+ 明細書 ·
半導体装置及びその製造方法 技術分野
本発明は、 高信頼性の銅配線を有する半導体装置及びその製造方法に関する。 背景技術 .
従来、 L S I (大規模集積回路) の配線材料として、 アルミニウム又はァノレミ ニゥム合金が主流であった。 しカゝし、 アルミニウムは融点が低く (6 6 0 °C) 、 耐マイグレーション性に劣るため、 L S Iの高集積化, 高速化に対応困難である これに対して、 銅の融点は 1 0 8 3 °Cであってアルミニウムの融点より高く、 電気抵抗率も低いため (バルタ値でアルミニウムの約 2 / 3 ) 、 次世代 L S I配 線材料として有力である。 し力 し、 銅配線の実現にはいくつかの課題があり、 そ の' 1つに配線絶縁膜の高信頼化がある。 銅は容易に絶縁膜中に拡散し、 絶縁膜の 信頼度 (絶縁耐圧) を低下させることが知られている。 この問題を解決するため の方法が特開昭 6 3 - 7 6 4 5 5に示されている。 この方法では、 銅配線の周囲 に拡散バリアである金属層を設けることで、 銅の拡散を防止している。 し力 し、 この方法では、 銅配線の上面に拡散バリア層となる金属膜を全面に形成した後、 隣接する配線間 短絡を防ぐために、 不要部分の金属膜を取り除く工程が必要と なる。 隣接する銅配線の間隔が、 例えば 0 . 2 5 μ πι以下になると配線間の不要 な金属膜を精度良く取り除くのが困難になるということについて配慮されてい
なかった。
これに対する技術が、 プロシーディングス ·ォブ · 1993年ブイエルエスァ ィ ,マノレチレベル■ィンターコネクション ' コンファレンス ( 1993年) 第 1 5頁 (P r o c e e d i n g s o f VLS I Mu l t i l e v e l I n t e r c o nn e c t i o n Co n f e r e n c e、 1993、 p p. 1 5) に記載されている。 この方法は、 絶縁膜に埋め込まれた銅配線の上面を拡散障壁 層である窒化シリコン膜で覆う方法である。 窒化シリコン膜は絶縁性なので、 隣 接銅配線間に形成され 窒化シリ.コン膜を除去する工程は必要ない。 また、 銅配 線の間隔が狭くなつても配線同士が短絡する恐れもない。 しかしながら、 窒化シ リコン膜は比誘電率が 8程度と、 LS I配線工程で用いられる一般的な絶縁膜の 比誘電率 (4程度) と比較して高いために、 隣接する配線間の寄生容量が増大し 、 電気信号の伝播速度が低下する.ことについて配慮されていなかった。
これに対する技術が、 プロシーディンダス■ォブ ' 1999年インターナショ ナル 'ィンターコネク ト ·テクノロジー 'コンファレンス (1999年) 第 10 9頁 (P r o c e e d i n g S' o f . t h e 1999 I n t e r n a t i o n a 1 I n t e r c o nn e c t f e c h n o 1 o g y C o n f e r e n c e、 1999、 p p. 109.) に紹介されている。 この方法は、 銅に対す る拡散障壁層としてプラズマ CVDを用いて炭化シリコンを主成分としたプロ ック (BLOk : Ap p l i e d .Ma t e r i a l s社製、 商品名) 膜を用い る方法である。 ブロック膜も窒化シリコン層と同様に絶縁性なので、 隣接銅配線 間に形成されたブロック膜を除去する工程は必要ない。 さらに、 ブロック膜の比
誘電率が 5程度であるため、 窒化シリコンよりも、 隣接配線間の寄生容量の増大 を低減できる。
また、 窒化シリコン膜を銅の拡散障壁層に用いた場合に生じる配線間寄生容量 の増大に対する別の技術が、 アプライド .サ一フェス■サイエンス、 91号 (1 995年) 第 303ページから第 307ページ (Ap p 1 i e d S u r f a c e S c i e n c e, Vo l . 91 (1 995) p p. 303— 307) 、 およ び、 アイ 'ィー 'ィー 'ィー エレクトロン デバイス レターズ、 17号、 1 2卷 (1996年) 第 549ページから第 551ページ (I EEE E l e c t r o n D e v i c e L e t t e r s、 Vo l . 17、 No. 12 (1 996 ) p p 549-55 l) に紹介されている。 これらの方法は、 銅に対する拡散障 壁層として酸素と窒素とシリコンからなる絶縁膜 (以下、 S i ON膜と略す) を 用いる方法である。 S i ON膜も窒化シリコン層と同様に絶縁性なので、 隣接銅 配線間に形成された S i ON膜を除去する工程は必要ない。 また、 S i ON膜の 漏れ電流は、 一般的な製法で形成された酸化シリコン膜に比較的近いため、 隣接 する鲖配線間の漏れ電流が増大し、 LS I性能が低下するおそれが少ない。 さら に、 S i ON膜の比誘電率が 5. 1〜5. 6程度であるため、 窒化シリコンより も、 隣接配線間の寄生容量の増大を低減できる。
