WO2006087975A1

WO2006087975A1 - 光源装置

Info

Publication number: WO2006087975A1
Application number: PCT/JP2006/302362
Authority: WO
Inventors: Koji Matsushita; Kazuo Ueno; Kouzou Adachi
Original assignee: Hamamatsu Photonics K.K.
Priority date: 2005-02-17
Filing date: 2006-02-10
Publication date: 2006-08-24
Also published as: CN100578197C; CN101120242A; DE112006000407T5; US7868526B2; US20080180027A1; JP2006226838A; JP4589142B2; DE112006000407B4

Abstract

　この発明は、ガス放電管の輝度安定化を可能にするとともに、該ガス放電管の保守作業を容易にするための構造を備えた光源装置に関する。当該光源装置は、ガス放電管と、該ガス放電管を収納したランプ容器と、該ランプ容器が固定された基台を備える。ランプ容器の外郭の一部には、断熱部材を介してガス放電管が固定されており、この断熱部材は当該ランプ容器とガス放電管との間の熱伝導を低減するよう機能し、ランプ容器外の温度変化によるガス放電管への影響が低減される。また、ランプ容器は、ガス放電管が断熱部材を介して固定された外郭の一部分と、外郭の残り部分とを着脱可能にするための着脱構造を備えており、この着脱構造がガス放電管の保守作業を容易にする。

Description

明細書

光源装置

技術分野

[0001] この発明は、所定波長の光を出射するガス放電管を備え、分析装置や半導体検査装置等の光源として使用可能な光源装置に関するものである。

背景技術

[0002] 従来、分析装置や半導体検査装置等の技術分野では、例えば特許文献 1及び 2に記載されたような光源装置が知られている。これら特許文献 1及び 2に記載された光源装置は、紫外光を出射する重水素ランプ (ガス放電管)を収容するランプ容器を備え、このランプ容器は、光源装置の筐体に収容されている。例えば特許文献 1に記載された光源装置では、断熱部材を介してランプボックス (ランプ容器)が筐体に固定されている。これにより、筐体力もランプボックスへの伝熱が防止され、出射光輝度の安定ィ匕が図られている。また、特許文献 2の分析装置 (光源装置)では、ランプ容器と筐体との間に断熱材が配置されることで、ガス放電管で生じた熱が測定に悪影響を与免ることが防止されている。

特許文献 1：特開 2000— 315417号公報

特許文献 2：特開平 11― 344435号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0003] 発明者らは、従来の光源装置について検討した結果、以下のような課題を発見した

。すなわち、ランプ容器内に収納されるガス放電管は、温度変化の影響を受けやすい。特に、特許文献 1記載の光源装置にあっては、ガス放電管のステムがランプ容器外に露出しているため、ガス放電管がランプ容器外の温度変化の影響を受けてしまい、その結果、輝度が不安定になる可能性があった。

[0004] また、近年、光源装置の小型化が要求されており、このような場合、筐体内でランプ容器とその他の部品が近接して配置される。一方、このような装置の小型化は、ガス放電管の交換等の保守作業を困難にする。 [0005] この発明は上述のような課題を解決するために成されたものであり、ガス放電管の輝度安定ィ匕を可能にするとともに、ガス放電管の保守作業を容易にするための構造を備えた光源装置を提供することを目的として!ヽる。

課題を解決するための手段

[0006] この発明に係る光源装置は、所定波長の光を発生させるガス放電管と、該ガス放電管を収容したランプ容器と、そして、該ランプ容器が表面に固定された基台とを備える。上記ランプ容器は、ランプ固定部と、光出射部と、断熱部材と、第 1着脱構造とを備える。ランプ固定部は、ランプ容器の外郭の一部を構成する。光出射部は、収納されたガス放電管からの光をランプ容器外へ通過させる。断熱部材は、ガス放電管とともにランプ容器内に収納されている。また、この断熱部材は、ガス放電管がランプ固定部の内側面の所定位置に固定されるよう該ガス放電管と該ランプ固定部との間に配置されている。そして、第 1着脱構造は、ランプ固定部 (ガス放電管が断熱部材を介して固定されている）を、該ランプ固定部とともにランプ容器の外郭の一部を構成する残り部分に対して、該ガス放電管が固定された状態で着脱可能にする。

[0007] 上述のように、この発明に係る光源装置は、ランプ容器内にガス放電管が固定される一方、ガス放電管とランプ容器を構成するランプ固定部との間に断熱部材が配置された構造を有する。このような構造により、断熱部材がランプ容器外に配置される一方、ガス放電管とランプ容器とが接触していた従来の光源装置と比較して、ランプ容器とガス放電管との間の伝熱が低減される。その結果、当該光源装置では、ランプ容器外の温度変化によるガス放電管への影響が効果的に低減される。また、第 1着脱構造により、ランプ固定部を、ランプ容器の外郭の一部を構成する残り部分に対して、ガス放電管を固定したまま着脱可にする。この場合、ランプ固定部がランプ容器の残り部分力取外されると同時に、該ランプ固定部に固定されているガス放電管も該残り部分から分離される。その結果、周囲の邪魔になる部分が無くなり、ガス放電管のランプ固定部に対する着脱が簡単に行え、ガス放電管の保守作業が容易になる。

[0008] ここで、上述の保守作用を行う上での好ま、構成としては、具体的に、ランプ容器は、箱型形状を有するのがよい。具体的に、ランプ容器の箱型形状は、基台に固定されるランプ容器基板と、ランプ固定板と、第 1壁面板と、第 2壁面板とにより規定される。ランプ固定板は、ランプ容器基板に略直交する方向に延在し、ガス放電管が断熱部材を介して固定される。第 1壁面板は、ガス放電管を挟んでランプ固定板と対向するよう配置される。第 2壁面板は、ガス放電管を挟んでランプ容器基板に対向するよう配置される。この場合、ランプ固定部は、ランプ固定板及び第 2壁面板により構成される。また、第 1着脱構造は、ランプ固定部を、ランプ容器基板及び第 1壁面板に対して、ガス放電管が断熱部材を介して固定された状態で該ランプ容器基板と略直交する方向に着脱可能にする。

[0009] また、この発明に係る光源装置において、ランプ容器は、互いに対向する第 3壁面板と、第 2着脱構造を、さらに備えてもよい。この場合、一対の第 3壁面板は、第 2壁面板及びランプ固定板に略直交し,ガス放電管を挟んで互いに対向するよう配置される。また、第 2着脱構造は、一対の第 3壁面板を、第 2壁面板及びランプ固定板に対して着脱可能にする。

[0010] 上述のような構造によれば、ガス放電管が固定されたままランプ固定板が取外された際に、ガス放電管の交換作業等の保守作業が一層容易に行える。なお、ヘッドォン型のガス放電管がランプ固定板に固定された場合、光出射部は、第 1壁面板に設けられた構成であればよい。また、サイドオン型のガス放電管がランプ固定板に固定された場合、光出射部は、第 3壁面板に設けられた構成であればよい。

