WO2007116867A1

WO2007116867A1 - インクセット、記録方法及び記録物

Info

Publication number: WO2007116867A1
Application number: PCT/JP2007/057416
Authority: WO
Inventors: Shuichi Koganehira; Hironori Sato; Akira Mizutani
Original assignee: Seiko Epson Corporation
Priority date: 2006-04-03
Filing date: 2007-04-02
Publication date: 2007-10-18
Also published as: CN101410466A; JP5120535B2; US7494538B2; CN101410466B; US20070242118A1; JP2007297596A

Abstract

【課題】記録媒体に記録した際の色再現性と光沢性の向上を両立できるインクセット、記録方法及び記録物を提供する。【解決手段】少なくとも、マゼンタインク組成物と、イエローインク組成物と、シアンインク組成物と、を備えたインクセットであって、該マゼンタインク組成物が、１００００倍以下の希釈水溶液において、可視吸収スペクトルから算出されるＣＩＥ規格のａ*値が８０のときに、Ｌ*値が６０以上かつｂ*値が－１７以下である、インクセット、記録方法及び記録物により解決する。

Description

明細書

インクセット、記録方法及び記録物

技術分野

[0001] 本発明は、インクセット、記録方法及び記録物に関し、特に、記録媒体に記録した際の色再現性と光沢性の向上を両立できるインクセット、記録方法及び記録物に関する。

背景技術

[0002] 従来から、カラーインクジェット記録用のインクセットとして、イェロー（Y)、マゼンタ（

M)、及びシアン (C)の各インク組成物を備えた 3色インクセットや、さらにブラック (K) のインク組成物をカ卩えた 4色インクセットが提供されている。

[0003] また、得られる記録物における色再現性を高めるために、 YMCインクに加えて、レッド (R)及び Z又はバイオレット (V)のインク組成物を備えたインクセットが提案されている（例えば、特許文献 1を参照)。

[0004] また、 YMCインクに加えて、オレンジ（Or)及びグリーン（Gr)の 2色の特色インク組成物を備えたインクセットも提案されている（例えば、特許文献 2を参照)。

特許文献 1：国際公開第 02Z100959号パンフレット

特許文献 2：国際公開第 99Z005230号パンフレット

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] し力しながら、特許文献 1のインクセットを用いた記録では、光沢性は優れるが、干渉色 (ブロンジング）のさらなる抑制が望まれる。

[0006] また、特許文献 2のインクセットを用いた記録では、顔料固形分が 3重量％以上であるために、印画紙ベースの光沢メディア（例えば、写真用紙 <光沢 > (製品番号 KA4 20PSK) (セイコーエプソン社製)）上において、さらなる光沢性の向上が望まれる。

[0007] そして、従来のインクセットでは、記録サンプルにおける人肌色の階調性が十分実現されていな力つた。すなわち、従来のインクセットでは、人肌色の暗部の色再現において、粒状性が劣化してしまう問題、擬似輪郭が発生してしまう問題、色再現のために記録される cインクのドットと Yインクのドットが局所的に重なって人肌色の暗部が緑味に転ぶ現象 (緑転び）が発生してしまう問題、 Cインクの顔料固形分濃度が 3重量％以下になると赤味の干渉色を発生させるために、人肌色の暗部においてドット重なりの緑と干渉色の赤とが混在し、虹色に光る現象 (虹光）が強くなる問題、等がある。このような問題は、露出等が不適切に撮影された乳幼児の顔写真において、顕著である。

[0008] そこで、本発明は、記録媒体に記録した際の色再現性と光沢性の向上を両立できるインクセットを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009] 本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の YMCインク、特定のインク (Α)、及び特定のインク (Β)を備えたインクセットが、記録した際の色再現性と光沢性の向上を両立できることを知見し、本発明を完成するに至った。

[0010] すなわち、本発明は、次の（1)〜（33)の発明を提供するものである。

[0011] (1)少なくとも、マゼンタインク組成物と、イェローインク組成物と、シアンインク糸且成物と、を備えたインクセットであって、該マゼンタインク組成物力 10000倍以下の希釈水溶液において、可視吸収スペクトル力も算出される CIE規格の a*値が 80のときに、 L*値が 60以上かつ b*値が— 17以下である、インクセット；

(2)前記マゼンタインク組成物が、 2 X 10— ³gZ顧料固形分濃度の水溶液において、可視吸収スペクトルカゝら算出される CIE規格の L*値が 96以上かつ a*値が 7. 5以上である、（1)に記載のインクセット；

(3)前記マゼンタインク組成物力 10000倍以上の希釈水溶液において、可視吸収スペクトル力も算出される CIE規格の L*値が 94のときに、 a*値が 11. 5以上かつ b*値がー 5. 5以下である、（1)に記載のインクセット；

(4)前記マゼンタインク糸且成物が、 γ型 C. I.ビグメントバイオレット 19と、 C. I.ピグメントレッド 202と、の固溶体を少なくとも含む、（1)〜（3)の何れ力 1項に記載のマゼンタインク組成物。

(5)前記イェローインク糸且成物の着色剤力 C. I.ビグメントイエロー 74、 128、 129、 151、 153、 155、 174、 180、 188、 198力らなる群力ら選ば、れる 1種また ίま 2種以上の顔料である（1)〜 (4)の、ずれか 1に記載のインクセット；（6)前記シアンインク組成物の着色剤が、 C. I.ビグメントブルー 15 : 1、 15 : 2、 15 : 3、 15 :4、 16、 C. I.バットブルー 4、 60からなる群から選ばれる 1種または 2種以上の顔料である（1)〜（5)のいずれか 1に記載のインクセット。 (7)さらにオレンジインク組成物を備えた（1)〜（6) のいずれか 1に記載のインクセット；（8)前記オレンジインク組成物の着色剤力 C. I .ビグメントオレンジ 43及び Z又は 36の顔料である（7)に記載のインクセット；

(9)前記オレンジインク組成物の着色剤が、 C. I.ビグメントオレンジ 43及び Z又は 2 42の顔料である（7)に記載のインクセット；

(10)前記オレンジインク組成物の着色剤の混合比力 C. I.ビグメントオレンジ 43と、 C. I.ビグメントレッド 242=4 : 1〜2 : 1である請求項 7に記載のインクセット；

(11)さらにグリーンインク組成物を備えた（1)〜（10)のいずれ力 1に記載のインクセッ卜；

(12)前記グリーンインク組成物の着色剤が、 C. I.ビグメントグリーン 7及び Z又は 3 6の顔料である（11)に記載のインクセット；

( 13)さらに、ブラックインク組成物を備えた（ 1)〜（ 12)の、ずれか 1に記載のインクセット；

(14)前記ブラックインク組成物の着色剤力 C. I.ビグメントブラック 7と、 C. I.ピグメントブノレ一 15 : 1、 15 : 2、 15 : 3、 15 :4、 16、 C. I. ノットブノレ一 4、 60力らなる群力ら選ばれる 1種または 2種以上と、からなる（13)に記載のインクセット；