次に、 拡散障壁層として窒化シリコン膜を用いた場合に生じる別の問題点を説 明する。 複数層の銅配線を 1つの LS I上に集積する場合において、 異なる配線 層間の電気的な導通を取るためには、 配線層間の絶縁膜に接続孔を形成し、 その 中を導電体で埋め込む必要があり、 そのためには銅配線上面に形成した拡散障壁
層である窒化シリコン膜に開口部を形成する必要がある。 しかし窒化シリコン膜 のエッチング速度は、 一般的な絶縁膜のエッチング速度に比べ遅いために、 おも に二つの問題が生じる。 一番目の問題点は、 銅配線とその上に形成した接続孔に 合わせずれがある場合に生じる。 接続孔が銅配線以外の領域にも開口部を持つ場 合、 銅配線上に形成した窒化シリコン膜を過剰にェヅチングすると、 窒化シリコ ン膜下にある線間絶縁膜のェッチング速度が速いため、 この線間絶縁膜が掘り込 まれてしまう。 このような現象が起きると、 接続孔を導電体で埋め込むときに埋 め込みが十分におこなわれずに、 導通不良の原因になったり、 線間絶縁膜に低誘 電率絶縁膜を用いている場合には、 低誘電率絶縁膜が変質し、 配線性能が損なわ れたりするおそれがある。 二番目の問題点は、 銅配線上に接続孔を開孔する際、 接続孔の加工マスク膜厚が不足した場合に生じる。 接続孔形成時に、 銅配線上の 窒化シリコン膜をエッチングすると、 加工マスクも同時にエッチングされる。 こ の際、 加工マスクの膜厚が不足すると、 加工マスク下の層間絶縁膜がエッチング され、 配線抵抗が不均一になったり、 加工マスク下に低誘電率絶縁膜を用いてい る場合には、 低誘電率絶縁膜が変質し、 配線信頼性が低下したりするおそれがあ る。 発明の開示
上記プロック膜を用いた従来技術は、 プロック膜の銅の拡散防止性能が窒化シ リコン膜と比較して劣るため、 長期間の使用により L S Iの性能が低下するとい うことについては配慮されていなかった。 さらに、 ブロック膜は漏れ電流が多い
ために、 隣接する銅配線間で電流の漏洩が起き、 L S I性能が低下するというこ とについては配慮されていなかった。
上記 S i O N膜を用いた従来技術では、 S i O N膜に窒素が 1 5原子%〜2 2 原子%含まれるため、 比誘電率が 5より大きくなる。 そのため、 隣接する銅配線 間の寄生容量が増大し配線遅延時間が増えるため、 L S Iの性能が低下するとい う問題があった。
上記ブロック膜および S i O N膜を用いた従来技術では、 銅配線と接続孔に合 わせずれが生じたり、 加工マスク膜厚が不足した場合に生じる信頼度低下の問題 に対し、 具体的な解決手段が開示されていなかった。
本発明の第 1の目的は、 高信頼性の、 かつ、 配線遅延時間の少ない銅配線を具 備する半導体装置を提供することにある。
本発明の第 2の目的は、 高信頼性の、 かつ、 配線遅延時間の少ない銅配線を具 備する半導体装置の製造方法を提供することにある。
上記第 1の目的を達成するために、 本発明の半導体装置は、 半導体素子が形成 された基板と、 この半導体素子相互を接続する金属配線と、 金属配線の少なくと も一部を被覆する絶縁性拡散障壁層とを有し、 金属配線の周囲の面の少なくとも 1部が銅を主たる成分とする材料からなる領域を有し、 銅を主たる成分とする材 料からなる領域の一部が絶縁性拡散障壁層と接し、 この絶縁性拡散障壁層の特性 、 比誘電率が 5以下であり、 かつ、 1 4 0 °Cの試験温度において、 絶縁性拡散 障壁層の電界強度 2 MV/ c mにおける漏れ電流が 1平方センチメートル当た り 1 0 n A以下、 かつ、 1 4 0 °Cの試験温度において、 銅を陽極としたときの上
記絶縁性拡散障壁層の絶縁破壊寿命が少なくとも 1 0 0年あるように構成する ことで達成される。
. また、 上記第 1の目的を達成するために、 本発明の半導体装置は、 半導体素子 が形成された基板と、 この半導体素子相互を接続する金属配線と、 金属配線の少 なくとも一部を被覆する絶縁性拡散障壁層とを有し、 金属配線の周囲の面の少な くとも 1部が銅を主たる成分とする材料からなる領域を有し、 銅を主たる成分と する材料からなる領域の一部が絶縁性拡散障壁層と接し、 この絶縁性拡散障壁層 を、 一般式 (R O) n S i H4 _n (式中 nは 1〜3の範囲の整数、 Rはアルキル基 、 ァリール基又はその誘導体である) で表わされるアルコキシシランと、 酸化性 ガスとを少なくとも含む混合ガスを用い、.プラズマ C V D法により形成すること で達成される。