[0011] また、この発明に係る光源装置は、ガス放電管力もの光を通過させるレンズをさらに備えてもよい。この場合、レンズは、ランプ容器に設けられた光出射部に保持されてもよい。このような構成により、レンズに対するガス放電管の位置決めが容易になる。

[0012] なお、この発明に係る光源装置において、断熱部材は、板状形状を有してもよい。

この場合、ランプ固定板に対して断熱部材を密着固定させ易くなる。

[0013] なお、この発明に係る各実施例は、以下の詳細な説明及び添付図面によりさらに十分に理解可能となる。これら実施例は単に例示のために示されるものであって、この発明を限定するものと考えるべきではない。

[0014] また、この発明のさらなる応用範囲は、以下の詳細な説明から明らかになる。しかしながら、詳細な説明及び特定の事例はこの発明の好適な実施例を示すものではある 1S 例示のためにのみ示されているものであって、この発明の思想及び範囲における様々な変形および改良はこの詳細な説明から当業者には自明であることは明らかである。

発明の効果

[0015] この発明に係る光源装置によれば、ランプ容器外の温度変化によるガス放電管への影響が低減されるため、ガス放電管の輝度安定ィ匕が実現され得る。また、ランプ容器は、ガス放電管がランプ固定部とともに着脱可能な構造を有するため、ガス放電管の取替えに際して周囲部材が邪魔になることはなくなり、結果的に、ガス放電管の保守作業が容易に行える。

図面の簡単な説明

[0016] [図 1]は、この発明に係る光源装置の第 1実施例の概略構成を示す図である。

[図 2]は、図 1中に示された重水素ランプの内部構造を示す断面図である。

[図 3]は、図 2中に示された重水素ランプにおける発光部組立体の分解斜視図である

[図 4]は、図 1中に示されたランプボックスの構造を示す斜視図である。

[図 5]は、図 4のランプボックス (重水素ランプが収容した内部状態)の内部状態を示す分解斜視図である。

[図 6]は、図 4のランプボックスの内部状態を詳細に示す分解斜視図である。

[図 7]は、図 6中に示された断熱ソケット部材の構造を示す正面図である。

[図 8]は、図 6中に示された断熱ソケット部材の構造を背面側から示す斜視図である。

[図 9]は、重水素ランプが固定された状態の断熱ソケット（図 7)の、 IX— IX線に沿った断面構造を示す図である。

[図 10]は、図 9の重水素ランプにおけるステムピン貫通部を示す拡大断面図である。

[図 11]は、この発明に係る光源装置の第 2実施例の概略構成を示す図である。

[図 12]は、この発明に係る光源装置の第 3実施例におけるランプボックスの構造を示す斜視図である。

[図 13]は、図 12のランプボックス (重水素ランプが収容した内部状態）の内部状態を示す分解斜視図である。 [図 14]は、この発明に係る光源装置の第 4実施例におけるランプボックスの構造を示す斜視図である。

[図 15]は、図 14のランプボックス (重水素ランプが収容した内部状態）の内部状態を示す分解斜視図である。

[図 16]は、この発明に係る光源装置の第 5実施例におけるランプボックスの構造を示す斜視図である。

[図 17]は、図 16のランプボックス (重水素ランプが収容した内部状態）の内部状態を示す分解斜視図である。

[図 18]は、この発明に係る光源装置の第 6実施例における断熱ソケット部材の構造を示す正面図である。

[図 19]は、重水素ランプが固定された状態の断熱ソケット（図 18)の、 XIX— XIX線に沿った断面構造を示す図である。

[図 20]は、この発明に係る光源装置の第 7実施例における断熱ソケット部材を示す正面図である。

[図 21]は、重水素ランプが固定された状態の断熱ソケット（図 20)の、 XXI— XXI線に沿った断面構造を示す図である。

[図 22]は、この発明に係る光源装置の第 8実施例における断熱ソケット部材を示す正面図である。

[図 23]は、重水素ランプが固定された状態の断熱ソケット（図 22)の、 XXIII— XXIII線に沿った断面構造を示す図である。

[図 24]は、この発明に係る光源装置の第 9実施例における断熱ソケット部材を示す正面図である。

[図 25]は、重水素ランプが固定された状態の断熱ソケット（図 24)の、 XXV— XXV線に沿った断面構造を示す図である。

[図 26]は、この発明に係る光源装置の第 10実施例における断熱ソケット部材を示す正面図である。

[図 27]は、重水素ランプが固定された状態の断熱ソケット（図 26)の、 XXVII— XXVII 線に沿った断面構造を示す図である。 [図 28]は、この発明に係る光源装置の第 11実施例における断熱ソケット部材を示す正面図である。

[図 29]は、重水素ランプが固定された状態の断熱ソケット（図 28)の、 XXIX— XXIX線に沿った断面構造を示す図である。

[図 30]は、この発明に係る光源装置の第 12実施例における断熱ソケット部材を示す正面図である。

[図 31]は、重水素ランプが固定された状態の断熱ソケット（図 30)の、 XXXI— XXXI線に沿った断面構造を示す図である。

符号の説明

[0017] 1、41、 56、 66、 76…光源装置、 7…基台、 10…重水素ランプ (ガス放電管）、 20 、 40、 50、 60、 70· ··ランプボックス (ランプ容器）、 21、 51· ··底板 (ランプ容器基板）、 22· ··ランプ固定板 (ランプ固定部）、 23、 43、 53、 63…光出射板 (第 1の壁面板)、 23a…光出射部、 24、 54、 64、 74…側面板 (第 3の壁面板）、 25…天板 (第 2の壁面板）、 26· ··レンズ、 30、 80、 90、 100、 110、 120、 130、 140· ··断熱ソケット部材（断熱部材)、 67…基台 (ランプ容器基板)。

発明を実施するための最良の形態

[0018] 以下、この発明に係る光源装置の各実施例を、図 1〜31を用いて詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は同一要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図 1は、この発明に係る光源装置の第 1実施例の概略構成を示す図であり、図 2は、図 1中に示された重水素ランプの構造を示す断面図であり、図 3は、図 2中に示された発光部組立体の構造を示す分解斜視図であり、図 4〜6は、図 1 中に示されたランプボックスの構造を示す図であり、図 7及び図 8は、図 6中に示された断熱ソケット部材の構造を示す図であり、図 9は、重水素ランプが固定された状態の断熱ソケット（図 7)の、 IX— IX線に沿った断面構造を示す図であり、そして、図 10 は、図 9の重水素ランプにおけるステムピン貫通部を示す拡大断面図である。

[0019] 図 1に示された光源装置 1は、例えば分析装置等の光源として利用され、所定波長の紫外光を出射する重水素ランプ (ガス放電管） 10を備える。この重水素ランプ 10から出射されレンズ 26によりコリメートされた紫外光とハロゲンランプ 3からの出射光は、ビームスプリッタ 4により合成され、この合成光が当該光源装置 1から出射される。この構成により、分析装置の検出器におけるサーチレーシヨンが防止され、検出器のダイナミックレンジの有効利用が図られる。