(15)前記各インク組成物の顔料固形分濃度が、 3重量％以上である（1)〜（14)の V、ずれか 1に記載のインクセット；

(16)相互に同一色であるが顔料固形分濃度の異なるインク組成物を備えた、 (1)〜 (14)の!、ずれか 1に記載のインクセット；

(17)前記各インク組成物の顔料固形分濃度が、 2. 5重量％以下であるインク組成物と、 2. 5重量％よりも高いインク組成物と、を少なくとも備えた、（16)に記載のインクセッ卜；

(18)前記顔料固形分濃度が、 1重量％未満であるブラックインク組成物と、 1重量％以上 3重量％以下であるブラックインク組成物と、を少なくとも含む、（16)に記載のィンクセッ卜；

(19)前記マゼンタインク組成物、前記イェローインク組成物、前記シアンインク組成物の 1種または 2種以上力白色顔料を含む、（1)〜（18)のいずれか 1に記載のインクセッ卜；

(20)前記白色顔料が、二酸ィ匕チタンまたは二酸ィ匕ジルコユアである（19)に記載のインクセッ卜；

(21)前記各インク組成物が、湿潤剤として、多価アルコール類、糖類、エチレンォキサイド鎖を有する多価アルコール類を 1種又は 2種以上含む、（1)〜（20)の何れか 1 に記載のインクセット；

(22)前記各インク組成物が、浸透剤として、ピロリドン類、アルカンジオール類、ダリコールエーテル類を 1種又は 2種以上含む、（1)〜（21)の何れか 1に記載のインクセッ卜；

(23)前記各インク組成物力界面活性剤として、アセチレングリコール類、ポリシロキサン類を 1種又は 2種以上含む、（1)〜（22)の何れ力 1に記載のインクセット；（24) 前記ポリシロキサン類は、下記一般式で表されるポリオルガノシロキサンである、 (23 )に記載のインクセット

[化 1]

(式中、 Rは水素原子またはメチル基を表し、 aは 7〜： L 1の整数を表し、 mは 20〜70 の整数を表し、 nは 2〜5の整数を表す。 )；

(25)前記ポリシロキサン類は、下記一般式で表されるポリオルガノシロキサンをさらに含む、（23)又は（24)に記載のインクセット

[化 2]

(式中、 Rは水素原子またはメチル基を表し、 aは 2〜13の整数を表し、 mは 2〜4の整数を表し、 nは 1〜2の整数を表す。 )；

(26)前記各インク組成物力アルカンジオールを含む（1)〜（25)の、ずれか 1に記載のインクセット；

(27)前記アルカンジオール力分岐 1,2—アルカンジオールである（26)に記載のィンクセッ卜；

(28)各インク組成物力ポリオルガノシロキサンを含む、（1)〜（27)のぃずれか1に記載のインクセット；

(29)各インク組成物の表面張力力 25mNZm以下である、（1)〜（28)のいずれ力 1に記載のインクセット；

(30)インクジェット式記録に用いられる (1)〜（29)の何れか 1に記載のインクセット；

(31)インク組成物を付着させて記録媒体に印刷を行う記録方法であって、該インク組成物として、 (1)〜（29)のいずれか 1に記載のインクセットを構成するインク組成物を用いる記録方法；

(32)インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印刷を行うインクジェット記録方法であって、該インク組成物として、（1)〜（29)のいずれか 1に記載のインクセットを構成するインク組成物を用いる記録方法；

(33) (31)又は（32)に記載の記録方法によって印刷が行われた記録物。

発明の効果

本発明によれば、記録媒体に記録した際の色再現性と光沢性の向上を両立できるインクセット、記録方法及び記録物を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態 [0013] 次に、本発明の実施の形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。

[0014] [インクセット]

本実施形態のインクセットは、既述のとおり、少なくとも、マゼンタインク組成物と、ィエローインク組成物と、シアンインク組成物と、を備えたインクセットであって、該マゼンタインク組成物が、 10000倍以下の希釈水溶液において、可視吸収スペクトルから算出される CIE規格の a*値が 80のときに、 L*値が 60以上かつ b*値が— 17以下である。

[0015] 本実施形態のインクセットに用いられるマゼンタインク組成物を上記のような構成としたことにより、記録した際の発色性、粒状性、及び光沢性に優れ、インクジェット式記録ヘッドでの目詰まりを起こしにくぐさらに高彩度かつ高明度なレッド領域の色再現性と紫領域の色再現性に優れたインクセットが提供される。

[0016] 前記マゼンタインク組成物は、発色性が良好なため顔料濃度を比較的低くしても高彩度かつ高明度の領域での色再現性が優れている。顔料濃度が比較的低くても色再現性に優れているので、顔料濃度を高めることによってインクの粘度が高くなつてしまうことを防ぐことができる。

[0017] また、前記マゼンタインク組成物は、顔料を高濃度化した場合の普通紙における発色性の向上が顕著である。

[0018] さらに、前記マゼンタインク組成物は、耐ガス性、耐光性、及び耐メタメリズム性にも優れている。

[0019] 前記マゼンタインク組成物は、 2 X 10—³gZl顔料濃度の水溶液にぉ、て、可視吸収スペクトルカゝら算出される CIE規格の L*値が 96以上かつ a*値が 7. 5以上であるものであることが好ましい。このような好適な構成とすることにより、更に粒状性及び発色性が顕著に優れたインクセットが提供される。

[0020] 前記マゼンタインク組成物は、 10000倍以上の希釈水溶液において、可視吸収スベクトルカゝら算出される CIE規格の L*値が 94のときに、 a*値が 11. 5以上かつ b*値が - 5. 5以下であるであることが好ましい。このような好適な構成とすることにより、更に粒状性、発色性、光沢性、耐メタメリズム性、耐ガス性、耐光性が顕著に優れたインクセットが提供される。

[0021] 前記マゼンタインク糸且成物は、 γ型 C. I.ビグメントバイオレット 19と、 C. I.ビグメントレッド 202と、の固溶体を少なくとも含むものであることが好ましい。このような好適な構成とすることにより、上記の効果をより向上させることができる。

[0022] ここで、「型じ. I.ビグメントバイオレット 19と、 C. I.ビグメントレッド 202と、の固溶体」とは、 γ型 PV19と、 PR202とが固体で互いに溶けた状態をなす結晶を意味する

[0023] 上記固溶体の γ型 PV19と PR202との量比は本発明の範囲内で適宜調整できる 1S γ型 PV19の重量力 PV202の重量よりも大き!/、ことが好まし!/、。

