WO2010044331A1

WO2010044331A1 - 椅子

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Publication number: WO2010044331A1
Application number: PCT/JP2009/066329
Authority: WO
Inventors: 益永　浩; 藤田　寿人
Original assignee: 株式会社岡村製作所
Priority date: 2008-10-16
Filing date: 2009-09-18
Publication date: 2010-04-22
Also published as: US20110198907A1; CN102176847A; CN102176847B; EP2347679B1; EP2347679A4; KR20110084241A; EP2347679A1; CA2752446A1

Abstract

椅子の旋回時等に背凭れ支持杆が他物に当接して、それを傷つけたり、背凭れ支持杆自体が傷つけられたりするのを確実に防止することができるとともに、部品点数が少なく、構造が簡単で、容易に組み立てることができるようにした椅子を提供する。脚体（３）によって支持され、かつ座（７）を支持する支基（５）に、上方を向く起立部（９ａ）と前方を向く前向部（９ｂ）とが、屈曲部（９ｃ）を介して互いに連設された側面視ほぼＬ字状をなす背凭れ支持杆（９）における前向部（９ｂ）の前部を取付け、かつ起立部（９ａ）をもって背凭れ（６）を支持してなる椅子において、背凭れ支持杆（９）における少なくとも屈曲部（９ｃ）の後面から下面にかけての部分を、保護カバー（１１）により覆う。

Description

椅子

　本発明は、背凭れ支持杆を側面視ほぼＬ字状とした椅子に関する。

　背凭れ支持杆を、上方を向く起立部と前方を向く前向部とが、屈曲部を介して互いに連設された側面視ほぼＬ字状とした従来の椅子には、椅子の旋回時等に背杆すなわち背凭れ支持杆が他物に当接して、それを傷つけたり、背杆自体が傷つけられたりするのを防止するため、背杆の後面及び外側面を、軟質材料製のカバーにより覆ったものがある(例えば、特許文献１参照)。

　また、脚フレームと背フレームとの接合部を、２個の被覆部がヒンジ部を介して互いに開閉しうるようにした接合部用カバーにより覆ったものもある(例えば、特許文献２参照)がある。
特開２００２－１３６３８８号公報特開２０００－１４４７８号公報

　しかし、特許文献１に記載されているものにおいては、背凭れ支持杆における前向部の下面が、低位の床上載置物の上面角部に当接して、それを傷つけたり、背杆自体が傷つけられたりするおそれがあり、また、左右１対の背凭れ支持杆のそれぞれにカバーを取付けなければならず、部品点数が増大するとともに、取付作業が面倒になる。

　特許文献２に記載されているものにおいては、カバー自体の構造が複雑となり、製造コストが高くつく。

　本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、椅子の旋回時等に背凭れ支持杆が他物に当接して、それを傷つけたり、背凭れ支持杆自体が傷つけられたりするのを確実に防止することができるとともに、部品点数が少なく、構造が簡単で、容易に組み立てることができるようにした椅子を提供することを目的としている。

　また、本発明は、背凭れを構成する背凭れフレームと背凭れ支持杆とを、簡単な構造で、強固に連結することができるようにした椅子を提供することをも目的としている。

　本発明によると、上記課題は次のようにして解決される。
　(１)　椅子であって：
　脚と；
　脚によって支持された支基と；
　支基によって支持された座と；
　上方を向く起立部と、前方を向く前向部と、前記起立部と前向部とを連設する屈曲部とを有し、前記前向部の前部が前記支基に取付けられた側面視ほぼＬ字状をなす背凭れ支持杆と；
　前記背凭れ支持杆の起立部をもって支持された背凭れと；
　前記背凭れ支持杆における少なくとも屈曲部の後面から下面にかけての部分を、覆う保護カバーと；
を備えるものとする。

　このような構成とすると、椅子の旋回時等に背凭れ支持杆が他物に当接して、それを傷つけたり、背凭れ支持杆自体が傷つけられたりするのを確実に防止することができ、特に、背凭れ支持杆における前向部の下面が、低位の床上載置物の上面角部に当接して、それを傷つけたり、背凭れ支持杆自体が傷つけられたりすることまで防止することができる。

　(２)　上記(１)項において、前記保護カバーが、緩衝材よりなるものとする。

　このような構成とすると、椅子の旋回時等に背凭れ支持杆が他物に当接したときの緩衝作用を高めることができる。

　(３)　上記(１)項において、前記保護カバーが、軟質合成樹脂材料またはゴムよりなるものとする。

　(４)　上記(１)項において、前記起立部が、前記屈曲部より二股状をなして上方に延出する左右１対の起立杆により構成され、
　前記前向部が、前記屈曲部より二股状をなして前方に延出する左右１対の前向杆により構成され、
　前記保護カバーが、屈曲覆い部と、起立覆い部と、前向覆い部とを備え、
　前記屈曲覆い部は、前記屈曲部の後面を覆い、前記起立覆い部は、前記屈曲覆い部に連設されかつ前記起立杆のそれぞれの後面を覆い、前記前向覆い部は前記屈曲覆い部に連設されかつ前記各前向杆の下面を覆うようにする。