[0020] 光源装置 1は、重水素ランプ 10を収容するランプボックス（ランプ容器） 20と、ランプ駆動回路を有するランプ駆動基板 6をさらに備える。また、これらランプボックス 20、ビームスプリッタ 4、ハロゲンランプ 3及びランプ駆動基板 6が、基台 7の所定位置に固定されることで、当該光源装置 1の小型化が図られている。

[0021] 以下、重水素ランプ 10について詳説する。重水素ランプ 10は、所謂ヘッドオン型の重水素ランプであり、図 2に示されたように、ガラス製の密封容器 11と、この密封容器 11内に収容された発光部組立体 12とを備える。

[0022] 密封容器 11は、円筒状の側管部 11aと、この側管部 11aの下端側を封止するステム部 l ibと、上端側を封止する光出射窓 11cとを有する。この密封容器 11内には数百 Pa程度の重水素ガスが封入されている。ステム部 l ibには、所定の円周上に沿つて複数 (この実施例では 9本)の導電性ステムピン 19a〜19i (図 3参照）がそれぞれ挿通した状態で密封固定されている。また、ステム部 l ibの中央には、外方（図示下側）に向力つて突出する排気管部 l idが形成されている。

[0023] 密封容器 11内に収容される発光部組立体 12は、紫外線を発生させる光源として機能する。図 2及び図 3に示されたように、下力順に配置された、ベース部 13、陽極部 14、放電路制限部固定板 15、放電路制限部 16及び陰極部 17を備えるとともに、これらを覆う陰極部カバー 18を備える。

[0024] ベース部 13は、図 3に示されたように、電気的絶縁性セラミックス力なるとともに、円板形状を有する。このベース部 13には、周縁に沿って複数の開口が形成されており、これら開口に上記ステムピン 19a〜19iがそれぞれ通されている。ベース部 13の上面には、陽極部 14を収容配置するために、当該陽極部 14の形状に対応する形状の浅ヽ凹部 13aが形成されて、る。

[0025] 陽極部 14は、導電性薄板であり、略円板状の本体部分 14aと、この本体部分 14a の周縁の二箇所から半径方向に水平に延びる一対の延出部分 14b、 14cを備える。図 2に示されたように、陽極 14は、その上面がベース部 13の上面と一致した状態でベース部 13の凹部 13aに収容されている。図 3に示されたように、陽極部 14の延出咅分 14b、 14cには、開口 14d、 14e力設けられており、これら開口 14d、 14eには、ステムピン 19c、 19dの先端が電気的に接続されて!、る。

[0026] 放電路制限部固定板 15は、セラミックス力もなるとともに略扇形状を有する。この放電路制限固定板 15は、ベース部 13及び陽極部 14の略中央部分に重なるように載置されている。放電路制限部固定板 15の略中央には、陽極部 14と陰極部 17との間に形成される放電路を通すため、陽極部 14の本体部分 14aを露出させる開口 15x が設けられて、る。放電路制限部固定板 15の開口 15xを含む幅狭側（図示右側)の上面には、放電路制限部 16を収容配置するために、当該放電路制限部 16の形状に対応する形状の浅い凹部 15aが形成されている。一方、放電路制限部固定板 15 の幅広側（図示左側）の上面には、陰極部 17を立設するための凸部 15bが設けられている。放電路制限部固定板 15の凹部 15aの幅狭側の位置には、開口 15cが設けられ、この開口 15cにステムピン 19eが通されている。また、放電路制限部固定板 15 の凸部 15bには一対の開口 15d、 15eが設けられ、これら開口 15d、 15eにステムピン 19a、 19bがそれぞれ通されている。

[0027] 放電路制限部 16は、導電性薄板であり、略円板状の本体部分 16aと、この本体部分 16aの周縁から半径方向に水平に延びる延出部分 16bとを備える。図 2に示されたように、放電路制限部 16は、その上面が放電路制限部固定板 15の上面と一致した状態で、放電路制限部固定板 15の凹部 15aに収容されている。図 3に示されたように、この放電路制限部 16の延出部分 16bには、開口 16cが設けられており、この開口 16cにステムピン 19eの先端部が電気的に接続されている。

[0028] また、放電路制限部 16には、図 2及び図 3に示されたように、放電路制限部固定板 15の開口 15xと同軸になる位置に、アークボール成形用の凹部 16dが設けられている。この凹部 16dは、光を効率良く取り出すために放電によって作り出されたアークボールを収容するよう機能し、光出射窓 1 lcに向けて広げられたカップ形状を有する。放電路制限部 16における凹部 16dの底面には、直径 0. 5mm程度の小径の放電路狭窄開口 16eが設けられている。これにより、凹部 16d内において扁平なボール状のアークボールを作り出すことが可能になる。 [0029] 陰極部 17は、加熱ヒータとしてコイル (フィラメントコイル)を備え、この加熱ヒータに熱電子放射物質である例えば酸化バリウム等が塗布されている。図 3に示されたようにこのような陰極部 17において、そのコイルの両端部は、放電路制限部固定板 15の凸部 15bの開口 15d、 15eに貫通した状態で立設されており、当該開口 15d、 15eを貫通したステムピン 19a、 19bに電気的に接続されて!、る。

[0030] 陰極部カバー 18は、図 2及び図 3に示されたように、円筒形状を有する。また、陰極部カバー 18は、陽極側覆部 18aと、陰極側覆部 18bとを備える。陽極側覆部 18aは、陽極部 14、放電路制限部 16等の組立体を覆う。陰極側覆部 18bは、陰極部 17を覆った状態で、陽極側覆部 18a内の空間が連通するよう設けられている。また、陰極側覆部 18bの断面形状は、陽極側覆部 18aと同軸かつ同径の円筒を軸線を含まな V、位置で軸線方向に沿って垂直に切断した時の小さ!/、方の部分の形状を有する。これら陽極側覆部 18a及び陰極側覆部 18bは、一体成形されたセラミックス力もなる。

[0031] 陰極部カバー 18における陰極側覆部 18bにおいて、放電路狭窄開口 16eの軸心側（陰極部 17の電子放出側）のスリット板部 18cには、電子を放出するためのスリット 18dが開口として設けられている。一方、陽極側覆部 18aには、放電路制限部固定板 15の開口 15xや放電路制限部 16の放電路狭窄開口 16eと同軸となる位置に、上記放電路を通すための開口 18eが設けられている。この開口 18eは、放電効率を高めるために放電路制限部 16を必要以上に露出させない程度の大きさを有する。また、陽極側覆部 18aには、図 3に示されたように、開口 18f〜18iが設けられている。これら開口 18f〜18iには、陽極部 14及び放電路制限部固定板 15の外側に位置するとともに上方に延出している残りのステムピン 19f〜19iの先端部がそれぞれ連結固定されている。この構成により、陰極部カバー 18がステムピン 19a〜19iの先端部に固定されるとともに、当該陰極部カバー 18とベース部 13との間に、陽極部 14、放電路制限部固定板 15及び放電路制限部 16が重ねられた状態で配置される。