また、 上記第 1の目的を達成するために、 本発明の半導体装置は、 半導体素子 が形成された基板と、 この半導体素子相互を接続する金属配線と、 金属配線の少 なくとも一部を被覆する絶縁性拡散障壁層とを有し、 金属配線の周囲の面の少な くとも 1部が銅を主たる成分とする材料からなる領域を有し、 銅を主たる成分と する材料からなる領域の一部が絶縁性拡散障壁層と接し、 この絶縁性拡散障壁層 を、 無機シランガスまたは有機シランガスと、 酸化窒素ガスまたは酸素原子を含 むガスと窒素原子を含むガスの混合ガス、 を用いてプラズマ C V D法により形成 し、 その主たる構成元素を、 酸素とシリコンと窒素とし、 .その窒素濃度を 0 . 3 原子パーセントから 1 4原子パーセントとすることにより達成される。
また、 上記第 1の目的を達成するために、 本発明の半導体装置は、 半導体素子
が形成された基板と、 この半導体素子相互を接続する金属配線と、 ドライエッチ 停止層と、 金属配線の少なくとも一部とドライエッチ停止層の少なくとも一部と を被覆する絶縁性拡散障壁層とを有し、 ドライエッチ停止層は開口部を有し、 こ の開口部を金属配線の一部を金属配線が充填し、 金属配線の周囲の面の少なくと も 1部が銅を主たる成分とする材料からなる領域を有し、 ドライエッチ停止層と 銅を主たる成分とする材料からなる領域の一部が絶縁性拡散障壁層と接し、 この ドラ.イエッチ停止層のドライエツチ速度を、 絶縁性拡散障壁層のドライエッチ層 の半分以下にすることで達成される。
また、 上記第 1の目的を達成するために、 本発明の半導体装置は、 半導体素子 が形成された基板と、 この半導体素子相互を接続する第 1の金属配線と、 この第 1の金属配線の少なくとも上面を被覆する絶縁性拡散障壁層と、 'この絶縁性拡散 ' 障壁層を被覆する第 1の絶縁膜と、 この第 1の絶縁膜を被覆する中間ストツバ膜 と、 この中間ストッパ膜を被覆する第 2の絶縁膜と,、 この第 2の絶縁膜を被覆す る保護絶縁膜と、 この第 1の金属配線に対して電気的な接続を確保するために形 成された、 絶縁性拡散障壁層および第 1の絶縁膜および中間ストッパ膜および第 2の絶縁膜および保護絶縁膜に設けられた開口部に充填された第 2の金属配線 とを有し、
第 1の金属配線の周囲の面の少なくとも 1部が銅を主たる成分とする材料から なる領域を有し、 銅を主たる成分.とする材料からなる領域の一部が絶縁性拡散障 壁層と接し、 中間ストッパ膜のドライエッチ速度を絶縁性拡散障壁層のドライエ ッチ速度の半分以下にすることで達成される。
また、 上記第 2の目的を達成するために、 本発明の半導体装置の製造方法は、 半導体素子が形成された基板上に、 周囲の面の少なくとも 1部が銅を主たる成分 とする材料からなる領域を有する金属配線を形成し、 この金属配線の銅を主たる 成分とする材料からなる領域を被覆するように、 比誘電率が 5以下であり、 かつ 、 試験温度 1 4 0 °Cにおいて電界強度 2 MV/ c mにおける漏れ電流が 1平方セ ンチメートル当たり Ι Ο η Α以下であり、 かつ、 試験温度 1 4 0 °Cにおいて銅を 陽極としたときの絶縁破壊寿命が少なくとも 1 0 0年ある特性を有する絶縁性 拡散障壁層を形成するようにして達成される。
また、 上記第 2の目的を達成するために、 本発明の半導体装置の製造方法は、 半導体素子が形成された基板上に、 周囲の面の少なくとも 1部が銅を主たる成分 とする材料からなる領域を有する金属配線を形成し、 この金属配線の銅を主たる 成分とする材料からなる領域を被覆するように、 一般式 (R O) n S i H 4 _ n (式 中 nは 1〜 3の範囲の整数、 Rはアルキル基、 ァリール基又はその誘導体である ) で表わされるアルコキシシランと、 酸化性ガスとを少なくとも含む混合ガスを 用レ、、 プラズマ C V D法により、 絶縁性拡散障壁層を形成するようにして達成さ れる。
上記絶縁性拡散障壁層の比誘電率は、 1以上であることが好ましいが、 一般的 に絶縁性材料は 2以上であるものが多いので、 2から 5の範囲のものを用いるの が好ましい。 また、 上記試験温度、 電界強度における漏れ電流は、 小さければ小 さい方が望ましいが、 一般的な材料には、 1平方センチメートル当たり 0 . 0 1 n A以上のものが多いので、 0 . 0 1から 1 0 n Aの範囲のものを用いるのが好
ましい。
