WO2004008913A1 - 椅子の座若しくは背凭れのフレームに対するネット部材の取付構造 - Google Patents

Abstract

ネット部材が、椅子の座及び背凭れのフレームに張設される。ネット部材の端部に設けた係止片が、フレームの下面における係合溝に挿入される。フレームの下面に対して締付枠を押圧し、ネット部材を係止片により、フレームと締付枠の間に固定する。座若しくは背凭れ上のメッシュ構造において、たて糸が、弾性糸とモール糸よりなるよこ糸に、織られたり編まれるようになっている。

Description

明 細 書

椅子の座若しくは背凭れのフレームに対するネッ ト部材の取付構造

発明の背景

本発明は、椅子の座若しくは背凭れのフレームにネット部材を取り付ける構造、 このネッ ト部材をフレームに取り付ける方法、並びにたて糸をよこ糸と織つたり、 編んだりしたメッシュ地を備える椅子に関する。

閉結構造の座枠に、 弾性変形可能な高張力プラスチック等のネッ ト部材 （多孔 板を含む） を張設した従来の座構造においては、 通常、 ネット部材の周縁部を、 座枠の上面および外側面に重合した後、 座枠の下面に沿って内方へ折り曲げ、 こ の折り曲げ部を、 当板等を介して、 締付けねじ等より、 座枠に固定している。 こ のような構成は、 日本国特開平 11- 244103号及び特願 2002-165672号公報に開示さ れている。

上述のような従来の座構造においては、 ネット部材を一定の張力をもって展張 し、 かつその周縁部を、 座枠に均一に重合して、 締付けねじ等で固着することは 容易ではなく、 多大の技術と力と手間を要し、 かつ締付け部等に、 しわやたるみ が発生するおそれがある。 また、 締付ボルトのまわりにおいて、 ネッ ト部材に過 大な張力が作用し、 ネット部材のこの部分が、 裂断することがある。 ' また、 従来のメッシュ張り椅子としては、 日本国特表平 8- 507935号公報に開示 されたものがある。

しかし、 上述の従来のものでは、 ストランド 376に対してエラストマ一モノフィ ラメント 374が交差しているだけであるのでずれを生じ易く、また表面に現れるメ ッシュ模様が単調であるだけでなく、 表面が滑り易く、 着座者を保持するに十分 な摩擦力が得られにくい等の問題がある。

また、 椅子の着座感としては、 座面の前後方向及び背凭れ面の上下方向は緊張 力があり、 それらと直交する左右方向に関しては、 伸縮性があることが望ましい が、 上述の従来のものでは、 それらが十分とは言えない。

発明の要約

本発明は、 従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、 ネッ ト部材の周縁 部を、 比較的軽力をもって、 簡単に、 かつ均一の張力をも.つて、 フレームに固定 しうるようにした椅子の取付構造を提供することを第 1の目的としている。 本発明は、 椅子の座若しくは背凭れに、 ネット部材を均一かつ簡単に張設する 方法を提供することを第 2の目的としている。

本発明は、 着座感がよく、 メッシュ地の繊維のずれが少なく、 外観が良好で、 しかもメッシュ地の表面に、 着座者を保持するのに十分な摩擦力が得られるよう にしたメッシュ張り椅子を提供することを第 3の目的としている。

本発明によれば、 椅子の座若しくは背凭れのためのフレームへのネッ ト 部材の取付構造であって、 係止片と締付枠を備え、 前記締付枠を押圧する ことにより、 前記フレー ムの係止溝に、 前記係止片が、 前記ネッ ト部材 とともに揷入される取付構造が提供される。

本発明によれば、 また、 椅子の座若しくは背凭れにフレームを取り付ける 方法であって、 端部に係止片を有するネッ ト部材で、 フレームの上面と外 側面を覆う段階と、 前記ネッ ト部材を内側に折り畳む段階と、 係止片を反 転し、 ネッ ト部材とともに、 フレームの係止溝に揷入する段階と、 締付片 を、 フレームの下面に向け、 上向きに押圧し、 フレームの係止溝に係止片 を押し込み。 それにより、 ネッ ト部材に張力を付与し、 フレームに取り付 ける段階とを含む方法が提供される。 '