[0032] 次に、以上のように構成された重水素ランプ 10を収容するランプボックス 20について詳説する。ランプボックス 20は、図 4〜図 6に示されたように、箱型形状を有する。ランプボックス 20は、少なくとも、上記基台 7に固定される底板 (ランプ容器基板） 21と、底板 21に直交するランプ固定板 (ランプ固定部） 22、光出射板 (第 1壁面板) 23、一対の側面板 (第 3壁面板) 24、ランプボックス 20の上部壁面となる天板 (第 2壁面板） 25を備える。これら底板 21、ランプ固定板 22、光出射板 23、側面板 24及び天板 25 によって、ランプボックス 20の外郭が規定される。

[0033] 底板 21は、図 6に示されたように、角部近傍に、底板 21を基台 7に螺子固定するための開口 21aが設けられている。底板 21の長手方向の一方の端部には、光出射板 2 3が立設され、他方の端部近傍には、ランプ固定板 22を固定するための雌螺子部 2 lbが設けられている。そして、底板 21は、図 4に示されたように、断熱材 27を介して基台 7に螺子固定される。

[0034] ランプ固定板 22は、図 5に示されたように、後述の断熱ソケット部材（断熱部材） 30 を介して、重水素ランプ 10のステム部 l ib (図 2及び図 6参照）を固定する部材である。このランプ固定板 22では、図 4〜図 6に示されたように、その中央部に、断熱ソケット部材 30の中央部を露出させるための開口 22aが設けられ、さらに開口 22aの水平方向両側に、断熱ソケット部材 30の位置決めを行うための小孔 22b、 22bが設けられている。一方、ランプ固定板 22の角部近傍には、断熱ソケット部材 30を固定するための雌螺子部 22cが設けられている。また、ランプ固定板 22の下端部には、外方（図示左右方向）に延びる板状の延出部 22dが設けられ、この延出部 22dには、ランプ固定板 22を底板 21に螺子止め固定するための開口 22eが設けられて、る。

[0035] 光出射板 23は、図 5に示されたように、底板 21とともに一体部品を構成しており、重水素ランプ 10を挟んでランプ固定板 22に対向するよう底板 21の一方の端部から上方に延在する壁面である。この光出射板 23では、図 5及び図 6に示されたように、その中央部に、重水素ランプ 10からの出射光をランプボックス 20外に出射させる光出射部 23aが設けられており、また、光出射部 23aでレンズ 26が保持されている。光出射板 23の上端面の中央には、図 6に示されたように、天板 25を螺子止めするための雌螺子部 23bが設けられ、この雌螺子部 23bの両側には、天板 25の位置決め用の位置決めピン 23c、 23cが立設されている。

[0036] 天板 25は、図 5に示されたように、ランプ固定板 22と一体部品を構成しており、重水素ランプ 10を挟んで底板 21に対向するようランプ固定板 22の上端部力も光出射板 23の上端部まで水平に延在する壁面である。この天板 25には、図 6に示されたように、光出射板 23の雌螺子部 23b及び位置決めピン 23cに対応する位置に、それぞれ開口 25a及び位置決め孔 25bが設けられている。そして、位置決め孔 25bに位置決めピン 23cが揷通された状態で、開口 25aを介して雄螺子が雌螺子部 23bに螺合される。さらに、開口 22eを介して雄螺子が雌螺子部 21bに螺合されることで、天板 2 5及びランプ固定板 22は位置決め固定されている。すなわち、ランプ固定板 22及び天板 25は、底板 21及び光出射板 23に対して着脱自在に固定されている。また、天板 25には、側部近傍に、側面板 24の上端部を固定するための複数の雌螺子部 25c が設けられている。

[0037] 一対の側面板 24は、図 4〜図 6に示されたように、ランプボックス 20の側壁を構成する部材である。これら側面板 24は、図 5に示されたように、重水素ランプ 10を挟んだ状態で互いに対向して配置される。側面板 24の上端部は、屈曲されており、この屈曲部分が天板 25の上面に面する上端板 24aを構成している。側面板 24における光出射板 23側の端部も、屈曲されており、この屈曲部分が光出射板 23の前面に面する前端板 24bを構成している。また、側面板 24の上端板 24aには、光出射板 23の位置決めピン 23c及び天板 25の雌螺子部 25c、 25cに対応する開口 24c、 24d、 24 dが設けられている。そして、天板 25の上に上端板 24aを重ねた状態で、開口 24cに位置決めピン 23cを揷通するとともに開口 24dを介して雄螺子を雌螺子部 25cに螺合することで、側面板 24が天板 25に固定されている。これら側面板 24は、薄板を折り曲げることにより形成され、底板 21の下面側からこれら側面板の外面に延びる板ばね 28によって、内方に付勢されている。すなわち、一対の側面板 24は、底板 21、ランプ固定板 22、光出射板 23及び天板 25に対して着脱自在に取り付けられている。

[0038] 次に、重水素ランプ 10をランプボックス 20に固定するための断熱ソケット部材 30について詳説する。断熱ソケット部材 30は、図 5及び図 6に示されたように、板形状を有し、上述のように重水素ランプ 10のステム部 1 lb側を保持した状態で該重水素ランプ 10をランプ固定板 22に固定させる部材である。なお、断熱ソケット部材 30の部位については、重水素ランプ 10を保持する側を正面側、ランプ固定板 22に固定される側を背面側として説明する。

[0039] 断熱ソケット部材 30は、断熱性、電気的絶縁性、紫外線耐久性及び耐食性を有するポリエーテルエーテルケトン樹脂材料 (PEEK材： Victrex社登録商標）からなる。また、断熱ソケット部材 30は、正面側及び背面側それぞれに所定の平坦面を有し、ランプ固定板 22に対応する大きさを有する。この断熱ソケット部材 30は、図 7及び図 8に示されたように、重水素ランプ 10の排気管部 1 Id (図 2参照）を進入させるための排気管進入部 31と、重水素ランプ 10のステムピン 19a〜 19i (図 3参照）を進入させるためのステムピン進入部 32a〜32iと、所定のステムピン進入部 32a、 32b、 32g、 3 2eゝ 32cに揷着されステムピン 19aゝ 19bゝ 19gゝ 19eゝ 19cを電気的に接続するピンソケット部材 33a〜33eと、背面側力も突出しランプ固定板 22に対して当該断熱ソケット 30を位置決めするための位置決めピン 34と、当該断熱ソケット部材 30を螺子固定するための開口 35とを有する。

[0040] 排気管進入部 31は、断熱ソケット部材 30の中央部に設けられた開口である。この開口の直径は、背面側力正面側に向力つて大きくなつている。

[0041] ステムピン進入部 32a〜32iは、排気管進入部 31の周囲の所定の円周上に沿って形成された複数の開口である。これら開口は、ステムピン 19a〜19i (図 3参照）に対応するよう位置する。ピンソケット部材 33a〜33eを進入させるステムピン進入部 32a 、 32b、 32g、 32e、 32cの直径は、約 1. 8mmであり、残りのステムピン進入部 32d、 32i、 32h、 32fの直径は約 1. 3mmである。ステム部 l ibは、図 10に示されたように、ステムピン 19の貫通部の周囲にガラスの盛り上がり部 l ieを有している。ただし、図 9に示されたように、ステム部 l ibと断熱ソケット部材 30とを密着固定させるため、ステムピン進入部 32d、 32i、 32h、 32fは、盛り上がり部 l ieの進入を許容する程度の直径を有する。