[0024] 前記固溶体の好適な例の粉末 X線回折分析の結果を図 1に示す。本分析にぉヽては、 PaNalytical X'PertProを用いて、深さ 0. 5mmのガラスセルに試料を詰めて測し 7こ。

[0025] 前記マゼンタインク組成物は、上記固溶体に加えて、 PV19、 PV32等のその他のマゼンタ系顔料をさらに含んでいてもよい。その他のマゼンタ系顔料としては、例えば、 C. I.ビグメントレッド（PR) 5, 7, 12, 48 (Ca) , 48 (Μη) , 57 (Ca) , 57 : 1, 112 , 122, 123, 168, 184, 202, 209 ;C. I.ピグメントノィ才レット 19 (PV19)等力 ^挙げられる。

[0026] 本実施形態のインクセットは、上記固溶体を少なくとも含むマゼンタインク組成物を備えるものであって、該固溶体を含む限り、 PV19、 PV32等のその他のマゼンタ系顔料あるいはその他の顔料をさらに含んでいてもよい。また、該固溶体の γ型 PV19 と PR202との量比は本発明の範囲内で適宜調整できるものである。

[0027] 本実施形態において、可視吸収スペクトルカゝら算出される CIE規格の L*値、 a*値、及び b*値は、例えば日立製作所社製の U3300等を用いて、スキャンスピードで 600 nm/min,測定波長範囲 380〜800nm、スリット幅 2. Onmの条件で透過率測定し、 D65光源、視野角 2度において算出することにより得ることができる。

[0028] 本実施形態のインクセットに使用されるイェローインク組成物は、錯体顔料を含むことが好ましい。前記イェローインク組成物に含まれる顔料としては、例えば、 C. I.ピグメントイエロー 74、 128、 129、 151、 153、 155、 174、 180、 188、 198力もなる群力選ばれる 1種または 2種以上の顔料であることが好ましい。

[0029] 本実施形態のインクセットに使用されるシアンインク組成物は、錯体顔料を含むことが好ましい。前記シアンインク組成物に含まれる顔料としては、例えば、 C. I.ピグメントブノレ一 15 : 1、 15 : 2、 15 : 3、 15 :4、 16、 C. I. ノットブノレ一 4、 60力らなる群力ら選ばれる 1種または 2種以上の顔料であることが好ましい。

[0030] 本実施形態のインクセットは、更にオレンジインク組成物及び Z又はグリーンインク組成物を備えることが好ましヽ。

[0031] イェローインク組成物、マゼンタインク組成物、およびシアンインク組成物力なるィンクセットは、カラーインクジェット記録方法に一般的に用いられているものであるが、本実施形態のインクセットにオレンジインク組成物および Zまたはグリーンインク組成物を組み合わせて用いることで、次のような利点が享受できる。

[0032] まず、オレンジインク組成物および Zまたはグリーンインク組成物を備えたインクセットによれば、カラー画像の色再現性の範囲を拡大することができる。とりわけ、赤系の色および緑系の色の色再現性を改善することができる。従来一般的なカラーインクジェット記録方法において得られる画像の赤および緑の彩度はそれぞれ 60および 7 0程度である力本実施形態のインクセットにオレンジインク組成物および Zまたはグリーンインク組成物を組み合わせて用いれば、 70を超える彩度を実現でき、好ましい態様にれば 80以上の彩度を実現することができる。

[0033] また、本実施形態のインクセットにオレンジインク組成物および Zまたはグリーンィンク組成物を組み合わせて用いれば、さらに微妙な中間色の表現が可能となるとの利点が得られる。インクジェット記録方法においては、インク組成物を印刷するまたは印刷しない、という二値制御によってカラー画像を表現する。従って、表現できる色の数は解像度の制限を受ける。本実施形態のインクセットによれば、オレンジインク組成物および Zまたはグリーンインク糸且成物を加えることで中間色表現の自由度が増し、表現できる色の数を大幅に増やすことができる。

[0034] また、本実施形態のインクセットによれば、彩度および明度の良好な印刷物を得ることができ、とりわけ着色剤として顔料を用いた場合であっても、明度および彩度の良好な印刷物を得ることができる。カラー印刷にあっては、二色以上のインク組成物を同時に印刷すると、印刷面の明度が低くなり、また彩度も低下する傾向がある。顔料を着色剤とするインク組成物は、染料を着色剤とするインク組成物と比較して、この傾向が強い。し力しながら、本実施形態のインクセットにオレンジインク組成物および z またはグリーンインク組成物を組み合わせて用いれば、彩度および明度において、それぞれのインク組成物単独の場合と比較して劣ることのない画像を得ることができる。

[0035] 本実施形態の好ましい態様によれば、オレンジ顔料力 C. I.ビグメントオレンジ 43 及び Z又は C. I.ビグメントオレンジ 36である力、 C. I.ビグメントオレンジ 43及び Z 又は C. I.ビグメントオレンジ 242である。

[0036] また、オレンジ顔料が C. I.ビグメントオレンジ 43及び Z又は C. I.ビグメントオレンジ 242である場合、高い色再現性と光沢を得る観点から、 C. I.ビグメントオレンジ 43 と、 C. I.ビグメントレッド 242との混合比力 4 : 1〜2 : 1であることが好ましい。

[0037] また、本実施形態の好ましい態様によれば、グリーン顔料力 C. I.ピグメントグリーン 7及び Z又は C. I.ビグメントグリーン 36である。

[0038] 本実施形態のインクセットは、さらに、ブラックインク組成物を備えることが好ましい。

ブラックインク組成物の着色剤は、 C. I.ビグメントブラック 7と、 C. I.ビグメントブル一 15 : 1、 15 : 2、 15 : 3、 15 :4、 16、 C. I.ノットブノレ一 4、 60力らなる群力ら選ば、れる 1種または 2種以上と、力もなることが好ましい。このような混合顔料をブラックインク組成物の着色剤に使用することにより、低 Duty部での色相の赤みを抑制できるという効果がある。

[0039] 本実施形態のインクセットに使用される各インク組成物の顔料固形分濃度は、記録画像における発色性を確保する観点からは、 3重量％以上であることが好ま、。

[0040] さらに、本実施形態のセットは、相互に同一色であるが顔料固形分濃度の異なるィンク組成物を備えることがより好ましい。ここで、「相互に同一色であるが顔料固形分濃度の異なるインク組成物」とは、相互に同一の種類の顔料を使用している力顔料の固形分濃度 (重量割合）が異なるインク組成物を、う。

[0041] 例えば、本実施形態のインクセットに、同じ種類の顔料を用いたインク組成物であつて、顔料固形分濃度が、 2. 5重量％以下であるインク組成物と、 2. 5重量％よりも高、インク組成物と、を少なくとも備えることができる。