また、 上記第 2の目的を達成するために、 本発明の半導体装置の製造方法は、 半導体素子が形成された基板上に、 周囲の面の少なくとも 1部が銅を主たる成分 とする材料からなる領域を有する金属配線を形成し、 この金属配線の銅を主たる 成分とする材料からなる領域を被覆するように、 無機シランガスまたは有機シラ ンガスと、 酸化窒素ガスまたは酸素原子を含むガスと窒素原子を含むガスの混合 ガス、 とを用いてプラズマ C V D法により、 酸素とシリコンと窒素を主たる構成 元素とし、 その窒素濃度が 0 . 3原子パーセントから 1 4原子パーセントである 絶縁性拡散障壁層を形成するようにして達成ざれる。
また、 上記第 2の目的を達成するために、 本発明の半導体装置の製造方法は、 半導体素子が形成された基板上に、 · g部を有する絶縁性エッチング停止層を形 成し、 この絶縁性ェツチング停止層に設けられた開口部を充填するように、 少な くとも上面が銅を主たる成分とする材料からなる領域を有する金属配線を形成 し、 この金属配線の銅を主たる成分とする材料からなる領域と絶縁性ェッチング 停止層を被覆するように、 絶縁性拡散障壁層を形成する工程を少なくとも含んで おり、 絶縁性ェッチング停止層のドライエツチ速度を絶縁性拡散障壁層のドライ エッチ速度の半分以下とすることで達成される。
また、 上記第 2の目的を達成するために、 '本発明の半導体装置の製造方法は、 半導体素子が形成された基板上に、 すくなくとも上面の 1部が銅を主たる成分と する材料からなる領域を有する第 1の金属配線を形成し、 この第 1の金属配線の 銅を主たる成分とする材料からなる領域を被覆するように、 絶縁性拡散障壁層を ·
形成し、 この絶縁性拡散障壁層を被覆するように第 1の絶縁膜と、 中間ス 膜と、 第 2の絶縁膜と、 保護絶縁膜とエッチマスクとを順次形成し、 エッチマス クの一部に第 1の開口部を形成し、 この第 1の開口部の底部に露出した保護絶縁 膜の一部に第 2の開口部を形成し、 この第 2の開口部を通して第 2の絶縁膜に第 3の開口部を形成し、 この第 3の開口部の底部に露出した中間ストッパ膜を除去 し第 4の開口部を形成し、 同時に、 第 1の開口部の底部に露出した保護絶縁膜を 除去し、 エッチマスクに形成した第 1の開口部下の第 2の絶縁膜を除去し、 同時 に、 第 4の開口部下の第 1の絶縁膜を除去し、 第 4の開口部下に露出した絶縁性 拡散障壁層を除去し、 第 1の金属配線に対して開口部を形成する工程を少なくと も含んでおり、 中間ストッパ膜のドライ.エッチ津度を絶縁性拡散障壁層のドライ エッチ速度の半分以下とすることで達成される。 . 図面の簡単な説明
図 1は実施例 1における本発明の半導体装置の製造工程の要部断面模式図で ある。 図 2は隣接する銅配線間が絶縁破壊に至るまでの寿命の電界強度依存性を 示す図である。 図 3は銅配線の寄生容量の相対値を示す図である。 図 4は絶縁性 拡散障壁層に適用する材料と形成された半導体装置の特性等の関係図である。 図 5は P— TM S , . P— S i N, ブロック膜, P— T E O Sの各特性図である。 図 6は実施例 2における本発明の半導体装置の製造工程の要部断面模式図である。 図 7は実施例 3における本発明の半導体装置の製造工程の要部断面模式図であ る。 図 8は隣接する銅配線間の絶縁破壊寿命の電界依存性から求めた電界強度 2
M V/ c mにおける絶縁破壌寿命と P— M S O成膜時シラン流量との関係を示 す図である。 図 9は隣接する銅配線間の絶縁破 寿命の電界依存性から求めた電 界強度 2 MVZ c mにおける絶縁破壌寿命'と P—M S O成膜時プラズマパワー との関係を示す図である。 図 1 0は n型シリコン基板上に形成した P— M S O膜 の漏れ電流密度の電界強度依存性を示す図である。 図 1 1は隣接する銅配線間の 絶縁破壌寿命の電界依存性から求めた電界強度 2 MV// c mにおける絶縁破壌 寿命と P— M S Oおよび P— TM Sに含まれる窒素濃度との関係を示す図であ る。 図 1 2は隣接する銅配線間の絶縁破壌寿命の電界依存性から求めた電界強度 2 MVZ c mにおける絶縁破壌寿命と P— M S Oおよび P— TM Sに含まれる 窒素濃度との関係を示す図である。 図 1 , 3は実施例 4における本発明の半導体装 置の製造工程の要部断面模式図である。 図 1 4は実施例 4 おける本 明の半導 体装置の製造工程の要部断面模式図である。 図 1 5は実施例 5における本発明の 半導体装置の製造工程の要部断面模式図である。, 図 1 6は実施例 5における本発 明の半導体装置の製造工程の要部断面模式図である。 図 1 7は実施例 5における 本発明の半導体装置の製造工程の.要部断面模式図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 図面を用いて本発明の実施例について説明する。 なお、 各図面は模式的 に描いており、 説明に不用な箇所は省略している。
<実施例 1 >.