[0042] ステムピン進入部 32a、 32b、 32g、 32e、 32cに揷着されたピンソケッ卜部材 33a〜 33eは、円筒形状を有する。これらピンソケット部材 33a〜33eは、図 8に示されたように、断熱ソケット部材 30の背面側力も突出し、閉じられたその後端側は電気ケープノレ【こ接続される。ピンソゲッ卜咅材 33a〜33e【こ対して、ステムピン 19a、 19b、 19g、 1 9e、 19cは着脱自在であり、これらステムピン 19a、 19b、 19g、 19e、 19cの後端側（図示右側）がピンソケット部材 33a〜33eに固定される（電気的に接続される)。また、ピンソケット部材 33a〜33eの先端側の取付け位置は、図 9に示されたように、断熱ソケット部材 30の正面側の面力も所定距離だけ離間している。具体的には、ピンソケット部材 33a〜33eは、ステム部 1 lbの盛り上がり部 1 leと接触しな、程度離間して、る

[0043] そして、重水素ランプ 10は、図 9に示されたように、断熱ソケット部材 30に着脱自在に固定される。具体的には、重水素ランプ 10の排気管部 l id及びステムピン 19a〜 19iが、断熱ソケット部材 30の排気管進入部 31及びステムピン進入部 32a〜32iにそれぞれ進入しており、ステム部 l ibが断熱ソケット部材 30の正面に面接触し、そして、ステムピン 19aゝ 19bゝ 19gゝ 19eゝ 19c力ピンソケット咅附 33a〜33eに嵌着されている。このとき、ステム部 l ibに接触している断熱ソケット部材 30の正面部分は、面接触部 30aとなる。

[0044] 位置決めピン 34は、図 8に示されたように、排気管進入部 31の両側から外方に突出し、ランプ固定板 22の小孔 22b (図 6参照）に嵌合する。また、図 7及び図 8に示されたように、開口 35は、ランプ固定板 22の雌螺子部 22c (図 6参照）に対応する位置にそれぞれ設けられている。そして、位置決めピン 34がランプ固定板 22の小孔 22b に嵌合し、開口 35を介して雄螺子が雌螺子部 22cに螺合されることにより、断熱ソケット部材 30がランプ固定板 22に位置決め固定される。すなわち、重水素ランプ 10が断熱ソケット部材 30を介してランプ固定板 22に固定されたまま、光出射板 23及び底板 21に対して、ランプ固定板 22は着脱され得る。

[0045] 次に、以上のように構成された光源装置 1の作用について説明する。重水素ランプ 10では、まず、放電前の 20秒程度の間に陰極用外部電源力もピンソケット部材 33a 、 33b及びステムピン 19a、 19bを介して 10W前後の電力が陰極部 17に供給される。この電力供給により陰極部 17を構成するコイルが予熱される。次いで、陰極部 17と陽極部 14との間に主放電用外部電源からステムピン 19c、 19dを介して 160V程度の電圧が印加される。この電圧印加により、アーク放電の準備が整う。

[0046] その後、トリガ用外部電源力も放電路制限部 16と陽極部 14との間にステムピン 19e 、 19c、 19dを介して所定電圧、例えば 350V程度の電圧が印加される。すると、陰極部 17と放電路制限部 16との間及び陰極部 17と陽極部 14との間に放電が順次発生し、陰極部 17と陽極部 14との間で始動放電が発生する。始動放電が発生すると、陰極部 17と陽極部 14との間でアーク放電 (主放電)が維持され、放電路制限部 16の凹部 16d内でアークボールが発生する。このアークボール力も取り出される紫外線は、極めて輝度の高い光として光出射窓 11cを透過して外部に放出される。なお、放電の際には、陰極側覆部 18bにより、陰極部 17から出るスパッタ物又は蒸発物が光出射窓 11cに付着するのが防止されている。

[0047] そして、重水素ランプ 10から出射光は、レンズ 26を通過し、ランプボックス 20外に出射される。出射された紫外線は、ビームスプリッタ 4によりハロゲンランプ 3からの出射光と合成される。

[0048] ここで、長期間の使用により重水素ランプ 10の交換等の保守作業が必要となった場合には、ー且ランプ固定板 22及び天板 25を固定している雄螺子を緩める。ランプ固定板 22及び天板 25を上方に移動させれば、ランプ固定板 22及び天板 25が、底板 21及び光出射板 23から取外し可能になる。これにより、重水素ランプ 10はランプ固定板 22とともに光源装置 1から取外される。そして、重水素ランプ 10をランプ固定板 22から取外す際には、光出射板 23等の邪魔になる部材が周囲に無ぐまた、重水素ランプ 10の断熱ソケット部材 30に対する着脱が容易な構造であるため、簡単に重水素ランプ 10の交換が行える。

[0049] また、重水素ランプ 10の取付けの際には、重水素ランプ 10のステムピン 19a、 19b ゝ 19gゝ 19eゝ 19cカ漸熱ソケット咅附 30のピンソケット咅附 33a〜33eに差し込まれるだけで、ステム部 l ibと断熱ソケット部材 30とが密着固定される。その後、重水素ランプ 10が固定されたランプ固定板 22及び天板 25が、底板 21及び光出射板 23に取付けられることで、レンズ 26、ビームスプリッタ 4等の光学系と重水素ランプ 10との距離、光軸に関して精度の高い装着が実現される。

[0050] このように光源装置 1は、ランプボックス 20内で重水素ランプ 10が固定されるとともに、重水素ランプ 10とランプ固定板 22との間に断熱ソケット部材 30が配置された構造を有する。そのため、断熱部材がランプボックス外に配置されるとともに重水素ランプとランプボックスとが接触して、た従来の光源装置と比較して、ランプボックス 20と重水素ランプ 10との間の熱伝導が低減され、ランプボックス 20外の温度変化による重水素ランプ 10への影響が効果的に低減される。その結果、重水素ランプ 10の輝度安定化が実現可能になる。

[0051] ランプ固定板 22は、このランプ固定板 22に対向する光出射板 23に対して重水素ランプ 10を固定したまま着脱自在な構造を有するため、重水素ランプ 10をランプ固定板 22ごと取外し光出射板 23と分離できる。その結果、周囲の邪魔になる部分が無くなり、重水素ランプ 10のランプ固定板 22に対する着脱が簡単に行えるとともに、重水素ランプ 10の保守作業が容易になる。また、重水素ランプ 10は断熱ソケット部材 3 0に対して着脱自在な構造を有するため、重水素ランプ 10の取外しも容易である。この点からも、重水素ランプ 10の交換等の保守作業が容易になる。