本発明によれば、 さらに、 座若しくは背凭れのフレームに織られたり、 編まれたメッシュ地を有する椅子であって、 このメッシュ地が、 フレーム の上下若しくは前後方向に張られた高張力のたて糸と、 フレームの幅方向 の複数の弾性糸と複数のモ一ル糸を備えるよこ糸とを備える椅子が提供さ れる。

図面の簡単な説明

本発明の上記及び他の特徴及び利点は、 次の添付図面に示された実施例に関す る以下の説明により明らかにされるものである。

図 1は、 本発明による、 ネット部材の取付構造を備える椅子の正面図である。 図 2は、 その右側面図である。

図 3は、 その平面図である。

図 4は、 本発明によるネット部材の取付構造の第 1実施例を示し、. 図 1の座の 斜視図である。 .

図 5は、 その分解斜視図である。

図 6は、 図 4における、 VI- VI線による拡大縦断面図である。

図 7は、 座枠の一部と係止片の拡大断面図である。 '

図 8は、 図 4における、 H- I線による拡大縦断面図である。

図 9は、 図 8の分解拡大断面図である。

図 10は、 座枠とネット部材の斜視図である。

図 1 1は、 係止片の平面図である。

図 12は、 図 1 1における、 ΧΠ-ΧΠ線による拡大縦断正面図である。

図 13は、 ネット部材で覆われた係止片の正面図である。

図 14は、 図 13の係止片とネット部材を座枠の取り付けた時の縦断正面図で ある。

図 1 5は、 本発明の第 2実施例の縦断面図で、 図 6と類似する図である。

図 16は、 図 1 5の実施例の斜視図である。

図 17は、 本発明の第 2実施例の縦断面図で、 図 8と類似する図である。

図 18は、 本発明の第 3実施例の拡大縦断面図である。

図 19は、 座用のメッシュ地の織組織を示す模式図である。

図 20は、 背凭れ用のメッシュ地の織組織を示す模式図である。

図 21は、 座用のメッシュ地の編組織を示す模式図である。

図 22は、 たて糸のメッシュ地の編組織を示す模式図である。

図 23は、 座用のメッシュ地の編組織を示す模式図である。

好適実施例の詳細な説明

図 1は、 本発明による、 ネット部材の取付構造を備える椅子 （A) の正面図、 図 2は、 その右側面図、 図 3は平面図である。

本発明の第 1実施例について説明する。 本発明は、 図 2の椅子 （A) の座 （B) ばかりでなく、 椅子 （A) の背凭れ （C) にも同様に適用できるものである。 図 4、 図 5に示すように、座（B)は、 閉結構造の座枠（1)の外周部の上面に、 高張力プラスチック等のネット部材（2)の周辺部を重合した後、 この周辺部を、 下方へ折り曲げて、 座枠（1)の外周部の外側面に重合し、 さらに座枠（1)の下面 に沿って内方へ折り曲げ、 この内向折曲げ部（2a)の下面に、 座枠（1)とほぼ相似 形をなす締付枠（3)を重合し、 ポルト（4)をもって、 締着して形成されている。 そのため、座枠（1)の外周部の下面、および締付枠（3)の複数の対応個所には、 それぞれ、 ねじ孔（5)と通孔（6)が穿設されている。

図 6に示すように、ネット部材（2)における前記内向折曲げ部（2a)は、座枠（1) の外周部の下面と締付枠（3)の上面との間に、 次のようにして挟支保持されてい る。

座枠（1)の外周部（7)は硬質の厚肉部となっておりこの外周部（7)の下面には， 内側から、 上向きの環状逃げ溝（8)、 係止用環状溝（9)および受圧用環状溝（10) が設けられている。