　このような構成とすると、背凭れ支持杆を２個用意することなく、一部材のみで、背凭れを安定して支持することができるとともに、保護カバーも複数用意することなく、一部材のみで足り、部品点数を少なくして、構造を簡素化することができ、また容易に組み立てることができる。
　さらに、保護カバーに、屈曲覆い部の他に、各起立杆の後面を覆う１対の起立覆い部と、各前向杆の下面を覆う１対の前向覆い部とを設けてあるので、保護カバーの位置決めが容易になる。

　(５)　上記(４)項において、前記背凭れ支持杆が、後面視Ｘ字状をなし、
　前記Ｘ字状の中央の交差部を、前記屈曲覆い部が覆い、
　前記屈曲覆い部は、横幅が前記起立杆および／または前記前向杆の横幅より大で、かつ後方に向かってほぼ球面状に膨出するようにする。

　このような構成とすると、背凭れを、左右のバランスよく確実に支持することができるとともに、背凭れ支持杆の後面から角部をなくし、他物との当接時の応力集中を避けることができ、しかも、美麗な外観を呈することができる。

　(６)　上記(４)または(５)項において、前記背凭れ支持杆における前記起立杆の上端部後面に、前記背凭れを取付けるための凹部を更に備え、
　前記凹部に、保護カバーにおける各起立覆い部の上端部前面に設けた弾性突部が圧嵌されるようにする。

　このような構成とすると、保護カバーにおける各起立覆い部の先端部を、剥離しにくいように確実に背凭れ支持杆に取付けることができるとともに、背凭れ取付用の凹部を閉塞して、外観をよくすることができる。

　(７)　上記(１)項において、前記背凭れ支持杆の後面と前記保護カバーの前面との対向部の一部に空隙部が形成され、
　前記保護カバー内の少なくとも前記空隙部に対応する部分が、弾性材料により形成されるようにする。

　このような構成とすると、保護カバーにおける空隙部に対応する部分の後面に他物が当接したとき、同部が空隙部内に進入するように弾性変形することにより、保護カバーの緩衝作用をさらに高めることができる。

　(８)　上記(１)項において、前記背凭れが、背凭れフレームを備え、
　前記背凭れフレームは、中央に配置された空間部と、前記空間部を閉塞する張材が張設された帯板状のフレーム部材とを備え、
　前記椅子は更に、前記背凭れフレームの左右方向の内側縁における上下方向のほぼ中間位置に、互いに左右方向に対向しうるように内方に張り出した左右１対の張出部を備えるものとする。

　このような構成とすると、背凭れを構成する背凭れフレームの成型を容易に行うことができる。
　また、リクライニング時に、背凭れフレームに加わる負荷が、背凭れの後傾に伴う背凭れフレームの曲がり方向に作用するため、張出部を形成することによって、背凭れフレーム自体の曲げ強度を向上させることができる。
さらに、張出部の形成によって、背凭れフレームと背凭れ支持杆との連結に必要な面積を、張出部の広い面積をもって充分に確保することができるため、背凭れフレームと背凭れ支持杆とを、互いに強固にかつ簡単な構造をもって連結することができる。

　(９)　上記(８)項において、前記張出部を、後方に向けて膨出させる。

　このような構成とすると、張出部を、後方に向け膨出させてあるため、背凭れフレームの強度をより大きくすることができる。

　(10)　上記(８)項において、前記張出部の後面に、前記背凭れ支持杆の上部が取り付けられたものとする。

　このような構成とすると、背凭れフレームと背凭れ支持フレームとの連結強度を大きくすることができる。

　(11)　上記(10)項において、前記張出部に、前記背凭れ支持杆の上部が、左右方向を向く枢軸をもって、所望の限界範囲内において全方向に回動可能として枢着されたものとする。

　このような構成とすると、背もたれが、着座者の背の動き追従して、背凭れ支持杆に対して円滑に回動することができる。

　(12)　上記(11)項において、前記張出部と前記背凭れ支持杆の上部との間に、軟質弾性体からなる緩衝部材が挟持されたものとする。

　このような構成とすると、椅子の長期使用に伴って、背凭れフレームと背凭れ支持杆の上部との連結部位が磨耗したり、破損することを効果的に防止できる。

　本発明によると、椅子の旋回時等に背凭れ支持杆が他物に当接して、それを傷つけたり、背凭れ支持杆自体が傷つけられたりするのを確実に防止することができるとともに、部品点数が少なく、構造が簡単で、容易に組み立てることができるようにした椅子を提供することができる。

　また、背凭れを構成する背凭れフレームと背凭れ支持杆とを、簡単な構造で、強固に連結することができる。

本発明の第１の実施形態である椅子の正面図である。同じく、側面図である。同じく、背面図である。図３のIV－IV線に沿う拡大縦断端面図である。図２のV－V線に沿う拡大横断平面図である。背凭れ支持杆を後傾させたときの側面図である。本発明の第２の実施形態である椅子の斜視図である。同じく、背面図である。同じく、側面図である。張材の未張設状態における枠体の拡大斜視図である。張材の未張設状態における枠体の前方から視た分解斜視図である。同じく、枠体の後方から視た分解斜視図である。図１０のXIII－XIII線における張材の張設状態の拡大縦断面図である。図１０のXIV－XIV線における張材の張設状態の拡大横断面図である。図１０のXV－XV線における張材の張設状態の拡大縦断面図である。図１０のXVI－XVI線における張材の張設状態の拡大縦断面図である。図９のXVII－XVII線における枠体と背凭れ支持フレームとの連結状態を示す要部拡大横断面図である。同じく、枠体と背凭れ支持フレームとの連結状態を示す分解斜視図である。