[0052] ランプボックス 20において、一対の側面板 24は、ランプ固定板 22及び天板 25に対して着脱自在な構造を有する。そのため、重水素ランプ 10をランプ固定板 22に固定したまま取外した際に、重水素ランプ 10の交換作業等の保守作業が一層容易に行える。なお、側面板 24それぞれは、上端板 24aに形成された開口 24c、 24dに位置決めピン 23c及び雄螺子を挿通することで天板 25に対して固定される。一方、天板 25及びランプ固定板 22は、天板 25及び延出部 22dの上面に形成された開口 25 a、位置決め孔 25b、開口 22eそれぞれに、雄螺子や位置決めピン 23cを揷通することで光出射板 23及び底板 21に対して固定される。したがって、一対の側面板 24、ランプ固定板 22、天板 25は、ランプボックス 20の上方からの作業のみによって着脱が可能であり、重水素ランプ 10の交換作業等の保守作業が一層容易になる。特に、このような構造は、ランプボックス 20の設置空間が非常に狭い場合には有効である。

[0053] 光源装置 1は、ステム部 l ibから外方に突出するステムピン 19a、 19b、 19g、 19e、 19cを進入させるピンソケット部材 33a〜33eと、これらピンソケット部材 33a〜33eを有する絶縁性ソケット部材 30とを備える。絶縁性ソケット部材 30は、ステム部 l ibを面接触させた状態で重水素ランプ 10を着脱自在に固定する構造を有するため、重水素ランプ 10を断熱ソケット部材 30に密着固定させると同時に、重水素ランプ 10の位置決め精度を向上させることができる。また、このようにステム部 l ibが断熱ソケット部材 30に密着固定されるため、重水素ランプを固定する基板に対しステムピンを介して (基板とステム部との間に隙間を有して）固定される従来の光源装置と比較して、重水素ランプ 10を固定した際の安定度が向上する。 [0054] 光出射板 23は、重水素ランプ 10からの光を通過させるレンズ 26を保持する構造を有する。そのため、レンズ 26に対する重水素ランプ 10の位置決めが容易である。

[0055] 断熱ソケット部材 30は、板形状を有する。そのため、断熱ソケット部材 30をランプ固定板 22に対して密着固定させ易くなつている。

[0056] 上述のような構造を有する重水素ランプ 10では、陰極部 17が、保温性に優れているセラミックスからなる陰極部カバー 18の陰極側覆部 18bにより囲われて、る（この陰極側覆部 18bには電子放出用のスリット 18dのみが必要最小限の開口として設けられている）。そのため、当該陰極側覆部 18bにより陰極部 17の保温効果が著しく高められている。また、陰極部 7の温度維持が簡単になるとともに消費電力が下げられる結果、電源を含むガス放電管 10の小型化が実現可能になる。

[0057] 陰極部カバー 18は、その陰極側覆部 18bが電子放出可能な状態で陰極部 17を覆う一方、その陽極側覆部 18aが陽極部 14及び放電路制限部 16を含む組立体を放電可能な状態で覆うように、セラミックスで一体成形されている。この構造により、放電路制限部 16を必要以上に露出させる必要がなくなり、結果的に放電効率を高めるための部材 (この実施例における陽極側覆部 18aの上部に相当する別部材）が不要になる。そのため、部品点数が低減され、低コストィ匕が図られている。

[0058] 放電路制限部 16は、陰極部カバー 18の上記組立体を覆う部分である陽極側覆部 18aの上壁部と、放電路を通す開口 15xが設けられた放電路制限部固定板 15との間に挟まれた状態で固定される。そのため、少ない部品点数で放電路制限部 16の固定が容易に行え、低コストィ匕が一層可能になる。

[0059] 次に、この発明に係る光源装置の第 2実施例について、図 11を参照しながら説明する。なお、図 11は、この発明に係る光源装置の第 2実施例の概略構成を示す図である。

[0060] この第 2実施例に係る光源装置 41において、第 1実施例に係る光源装置 1と違う点は、レンズ 26を有する光出射板 23を備えたランプボックス 20に代えて、光出射窓 42 を有する光出射板 43を有するランプボックス 40を有する点と、光出射板 43とビームスプリッタ 4との間にレンズ 46を配置するよう該レンズ 46が基台 7に固定された点である。第 2実施例に係る光源装置 41の残りの構成は、第 1実施例に係る光源装置 1と同じであり、このような構成であっても第 1実施例に係る光源装置 1と同様の作用 '効果を奏する。

[0061] 次に、この発明に係る光源装置の第 3実施例について、図 12及び図 13を参照しな力説明する。なお、図 12は、この発明に係る光源装置の第 3実施例におけるランプボックスの構造を示す斜視図である。また、図 13は、図 12のランプボックス (重水素ランプが収容した内部状態)の内部状態を示す分解斜視図である。

[0062] この第 3実施例に係る光源装置 56において、第 1実施例に係る光源装置 1と違う点は、側面板 24、底板 21及び光出射板 23とを別部材として構成するランプボックス 20 に代えて、側面板 54、底板 51及び光出射板 53がー体部材として構成されたランプボックス 50が適用され、側面板を付勢する板ばね 28を不要とした点である。具体的に、底板 51及び光出射板 53は、第 1実施例における底板 21及び光出射板 23と同様の構造を有する。しかしながら、側面板 54は、底板 51の幅方向の端部から上方へ立設されている。すなわち、側面板 54は、底板 51及び光出射板 53に直交する壁面を構成し、光出射板 53と同じ高さまで延在している。第 3実施例に係る光源装置 56 の残りの構造は、第 1実施例に係る光源装置 1と同じであり、このような構造によっても第 1実施例の光源装置 1と同様な作用 ·効果を奏する。力 tlえて、板ばね 28が不要になるため第 1実施例よりもさらに部品点数が削減される。

[0063] 次に、この発明に係る光源装置の第 4実施例にについて、図 14及び図 15を参照しながら説明する。なお、図 14は、この発明に係る光源装置の第 4実施例におけるランプボックスの構造を示す斜視図である。また、図 15は、図 14のランプボックス（重水素ランプが収容した内部状態)の内部状態を示す分解斜視図である。

[0064] この第 4実施例に係る光源装置 66において、第 3実施例に係る光源装置 56と違う点は、側面板 54、底板 51及び光出射板 53とが一体部材として構成されたランプボッタス 50に代えて、光出射板 63及び側面板 64がー体部材として構成される一方、基台 67が底板を兼ねる構成としたランプボックス 60が適用された点である。光出射板 6 3及び側面板 64は、第 3実施例に係る光出射板 53及び側面板 54と同様の構造を有する一方、底板 51に配置されていた断熱材 27は無い。基台 67は、基台 7と同様の構造を有し、ランプ固定板 22における延出部 22dの開口 22eに対応する位置にランプ固定板 22を固定するための雌螺子部 67bが形成されている。この第 4実施例に係る光源装置 66の残りの構成は、第 1実施例に係る光源装置 1の構成と同じであり、このような構造によっても第 1実施例に係る光源装置 1と同様な作用 ·効果を奏する。加えて、基台 67がランプボックス 60の底板を兼ねているため部品点数がさらに削減され得る。