内側の環状逃げ溝（8)と中間の係止用環状溝（9)の間の隔壁（11)はやや薄肉と なっており、 その下端適所には、 左おに対をなして並ぶ多数の上向き切込み (11) (11)を設け、 隣接する上向き切込み（11) (11)の間を、 下面が外上方を向く傾 斜面とした可撓係止爪（12)としてある。

係止用環状溝（ 9 )の頂壁には、 透孔（9 a)が穿設されている。

外側の受圧用環状溝（10)は、 緩傾斜の台形断面となっている。

ネット部材（2)の周縁部には、 その全長に沿って、 座枠（1)における厚肉の外 周部（7)の外側面および下面に沿って巻回した後、 前記係止用環状溝（9)内へ下 方から進入しうる断面 L形の係止片（13)が止着され、 係止片（13)の角部における 前記可撓係止爪（12)と対応する位置には、 係合孔（14)が穿設されている。

ネット部材（2)の幅、 従ってその係止片（13)の位置は、 後述のようにネット部 材（2)を張設した際、 その張力が、 一定かつ所望の値となるように定められてい る。

締付枠（3)の上面は、 座枠（1)の厚肉の外周部（7)へ下方から嵌合しうる凹溝 状となっており、 その上面要所には、 座枠（1)の下面における外側の受圧用環状 溝（10)へ、 ネッ ト部材（2)を挟支した状態で嵌入しうる断面台形の食い込み突条 (15)が形成されている。

締付枠（3)の外周縁には、 座枠（1)へ取付けた際、 座枠（1)の下部周縁に重合 しうる上向きの保護フランジ（16)が設けられている。 ネット部材（2)を座枠（1)に取付けるには、まず、ネット部材（2)を、座枠（1) の輪郭に応じた形状寸度を有する表面部の周辺に、 座枠（1)の厚肉外周部（7)の 外側面を経て、 下方内側へ巻き込んだときに、 周縁部が厚肉部（7)の下面の中間 の係止用環状溝（ 9 )の付近まで来る形状寸度に裁断するとともに、 その周縁に L 形の係止片（13)の内側面を、 接着その他適宜の手段で止着しておく。

ついで、 ネット部材（2)の周辺部を座枠（1)上へ重合するとともに、 座枠（1) の外側面を経て、 内方へ折り返えし、 かつ周縁における L形の係止片（13)の起立 片を、 ネット部材（2)の周縁部とともに係止用環状溝（9)へ臨入させる。

ついで、 座枠（1)の下面に締付枠（3)を重合すると、 係止片（13)は、 ネット部 材（2)の周縁部とともに、 締付枠（3)により上方へ押されて、 可撓係止爪（12)を 乗り超え、 可撓係止片（12)は係合孔（U)に係止して抜け止めする。

またこの際、 締付枠（ 3 )の食い込み突条（15)が締付枠（ 1 )の受圧用環状溝（10) 内に進入していくため、 ネット部材（2)の周辺部は、 受圧用環状溝（10)内で強圧 される。

しかして、 係止用環状溝（9)、 および受圧用環状溝（10)は、 締付枠（3)の全周 に亘り、 また係止片（13)は、 ネット部材（2)の周縁の全周に亘つているから、 ネ ット部材（2)のほぼ全面に亘つて、 均等な張力が作用し、 ネット部材（2)は、 体 裁よく、 かつ強固に張設される。

前記各溝（ 8 )〜（10)は必ずしも環状でなくてもよく、 部分 に切られているも のでもよい。

受圧用環状溝を締付枠（3)の上面に、 また食い込み突条を、 座枠（1)の外周部 (7)の下面に設けてもよい。

図 8は、 図 4における、 - "Vll線による拡大縦断面図で、 図 9はその分解斜視図 である。 ネット部材 （2) は、 座枠 （ 1) 上に折り畳まれ、 上記に述べたように、 図 4と同様な方法で、 係止片（13)と締付片 （3) により保持される。

