。
[0123] 例えば、手前に出ている歯を奥に引っ込める場合、および奥に引っ込んでいる歯 を手前に引出す場合には、その前後方向に前記空隙の方向が合致すればよい。ま た、捻れている歯を整列させる場合には、これを捻転させるべき方向であって歯面に 対し略直交する方向に前記空隙の方向が合致して 、ればよ!/、。図 33に示す例では 、上から見て反時計回り方向に捻転させるべき矯正対象歯 3gに対し、その右半分の 歯面に対し略直交するように空隙の方向が設定される。
[0124] このような空隙を利用した振動効果は、指向性の高い振動荷重を歯列に付与する ことを可能にする。
[0125] 本発明の第 13の実施の形態を、図 34を参照しながら説明する。図 34は、本発明 の実施の一形態に係るマウスピース を使用者の歯型 1に装着した状態を示す斜 視図である。本実施の形態のマウスピース は、下顎の歯型 11に対応した下側ピ ース 71と、上顎の歯型 12に対応した上側ピース 72と、前記矯正対象歯から離間す る位置で両ピース 71, 72同士を連結する連結部材 251, 252と、磁性体の一例であ る永久磁石 8とを備える。前記上側ピース 71は、上側の歯列に装着可能であり、前記 下側ピース 72は下側の歯列に装着可能である。 [0126] このマウスピース 7' の下側ピース 71及び上側ピース 72は、いずれも、前記図 18 に示される製造装置 111と同等の装置を用いて、前記図 19に示される製造方法と同 等の方法によりそれぞれ製造される。その後、次の要領で前記連結部材 251, 252 が形成される。
[0127] まず、前記のようにして製造された下側ピース 71および上側ピース 72は、嚙み合わ せの調整された歯型 1におけるそれぞれに対応する歯型 1A, 1Bに装着される。次 に、両歯型 1A, 1Bが開放された状態で、両端が加熱されて溶融した状態の EVA柱 が下側ピース 71の所定位置に立設され、その後、歯型 1A, 1Bが所定の角度まで閉 じられる。これにより、前記 EVA柱の反対側の端部が上側ピース 72と接触する。この 状態のままの冷却により、前記 EVA柱が両ピース 71, 72を連結する連結部材 251, 252となり、上下一対のマウスピース^ が完成する。
[0128] 前記連結部材 251, 252は、前記上側ピース 72と下側ピース 71との間において、 矯正対象歯から離間した位置に設けられる。例えば、図 34に示されるように矯正対 象歯が左右の臼歯(図 1に示される歯列では例えば歯 3a〜3d及び歯 3k〜3n)であ つてその近傍位置で永久磁石 8がマウスピース に内蔵される場合には、同図に 示されるような前歯(中切歯) 3g, 3h付近の位置に前記連結部材 251, 252が形成さ れればよい。また、第 14の実施の形態として図 35に示すマウスピース^ ' のように 、単一の連結部材 250のみが形成されたものでもよい。一方、矯正対象歯が図 1に 示される前歯 (側切歯) 3f, 3iおよび前歯 (犬歯) 3e, ¾であって図 2に示される位置 に前記永久磁石 8が内蔵される場合は、左右の奥歯またはその近傍の位置 (例えば 図 1の歯 3c, 3d及び歯 3k, 3ほたはその近傍の位置)にそれぞれ連結部材が形成さ れればよい。
[0129] 第 15の実施の形態として図 36に示されるマウスピース ' ' では、左右の連結 部材(同図では左側の連結部材 251のみ図示)が臼歯よりもさらに奥の位置に設けら れる。このような位置に設けられる連結部材は、図 1に示されるような前歯(中切歯) 3 g, 3h、前歯(側切歯) 3f, 3i、前歯(犬歯) 3e, 3j、臼歯 3a〜3d, 3k〜3nのいずれ の部分にも嚙み合わせによる荷重が加わらな 、ようにすることが可能である。すなわ ち、開口状態を保つことが可能である。このようなマウスピースは歯列全般の矯正を 行う場合に好適である。
[0130] 前記各連結部材を具備するマウスピースでは、前記永久磁石 8が設けられる位置 での上側ピース 72と下側ピース 71との咬合状態(咬合力や咬合面)が一定に保持さ れる。このことは、使用者が無意識のうちに永久磁石 8付近を嚙み込んでしまうことに 起因する振動伝達形態の変化を防止する。すなわち、使用者が開口状態を続けるよ うに努力する必要をなくし、これにより当該使用者の負担を減らしながら、矯正対象歯 に所期の振動を加え続けることにより良好な矯正効果を得ることが可能である。