[0065] 次に、この発明に係る光源装置の第 5実施例について、図 16及び図 17を参照しな力説明する。なお、図 16は、この発明に係る光源装置の第 5実施例におけるランプボックスの構造を示す斜視図である。また、図 17は、図 16のランプボックス（重水素ランプが収容した内部状態)の内部状態を示す分解斜視図である。

[0066] この第 5実施例に係る光源装置 76において、第 1実施例に係る光源装置 1と違う点は、断熱材 27に代えて、側面板 74を支持する溝 77aを有する断熱材 77が適用され、板ばね 28が不要になった点である。側面板 74は、溝 77aに入り込む分だけ第 1実施例における側面板 24と比較して上下方向に長ぐ下端部が底板 21より下方に突出する。そして、側面板 74の下端部が断熱材 77の溝 77aに立設されたランプボックス 70が得られる。この第 5実施例に係る光源装置 76の残りの構成は、第 1実施例に係る光源装置 1の構成と同じであり、このような構造によっても第 1実施例に係る光源装置 1と同様な作用'効果を奏する。カロえて、板ばね 28が不要になるため部品点数さらに削減される。

[0067] 次に、この発明に係る光源装置の第 6実施例について、図 18及び図 19を参照しな力説明する。なお、図 18は、この発明に係る光源装置の第 6実施例における断熱ソケット部材の構造を示す正面図である。また、図 19は、重水素ランプが固定された状態の断熱ソケット（図 18)の、 XIX— XIX線に沿った断面構造を示す図である。

[0068] この第 6実施例に係る光源装置において、第 1実施例に係る光源装置と違う点は、開口であるステムピン進入部 32d、 32i、 32h、 32fが設けられた断熱ソケット部材 30 に代えて、背面側が閉じられた凹部であるステムピン進入部 82d、 82i、 82h、 82fが設けられた断熱ソケット部材 80が適用された点である。この第 6実施例に係る光源装置の残りの構成は、第 1実施例に係る光源装置 1の構成と同じであり、このような構造によっても第 1実施例の光源装置 1と同様な作用 ·効果を奏する。力 tlえて、ステムピン進入部 82d、 82i、 82h、 82fの背面側が断熱部材 80によって閉じられているため、重水素ランプ 10に対するランプボックス 20外の温度変化の影響が一層低減される。

[0069] 次に、この発明に係る光源装置の第 7実施例について、図 20及び図 21を参照しな力説明する。なお、図 20は、この発明に係る光源装置の第 7実施例における断熱ソケット部材を示す正面図である。また、図 21は、重水素ランプが固定された状態の断熱ソケット（図 20)の、 XXI— XXI線に沿った断面構造を示す図である。

[0070] この第 7実施例に係る光源装置において、第 6実施例に係る光源装置と違う点は、開口である排気管進入部 31が設けられた断熱ソケット部材 30に代えて、背面側が閉じられた凹部である排気管進入部 91が設けられた断熱ソケット部材 90が適用された点である。この第 7実施例に係る光源装置の残りの構成は、第 1実施例に係る光源装置 1の構成と同じであり、このような構造によっても第 1実施例に係る光源装置 1や第 6実施例に係る光源装置と同様な作用'効果を奏する。加えて、排気管進入部 91の背面側が断熱部材 90によって閉じられているため、重水素ランプ 10に対するランプボックス 20外の温度変化の影響が一層低減される。

[0071] 次に、この発明に係る光源装置の第 8実施例について、図 22及び図 23を参照しな力説明する。なお、図 22は、この発明に係る光源装置の第 8実施例における断熱ソケット部材を示す正面図である。また、図 23は、重水素ランプが固定された状態の断熱ソケット（図 22)の、 ΧΧΙΠ— XXIII線に沿った断面構造を示す図である。

[0072] この第 8実施例の光源装置において、第 7実施例に係る光源装置と違う点は、断熱ソケット部材 100が重水素ランプ 10のステム部 l ibを収容する第 1凹部 101を有する点である。第 1凹部 101の形状は、正面視において円形であり、その外径は、ステム部 l ibの外径に対応する大きさを有する。この第 1凹部 101の底面 101aは、平坦面である。そして、重水素ランプ 10は、図 23に示されたように、ステム部 l ibが第 1の凹部 101に収容された状態で、排気管部 l id及びステムピン 19a〜19iが、排気管進入部 91及びステムピン進入部 32a、 32b、 32c、 82d、 32e、 82f、 32g、 82h、 82iにそれぞれ進入している。これにより、ステム部 l ibが第 1凹部の底面（面接触部） 101 aに面接触した状態で、着脱自在に固定される。この第 8実施例に係る光源装置の残りの構成は、第 1実施例に係る光源装置 1の構成と同じであり、このような構造によつても第 1実施例に係る光源装置 1や第 7実施例に係る光源装置と同様な作用 ·効果を奏する。力！]えて、この第 8実施例では、重水素ランプ 10を固定した際の安定度が増す。

[0073] 次に、この発明に係る光源装置の第 9実施例について、図 24及び図 25を参照しな力説明する。なお、図 24は、この発明に係る光源装置の第 9実施例における断熱ソケット部材を示す正面図である。また、図 25は、重水素ランプが固定された状態の断熱ソケット（図 24)の、 XXV— XXV線に沿った断面構造を示す図である。

[0074] この第 9実施例に係る光源装置において、第 8実施例に係る光源装置と違う点は、断熱ソケット部材 110が、第 1凹部 101の底面 101aに第 2凹部 112を有する点と、ステムピン進入部 32a、 32b、 32g、 32e、 32cの正面側の周縁部に掛止される鍔部 11 3tが設けられたピンソケット部材 113a〜 113eを有する点である。第 2凹部 112の形状は、正面視において円形であり、その外周はステムピン進入部 32a、 32b、 32c、 8 2d、 32e、 82f、 32g、 82h、 82iの外ィ則【こ位置して!/ヽる。また、ピンソケット咅材 113a 〜113eiま、ステムピン進人咅 32a、 32b、 32g、 32e、 32cに挿人され、金咢咅 113t力 S 第 2凹部 112の底面 112aに掛止されている。この第 9実施例に係る光源装置の残りの構成は、第 1実施例に係る光源装置 1の構成と同じであり、このような構造によっても第 1実施例に係る光源装置 1や第 8実施例に係る光源装置と同様な作用 ·効果を奏する。

[0075] 次に、この発明に係る光源装置の第 10実施例について、図 26及び図 27を参照しながら説明する。図 26は、この発明に係る光源装置の第 10実施例における断熱ソケット部材を示す正面図である。また、図 27は、重水素ランプが固定された状態の断熱ソケット（図 26)の、 XXVII— XXVII線に沿った断面構造を示す図である。