図 1は本発明の半導体装置の製造工程を示す断面図である。 以下順を追って説
明する。 半導体素子が形成された基体 100上に、 B莫厚 400 nmの酸化シリコ ンからなる第 1の絶縁膜 200を形成した後、 基体 100と電気的接続をとるた めに、 第 1の絶縁膜 200の所望の領域に開口部を設け、 CVD法によりタング ステン'プラグ 500を充填した。 次に、 膜厚 325 nmの有機低誘電率絶縁膜 である S i LK (Dow Ch em i c a l社製、 商品名) を塗布、 焼成し、 第 2の絶縁膜 201を形成した後、 ブラズマ C VD法により膜厚 25 n mの酸化シ リコンからなる第 1の保護絶縁膜 202を形成した。 次に、 通常のフォトリソグ ラフィ一法とドライエツチ法を組み合わせることで、 第 2の絶縁膜 201及び第 1の保護 ^縁膜 202の所望の領域に開口部 400を設けた (図 1 ( a ) ) 。 こ の開口部を充填するように、 スパッタリング:法を.用いて膜厚 30 nmの窒化チタ ン膜と、 スパッタリング法と電解メツキ法を組み合わせて膜厚 500 nmの銅膜 を順次形成した後、 CMP (化学的機械研磨) 法により第 1の保護絶縁膜 202 上の窒化チタン膜及び銅膜を取り除き、'開口部 400を充填するように、 窒化チ タンからなる第 1の導電性バリア層 300と銅からなる第 1の導電体 301か ら構成される銅配線を形成した (図 1 (b) ) 。. . この上に、 キャノン販売株式会社より発行されているプラズマ CVD装置カタ 口グ (力タ口グ番号 1 1.99 SZ 1) に開示してある二重周波励起方式 (電極側 13. 56MHz、 ウェハ側 380 kH 2) による平行平板型プラズマ C VD方 式を用いて、 ァ コキシシランとしてトリメ トキシシラン (T r ime t h o x y s i 1 a n e : (CH30) 3 S.i H) と酸化性ガスとして N20を含む混合ガ スを原料ガスとし、 膜厚 50 n mの第 1の絶縁性拡散障壁層 203を形成した。
これ以降、 トリメ トキシシランを原料ガスに用いて形成した膜を P— TMSと省 略する。 なお、 この方法において使用するのに適当なアルコキシシラン及び酸ィ匕 性ガスが、 特開平 7— 21 1712号公報に記載してある。 アルコキシシランの 例としては一般式 (R〇) nS i H4_n (n=l〜3) で表わされ、 一般式中の R はアルキル基、 ァリール基又はその誘導体を表わす。 アルキル基としては、 炭素 数 1から 3のものが好ましい。 このアルコキシシランの具体例としては、 トリメ トキシシランゃトリエトキシシラン (T r i e t h o x y s i l a n e : (C2 H50) 3 S i H) が好適である。 また、 酸化性ガスとしては、 〇2、 NO、 N2 0、 N〇2、 CO、 C〇2、 H20が望ましい。
次に、 この P— TM Sからなる第 1の絶縁性拡散障壁層 203上に膜厚 325 の有機低誘電率絶縁膜である S i LKを塗布、 焼成し、 第 3の絶縁膜 204 を形成した後、 プラズマ CVD法により膜厚 25 nmの酸化シリコンからなる第 2の保護絶縁膜 205を形成し、 半導体装置を構成した (図 1 (c) ) 。 .
この実施例 1で示した構造の外に、 第 1の絶縁性拡散障壁層として P— TM S の代わりに、 シラン (S i H4) とアンモエア (NH3) を原料ガスに用いてプラ ズマ CVD法で形成した窒化シリ ン膜 (以下、 P— S i Nと省略する) を用い た構造、 プロック膜を用いた構造、 テ'トラエトキシシラン (T e t r a e t h o x y s i 1 a n e : (C2HsO) 4 S i ) と〇 2を原料ガスに用いてプラズマ C V D法で形成した酸化シリコン膜 (以下、 P— TEQSと省略する) を用いた構造 をそれぞれ準備した。 第 1の絶縁性拡散障壁層の膜厚はすべて 50 n mである。 このようにして形成した銅配線を有する半導体装置の性能及び信頼度を調べ
た。 図 2はこのようにして形成した半導体装置における隣接する銅配線間の絶縁 膜が絶縁破壊に至るまでの寿命と絶縁膜の電界強度との関係を、 2MV/c m以 下の電界強度まで外挿したグラフである。 隣接する銅配線の間隔が 0. Ι μπ!に おいて隣接配線間に 20 Vの電圧をかけたときの隣接配線間絶縁膜に加わる電 界強度が 2MV/ cmなので、 こめ電界強度において 10年以上の寿命を有する 必要がある。 一般的な LS Iの電源電圧は 5 V以下の場合が多いが、 用途によつ ては内部で高い電圧を発生させて使用する場合がよくあることから、 偶発故障に 対する耐久性を向上し、 つ、 製品の信頼度及び歩留まりを向上させるには、 2 MV/cmにおける寿命は 100年以上が望ま,しい (図 2に斜線で示した領域) 。 図 2に示したように、 電界強度 2 MVZ cmにおいて 1◦ 0年の信頼度を維持 できるのは絶彖' I生拡散障壁層として P _ T M Sを用いた試料であつた。