[0131] 本発明に係るマウスピースの内面形状は、ワイヤ 5やブラケット 4などの矯正具を装 着した使用者の歯型 1に沿った形状であることが、好ましい。このように矯正具の形状 が反映されたマウスピースは、当該矯正具の上力 重ねて歯列に装着されることが可 能であり、当該矯正具と併用されることができる。
[0132] 図 37は、このようなマウスピースを製造するための方法を説明するための図である。
ここで注目すべきは、歯型 1にブラケット 4やワイヤ 5が装着された状態で印象採取さ れ (ステップ S1)、歯型 1が完成される (ステップ S2)。その後、ステップ S11で、前記 歯型 1のブラケット 4の部分やワイヤ 5の部分の隙間に歯科用ワックス剤 260が充填さ れ、これにより凹凸が消される。前記歯科用ワックス剤としては、通称「パラフィンヮック ス」などが使用されることができる。この材料は、常温では固体であり、アルコールラン プなどにより加熱され溶融して液体となった状態で使用される。
[0133] この方法は、ステップ S1での印象採取時にワックス剤を使用する方法、すなわち、 使用者がブラケット 4やワイヤ 5を装着した状態で、水で流せる無毒のワックス剤等を 前記ブラケット 4やワイヤ 5の隙間に充填した後に印象を採取する方法に比べ、使用 者の負担を軽減する。
[0134] しかも、ステップ S12において、シリコンを用いて採取される印象材 6の内面形状は 、前記ブラケット 4及びワイヤ 5からなる矯正具の外形の包絡線に相当する形状を有 することになる。この形状は、前記矯正具が有する凹凸と、成形されるマウスピースの 内面との干渉を回避することが可能な形状であり、前記印象材の内面と歯列 3の外面 との間には空隙が確保される。その後、ステップ S 13で、印象材 6に石膏が流し込ま れ、固形ィ匕した後に石膏が取出されることにより、実際にマウスピース 7の作製に使用 する歯型 1 'が完成される。ステップ S13以降の工程は、前記図 19に示した方法と同 等である。
[0135] このようにして製造されたマウスピース 7の内側ピース 7Aの内面形状は、ワイヤ 5や ブラケット 4などの矯正具を装着した使用者の歯型 1に沿った形状となる。つまり、この マウスピース 7の内面には矯正具の形状が反映されるため、この矯正具の上力 前 記マウスピース 7が装着可能であり、このことは当該マウスピース 7と前記矯正具との 併用を可能にする。
[0136] また、前記内側ピース 7Aの内面形状は、前記ワイヤ 5やブラケット 4など力もなる矯 正具の凹凸を減らした後の形状に対応するものであって、その凹凸の形状を空隙と して反映させる形状であるので、鋭利なワイヤ 5やブラケット 4と内側ピース 7Aとの干 渉を減少させることができる。このことは、着脱時における矯正具のずれや脱落、及 びマウスピース 7の損傷を防止する。
[0137] 以上のように、本発明は、歯列を矯正するための歯列矯正装置であって、前記歯列 を矯正するために当該歯列に含まれる特定の歯に装着される矯正器具と、磁界生成 装置と、前記歯列に取付けられ、前記磁界生成装置により生成される磁界により振動 してその振動を前記矯正器具が装着された歯に付与する磁性体と、を備える装置を 提供する。
[0138] また本発明は、歯列を矯正するための歯列矯正方法であって、前記歯列を矯正す るために当該歯列に含まれる特定の歯に矯正器具を装着するステップと、前記歯列 に磁性体を取付けるステップと、前記歯列に取付けられた磁性体を振動させるため の磁界を形成し、その磁性体の振動を前記矯正器具が装着された歯に付与するス テツプと、を含む方法を提供する。
[0139] これらの装置及び方法では、歯列に取付けられる磁性体が磁界によって振動させ られ、その振動を前記矯正器具が装着された歯に付与する。この振動の付与は、前 記矯正器具による矯正作用を促進し、歯列矯正のための治療期間を短縮する。前記 磁性体は、これを振動させるための磁界生成装置と物理的に直接接続される必要が ない。従って、例えば電動ァクチユエータを用いて前記振動を生成する場合と異なり 、給電を行うための配線や患者による前記磁界生成装置の装用は不要である。この ことは、磁界生成装置の生成する磁界が及ぶ範囲内で患者が配線に煩わされること なく自由に移動することを可能にし、その患者の負担を軽減する。
[0140] 前記磁界生成装置としては、電流の供給を受けることにより前記磁界を生成する一 または複数のコイルを含むもの力 好適である。
[0141] 例えば、前記磁界生成装置が、中心軸が互いに交差するように配置される 2個の円 形コイルを含むものであれば、特定の平面上の任意の方向に磁性体を振動させるこ とが可能である。