更に、 ボルト （4) が、 透孔 （6) に揷入され、 ねじ溝 （5) にねじ止めされ る。 そこで、 締付枠 （3) は、 座枠 （ 1 ) に固定される。 それにより、 ネット部 材 （2) が座枠 ( 1) にしつかりと保持される。

図 1 0は、 係止爪（12)と、 その両端に設けた上向き切込み（12a)を云している。 図 1 1と図 1 2は、 係止片（13)の、 それぞれ、 平面図と図 1 1における ΧΠ- ΧΠ線による縦断面図である。 図 1 3は、 ネット部材 （2) で覆った係止片（13) の正面図で、 図 1 4は、 図 1 3の係止片（13)とネット部材 （2) を座枠 （1) に 取り付けた際の、 縦断正面図である。

図 1 5〜 1 8は、 本発明の第 2実施例を示し、 凹溝（17)が、 座枠 （1) の上部 外周面に設けられている。 縁材（18)は、 凹溝（17)と係合し、 ネット部材 （2) に 外向きの力を付与するようになっている。 凹溝（17)と緣部材（18)の全周に設けら れているとよい。 緣材（18)は、 3〜10画の径を有する軟質ポリウレタンにような 可撓性の合成樹脂よりなるものであるとよい。

図 1 6は、 図 1 5の斜視図であり、 図 1 7は、 ボルトと緣材（18)を有する部分 の縦断面図である。

凹溝（17)内の縁材（18)により、 より強い張力がネット部材 （2) に均一に付与 される。

本発明の第 3実施例が、 図 1 8に示されている。 この図において、 凹溝（17)の 上端に突条（19)が設けられている。 縁材（18)とネット部材 （2) が、 突条（19)と 締付枠 （3) の保護フランジ（16)の間にしつかりと保持され、 それにより、 縁材 (18)の抜け落ちとネット部材 （2) の伸びを防いでいる。

図 1 9に模式的に略示するように、 座 （Β) 用のメッシュ地（44)は基本的に、 高張力を有する多数のたて糸 (経糸) (23)からなるたて糸群（24)と、 所要数の弾 性糸（25)からなる弾性糸群（26)と所要数のモール糸（27)からなるモール糸群（28) とを、 たて糸群（24)にほぼ直交するようにして交互に絡ませたよこ糸 （緯糸） 群 (29)とからなる織物地または編物地とする。

この例では、弾性糸群（26)は、 4本の弾性糸（25)からなり、モール糸群（28)は、 2本のモール糸（27)からなつている。

たて糸（23)は、 5 0 0デニールのポリエステルマルチフィラメントを用いるの が好ましい。 '

弾性糸（25)としては、 ポリエーテル系エステル弾性糸を用いるのが好ましく、 その太さは、 1 0 0〜3 0 0 0デニール、 乾燥収縮率 1 5 0°〇で 5〜 5 0 %のも のが好ましい。 モール糸（27)は、 ポリエステル系繊維の芯糸に、 フィラメント加工糸の花糸を 絡ませたもので、 太さが、 毛番手で 3 . 5〜 5番のものを用いるのが好ましい。 モール糸（27)は、 たて糸（23)に対して、 例えば 3 ： 1の割合で、 表面側に多く 現れるようにするのが好ましい。 弹性糸（25)は、 たて糸（23)に対して、 1 ： 1の 割合で表面側に現れる、 すなわち表裏均等とするのが好ましい。

図 6には、メッシュ地（44)を織物組織として略示してあるが、後述するように、 実際には編物組織とするのがより好ましい。

このようにして形成されたメッシュ地（44)を、 たて糸（23)が前後方向を向くよ うにして、 上述のように座 （B ) のフレーム（3 )に張設することにより、 快適な 着座感が得られるとともに、 表面の摩擦カを大とすることができる。

背凭れ （A ) 用のメッシュ地（22)は、 図 2 0に模式的に略示するように、 図 1 9に示す座 （B ) 用のメッシュ地（44)における弾性糸群（26)から中央の 2本の弹 性糸（25)を削除し、 その後をそのまま空隙としたものと同一としてある。