さらに、 この試料を利用して、 隣接銅配線間の寄生容量を容量一電位法 (CV 法) を用いて測定したところ図 3に示したような結果が得られた。 絶縁性拡散障 壁層として P— TMSを用いたときの寄生容量値を 100%として表してレヽる。 図 3から分かるように絶縁性拡散障壁層.'として P— TMSを用いた場合が最も 寄生容量が小さくなつた。 また、 絶縁性拡散障壁層として P— S ΪΝを用いた場 合が最も寄生容量が大きく、 P _ TMSの場合に比較して 10 %近く高い値とな つた。 つまり絶縁性拡散障壁層として P— S i Nを用いた場合には、 P— TMS 、 P-S i N、 P— TEOSを用いた場合と比較して、 配線を伝播する信号の速 度が 10%程度低下し、 LS I性能を低下させる恐れがある。 さらにこの試料を 利用して、 隣接する銅配線間の漏れ電流を測定したところ、 絶縁性拡散障壁層と
してブロック膜を用いた場合には、 P— TMS、 P— S i N、 P— TEOSを用 いた場合と比較して、 隣接する配線間の漏れ電流が 50%程度多くなることが明 らかとなり、 容量素子からの記憶情報の消失や、 LS I消費電力の増大等の恐れ がある。
上記の結果をまとめて図 4に示し、 図 1に示した第 1の絶縁性拡散障壁層 20 3に適用する材料と形成された半導体装置の特性等の関係について比較する。 図 4からも明らかなように、 長期間の信頼度を有し、 かつ高い性能を有する半導体 装置を実現できるのは、 絶轉性拡散障壁層として P— TMSを用いた場合のみで ある。
【図 4】
上記のように絶縁性拡散障壁層として P— TM Sを用いた場合にのみ、 高性能 、 かつ、 高信頼性の半導体装置が得られた理由を明らかにするため、 次のような 評価を行った。
リンをドープした n型シリコン基板 (基板抵抗率 0. 02 Ω cm) を準備し、 この基板上に膜厚 200 nmの P— TMSを形成し、 この上に真空蒸着装置と蒸 着マスクを用いて直径 lmm、 膜厚 300 n mの円形状の銅電極を形成し試料と した。 このような構造の試料の P— TM Sの代わりに、 膜厚 200 nmの P— S i Nを形成した試料、 膜厚 200 nmのプロッグを形成した試料及び膜厚 200 nmの P— TEOSを形成した試料の合計 4種類の試料を準備した。 このように して n型シリコン基板上に絶縁膜及び円形の銅電極を形成した試料 (以下、 平面 キャパシタ試料と省略する) を 140°Cに加熱し、 ΙΊ型シリコン基板を接地し、
銅電極に正電位を与え、 上記 4種類の絶縁膜を流れる漏れ電流を測定し、 それぞ れの絶縁膜が絶縁破壊を生じるまでの時間を測定した。 さらに、 この試料を利用 して、 それぞれの絶縁膜の比誘電率を C V法で測定した。 このようにして測定し た各絶縁膜の特性をまとめたのが図 5である。 図 5から明らかなように、 銅の拡 '散を防ぐ能力が高く、 力つ、 絶縁膜の比誘電率が低く、 かつ、 '絶縁膜の漏れ電流 が少ないという特性を有する絶縁膜は P— TM Sのみであることが分かる。 ' 【図 5】
つまり本発明の実施例に従い、 銅配線の直上に絶縁性拡散障壁層として、 トリ メ トキシシランと N 2 0を原料ガスにプラズマ C V D法を用いて、 比誘電率が 5 以下、 かつ、 1 4 0 °C、 2MVZ c mにおける漏れ電流が 1'平方センチメートル 当たり 1 0 n A以下、 かつ、 1 4 0 において銅を陽極としたときの絶縁破壌寿 命が 1 0 0年以上の絶縁膜を形成することにより、 隣接する銅配糠間の絶縁膜の 信頼度が高 <:、 隣接配線間の寄生容量が低く、 隣接配線間の漏れ電流の少ない銅 配線を有する半導体装置を形成することが可能となる。
本実施例では、 第 1の絶縁性拡散障壁層を形成する際の反応ガスとして、 トリ メ トキシシランを用いたが、 特にこのガスに限定されるわけではなく、 他のアル コキシシラン系のガス、 例えばト 千トキシシランを用いても同様の効果が得ら れる。 また、 前記一般式の Rがてリ. ル基であるアルコキシシラン系を用いても 同様の効果が得られる。
また本実施例では、 第 1の絶縁性拡散障壁層を形成する際の酸化性ガスとして, 、 N 2〇を用いたが、 特にこの,ガスに限定.されるわけではなく、 0 2、 N O、 N O
2、 C O、 C O 2、 H 2 0等の酸素原子を含むガスでも同様の効果が得られる。 た' だし、 O 2や H 2 O等の銅との反応性が高いガスを用いた場合には、 プラズマ C V Dを行う際に銅配線の上面が酸化され、 接着性の低下や配線抵抗の上昇等が起き る恐れがあるので望ましくない。 ' ' ' .