[0142] また、前記磁界生成装置が、中心軸が互いに交差するように配置される 3個の円形 コイルを含むものであれば、 3次元空間内の任意の方向に磁性体を振動させることが 可能である。
[0143] また、前記磁界生成装置がヘルムホルツコイルを含むものであれば、磁界強度が 均一である領域が拡大される。このような領域の拡大は、不意に頭部が運動しても安 定したトルクで磁性体を振動させることを可能にし、これにより患者の治療負担を低減 させることを可會 にする。
[0144] 本発明は、さらに、歯に装着されるマウスピースを備え、このマウスピースに前記磁 性体が取り付けられるものでもよい。使用者は、このように磁性体が取り付けられたマ ウスピースを歯列に装着することによって、前記磁性体を歯列に容易に取り付けるこ とがでさる。
[0145] その場合、前記マウスピースは、このマウスピースのうち矯正対象歯に対応する部 分以外の部分で分断された分断部を有し、この分断部は、前記磁性体の生成する機 械的振動が前記矯正対象歯を含む部分に限定的に作用するように機械的振動の伝 達を抑制するものであることが、より好ましい。
[0146] この構成は、矯正対象歯に限定的に振動を付与することを可能にする。
[0147] 前記分断部を含むマウスピースとしては、その製造を容易にする観点から、例えば 次のような構成のいずれかを含むもの力 好ましい。
[0148] a)前記マウスピースの分断部力 マウスピースの矯正対象歯以外の歯根部及び歯 冠部のうちのいずれか一方の部分が切除された形状を有する切り欠き部であり、他 方の部分が前記切り欠き部よりも前側の部分と後ろ側の部分とを一体に連結する。 b)前記マウスピースの分断部は、マウスピースの矯正対象歯以外の部分に形成さ れたスリット部であり、このスリット部よりも前側の部分と後ろ側の部分とが互いに連結 されている。
c)前記マウスピースの分断部は、マウスピースの矯正対象歯以外の部分が切断さ れることにより形成された切断部であり、この切断部よりも前側の部分と後ろ側の部分 とが当該切断部を構成する部材とは別の部材を介して連結されている。
d)前記マウスピースの分断部は、マウスピースの矯正対象歯以外の部分が切り除 かれることにより形成された切り除き部であり、この切り除き部は、当該マウスピースが 矯正対象歯だけに装着される形状となる位置に形成される。
e)前記マウスピースの分断部は、例えば、マウスピースの矯正対象歯以外の歯根 部または歯冠部のいずれか一方を切り欠いた切り欠き部であり、マウスピースに残つ た他方の部分で切り欠き部の前後部分が一連に連結されている。
[0149] また、前記マウスピースは、その内部に前記磁性体を格納するための格納空間を 有し、この格納空間は、当該格納空間内で前記磁性体自身が移動することを可能に する遊びを当該起振素子に与える形状を有することが、より好ましい。
[0150] 前記遊びは、前記磁性体が生成する振動荷重によって当該起振素子自身が前記 格納空間内で動くことを許容する。この動きが許容された磁性体は、前記格納空間を 囲むマウスピースの内面に衝突する。この衝突による荷重は、マウスピースを装着し た使用者の歯列に加えられる振動をより大きくすることが可能である。
[0151] 前記格納空間としては、特に、当該格納空間内で前記矯正対象歯の矯正方向に 適応した方向に空隙が形成される形状を有するものが好適である。この形状は、矯 正対象歯に与えられる振動の指向性を高める。
[0152] 前記磁性体は、前記矯正器具の一部または全部を構成してもよ ヽ。この磁性体は 、矯正器具に兼用されるため、装置全体の部品点数を減らして構造を簡素化する。
[0153] 具体的に、前記矯正器具がワイヤとこのワイヤを歯に固定するためのブラケットとを 備えるものである場合、前記磁性体は、前記ワイヤの一部または全部を構成するもの でもよ 、し、前記ブラケットのうちの一部のブラケットまたは全部のブラケットを構成す るちのでちよい。 前記磁界生成装置が形成する磁界の向きや大きさは、仕様に応じて種々設定され ることが可能である。例えば、向きが固定され、かつ大きさが周期的に変化する磁界 、いわゆる交番磁界は、磁性体を直線的に振動させることができる。また、特定の平 面上で向きが回転し、かつ大きさが周期的に変化する磁界は、磁性体の振動方向を 経時的に変化させることが可能である。前記磁界の大きさは、例えば 0. 15mT以上 0 . 18mT以下の範囲にあることが好ましい。この範囲の磁界は、骨化促進効果を与え ることが知られている。この効果と、当該磁界が磁性体を介して歯に機械的振動を与 える効果との相乗効果が、骨化促進効果をさらに高め、治療期間をより短縮する。

Claims

請求の範囲