　以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。
　図１～図６は、本発明の第１の実施形態である椅子を示す。

　図１および図２に示すように、この椅子は、先端部にキャスタ１が設けられた放射状をなす５本の脚杆２を有する脚体３を備えている。脚体３の中央には、ガススプリング(図示略)を備える伸縮式の脚柱４が立設されており、脚柱４の上端には、支基５の後部が固着されている。

　支基５は、上面が開口するほぼ中空箱状をなし、上面の開口部は、着脱可能なカバー(図示略)により覆われている。

　支基５の内部には、背凭れ６を起立する方向に付勢する付勢手段や、座７を前方に向かって付勢する付勢手段(いずれも図示略)等が設けられているが、それらについては、本発明に直接関係しないので、図示および詳細な説明は省略する。

　支基５の後部には、左右方向を向く六角柱状の枢軸８が、その中心軸線回りに回動可能として貫通するように枢支されている。
　支基５の両側壁より左右に突出する枢軸８の両端部には、背凭れ６を支持する背凭れ支持杆９における前端部が、枢軸８と一体となって回動するように固着されている。この枢軸８は、支基５内に設けた、例えばねじりコイルばね等よりなる付勢手段(図示略)により、背凭れ６および背凭れ支持杆９が起立する方向、すなわち図２における反時計回りに付勢されている。

　背凭れ支持杆９は、上方を向く起立部９ａと前方を向く前向部９ｂとが、屈曲部９ｃを介して互いに連設された側面視ほぼＬ字状をなし、起立部９ａは、屈曲部９ｃより二股状をなして上方に延出する左右１対の起立杆９ｄ、９ｄよりなり、また前向部９ｂは、屈曲部９ｃより二股状をなして前方に延出する左右１対の前向杆９ｅ、９ｅよりなっており、この左右１対の前向杆９ｅ、９ｅの前端に設けた左右方向を向く六角孔９ｆ、９ｆに、枢軸８の各端部が固嵌されている。

　図３および図４に示すように、背凭れ支持杆９における左右の起立杆９ｄ、９ｄを、屈曲部９ｃより斜め外側上方に円弧状をなして延出させ、また左右の前向杆９ｅ、９ｅを、斜め外側前下方に延出させることにより、背凭れ支持杆９を、後面視Ｘ字状とし、その中央の交差部である屈曲部９ｃの横幅が、各起立杆９ｄおよび前向杆９ｅの横幅より大で、かつ後方に向かってほぼ球面状に膨出するようにしてある。

　背凭れ支持杆９における屈曲部９ｃと両起立杆９ｄ、９ｄとのほぼ全体の後面と、両前向杆９ｅ、９ｅの後面から下面の後部にかけての部分とには、連続する浅い凹部１０が設けられ、この凹部１０に、背凭れ支持杆９の後面を覆う保護カバー１１が、着脱可能として嵌合され、接着剤または面ファスナをもって背凭れ支持杆９に接着されるか、または必要に応じてねじ止めされている。
　保護カバー１１の厚さは、凹部１０の深さとほぼ等しくし、保護カバー１１の表面と背凭れ支持杆９の表面とが整合し、段差が生じないようにするのが好ましい。

　保護カバー１１は、軟質合成樹脂材料、ゴムまたはその他の緩衝材よりなり、背凭れ支持杆９における屈曲部９ｃの後面を覆う屈曲覆い部１１ａと、この屈曲覆い部１１ａに連設され、かつ各起立杆９ｄの後面を覆う起立覆い部１１ｂと、屈曲覆い部１１ａに連設され、かつ各前向杆９ｅの下面を覆う前向覆い部１１ｃとを備えている。

　背凭れ支持杆９における各起立杆９ｄの上端部後面には、背凭れ６を取付けるための凹部１２が設けられており、この凹部１２に、保護カバー１１における各起立覆い部１１ｂの上端部前面に設けた弾性突部１１ｄを圧嵌することにより、保護カバー１１における各起立覆い部１１ｂの先端部が、剥離しにくいように確実に背凭れ支持杆９に取付けることができるとともに、背凭れ６取付用の凹部１２を閉塞して、外観をよくすることができるようにしてある。

　また、背凭れ支持杆９の後面と保護カバー１１の前面との対向部の一部に空隙部(図示略)を形成し、かつ保護カバー１１における少なくとも上記空隙部に対応する部分を、弾性材料により形成しておくと、保護カバー１１における空隙部に対応する部分の後面に他物が当接したとき、同部が空隙部内に進入するように弾性変形することにより、保護カバー１１の緩衝作用をさらに高めることができるようにしてある。

　背凭れ支持杆９に、このような保護カバー１１を設けてあるので、椅子の旋回時等に、背凭れ支持杆９が他物に当接して、それを傷つけたり、背凭れ支持杆９自体が傷つけられたりするのを確実に防止することができ、特に、背凭れ支持杆９における前向部９ｂの下面が、低位の床上載置物の上面角部に当接して、それを傷つけたり、背凭れ支持杆９自体が傷つけられたりすることまで防止することができる。