また本実施例では、 第 1の絶縁性拡散障壁層である P _ TM Sの膜厚を 5 0 n mとしたが、 配線の信頼性や寄生容量に応じて、 第 1の絶縁性拡散障壁層の膜厚 を増減することが可能である。 し力、し、 第 1の絶縁性拡散障壁層を薄く して、 例 えば、 1 0 n m未満にした場合には、 局所的なバリア性の破れにより信頼度が低 下する恐れがある。 一方、 第 1の絶縁性拡散障壁層の厚さを厚くして、 例えば 2 0 0 n mを越える場合には、 この第 1の絶縁性拡散障壁層の比誘電率は、 第 2の 絶縁膜 2 0 1や第 3の絶縁膜 2 0 4として用いられている有機低誘電率絶縁膜 の比誘電率に比べて一般的に高いため、 配線の寄生容量が増大する懸念がある。 よってこの厚さは 1 0 n mから2 0 0 ji m.の範囲であることが好ましく、 3 0 η mから 1 0 0 n m範囲であることがより好ましい。;
また本実施例では、 第 1の絶縁性拡散障壁層の上に直接第 2の絶縁膜を形成し た力 本発明はこの実施例に限定されるものではなく、 必要に応じて第 1の絶縁 性拡散障壁層と第 2の絶縁膜の間に、 例えば.:,'ドライエツチ停止層等を挿入するこ とも可能である。
また本実施例では、 第 2の絶縁膜や第 3の絶縁膜と,して、 有機低誘電率絶縁膜 である S i L Kを用いているが、 本発明 効果はこの組み合わせによってのみ発 揮されるわけではない。 低誘電率絶縁膜としては、 テフロン (デュポン社製、 商
品名) 等に代表されるフッ素樹脂や F L ARE (A l l i e d S i g n a 1社 製、 商品名) 等を含む有機膜、 メチルトリエトキシシラン (Me t h y 1 t r i e t h o x y s i l a n e : (C2H5〇) 3 S i CH3) を原料ガスに用いた CV D絶縁膜やブラックダイアモンド (Ap p l i e d Ma t e r i a l s社製、 商品名) や HSG— R 7 (日立化成工業社製、 商品名) 等を含む有機含有酸化シ リコン膜、 Na n o g l a s s (A l l i e d S i g n a l社製、 商品名) や XLK (A l l i e d S i g n a 1社製、 商品名) 等を含むポーラス絶縁膜、 フッ素等を添加した無機低誘電率酸化シリコン膜等との組み合わせにおいても 同様の効果が期待できる。 ,なお、 第 2の絶縁膜や第 3の絶縁膜として低誘電率絶 縁膜ではない通常の酸化シリコン膜 (比誘電率 4程度) を用いた場合にも、 本発 明は有効であるが、 寄生容量を低減するためには低誘電率絶縁膜との組み合わせ が最も有効であることはいうまでもない。
また本実施例では、 銅の成膜法としてスパッタ法とメツキ法を組み合わせたが 、 この方法に限定されるものではなく、 CVD法等によっても成膜可能である。 また本実施例では銅配線層を 1層のみ形成している力 必要に応じて配線層を 順次重ねていくことが可能である。.配線層と配線層間を電気的に接続するための 接続孔を有する層を順次形成する手法 . (いわゆる ングルダマシン法) において 、 接続孔を銅で充填する場合においても本発明は適用可能である。 また、 配線層 と配線層間を電気的に接続するための接続孔を有する層を一括して形成する手 法 (いわゆるデュアルダマシン法) においても本発明は同様に適用可能である。
ぐ実施例 2 >
図 6は本発明の半導体装置の製造工程を示す断面図である。 以下、 順を追って 説明する。 半導体素子が形成された基体 100上に、 膜厚 400 nmの酸化シリ コンからなる第 1の絶縁莫 200を形成した後、 基体 100と電気的接続をとる ために、 第 1の絶縁膜 200の所望の領域に開口部を設け C VD法により形成し たタングステン 'プラグ 500を充填した。 次に、 スパッタリング法を用いて膜 厚 25 n mの窒化チタン膜からなる第 2の導電性バリア層 302と、 膜厚 300 nmの銅膜からなる第 2の導電体 303と、 膜厚 25 nmの窒化チタン膜からな る第 3の導電性バリア層 304を形成した。 その後、,通常のフォトリソグラフィ 一法と塩素系ガスを用いたドラ'イエ'ツチ法で所望の領域にのみ第 2の導電性バ リア層 302、 第 2の導電体 303、 第 3の導電性バリア層 304から構成され る銅配線を形成した (図 6 (a) ) 。 . ,
次に、 第 2の導電性バリア層 3ひ 2:と、 第 2の導電体 303と、 第 3の導電性 ノ リア層 304とから構成ざれる銅配線を被覆するように、 実施例 1に記載した のと同様の手法を用いて、 トリノ トキシシランと N20を含む混合ガスを原料ガ スとし、 膜厚 50 nmの P— TMSを第 2の絶縁性拡散障壁層 206として形成 した (図 6 (b) ) 。 次に、 膜厚 325 nmの有機低誘電率絶縁膜である S i L K (商品名) を塗布、 焼成し、 第 4の絶縁膜 20?を形成した後、 プラズマ CV D法により膜厚 25 n mの酸化シリコンからなる第 3の保護絶縁膜 208を形 成した (図 6 (c) ) 。 .