[0042] 異なる顔料固形分濃度を有する 2種類以上のインク組成物を備えることで、記録媒体に記録したときにインクの定着性が良好でかつダロスチェンジ及び光沢性が改善された記録物を得ることができる。すなわち、顔料固形分濃度が高い濃インク組成物及び顔料固形分濃度が低、淡インク組成物のそれぞれの特性が相まって、グロスチンジ、光沢性、定着性が改善された極めて良好な画質を実現することができる。

[0043] なお、前記ブラックインク組成物にっ、ては、粒状性の観点から、顔料固形分濃度力 S1重量％未満であるブラックインク糸且成物と、 1重量％以上 3重量％以下であるブラックインク組成物と、を含むことがより好ましい。

[0044] また、本実施形態のインクセットに使用されるインク組成物のうち、前記マゼンタインク組成物、前記イェローインク組成物、前記シアンインク組成物の 1種または 2種以上力白色顔料を含むことが好ましい。

[0045] 前記マゼンタインク組成物、前記イェローインク組成物、前記シアンインク組成物の 1種または 2種以上が白色顔料を含むことにより、印刷物の光沢を損なうことなぐプロンズ現象を抑制することができるインク組成物を得ることができる。

[0046] 前記白色顔料としては、二酸化チタン、二酸ィ匕ジルコユア等の第 IV族元素酸ィ匕物が挙げられる。

[0047] 前記白色顔料の一次粒子径は、印刷物の光沢とブロンズ現象抑制効果の観点から、好ましくは 1 μ m以下、より好ましくは 200nm以下、更に好ましくは 120nm以下である。

[0048] ここで、「一次粒子径」とは、単結晶又はそれに近、結晶子が集まって形成して、る粒子の大きさをいう。顔料の一次粒子径の測定は、電子顕微鏡法による。これは電子顕微鏡写真力顔料粒子の大きさを計測するもので、顔料を有機溶媒に分散し、支持膜に固定して透過型電子顕微鏡写真力画像処理し計測することにより、より信頼性がある値を求めることができる。具体的には、個々の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、その一時粒子の面積と等しい円の直径を算術的に求めそれを一次粒子径とし、一定の視野から 50個以上の顔料粒子をランダムに選択して平均値を求める。他の測定法でも同等の信頼性が得られれば差し支えないが、数値に実質的な差がある場合は上記の方法で求めた値を採用する。

[0049] 前記白色顔料の含有量は、印刷物の光沢とブロンズ現象抑制効果の観点から、ィンク組成物の重量を基準（100重量％)とした場合に、固形分換算で、好ましくは 0. 01重量％以上、より好ましくは 0. 1重量％以上、更に好ましくは 0. 1重量％以上 5重量％以下である。

[0050] 本実施形態のインクセットに使用されるインク組成物は、着色剤として顔料を使用するとともに、該顔料を分散するための分散剤を含有するものが好ましい。分散剤は、この種の顔料インクに使用可能であるものを特に制限なく用いることができ、例えば、カチオン性分散剤、ァ-オン性分散剤、ノ-オン性分散剤や界面活性剤等が挙げられる。

[0051] ァ-オン性分散剤の例としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸ーァクリロ-トリル共重合体、酢酸ビュルアクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アタリル酸アルキルエステル共重合体、スチレンアクリル酸共重合体、スチレンメタタリル酸共重合体、スチレンアクリル酸アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレンーメタクリル酸—アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン α—メチルスチレンアクリル酸共重合体、スチレン OCーメチルスチレンアクリル酸アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレンマレイン酸共重合体、ビュルナフタレンマレイン酸共重合体、酢酸ビニルーエチレン共重合体、酢酸ビニルー脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビ-ルーマレイン酸エステル共重合体、酢酸ビ-ルークロトン酸共重合体、酢酸ビニルーアクリル酸共重合体等が挙げられる。

[0052] ノ-オン性分散剤としては、ポリビュルピロリドン、ポリプロピレングリコール、ビュルピロリドン酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。

[0053] 分散剤としての界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモ-ゥム塩等のァ-オン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシェチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシェチレンアルキルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルァミン、ポリオキシェチレンアルキルアミド等のノ-オン性界面活性剤、が挙げられる。特に、顔料の分散安定性を高める観点から、スチレン（メタ)アクリル酸共重合体を用いることが好ましい。

[0054] また、本実施形態のインクセットに使用されるインク組成物は、湿潤剤として、多価アルコール類、糖類、エチレンオキサイド鎖を有する多価アルコール類を 1種又は 2 種以上含むことが好ましい。湿潤剤を加えることによって、インクジェット記録用に用いた場合に、インクの乾燥を防いでインクジェットプリンタのヘッドでの目詰まりが抑制される。

[0055] 湿潤剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコーノレ、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、 1, 2, 6 へキサントリオール、チォグリコール、へキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールェタン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類；糖アルコール等の糖類；エチレングリコールモノェチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ一ノレモノェチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノブチノレエーテノレ、トリエチレングリコーノレモノメチノレエーテノレ、トリエチレングリコーノレモノェチノレエーテノレ、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレンオキサイド鎖を有する多価アルコール類；等が挙げられ、これらの 1種又は 2種以上が用いられる。

[0056] また、本実施形態のインクセットに使用されるインク組成物は、浸透剤として、ラクトン類、ラタタム類 (ピロリドン類）、アルカンジオール類、グリコールエーテル類を 1種又は 2種以上含むことが好ましい。浸透剤を加えることによって、記録媒体への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。

[0057] 浸透剤としては、例えば、 γ プチ口ラタトン等のラタトン類； 2 ピロリドン、 N—メチルー 2—ピロリドン等のラタタム類（ピロリドン類）； 1, 2—ペンタンジオール、 1, 2—へキサンジオール等のアルカンジオール等；エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコーノレモノェチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノブチノレエーテノレ、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類；が挙げられ、これらの 1種又は 2種以上含むことが好ましい。 [0058] 本実施形態のインクセットに使用される各インク組成物は、界面活性剤として、ァセチレングリコール類、ポリシロキサン類を 1種又は 2種以上含むことが好ましい。界面活性剤を加えることによって、記録媒体への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。

[0059] 各インク組成物は、界面活性剤として用いることができるポリシロキサン類として、下記一般式で表されるポリオルガノシロキサンを含むことが好ましい。

[化 3]

(式中、 Rは水素原子またはメチル基を表し、 aは 7〜： L 1の整数を表し、 mは 20〜70 の整数を表し、 nは 2〜5の整数を表す。 )

[0060] このような好適な構成とすることにより、光沢感が一層向上した記録物を得ることができる。

[0061] または、各インク組成物は、界面活性剤として、上記一般式で表されるポリオルガノシロキサンにカ卩えて、さらに、下記一般式で表されるポリオルガノシロキサンを含むことが好ましい。