　背凭れ６は、平面視において中央部が後方に凹入する円弧状をなす弾性変形可能な軟質の合成樹脂材料よりなる板材、またはその前面に、クッション材(図示略)を挟んで、表皮材(図示略)で被包したもの等よりなり、その上下方向の中間部における両側部後面が、背凭れ支持杆９における左右の起立杆９ｄ、９ｄの上端部に、ほぼ左右方向を向く軸線まわりに回動可能、かつ上記軸線からそれる方向にも所要角度回動可能として支持されている。

　背凭れ６をこのように支持するため、図５に示すように、背凭れ支持杆９における各起立杆９ｄの上端部前面に突設した凸軸１３の先端部を、それに対向する背凭れ６の側部後面に設けた受孔１４に嵌合し、かつ凸軸１３の先端部に設けたほぼ左右方向を向く軸孔１５に、受孔１４を形成するべく背凭れ６の後面に固着した受け板１６における後方に開口する筒部１６ａに両端部を固着した、ほぼ左右方向を向く抜け止めピン１７を遊嵌してある。

　凸軸１３の先端部１３ａは球体としてあり、その球体の中心を、軸孔１５が通るようにしてあり、この軸孔１５は、中央部１５ａの内径が抜け止めピン１７の外径にほぼ等しく、かつ中央部１５ａから両側方に、外側に向かって漸次拡径するテーパー孔部１５ｂ、１５ｂが形成されたものとしてある。

　図５に示す例では、抜け止めピン１７は、ボルトとしてあり、それを、受け板１６における筒部１６ａ、および凸軸１３の先端部１３ａにおける軸孔１５を貫通させて、その先端部にナット１７ａを螺合することにより、抜け止めピン１７が筒部１６ａおよび軸孔１５から、また凸軸１３が受孔１４から、それぞれ抜け止めされている。この抜け止めピン１７は、ボルトではない単なるピンとしてもよく、また、その装着時の向きは、左右方向だけでなく、それに対して若干傾斜する背凭れの後面の向きと平行とすることもある。さらに、凸軸１３と筒部１６ａとの連結部分の外周は、弾性変形可能のカバー１８により覆われている。

　凸軸１３の中間部には、拡径鍔部１３ｂが形成されており、この拡径鍔部１３ｂが、起立杆９ｄの上端部前面に当接するようにして、凸軸１３の基端部１３ｃを、起立杆９ｄの上端部前面に設けた後方を向く軸孔１９に嵌合し、かつ起立杆９ｄの上端部後面に設けた上記凹部１２に嵌合した固定ねじ２０により、凸軸１３を起立杆９ｄに固着することにより、凸軸１３は、起立杆９ｄの上端部に、強固に固着されている。

　受孔１４の奥端面は、凸軸１３の先端部１３ａの球面と補形をなす球面とするのが好ましい。
　なお、凸軸１３を背凭れ６の側部後面に、後方に向けて突設し、かつそれに対向する背凭れ支持杆９における各起立杆９ｄの上端部前面に、受孔１４を形成してもよい。

　背凭れ６を、このようにして支持すると、凸軸１３の先端部に設けた軸孔１５に、抜け止めピン１７を遊嵌するという簡単な構造だけで、背凭れ６を、左右方向を向く軸線回りだけでなく、上記軸線からそれる方向にも所要角度回動可能として支持することができるので、ボールジョイント等の高価な手段を用いることなく、背凭れ６を、無理が生じることなく、座り心地よく支持することができる。

　支基５における枢軸８より後方の部分と、それより上方における背凭れ６の下部とは、連結杆２１をもって連結されており、背凭れ支持杆９が後傾したとき、背凭れ６の下部が、後下方へ回動させられる連結杆２１により、背凭れ支持杆９に対して後方に押動されるようになっている。

　すなわち、連結杆２１の前端部は、左右方向を向く軸２２をもって支基５に連結されており、連結杆２１の後端部は、背凭れ６の下端部後面に固着した取付金具２３における背凭れ６より下方に突出する下端部に、左右方向を向く軸２４をもって連結されている。

　連結杆２１は、曲率中心が連結杆２１より上方(または下方)に位置する側面視円弧状の剛体をなし、背凭れ支持杆９における左右１対の前向杆９ｅ、９ｅ間に配設されることにより、両前向杆９ｅ、９ｅの間に挟まれて、外部に露呈しにくくしてある。

　このような構成とすると、図６に示すように、リクライニング時に、背凭れ支持杆９が後傾したとき、連結杆２１もそれに伴って後傾し、そのときの背凭れ支持杆９の回動中心(枢軸８)と、連結杆２１の回動中心(軸２２)との相違により、背凭れ６の下部が連結杆２１の後端部により後方に押動され、背凭れ６は、背凭れ支持杆９に対して、左右方向を向く軸線(抜け止めピン１７)を中心として、背凭れ支持杆９の回動方向(後傾方向)と逆方向(起立方向)に回動させられる。

　座７を前後位置調節可能として支持する座支持体２５の後部と前部とは、背凭れ支持杆９の後傾に連動して、それぞれ後下方に移動するように案内する後部支持手段２６と前部支持手段２７とをもって、支基５に支持されている。