[1] 歯列を矯正するための歯列矯正装置であって、
前記歯列を矯正するために当該歯列に含まれる特定の歯に装着される矯正器具と 磁界生成装置と、
前記歯列に取付けられ、前記磁界生成装置により生成される磁界により振動してそ の振動を前記矯正器具が装着された歯に付与する磁性体と、を備える。
[2] 請求項 1記載の歯列矯正装置において、
前記磁界生成装置は、電流の供給を受けることにより前記磁界を生成する一また は複数のコイルを含む。
[3] 請求項 2記載の歯列矯正装置において、
前記磁界生成装置は、中心軸が互いに交差するように配置される 2個の円形コイル を含む。
[4] 請求項 2記載の歯列矯正装置において、
前記磁界生成装置は、中心軸が互いに交差するように配置される 3個の円形コイル を含む。
[5] 請求項 2記載の歯列矯正装置において、
前記磁界生成装置は、ヘルムホルツコイルを含む。
[6] 請求項 1〜5のいずれかに記載の歯列矯正装置において、
歯に装着されるマウスピースを備え、このマウスピースに前記磁性体が取り付けられ る。
[7] 請求項 6記載の歯列矯正装置において、
前記マウスピースは、このマウスピースのうち矯正対象歯に対応する部分以外の部 分で分断された分断部を有し、この分断部は、前記磁性体の生成する機械的振動が 矯正対象歯を含む部分に限定的に作用するように機械的振動の伝達を抑制する。
[8] 請求項 7記載の歯列矯正装置において、
前記マウスピースの分断部は、マウスピースの矯正対象歯以外の歯根部及び歯冠 部のうちのいずれか一方の部分が切除された形状を有する切り欠き部であり、他方 の部分が前記切り欠き部よりも前側の部分と後ろ側の部分とを一体に連結する。
[9] 請求項 7記載の歯列矯正装置において、
前記マウスピースの分断部は、マウスピースの矯正対象歯以外の部分に形成され たスリット部であり、このスリット部よりも前側の部分と後ろ側の部分とが互いに連結さ れている。
[10] 請求項 7記載の歯列矯正装置において、
前記マウスピースの分断部は、マウスピースの矯正対象歯以外の部分が切断され ることにより形成された切断部であり、この切断部よりも前側の部分と後ろ側の部分と が当該切断部を構成する部材とは別の部材を介して連結されている。
[11] 請求項 7記載の歯列矯正装置において、
前記マウスピースの分断部は、マウスピースの矯正対象歯以外の部分が切り除か れることにより形成された切り除き部であり、この切り除き部は、当該マウスピースが矯 正対象歯だけに装着される形状となる位置に形成される。
[12] 請求項 6〜: L 1の 、ずれかに記載の歯列矯正装置にぉ 、て、
前記マウスピースは、その内部に前記磁性体を格納するための格納空間を有し、こ の格納空間は、当該格納空間内で前記磁性体自身が移動することを可能にする遊 びを当該磁性体に与える形状を有する。
[13] 請求項 12記載の歯列矯正装置において、
前記格納空間は、当該格納空間内で前記矯正対象歯の矯正方向に適応した方向 に空隙が形成される形状を有する。
[14] 請求項 1〜5のいずれかに記載の歯列矯正装置において、
前記磁性体は、前記矯正器具の一部または全部を構成する。
[15] 請求項 14記載の歯列矯正装置において、
前記矯正器具は、ワイヤとこのワイヤを歯に固定するためのブラケットとを備え、 前記磁性体は、前記ワイヤの一部または全部を構成する。
[16] 請求項 14記載の歯列矯正装置において、
前記矯正器具は、ワイヤとこのワイヤを歯に固定するためのブラケットとを備え、 前記磁性体は、前記ブラケットのうちの一部のブラケットまたは全部のブラケットを構 成する。
[17] 請求項 1〜16のいずれかに記載の歯列矯正装置において、
前記磁界生成装置は、向きが固定され、かつ大きさが周期的に変化する磁界を形 成する。
[18] 請求項 1〜16のいずれかに記載の歯列矯正装置において、
前記磁界生成装置は、特定の平面上で向きが回転し、かつ大きさが周期的に変化 する磁界を形成する。
[19] 請求項 1〜18のいずれかに記載の歯列矯正装置において、
前記磁界生成装置は、 0. 15mT以上 0. 18mT以下の磁界を生成する。
[20] 歯列を矯正するための歯列矯正方法であって、
前記歯列を矯正するために当該歯列に含まれる特定の歯に矯正器具を装着する ステップと、
前記歯列に磁性体を取付けるステップと、
前記歯列に取付けられた磁性体を振動させるための磁界を形成し、その磁性体の 振動を前記矯正器具が装着された歯に付与するステップと、を含む。
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