[化 4]

(式中、 Rは水素原子またはメチル基を表し、 aは 2〜13の整数を表し、 mは 2〜4の整数を表し、 nは 1〜2の整数を表す。 ) [0062] このような好適な構成とすることにより、印刷本紙に記録した際の凝集むらを抑制することがでさる。

[0063] ポリシロキサン類は、インク組成物中に複数種類用いてもよい。また、インク組成物の表面張力を 25mNZm以下に調整することが凝集斑の観点力好ましぐかかる観点および記録物の速乾性の観点からは、ポリシロキサン類の添カ卩量は、 0. 05〜3 . 00重量％であることが好ましい。

[0064] 上記一般式で表されるポリオルガノシロキサンは市販されており、それらを利用することが可能である。例えば、ビッグケミー'ジャパン株式会社より市販されているシリコン系界面活性剤 BYK—UV3500、 BYK- 345, BYK—346、 BYK—347、又は BYK— 348が利用可能である。

[0065] 本実施形態のインクセットに使用されるインク組成物は、保水性 (保湿性)と普通紙等の記録メディアへのインク組成物の浸透性の制御を行う観点から、アルカンジォールを含むことが好ましい。

[0066] 特に、水溶性の 1, 2 アルカンジオールを 8〜 15重量％含むことが好ましい。あるいは、水溶性の両末端アルカンジオールを 3〜8重量％含むことが好ましい。具体的には、 4ーメチルー 1, 2 ペンタンジオール、 1, 2 ペンタンジオール、 3, 3 ジメチルー 1, 2 ブタンジオール、 4, 4 ジメチルー 1, 2 ペンタンジオール、 5—メチルー 1, 2—へキサンジオール， 1, 2—へキサンジオール、 1, 2—ヘプタンジオール、 1, 2—オクタンジオールが好ましい。さらには、 4—メチル 1, 2 ペンタンジォール、 1, 2 へキサンジオールが好ましい。特に、炭素数が 6の分岐を有してもよい 1,2 アルカンジオールであることが好まし!/、。

[0067] 本実施形態のインクセットに使用される各インクは、インクの乾燥時間を短縮する観点から、低沸点有機溶媒を含んでもよい。該低沸点有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、 _n—プロピルアルコール、 iso プロプルアルコール、 n—ブタノール、 sec ブタノール、 tert ブタノール、 iso ブタノール、 n—ペンタノール等が挙げられ、これらの 1種又は 2種以上が用いられる。特に、一価アルコールが好ましい

[0068] 本実施形態のインクセットに使用されるインク組成物は、前述した顔料、分散剤、湿潤剤、低沸点有機溶媒、浸透剤、界面活性剤等の成分を含有し、バランスとして水を含有することが好ましい。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間に亘つてカビゃバクテリアの発生が防止されるので好ましい。

[0069] 各インク組成物には、更に必要に応じて、水溶性ロジン類等の定着剤、安息香酸ナトリウム等の防黴剤.防腐剤、アロハネート類等の酸化防止剤 '紫外線吸収剤、キレート剤、酸素吸収剤、 pH調整剤等の添加剤を含有させることができ、これらの 1種又は 2種以上が用いられる。

[0070] pH調整剤としては、水酸ィ匕カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールァミン、トリプロノ V—ルァミン等を挙げることができる。 pH調整剤の添加量は目的とする pHに応じて決定される。

[0071] [記録方法]

本実施形態における記録方法は、上述したインクセットを用いた記録方法である。インクセットを用いた記録方法とは、例えば、インクジェット記録方法、その他各種の印刷方法が挙げられる。したがって、前記実施形態に係るインクセットは、例えばインクジェット記録方法などの用途に好ましく用いることができる。

[0072] 本実施形態の記録方法の別の態様によれば、前記実施形態のインクセットに備えたインク組成物の液滴を吐出し記録媒体に付着させて印刷を行うインクジェット記録方法が提供される。本実施形態によるインクジェット記録方法としては、前記インクセットに備えたインク組成物を微細なノズルより液滴として吐出して、その液滴を記録媒体に付着させる方法であれば、かなる方法も使用することができる。そのような方法の具体例としては、種々の態様の方法が知られている。

[0073] そのような方法の一例としては、例えば、静電吸引方式が挙げられる。この方式では、ノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印可し、ノズル力インクを液滴状で連続的に噴射させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する。また、この方法においては必要に応じて、インク滴を偏向させることなく印刷情報信号に対応して噴射させてもよい。 [0074] 他の態様としては、小型ポンプでインク液に圧力をカ卩え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方法がある。この方法では、噴射したインク滴は噴射と同時に帯電させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する。別の態様としては、圧電素子を用いる方法が挙げられる。この方法では、インク液に圧電素子で圧力と印刷情報信号を同時に加え、インク滴を噴射させ、記録を行う。さらに別の態様としては、熱ェネルギ一の作用によりインク液を急激に体積膨張させる方法がある。この方法では、インク液を印刷情報信号に従って微小電極で加熱発泡させ、インク滴を噴射させ、記録を行う。

[0075] 記録媒体としては、特に制限はなぐ例えば、普通紙、インクジェット専用紙、プラスチック、フィルム、金属等の種々の記録媒体を用いることができる。

[0076] [記録物]

更に、本実施形態によれば、前記実施形態に係る記録方法により記録された記録物も提供される。この記録物は、少なくとも上述したインクセットに備えたインク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着して記録が行われたものである。前記実施形態に係る記録方法により記録された記録物は、上述したインクセットを用いて記録が行われたものであるため、記録媒体に記録した際の色再現性と光沢性の両立が可能となる。なお、記録媒体の具体例としては、上記に示した記録媒体を用いることが可能である。

[0077] 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。当業者は、以下に示す実施例のみならず様々な変更を加えて実施することが可能であり、力かる変更も本特許請求の範囲に包含される。実施例 1

[0078] 以下の組成からなるマゼンタインク組成物、イェローインク組成物、シアンインク糸且成物、ライトマゼンタインク組成物、ライトシアンインク組成物及びブラックインク組成物をそれぞれ調製し、インクセットとした。

[0079] 本実施例では、マゼンタインク組成物の顔料として、 γ型 C. I.ビグメントバイオレツト（PV) 19と、 C. I.ビグメントレッド（PR) 202の固溶体を用いた。 [0080] ここで、前記マゼンタインク組成物の L*値、 a*値、及び b*値を測定した。即ち、日立製作所社製の U3300等を用いて、マゼンタインク組成物の可視吸収スペクトルから算出される CIE規格の L*値、 a*値、及び b*値につき、スキャンスピードで 600nmZmi n、測定波長範囲 380〜800nm、スリット幅 2. Onmの条件で透過率測定し、 D65光源、視野角 2度において算出した。