　後部支持手段２６は、支基５における背凭れ支持杆９の枢軸８より後方、かつ連結杆２１の軸２２より前方の部分に、下端部が左右方向の軸２８をもって枢着されたリンク２９の上端部を、座支持体２５の後部に左右方向の軸３０をもって枢着し、このリンク２９の上端部の軸３０を、背凭れ支持杆９の各前向杆９ｅにおける、リンク２９の下端部の軸２８より後方の部分に設けたほぼ前後方向を向く長孔３１に摺動自在に嵌合したものとしてある。
　この長孔３１は、背凭れ支持杆９の各前向杆９ｅにおける六角孔９ｆより若干後方の部分に設けた上向き突片９ｇに設けられている。

　前部支持手段２７は、座支持体２５の前部に設けた左右方向を向く軸３２を、支基５に設けた後下方を向く長孔３３に摺動自在に嵌合したものとしてある。
　この軸３２は、支基５内に設けた付勢手段(図示略)により、常時前方に向かって付勢されている。

　なお、この前部支持手段２７は、上記構成に代えて、特許文献１に記載されているように、支基の前部に設けた上向きの支持リンクの上端部を座の前部に連結して、支持リンクが後傾しうるようにしたものとしてもよい(図示略)。

　この椅子は、以上のような構成としてあるので、着座者が、背凭れ６に凭れたとき、背凭れ６は、平面視において、中央部が両側部より後方に凹入するように弾性変形する。このときの背凭れ６の弾性変形は、左右の抜け止めピン１７が、凸軸１３の軸孔１５内においてわずかに傾動することによって許容される。

　また、背凭れ６とともに、背凭れ支持杆９が、支基５内に設けられた付勢手段の付勢力に抗して後傾させられ、それに伴って、連結杆２１が、その下方の軸２２を中心として後傾させられる。
　このときの連結杆２１の後傾角速度は、背凭れ支持杆９の後傾角速度より大であり、しかも連結杆２１の軸２２は背凭れ支持杆９の枢軸８より後方に位置していることにより、背凭れ６の下端部は、連結杆２１の後端部の軸２４により後方に押動され、背凭れ６は、背凭れ支持杆９に対して、左右方向を向く軸線(抜け止めピン１７)を中心として、背凭れ支持杆９の回動方向(後傾方向)と逆方向(起立方向)に回動させられる。

　すなわち、リクライニング時に、背凭れ支持杆９は後傾しても、背凭れ６は、後傾するのが抑制され、起立状態を保とうとするので、着座者は、背中を後傾させた安楽姿勢を取りつつ、目線や腕を前方または前下方に無理なく向けることができ、楽な姿勢でキーボードの打ち込み作業等ができる。

　さらに、従来の椅子の基本的な構造に、支基５と背凭れ６の下部とを連結杆２１をもって連結するという簡単な構成を付加するだけで、上記のような安楽姿勢を取りつつ、キーボードの打ち込み作業等を楽に行うことができ、従来のように、背凭れ６自体を側面視において前後方向に屈曲可能な構造としたり、背凭れ６を複雑な支持構造をもって支持したりする必要がなく、椅子全体の構造を簡素化することができる。

　背凭れ支持杆９の後傾に伴って、その上向突片９ｇに設けられた長孔３１により、軸３０が後下方に移動させられ、それによって、リンク２９が後傾させられる。
　このときのリンク２９の後傾角速度は、背凭れ支持杆９の後傾角速度より大であり、しかもリンク２９の軸２８は背凭れ支持杆９の枢軸８より後方に位置しているので、軸３０の後方移動量が、背凭れ支持杆９における長孔３１の後方移動量より大となり、軸３０は、長孔３１内を後方に向かって摺動させられ、またそのときの軸３０の動きにより、座支持体２５の後部は、後下方へ大きく移動させられる。

　すなわち、背凭れ支持杆９の後傾時における座７の後部の後方への移動ストロークを大とすることができ、それによって、背凭れ支持杆９の後傾時に、背凭れ６の下部が連結杆２１の後端部により後方に押動されるのに追従して、座７の後部を後方に大きく移動させることができ、背凭れ６の下端と座７の後部とが離間するのを防止して、快適な着座感を得ることができる。

　座支持体２５の後部が、軸３０によって後下方へ移動させられるのに伴って、座支持体２５の前部は、支基５内に設けられた付勢手段の付勢力に抗して、その前部の軸３２が長孔３３に沿って後下方に摺動することにより、円滑に後下方へ移動させられる。

　このように、背凭れ支持杆９の後傾時に、背凭れ６は、その下端部が連結杆２１により後方に押動されて、起立状態を保つように背凭れ支持杆９に対して回動し、座６は、その背凭れ６の下部の移動に追従するように、後下方へ大きく移動することができ、着座者に、背を後傾しつつ、目線や腕を前方または前下方に無理なく向けて、楽な姿勢でキーボードの打ち込み作業等を行うことができる、安楽作業姿勢を採ることができるようにすることができる。

　図７～図１８は、本発明の第２の実施形態である椅子を示す。
　なお、第１の実施形態におけるのと同一または類似の部材には、同一の符号をもって図示するに止め、それらについての詳細な説明は省略する。

　第１の実施形態においては、背凭れ６は、弾性変形可能な軟質の合成樹脂材料よりなる板材、またはその前面に、クッション材を挟んで、表皮材で被包したものとしたが、第２の実施形態においては、背凭れ３６をメッシュ張り構造のものとしてある。