[0076] この第 10実施例に係る光源装置において、第 7実施例に係る光源装置と違う点は、断熱ソケット部材 120が、円環状を成し正面側に向力つて突出する起立部 121を有する点と、ステムピン進入部 32a、 32b、 32g、 32e、 32cの正面側の周縁部に掛止される鍔部 113tが設けられたピンソケット部材 113a〜 113eを有する点である。なお、このピンソケット部材 113a〜 113eは、第 9実施例におけるピンソケット部材 113a〜l 13eと同じ構造を有する。 [0077] 起立部 121は、ステムピン進入部 32a、 32b、 32c、 82d、 32e、 82f、 32g、 82h、 8 2iの外側に位置している。また、ピンソケット部材113&〜1136は、ステムピン進入部 32a, 32b、 32g、 32e、 32cに挿着され、金咢咅 113t力 S断熱ソケット咅材 120の正面に掛止されている。そして、重水素ランプ 10は、断熱ソケット部材 120に着脱自在に固定される。具体的には、図 27に示されたように、ステム部 l ibが起立部 121の先端面 (面接触部） 12 laに面接触し、排気管部 l id及びステムピン 19a〜19iが、排気管進入部 91及びステムピン進入部 32a、 32b、 32c、 82d、 32e、 82f、 32g、 82h、 82iにそれぞれ挿入される。この第 10実施例に係る光源装置の残りの構成は、第 1実施例に係る光源装置 1の構成と同じであり、このような構造によっても第 1実施例に係る光源装置 1や第 7実施例に係る光源装置と同様な作用，効果を奏する。

[0078] 次に、この発明に係る光源装置の第 11実施例について、図 28及び図 29を参照しながら説明する。なお、図 28は、この発明に係る光源装置の第 11実施例における断熱ソケット部材を示す正面図である。また、図 29は、重水素ランプが固定された状態の断熱ソケット（図 28)の、 XXIX— XXIX線に沿った断面構造を示す図である。

[0079] この第 11実施例に係る光源装置において、第 1実施例に係る光源装置 1と違う点は、直径が背面側力正面側に向力つて大きくなつている排気管進入部 31を有する断熱ソケット部材 30に代えて、直径が背面側力も正面側に向力つて一定である排気管進入部 131を有する断熱ソケット部材 130が適用された点である。この第 11実施例に係る光源装置の残りの構成は、第 1実施例に係る光源装置 1の構成と同じであり、このような構造によっても第 1実施例に係る光源装置 1と同様な作用 ·効果を奏する

[0080] 次に、この発明に係る光源装置の第 12実施例について、図 30及び図 31を参照しながら説明する。なお、図 30は、この発明に係る光源装置の第 12実施例における断熱ソケット部材を示す正面図である。また、図 31は、重水素ランプが固定された状態の断熱ソケット（図 30)の、 XXXI— XXXI線に沿った断面構造を示す図である。

[0081] この第 12実施例に係る光源装置において、第 11実施例に係る光源装置と違う点は、外郭形状が矩形の断熱ソケット部材 130に代えて、外郭形状が円形の断熱ソケット部材 140が適用された点と、この断熱ソケット部材 140をランプ固定板に固定するための雄螺子を挿通させる開口 145の位置が変更された点である。この断熱ソケット部材 140の外径は、ステム部 l ibの直径に対応する大きさを有する。この第 12実施例に係る光源装置の残りの構成は、第 1実施例に係る光源装置 1の構成と同じであり、このような構造によっても第 1実施例に係る光源装置 1や第 11実施例に係る光源装置と同様な作用 ·効果を奏する。

[0082] 以上、この発明を複数の実施例に基づき具体的に説明したが、この発明は上述の実施例に限定されるものではない。例えば、上述の実施例では、ランプボックス 20、 40、 50、 60、 70は、いずれも箱型形状を有しているが、円筒体やその他の形状を有してちよい。

[0083] また、上述の実施例では、ガス放電管としてヘッドオン型の重水素ランプ 10が示されているが、サイドオン型の重水素ランプであってもよい。この場合、側面板 24、 54、 64、 74に光出射部が設けられる。また、その他のガス放電管が適用されもよい。

[0084] さらに、上述の実施例では、断熱ソケット部材 30、 80、 90、 100、 110、 120、 130 、 140の材質は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂材料である力断熱性、電気的絶縁性を有する他の材質力もなる断熱ソケット部材が適用されてもよい。

[0085] 以上の本発明の説明から、本発明を様々に変形しうることは明らかである。そのような変形は、本発明の思想および範囲力逸脱するものとは認めることはできず、すべての当業者にとって自明である改良は、以下の請求の範囲に含まれるものである。産業上の利用可能性

[0086] この発明に係る光源装置は、分析装置や半導体検査装置等、種々の検査装置の光源に適用可能である。

Claims

請求の範囲

[1] 所定波長の光を発生させるガス放電管と、前記ガス放電管を収納したランプ容器と、そして、前記ランプ容器が表面に固定された基台とを備えた光源装置であって、前記ランプ容器は、当該ランプ容器の外郭の一部を構成するランプ固定部と、収納された前記ガス放電管からの光を当該ランプ容器の外へ通過させる光出射部と、

前記ガス放電管とともに前記ランプ容器内に収納された断熱部材であって、前記ガス放電管が前記ランプ固定部の内側面の所定位置に固定されるよう該ガス放電管と該ランプ固定部との間に配置された断熱部材と、そして、

前記ガス放電管が前記断熱部材を介して固定された前記ランプ固定部を、該ランプ固定部とともに前記ランプ容器の外郭の一部を構成する残り部分に対して、該ガス放電管が固定された状態で着脱可能にするための第 1着脱構造を備えた光源装置

[2] 請求項 1記載の光源装置において、

前記ランプ容器は、前記基台に固定されるランプ容器基板と、前記ランプ容器基板に略直交する方向に延在し、前記ガス放電管が前記断熱部材を介して固定されたランプ固定板と、前記ガス放電管を挟んで前記ランプ固定板と対向するよう配置された第 1壁面板と、そして、前記ガス放電管を挟んで前記ランプ容器基板に対向するよう配置された第 2壁面板とにより規定された箱型形状を有し、

前記ランプ固定部は、前記ランプ固定板及び第 2壁面板により構成され、そして、前記第 1着脱構造は、前記ランプ固定部を、前記ランプ容器基板及び前記第 1壁面板に対して、前記ガス放電管が前記断熱部材を介して固定された状態で該ランプ容器基板と略直交する方向に着脱可能にする。

[3] 請求項 2記載の光源装置において、

前記ランプ容器は、前記第 2壁面板及び前記ランプ固定板に略直交し,前記ガス放電管を挟んで互いに対向する一対の第 3壁面板と、そして、

前記一対の第 3壁面板を、前記第 2壁面板及び前記ランプ固定板に対して着脱可能にするための第 2着脱構造をさらに備える。請求項 1〜3のいずれか一項記載の光源装置は、さらに、

前記ガス放電管力もの光を通過させる前記光出射部に配置されたレンズを備える。請求項 1〜4のいずれか一項記載の光源装置において、

前記断熱部材は板状形状を有する。