[0081] その結果、 1万倍以下の希釈水溶液において、可視吸収スペクトル力算出される

CIE規格の a*値が 80のときに、 L*値が 65かつ b*値が— 27であった。

[0082] また、前記マゼンタインク組成物は、 2 X 10— ³gZ顧料固形分濃度の水溶液にぉヽて、可視吸収スペクトルカゝら算出される CIE規格の L*値が 96. 5であった。

[0083] 更に、前記マゼンタインク組成物は 1万倍以上の希釈水溶液において、可視吸収スペクトルから 'BR〉Z出される CIE規格の L*値が 94のときに、 a*値が— 13かつ b*値が 6であった。

[0084] <マゼンタインク糸且成物 >

グリセリン 10. 0重量％

4—メチル 1, 2 ペンタンジオール 8. 0重量⁰ /₀

トリエタノーノレアミン 0. 9重量％

BYK— UV3510 (ビックケミ一社） 0. 1重量⁰ /₀

PV19と PR202の固溶体 5. 0重量⁰ /₀

スチレンアクリル酸共重合榭脂 2. 0重量％

純水残量

計 100. 0重量％

[0085] <イェローインク糸且成物 >

グリセリン 10. 0重量％

4—メチノレ一 1, 2 ペンタンジ才ーノレ 8. 0重量％

トリエタノーノレアミン 0. 9重量％

BYK— UV3510 (ビックケミ一社） 0. 1重量⁰ /₀

PY74 5. 0重量％

スチレンアクリル酸共重合榭脂 2. 0重量％純水残量

計 100. 0重量％

[0086] くシアンインク組成物 >

グリセリン 10. 0重量％

4—メチル 1, 2 ペンタンジオール 8. 0重量⁰ /₀ トリエタノーノレアミン 0. 9重量％

BYK— UV3510 (ビックケミ一社） 0. 1重量⁰ /₀ PB15 :4 4. 0重量％スチレンアクリル酸共重合榭脂 1. 6重量％純水残量

計 100. 0重量％

[0087] <ライトマゼンタインク糸且成物 >

グリセリン 10. 0重量％

BYK— UV3510 (ビックケミ一社） 0. 1重量⁰ /₀ PV19と PR202の固溶体 1. 2重量⁰ /₀ スチレンアクリル酸共重合榭脂 0. 5重量％純水残量

計 100. 0重量％

[0088] くライトシアンインク組成物〉

グリセリン 10. 0重量％

BYK— UV3510 (ビックケミ一社） 0. 1重量⁰ /₀ PB15 :4 0. 8重量％スチレンアクリル酸共重合榭脂 0. 3重量％純水残量計 100. 0重量％

[0089] <ブラックインク組成物 >

グリセリン 10. 0重量％

4ーメチルー 1, 2—ペンタンジオール 8. 0重量⁰ /₀

トリエタノールァミン 0. 9重量％

BYK—UV3510 (ビックケミ一社） 0. 1重量⁰ /₀

PCB7 1. 5重量％

スチレンアクリル酸共重合榭脂 0. 8重量％

純水残量

計 100. 0重量％

実施例 2

[0090] シアンインク組成物、ライトマゼンタインク組成物、ライトシアンインク組成物及びブラックインク組成物に、二酸ィ匕チタン 0. 3重量％を追加した点および下記に示す組成のオレンジインク組成物を追加した点以外は、実施例 1と同様にインクセットを構成した。

[0091] <オレンジインク組成物〉

グリセリン 10. 0重量％

4ーメチルー 1， 2—ペンタンジオール 8. 0重量⁰ /₀

トリエタノーノレアミン 0. 9重量％

BYK— UV3510 (ビックケミ一社） 0. 1重量⁰ /₀

POr43 5. 0重量⁰ /₀

スチレンアクリル酸共重合榭脂 2. 0重量％

純水残量

計 100. 0重量％

実施例 3

[0092] 下記に示すグリーンインク組成物を追加した点以外は、実施例 2と同様にインクセットを構成した。

[0093] くグリーンインク組成物〉グリセリン 10. 0重量％

4ーメチルー 1. 2—ペンタンジオール 8. 0重量％

トリエタノーノレアミン 0. 9重量％

BYK— UV3510 (ビックケミ一社） 0. 1重量⁰ /₀

PGr36 5. 0重量⁰ /₀

スチレンアクリル酸共重合榭脂 2. 0重量％

純水残量

計 100. 0重量％

実施例 4

[0094] 各インク組成物の 4- -メチルー 1, 2—ペンタンジオールを、 1, 2—へキサンジォールに変更した以外は、実施例 1と同様にインク組成物を調製し、インクセットを構成した。

実施例 5

[0095] 各インク組成物の 4- -メチルー 1, 2—ペンタンジオールを、 1, 2—へキサンジォールに変更した以外は、実施例 2と同様にインク組成物を調製し、インクセットを構成した。

実施例 6

[0096] 各インク組成物の 4- -メチルー 1, 2—ペンタンジオールを、 1, 2—へキサンジォールに変更した以外は、実施例 3と同様にインク組成物を調製し、インクセットを構成した。

実施例 7

[0097] 実施例 5のオレンジインク組成物の代わりに、オレンジインク組成物その 2に変更した以外は実施例 5のインク組成物と同様にインク組成物を調製し、インクセットを構成した。

[0098] <オレンジインク組成物その 2 >

グリセリン 10. 0重量％

1, 2—へキサンジオール 8. 0重量⁰ /₀ トリエタノーノレアミン 0. 9重量％

BYK— UV3510 (ビックケミ一社） 0. 1重量⁰ /₀

POr43 3. 75重量⁰ /₀

POr242 1. 25重量⁰ /₀

スチレンアクリル酸共重合榭脂 2. 0重量％

純水残量

計 100. 0重量％

実施例 8

[0099] 実施例 6のオレンジインク組成物の代わりに、オレンジインク組成物その 2に変更した以外は実施例 6のインク組成物と同様にインク組成物を調製し、インクセットを構成した。

[0100] [比較例 1]

以下の組成カゝらなるマゼンタインク組成物、イェローインク組成物、シアンインク組成物、ライトマゼンタインク組成物、ライトシアンインク組成物及びブラックインク組成物をそれぞれ調製し、インクセットとした。

[0101] 本比較例においては、前記マゼンタインク組成物として、 C. I.ビグメントバイオレツト（PV) 19を使用した。

[0102] ここで、前記マゼンタインク組成物の L*値、 a*値、及び b*値を測定した。即ち、日立製作所社製の U3300等を用いて、マゼンタインク組成物の可視吸収スペクトルから算出される CIE規格の L*値、 a*値、及び b*値につき、スキャンスピードで 600nmZmi n、測定波長範囲 380〜800nm、スリット幅 2. Onmの条件で透過率測定し、 D65光源、視野角 2度において算出した。