　図１０～図１２に示すように、背凭れ３６は、メッシュ状の張材３７と、この張材３７が前面に張設され、かつ中央に開口した空間部３８を閉塞しうる背凭れフレームである枠体３９によって構成されている。
　この枠体３９は、周方向に連続する合成樹脂製の帯板状のフレーム部材からなるとともに、上部横フレーム部４０Ａ、所望の後傾状態を有する左右１対の側部縦フレーム部４０Ｂ，４０Ｂおよび下部横フレーム部４０Ｃにより、周方向に連続する正面視ほぼ方形をなす主フレーム４０を備える。

　主フレーム４０の周縁の一部を形成する上部横フレーム部４０Ａは、図１３に示すように、前面が後方に上向き傾斜させた円弧状の曲面をなし、内側縁から外側縁に向けて肉厚となるような断面形状を有するとともに、その外周縁後部には、前記張材３７の周縁部に設けた縁材３７ａが係合される係合溝部４１が左右方向に沿って設けられている。

　側部縦フレーム部４０Ｂは、図１４に示すように、外側縁側が肉厚な肉厚部の内側縁から、前記空間部３８に向けて肉薄部となるように延設した断面形状を有するとともに、その外側縁部には、前記張材３７の周縁部に設けた縁材３７ａが係合される係合溝部４２が、前記係合溝部４１と連通しうるように、上下方向に沿って設けられている。

下部横フレーム部４０Ｃは、図１１および図１２に示すように、左右の端部の一部を残して、前後方向の厚さ方向に２分割され、その後面側を基部４３とし、この基部４３の左右方向の中央部の一部を所望の間隔をもって切除するとともに、この切除部４４の対向端部４４ａ，４４ａ同士が、基部４３の前面に後面を対向させて組み付けられる、前面側のカバー部となる連結フレーム４５によって連結されている。
この連結フレーム４５における左右方向の中央部には、前記基部４３の切除部４４に嵌合する嵌合部４６が後方に向けて突設されており、この嵌合部４６は、前記主フレーム４０の初期状態における切除部４４の対向端部４４ａ，４４ａの対向面間の間隔寸法とほぼ同一の幅寸法を有している。

なお、背凭れ３６を形成する枠体３９の下部に枢支される連結杆２１の後端が軸２４をもって取り付けられる取付金具２３は、前記切除部４４における対向端部４４ａ，４４ａ間に跨って、前記基部４３の後面に固着されるようになっている。
　これにより、背凭れ３６のリクライニング時に、取付金具２３を介して基部４３の後面中央に加わる連結杆２１による負荷に対して、基部４３が弾性変形可能になっている。

連結フレーム４５には、前記嵌合部４６の前面側両端から、前記基部４３の切除部４４の対向端部４４ａ，４４ａの前面側に向かって延びる左右１対の止着部４７，４７が形成されている。
これら止着部４７の後面は、前記切除部４４の対向端部４４ａ，４４ａの前面に当接されて、前記切除部４４の対向端部４４ａ，４４ａ間を跨ぐように、基部４３の前面にそれぞれ止着されるようになっている。

下部横フレーム部４０Ｃは、基部４３と連結フレーム４５とを組み付けることによって、図１５および図１６に示すように、内部が中空構造となる肉厚な断面形状に形成されているとともに、互いの中空部には、上下方向および左右方向の長手方向に沿う複数のリブ４８，４９が、前後方向に向けてそれぞれ突設されている。
　また、基部４３の切除部４４における対向端部４４ａ，４４ａの対向面に臨むリブ４８の端部は、基部４３に連結フレーム４５を組み付けた際に、嵌合部４６の左右の端面が当接する当接部４８ａとなっている。

　基部４３におけるリブ４８の近傍には、ボルト挿通孔５０が設けられているとともに、このボルト挿通孔５０に対向する連結フレーム４５の左右の止着部４７におけるリブ４９の近傍には、嵌合部４６を間にして左右に複数の雌ねじ穴５１が設けられている。
　これら雌ねじ穴５１には、図１５に示すように、基部４３の後方から、前記ボルト挿通孔５０を通して挿通されるボルト５２が螺合され、このボルト５２によって、前記基部４３に連結フレーム４５における左右の止着部４７が止着されるようになっている。

　なお、連結フレーム４５における左右の止着部４７は、それぞれ左右に２分割されており、これら分割部４７Ａには、複数のボルト挿通孔５３が設けられ、これらボルト挿通孔５３に対向しうるように基部４３の前面に設けた雌ねじ穴５４に向けて、ボルト５５を、前記ボルト挿通孔５３を通して前方から、それぞれ挿通して螺合させることにより、前記分割部４７Ａが基部４３の前面に止着されるようになっている。
　このように、連結フレーム４５の止着４７を分割することにより、前記した背凭れ３６のリクライニング時に、基部４３の後面中央に加わる負荷に対して、基部４３の弾性変形を容易にし、応力集中の分散化を図ることができるようにするとともに、基部４３に対する加工精度の許容範囲を拡大可能にしている。

　連結フレーム４５における雌ねじ穴５１の近傍は、後方に突出する突出部５６とし、この突出部５６は、図１５に示すように、締結状態において、基部４３のボルト挿通孔５０の近傍に形成した凹部５７に係合しうるようになっている。