すなわち、 メッシュ地（22)においては、 弾性糸群（26' )における 2本の弾性糸 (25)を、 相互の間を大きく離間させ、 かつ互いに近接して配設された 2本のモー ル糸（27) (27)からなるモール糸群（28)に近接するようにして配設している。

メッシュ地（22)におけるその他の構成は、 メッシュ地（44)におけるのと同一で あるので、 その同一の構成部材に同一の符号を付して図示するに止め、 詳細な説 明は省略する。

このメッシュ地（22)を、 たて糸（23)が上下方向を向くようにして、 上述の背凭 れ （C ) のフレーム（21)に張設することにより、 左右方向の伸縮力が座 （B ) よ りも若干弱く、 かつ前後方向の見通しがよく、 その他は座 （B ) と同様の作用効 果を有する背凭れ （C ) が得られる。

図 2 1は、 座 （B ) 用のメッシュ地（44)を編物としたときの一例を模式的に示 す。

この例では、 たて糸（23)を、 図 2 2に示すように、 鎖糸（30)と第 1メッシュ編 糸（31)と第 2メッシュ編糸（32)との 3種類の編糸からなるものとし、 それらを、 たて糸挿入装置のあるラッシェル機を使って、 図 2 2に示すたて糸編組織でたて 編して、 図 2 1に略示するようなメッシュ亀甲組織（33)を形成するとともに、 そ のたて方向の直線部（33a)に、図 1 9に示すのと同様の 4本の弹性糸（25)からなる 弾性糸群（26)を、 互いに離間するようにして、 またメッシュ亀甲組織（33)の傾斜 部（33b)に、 2本のモ一ル糸（27) (27)からなるモール糸群（28)を、 よこ糸としてそ れぞれ揷入して、 図 1 0に示すような編物地としたメッシュ地（44)を形成してい る。

補強用の鎖糸（30)としては、 例えば 1 0 0デニールのポリエステルフィラメン トを用いるのがよいが、 伸縮性を持たせるために、 弹性糸を用いてもよい。

第 1メッシュ編糸（31)及び第 2メッシュ編糸（32)は、 5 0 0デニールのポリエ ステルマルチフィラメントとするのがよい。

モール糸（27)は、 上述したものと同様のものを用いるのがよい。

背凭れ （A ) 用のメッシュ地（22)としては、 図 2 1に示す構成から、 メッシュ 亀甲組織（33)の直線部（33a)と交わる弾性糸群（26)の中の中央の 2本の弾性糸 (25) (25)を削除したものと同一のものを用いるのがよい。

編物としたメッシュ地（44)も、 織物とした場合と同様に、 たて糸（23)が座（1 ) の前後方向を向くようにして、 また編物としたメッシュ地（22)も、 たて糸（23)が 背凭れ（2 )の上下方向を向くようにして、 各フレーム（3 ) (11)に上述したように して取り付けられる。

背凭れ （C ) 用のメッシュ地（22)において、 座（1 )用のメッシュ地（44)よりも よこ糸の弾性糸（25)の本数を少なくしたのは、 背凭れ （C ) には座 （B ) におけ るような大きな荷重が掛かることがなく、 またメッシュの空隙を大として、 前後 方向の見通しをよくすることが、 メッシュとしてのデザィン性に優れるからであ る。

メッシュ地（44) (22)は、 上述したように、 たて糸（23)をメッシュ亀甲組織に編 んだ編物地とするのが好ましいが、 編組織はこれに限定されるものではなく、 他 の編組織を採用することもできる。

また、 よこ糸として交互に配設する弹性糸とモール糸とのそれぞれ本数は自由 に定めることができ、 それを変更することによって、 種々のデザインのものを得 ることができる。