[0103] その結果、 1万倍以下の希釈水溶液において、可視吸収スペクトル力も算出される CIE規格の a*値が 80のときに、 L*値が 61であり、 b*値が— 16であった。

[0104] また、前記マゼンタインク組成物は、 2 X 10— ³gZ顧料固形分濃度の水溶液にぉヽて、可視吸収スペクトル力も算出される CIE規格の L*値が 97かつ a*値が 5であった。

[0105] 更に、前記マゼンタインク組成物は 1万倍以上の希釈水溶液において、可視吸収スペクトル力も算出される CIE規格の L*値が 94のときに、 a*値が 13かつ b*値が一 4であった。

[0106] <マゼンタインク糸且成物 >

グリセリン 10. 0重量％トリエチレングリコールモノブチルエーテル 8. 0重量％トリエタノールァミン 0. 9重量％ SF465 (エアープロダクツ社） 0. 1重量％ PV19 5. 0重量％スチレンアクリル酸共重合榭脂 2. 0重量％純水残量

計 100. 0重量％

[0107] <イェローインク組成物〉

グリセリン 10. 0重量％トリエチレングリコーノレモノブチノレエーテノレ 8. 0重トリエタノーノレアミン 0. 9重量％

SF465 (エアープロダクツ社） 0. 1重量％ PY74 5. 0重量％スチレンアクリル酸共重合榭脂 2. 0重] 純水残量

計 100. 0重量％

[0108] <シアンインク糸且成物〉

グリセリン 10. 0重量％トリエチレングリコールモノブチルエーテル 8. 0重トリエタノーノレアミン 0. 9重量％

SF465 (エアープロダクツ社） 0. 1重量％ PB15 :4 4. 0重量。/。

スチレンアクリル酸共重合榭脂 1. 6重舅純水残量 [0109] <ライトマゼンタインク組成物 >

グリセリン 10. 0重量％トリエチレングリコーノレモノブチノレエーテノレ 8. 0重トリエタノーノレアミン 0. 9重量％ SF465 (エアープロダクツ社） 0. 1重量％ PV19

スチレンアクリル酸共重合榭脂 0. 5重！純水残量

計 100. 0重量％

[0110] くライトシアンインク組成物〉

グリセリン 10. 0重量％トリエチレングリコールモノブチルエーテル 8. 0重』トリエタノールァミン 0. 9重量％

SF465 (エアープロダクツ社） 0. 1重量％ PB15 :4 0. 8重量％スチレンアクリル酸共重合樹脂 0. 3重量純水残量

計 100. 0重量％

[0111] くブラックインク組成物〉

グリセリン 10. 0重量％トリエチレングリコールモノブチルエーテル 8. 0重！トリエタノーノレアミン 0. 9重量％

SF465 (エアープロダクツ社） 0. 1重量。 /。 PCB7 1. 5重量％ PB15 :4 0. 2重量％スチレンアクリル酸共重合榭脂 0. 8重 j 純水残量

計 100. 0重量％ [0112] [試験例 1]色再現性の評価

インクジェットプリンタ PX—G900 (セイコーエプソン社製）に実施例 1〜6のインクセット又は比較例 1のインクセットを充填し、同一のインク重量制限値で LUT (Look Up Table :濃度変換参照テーブル)を作成した。その後、最大の色再現を計測できる画像を PXプルーフ用紙（セイコーエプソン社製）に 14440 X 720dpiで記録し、記録物を得た。得られた記録物を図 2〜4に示す。

[0113] 図 2は、実施例 1及び比較例 1のインクセットのパッチパターンについて、色再現面積を比較した図である。図 2 (a)は高明度部 (L*値 = 90)における色再現面積を比較した図であり、図 2 (b)は、高明度部 (L*値 =80)における色再現面積を比較した図であり、図 2 (c)は、高明度部 (L*値 = 70)における色再現面積を比較した図であり、図 2 (d)は、中明度部 (L*値 =60)における色再現面積を比較した図であり、図 2 (e) は、中明度部 (L*値 = 50)における色再現面積を比較した図であり、図 2 (f)は、中明度部 (L*値 =40)における色再現面積を比較した図であり、図 2 (g)は、低明度部 (L* 値 = 30)における色再現面積を比較した図であり、図 2 (h)は、低明度部 (L*値 = 20 )における色再現面積を比較した図であり、図 2 (i)は、低明度部 (L*値 = 10)における色再現面積を比較した図である。

[0114] 図 3は、実施例 2及び比較例 1のインクセットのパッチパターンについて、色再現面積を比較した図である。図 3における（a)〜(i)の L*値は、図 2における（a)〜(i)の L* 値と同じである。

[0115] 図 4は、実施例 3及び比較例 1のインクセットのパッチパターンについて、色再現面積を比較した図である。図 4における（a)〜(i)の L*値は、図 2における（a)〜(i)の L* 値と同じである。

[0116] なお、記録メディアの単位面積あたりの最大インク重量を ll〜12mg/inch平米に調整した場合、実施例 1と実施例 7と実施例 8の色再現面積は同一であった。同一になる理由は、該最大インク重量よりも少な、インク重量で彩度が飽和して、る為である。

[0117] 色再現性の評価は、得られた記録物の色領域 Ι〜ΠΙを目視し、各色領域における色再現の可否を観察することにより行った。ここで、色領域 Iは L*70から L*10までの青領域に該当し、色領域 IIは L*80から L*20までの赤領域に該当し、色領域 IIIは L*9 0から L*50までの緑領域に該当する。

A：色領域 Iと色領域 IIと色領域 IIIの全てが色再現できる。

B：色領域 Iと色領域 IIは再現できるが、色領域 IIIが再現できな、。

C：色領域 Iは再現できる力色領域 IIと色領域 IIIが再現できな、。

D：色領域 Iと色領域 IIと色領域 IIIの全てが色再現できな、。

[0118] [試験例 2]光沢度の評価

試験例 1で用いた記録物の Duty60%の領域における 45度鏡面光沢度を、ゴ-ォフォトメーター GP— 200 (商品名：村上色彩技術研究所製)を用いて測定し、下記の基準に基づき光沢度を評価した。結果を表 1に示す。

A：光沢度が 25以上である。

B :光沢度が 25未満である。

[0119] [表 1]

図面の簡単な説明

[0120] [図 1]マゼンタインクに含まれる固溶体の好適な例の粉末 X線回折分析の結果を示すグラフである。

[図 2]実施例 1及び比較例 1のインクセットのパッチパターンについて、色再現面積を比較した図である。 [図 3]実施例 2及び比較例 1のインクセットのパッチパターンについて、色再現面積を比較した図である。