　連結フレーム４５における止着部４７の後面には、溝部５８が形成されており、この溝部５８は、基部４３の切除部４４における対向端部４４ａ，４４ａの前面と対向させることにより、前記側部縦フレーム部４０Ｂに設けた係合溝部４２、前記嵌合部４６の下面に設けた係止溝部４６ａとそれぞれ連通しうるようにし、前記張材３７の周縁部に設けた縁材３７ａが係合されるようになっている。

　張材３７は、主フレーム４０の周縁部に形成した係合溝部４１，４２および溝部５８に、張材３７の周縁部に設けた縁材３７ａを、前記主フレーム４０の前面側から後方に向けて巻き付けるように折返し係合させることにより、枠体３９における前面側の全周に亘って張設し、枠体３９中央の空間部３８を閉塞しうるようになっている。
これにより、張材３７を、枠体３９の前面全体に亘って緊張状態で張設することができるとともに、枠体３９の前面全てが張材３７で覆われるため、デザイン的にスマートな印象を与えることができる。

なお、張材３７は、例えば高張力プラスチックその他の弾性を有する繊維をネット状に編むかまたは織ったネット状もしくはメッシュ状のものが好ましいが、単なる織布、合成樹脂製シート、多孔質性シー材等により形成してもよい。

　次に、枠体３９に対する張材３７の張設手順を、以下に説明する。
　まず、主フレーム４０から、連結フレーム４５を、止着部４７の分割部４７Ａを基部４３に残して取り外した状態において、主フレーム４０における左右の側部縦フレーム部４０Ｂを、その弾性力に抗して、図１１に想像線で示すように、基部４３における切除部４４の対向端部４４ａ，４４ａ同士が接近しうる縮小方向に弾性変形させる。

　この状態で、主フレーム４０の周縁に、張材３７を前面側から後方に向けて巻き付けるように折返して、主フレーム４０の周縁に形成した係合溝部４１，４２、４６ａに、張材３７の周縁部に設けた縁材３７ａを係合させることにより、主フレーム４０の周縁部に張材３７を緊張状態をもって取り付ける。

　次いで、主フレーム４０の左右の側部縦フレーム部４０Ｂを、その弾性復帰力を利用して初期状態に拡開させ、張材３７に更なる張力を付与した状態をもって、基部４３の前面に連結フレーム４５の後面を組み付け、連結フレーム４５の嵌合部４６を、その左右の端面が切除部４４の対向端部４４ａ，４４ａ間の対向面における当接部４８ａに当接しうるように嵌合させた後、連結フレーム４５における左右の止着部４７，４７を、ボルト５２によって締結することにより、切除部４４の対向端部４４ａ，４４ａ同士を連結する。
　これにより、張材３７を、複雑な加工を施すことなく作業効率良く張設できるとともに、張材３７の張力を枠体３９全体に亘って均一に保持することができる。

　なお、基部４３の前面に連結フレーム４５を止着させる場合において、たとえば止着部４７および分割部４７Ａの後面上縁に下向きの爪を、その後面下縁に上向きの爪を設け、これらの爪を、基部４３の前面に係合させることにより、基部４３に対する連結フレーム４５の上下方向のずれが効果的に防止されるようにしてもよい。

　背凭れ支持フレームを構成する背凭れ支持杆９の上部は、枠体３９の後部に枢支することにより連結されている。
　すなわち、図１０に示すように、主フレーム４０の左右両側部縦フレーム部４０Ｂの左右方向の内側縁における上下方向のほぼ中間位置には、互いに左右方向に対向しうるように、前記空間部３８に向けて内方に張出した左右１対の張出部５９が、後方に向け膨出させて形成されている。
　この張出部５９の後端には、図８に示すように、背凭れ支持杆９における左右の起立杆９ｄの上端部が、背凭れ３６のリクライニング動作に追従しうるように、ほぼ左右方向を向く軸線まわりに、かつ前記軸線から逸れる方向にも所要角度で、所望の限界範囲もって全方向に回動可能に連結されるようになっている。

　左右の張出部５９は、その中心軸が、枠体３９の平面視前向き凹面形状の曲面に整合しうるように、前方に向けて互いに内側に傾斜させてなるとともに（図１０、図１２参照）、枠体３９の後傾角度に整合しうるように、前方に向けて上向きに傾斜させてある（図９参照）。

　図１７および図１８に示すように、背凭れ支持杆９における左右の起立杆９ｄの上端部前面には、固定ねじ６０によって固定された凸軸６１が、前方に向け突出させて設けられているとともに、この凸軸６１の前端を球体状の摺接面体６２とし、かつこの摺接面体６２には、ほぼ左右方向を向く軸孔６３が貫通させて形成されている。
　この軸孔６３内には、摺接面体６２の中心部から左右両側方に、外側に向かって漸次拡径するテーパー孔部６４，６４が形成されている。

　一方、側部縦フレーム部４０Ｂの張出部５９には、後方に向け開口する嵌合穴６５が設けられており、この嵌合穴６５には、後方に向け受穴６６が開口する受筒部材６７が嵌合されている。
　この受筒部材６７の受穴６６には、前記凸軸６１の摺接面体６２が後方から挿入されて摺接可能になっているとともに、前記軸孔６３に、ほぼ左右方向を向く抜け止めピン６８を遊嵌して、この抜け止めピン６８の左右の両端部を、受筒部材６７の左右に設けた係止孔６９に挿入し係止させることにより、前記凸軸６１と受筒部材６７とが、互いに連結されるようになっている。