Claims

請 求 の 範 囲

1. 椅子の座若しくは背凭れのためのフレームへのネッ ト部材の取付構造 であって、

係止片と締付枠を備え、 前記締付枠を押圧することにより、 前記フレー ムの係止溝に、 前記係止片が、 前記ネッ ト部材とともに揷入される取付構 造。

2 . 係止溝と係止片が、 可撓係止爪と係合孔を備え、 それらが互いに弾性 係合するようになつており、 それにより係止片を係止溝から抜け止めして いる請求項 1記載の取付構造。

3 . 係止片が、 水平片を有する L字状であり、 この水平片が、 締付片によ る押圧力を受支するとともに、 フレームと締付片の間で狭圧される請求項 1記載の取付構造。

4 . 係止溝が、 頂壁に上下方向の透孔を有する請求項 1記載の取付構造。

5 . フレームと締付枠が、 それぞれ受圧溝と食い込み突条を有し、 フレー ムを締付枠と結合した際、 ネッ ト部材が受圧溝と食い込み突条の間に挟ま れるようになっている請求項 1記載の取付構造。

6 . フレームの外縁上端に周方向に凹溝を設け、 縁部材が、 この凹溝に係 合するようになつており、 それにより、 ネッ ト部材に、 外方向の更なる張 力を加えるようになつている請求項 1記載の取付構造。

7 . 縁材が、 可撓性を有する合成樹脂製の線材により形成されている請求 項 6記載の取付構造。

8 . 凹溝と縁部材が、 フレームの全周に設けられている請求項 6記載の取 付構造。

9 . 凹溝の上端に突条が設けられ、 この突条と、 締付片の保護フランジと の間に、 縁材がネッ ト部材とともに保持されるようになっている請求項 6 記載の取付構造。

1 0 . 椅子の座若しくは背凭れにフレームを取り付ける方法であって、 端部に係止片を有するネッ ト部材で、 フレームの上面と外側面を覆う段 階と、 前記ネッ ト部材を内側に折り畳む段階と、

係止片を反転し、 ネッ ト部材とともに、 フレームの係止溝に挿入する段 階と、

締付片を、 フレームの下面に向け、 上向きに押圧し、 フレームの係止溝 に係止片を押し込み。 それにより、 ネッ ト部材に張力を付与し、 フレーム に取り付ける段階とを含む方法。

1 1 . 係止溝が、 下端に可撓係止爪を有し、 押圧段階において、 係止片が 係止溝に押し込まれた際に、 係止片が前記係止爪により、 抜け止めされな いようになっている請求項 1 0記載の方法。

1 2 . 押圧段階の次に、 フレームの外周面の上端における凹溝に縁部材を 揷入し、 ネッ ト部材に更なる張力を付与する段階を含む請求項 1 0記載の 方法。

1 3 . 座若しくは背凭れのフレームに織られたり、 編まれたメッシュ地を 有する椅子であって、 このメッシュ地が、 フレームの上下若しくは前後方 向に張られた高張力のたて糸と、 フレームの幅方向の複数の弾性糸と複数 のモール糸を備えるよこ糸とを備える椅子。

1 4 . たて糸が、 ボリエステルマルチフィラメントよりなる請求項 1 3記 載の椅子。 +

1 5 . 弹性糸が、 ポリエ一テル系エステル弾性糸よりなる請求項 1 3記載 の椅子。 ·

1 6 . モール糸が、 フィラメント加工糸の加工糸を絡ませたポリエステル 系繊維の芯糸に、 フイラメント加工系の花糸を絡ませたものである請求項 1 3記載の椅子。

1 7 . モール糸が、 たて糸より、 メッシュ地の表面側に多く現れる請求項 1 3記載の椅子。

1 8 . 椅子に張られた弾性糸が、 背凭れに張られた弾性糸よりも、 より大 きな密度で設けられている請求項 1 3記載の椅子。

1 9 . たて糸が、 編まれた亀甲組織よりなり、 この亀甲組織の直線部に、 複数の弾性糸を、 よこ糸として、 編みつけ、 亀甲組織の傾斜部に、 複数の モール糸を、 よこ糸として、 編みつけてなる請求項 1 3記載の椅子,