[図 4]実施例 3及び比較例 1のインクセットのパッチパターンについて、色再現面積を比較した図である。

Claims

請求の範囲

[1] 少なくとも、マゼンタインク組成物と、イェローインク組成物と、シアンインク組成物と

、を備えたインクセットであって、

該マゼンタインク組成物が、 10000倍以下の希釈水溶液において、可視吸収スぺクトルカも算出される CIE規格の a*値が 80のときに、 L*値が 60以上かつ b*値が一 17 以下である、

インクセット。

[2] 前記マゼンタインク組成物が、 2 X 10— ³gZ顧料固形分濃度の水溶液にぉ、て、可視吸収スペクトルカゝら算出される CIE規格の L*値が 96以上かつ a*値が 7. 5以上である、請求項 1に記載のインクセット。

[3] 前記マゼンタインク組成物が、 10000倍以上の希釈水溶液において、可視吸収スベクトルカゝら算出される CIE規格の L*値が 94のときに、 a*値が 11. 5以上かつ b*値が 5. 5以下である、請求項 1に記載のインクセット。

[4] 前記マゼンタインク糸且成物が、 γ型 C. I.ビグメントバイオレット 19と、 C. I.ビグメントレッド 202と、の固溶体を少なくとも含む、請求項 1〜3の何れ力 1項に記載のマゼンタインク組成物。

[5] 前記イェローインク糸且成物の着色剤力 C. I.ビグメントイエロー 74、 128、 129、 1

51、 153、 155、 174、 180、 188、 198力らなる群力ら選ば、れる 1種また ίま 2種以上の顔料である請求項 1〜4のいずれか 1項に記載のインクセット。

[6] 前記シアンインク組成物の着色剤力 C. I.ビグメントブルー 15： 1、 15： 2、 15： 3、

15 :4、 16、 C. I.ノットブルー 4、 60からなる群力も選ばれる 1種または 2種以上の顔料である請求項 1〜5のいずれか 1項に記載のインクセット。

[7] さらにオレンジインク組成物を備えた請求項 1〜6のいずれか 1項に記載のインクセッ卜。

[8] 前記オレンジインク組成物の着色剤力 C. I.ビグメントオレンジ 43及び Ζ又は 36 の顔料である請求項 7に記載のインクセット。

[9] 前記オレンジインク組成物の着色剤力 C. I.ビグメントオレンジ 43及び Ζ又は 24

2の顔料である請求項 7に記載のインクセット。 [10] 前記オレンジインク組成物の着色剤の混合比力 C. I.ビグメントオレンジ 43と、 C . I.ビグメントレッド 242=4 : 1〜2 : 1である請求項 7に記載のインクセット。

[11] さらにグリーンインク組成物を備えた請求項 1〜： LOのいずれ力 1項に記載のインクセット。

[12] 前記グリーンインク組成物の着色剤力 C. I.ビグメントグリーン 7及び Z又は 36の顔料である請求項 11に記載のインクセット。

[13] さらに、ブラックインク組成物を備えた請求項 1〜12のいずれ力 1項に記載のインクセット。

[14] 前記ブラックインク組成物の着色剤力 C. I.ビグメントブラック 7と、 C. I.ビグメントブノレー 15 : 1、 15 : 2、 15 : 3、 15 :4、 16、 C. I. ノットブノレ一 4、 60力らなる群力ら選ばれる 1種または 2種以上と、力もなる請求項 13に記載のインクセット。

[15] 前記各インク組成物の顔料固形分濃度が、 3重量％以上である請求項 1〜14のいずれか 1項に記載のインクセット。

[16] 相互に同一色であるが顔料固形分濃度の異なるインク組成物を備えた、請求項 1 〜 14のいずれ力 1項に記載のインクセット。

[17] 前記各インク組成物の顔料固形分濃度が、 2. 5重量％以下であるインク組成物と、 2. 5重量％よりも高いインク組成物と、を少なくとも備えた、請求項 16に記載のインクセット。

[18] 前記顔料固形分濃度が、 1重量％未満であるブラックインク組成物と、 1重量％以上 3重量％以下であるブラックインク組成物と、を少なくとも含む、請求項 16に記載のインクセット。

[19] 前記マゼンタインク組成物、前記イェローインク組成物、前記シアンインク組成物の 1種または 2種以上力白色顔料を含む、請求項 1〜18のいずれ力 1項に記載のインクセット。

[20] 前記白色顔料が、二酸ィ匕チタンまたは二酸ィ匕ジルコユアである請求項 19に記載のインクセット。

[21] 前記各インク組成物が、湿潤剤として、多価アルコール類、糖類、エチレンォキサイド鎖を有する多価アルコール類を 1種又は 2種以上含む、請求項 1〜 20の何れか 1 項に記載のインクセット。

[22] 前記各インク組成物力浸透剤として、ピロリドン類、アルカンジオール類、グリコールエーテル類を 1種又は 2種以上含む、請求項 1〜21の何れか 1項に記載のインクセット。

[23] 前記各インク組成物力界面活性剤として、アセチレングリコール類、ポリシロキサン類を 1種又は 2種以上含む、請求項 1〜22の何れか 1項に記載のインクセット。

[24] 前記ポリシロキサン類は、下記一般式で表されるポリオルガノシロキサンである、請求項 23記載のインクセット。

[化 1]

前記ポリシロキサン類は、下記一般式で表されるポリオルガノシロキサンをさらに含む、請求項 23又は 24に記載のインクセット。

[化 2]

(式中、 Rは水素原子またはメチル基を表し、 aは 2〜13の整数を表し、 mは 2〜4の整数を表し、 nは 1〜2の整数を表す。 )

前記各インク組成物力アルカンジオールを含む請求項 1〜25のいずれ力 1項に記載のインクセット。

[27] 前記アルカンジ一ルカ分岐 1,2—アルカンジオールである請求項 26に記載のィンクセット。

[28] 前記各インク組成物力ポリオルガノシロキサンを含む、請求項 1〜27のいずれか

1項に記載のインクセット。

[29] 前記各インク組成物の表面張力が、 25mNZm以下である、請求項 1〜28のいずれカ 1項に記載のインクセット。

[30] インクジェット式記録に用いられる請求項 1〜29の何れ力 1項に記載のインクセット

[31] インク組成物を付着させて記録媒体に印刷を行う記録方法であって、該インク組成物として、請求項 1〜29のいずれか 1項に記載のインクセットを構成するインク組成物を用いる記録方法。

[32] インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印刷を行うインクジエツト記録方法であって、該インク組成物として、請求項 1〜29のいずれか 1項に記載のインクセットを構成するインク組成物を用いる記録方法。

[33] 請求項 31又は 32に記載の記録方法によって印刷が行われた記録物。