　受筒部材６７の前端には、ボルト軸７０が前方に向かって突設されており、このボルト軸７０は、その前端を、前記張出部５９の嵌合穴６５の底部に貫通させた通孔７１を通して、張出部５９の前面側に向けて突出させてなるとともに、この突出軸部７０ａに、前方からナット７２を螺合させて締結することにより、前記受筒部材６７が、前記張出部５９の嵌合穴６５に強固に固定されるようになっている。。
　これにより、背凭れ支持杆９における左右の起立杆９ｄの上端部が、抜け止めピン６８の軸線まわりに回動可能に、かつ前記軸線から逸れる方向にも所要角度回動可能にして、前記張出部５９の後部に連結されるようになっている。

　起立杆９ｄの上端部前面と張出部５９の後端面との間には、エラストマー等の軟質弾性体からなる緩衝部材７３が挟持されている。
　この緩衝部材７３は、椅子の長期使用に伴って、枠体３９と背凭れ支持杆９の上部との連結部位が磨耗したり、破損することを防止しうるようになっている。

　張出部５９の前方に露出するボルト軸７０の突出軸部７０ａとナット７２との締結部分には、前記張出部５９の前方からキャップ部材７４が被冠されて、その締結部分が外部に露呈するのを防止している。
　このキャップ部材７４は、その内部中心から後方に向けて突設した固定杆７５を、ボルト軸７０の前端に開口させた固定穴７６に圧入することにより、張出部５９の前面に取り付けられている。

　キャップ部材７４の前面と枠体３９の前面に張設された張材３７の後面との間には、所望の間隔をもって隙間ａが設けられており、背凭れ３６をリクライニングさせる際などのように、着座者の背中によって、張材３７を後方に撓ませても、前記隙間ａによって、キャップ部材７４に当たらないようにするか、あるいはキャップ部材７４の弾性変形により、ボルト軸６９とナット７２との締結部分が、着座者の背中に直接当たらないように、クッション作用を持たせてある。

　本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、幾多の変形した態様での実施が可能である。

Claims

　椅子であって：
　脚と；
　脚によって支持された支基と；
　支基によって支持された座と；
　上方を向く起立部と、前方を向く前向部と、前記起立部と前向部とを連設する屈曲部とを有し、前記前向部の前部が前記支基に取付けられた側面視ほぼＬ字状をなす背凭れ支持杆と；
　前記背凭れ支持杆の起立部をもって支持された背凭れと；
　前記背凭れ支持杆における少なくとも屈曲部の後面から下面にかけての部分を、覆う保護カバーと；
を備えていることを特徴とする椅子。
　前記保護カバーが、緩衝材よりなる請求項１記載の椅子。
　前記保護カバーが、軟質合成樹脂材料またはゴムよりなる請求項１記載の椅子。
　前記起立部が、前記屈曲部より二股状をなして上方に延出する左右１対の起立杆により構成され、
　前記前向部が、前記屈曲部より二股状をなして前方に延出する左右１対の前向杆により構成され、
　前記保護カバーが、屈曲覆い部と、起立覆い部と、前向覆い部とを備え、
　前記屈曲覆い部は、前記屈曲部の後面を覆い、前記起立覆い部は、前記屈曲覆い部に連設されかつ前記起立杆のそれぞれの後面を覆い、前記前向覆い部は前記屈曲覆い部に連設されかつ前記各前向杆の下面を覆う
請求項１記載の椅子。
　前記背凭れ支持杆が、後面視Ｘ字状をなし、
　前記Ｘ字状の中央の交差部を、前記屈曲覆い部が覆い、
　前記屈曲覆い部は、横幅が前記起立杆および／または前記前向杆の横幅より大で、かつ後方に向かってほぼ球面状に膨出する
請求項４記載の椅子。
　前記背凭れ支持杆における前記起立杆の上端部後面に、前記背凭れを取付けるための凹部を更に備え、
　前記凹部に、保護カバーにおける各起立覆い部の上端部前面に設けた弾性突部が圧嵌される請求項４または５記載の椅子。
　前記背凭れ支持杆の後面と前記保護カバーの前面との対向部の一部に空隙部が形成され、
　前記保護カバー内の少なくとも前記空隙部に対応する部分が、弾性材料により形成された請求項１記載の椅子。
　前記背凭れが、背凭れフレームを備え、
　前記背凭れフレームは、中央に配置された空間部と、前記空間部を閉塞する張材が張設された帯板状のフレーム部材とを備え、
　前記椅子は更に、前記背凭れフレームの左右方向の内側縁における上下方向のほぼ中間位置に、互いに左右方向に対向しうるように内方に張り出した左右１対の張出部を備えている
請求項１記載の椅子。
　前記張出部を、後方に向けて膨出させた請求項８記載の椅子。
　前記張出部の後面に、前記背凭れ支持杆の上部が取り付けられた請求項８記載の椅子。
　前記張出部に、前記背凭れ支持杆の上部が、左右方向を向く枢軸をもって、所望の限界範囲内において全方向に回動可能として枢着された請求項１０記載の椅子。
　前記張出部と前記背凭れ支持杆の上部との間に、軟質弾性体からなる緩衝部材が挟持された請求項１１記載の椅子。