この実施例 2で示した構造 ほかに、 ;第 2の絶縁性拡散障壁層 206として P 一 TMSの代わりに、 P— S i N、 ブロック、 P— TEQSを用いた構造をそれ
ぞれ準備した。 第 2の絶縁性拡散障壁層の膜厚はすべて 50 n mである。
このようにして形成じだ銅配線 有ずる半^体装置の性能及び信頼度を調べ たところ、 実施例 1に示したのと同様に、 第 2の絶縁性拡散障壁層として P— T MSを用いた場合にのみ、 長期間の信頼度を有し、 かつ高い性能を有する半導体 装置を実現できた。 ' ' '
つまり本発明の実施例に従い、 銅配線の直上に絶縁 14拡散障壁層として、 トリ メ トキシシランと Ν20を原料ガスにプラズマ CVD法を用いて、 誘電率が 5以 下、 かつ、 140°C、 2MV/'c,mにおける漏れ電流が 1平方センチメートル当 たり 10 nA以下、 かつ、, 14;0°Cにおいて錮を陽極としたときの絶縁破壌寿命 力 S 100年以上の絶縁膜を形成することにより、 隣接する銅配線間の絶縁膜の信 頼度が高く、 隣接配線間の寄生容量が低く、 隣接配線間の漏れ電流の少ない銅配 線を有する半導体装置を形成することが可能となつた。
本実施例では、 第 2の絶縁性拡散障壁層を形成する際の反応ガスとして、 トリ メ トキシシランを用いたが、 特にこのガスに限定されるわけではなく、 他のアル コキシシラン系のガスを用いても.同様の効果が.得られることは実施例 1と同様 である。
また本実施例では、 第 2の絶縁性拡散障壁層を形成する際の酸ィヒ性ガスとして 、 N20を用いたが、 特にこのガスに限定されるわけではなく、 02、 NO、 NO 2、 C〇、 C〇2、 H20等の酸素原子を含むガスでも同様の効果が得られる。 た だし、 O 2や H20等の銅との反応性が高いガスを用いた場合には、 プラズマ CV Dを行う際に銅配線の露出した銅表面が酸ィヒされ、 接着性の低下や配線抵抗の上
昇等が起きる恐れがあるので好ましくない。
また本実施例では、 第 2の絶縁性拡散障壁層である P _ TM Sの膜厚を 50 η mとしたが、 配線の信頼性や寄生容量に応じて、 第 2の絶縁性拡散障壁層の膜厚 を増減することが可能である。 しカゝし、 第 2の絶縁性拡散障壁釋を薄くして、 例 えば 1 0 n m未満にした場合には、 局所的なバリァ性の破れにより信頼度が低下 するおそれがある。 一方、 第 2の絶縁性拡散障壁層の厚さを厚くして、 例えば 2 00 nmを越える場合には、 この第 2の絶縁性拡散障壁層の比誘電率は、 第 4の 絶縁膜 2 0 7として用いられている有機低誘電率絶縁膜の比誘電率に比べて一 般的に高いため、 配線の寄生容量が増大する懸念がある。 この厚さの好ましい範 囲は実施例 1に述べたとおりである。
また本実施例では、 第 4の絶縁膜として、. 有機低誘電率絶縁膜である S i LK を用いているが、 本発明の効果はこの組み合わせによってのみ発揮されるわけで はない。 低誘電率絶縁膜としては、 テフロン (デュポン社製、 商品名) 等に代表 されるフッ素樹脂や FLARE (A l l i e d S i g n a 1社製、 商品名). 等 を含む有機膜、 メチノレトリエトキシシランを原料ガスに用いた C VD絶縁膜ゃブ ラックダイアモンド (Ap p l i e d Ma t e r i a 1 s社製、 商品名) や H SG-R 7 (日立化成工業社製、 商品名) 等を含む有機含有酸化シリコン膜、 N a n o g 1 a s s (A l l i e d S i g n a l社製、 商品名)'や XLK (A 1 l i e d S i g n a 1社製、 商品名) 等を含むポーラス絶縁膜、 フッ素等を添 加した無機低誘電率酸化シリコン膜等との組み合わせにおいても同様の効果が 期待できる。 なお、 第 2の絶縁膜や第 3の絶縁膜として低誘電率絶縁膜ではない
通常の酸化シリコン膜 (誘電率 4程度) を用いた場合にも、 本発明は有効である ,ヽ 寄生容量を低減するためには低誘電率絶縁膜との組み合わせがもっとも有効 であることはいうまでもない。
■ また本実施例では、 銅の成膜法としてスパッタ法を用いているが、 この方法に 限定されるものではなく、 メツキ法、 CVD法等によっても成膜可能である。. また本実施例では銅配線層を 1層のみ形成しているが、 必要に応じて配線層を 順次重ねていくことが可能である。
<実施例 3〉
図 7は本発明の半導体装置の製造工程を示す断面図である。 以下順を追って説 明する。 半導体素子が形成された基体 100上に、 膜厚 400 nmの酸化シリコ ンからなる第 1の絶縁膜 200を形成した後、 基体 100と電気的接続をとるた めに、 第 1の絶縁膜 200の所望の領域に開口部を設け、 C VD法によりタング ステン 'プラグ 500を充填した。 次に、. 膜厚 325 n mの有機低誘電率絶縁膜 である S i LK (Dow Ch em i c a l社製、 商品名) を塗布、 焼成し、 第 2の絶縁膜 201を形成した後、,プラズマ C VD法により膜厚 25 n mの酸化シ リコンからなる第 iの保護絶縁膜 202を形成した。 次に、 通常のフォ.トリソグ ラフィ一法とドライエツチ法を組み合わせることで、 第 2の絶縁膜 201及び第 1の保護絶縁膜 202の所望の領域に開口部 400を設けた (図 7 (a) ) 。 この開口部を充填するように、 スパッタリング法を用いて膜厚 30 nmの窒化 チタン膜と、 スパッタリング法と電解メツキ法を組み合わせて膜厚 500 n mの 銅膜を順次形成した後、 CMP (化学的機械研磨) 法により第 1の保護絶縁膜 2
02上の窒化チタン膜及び銅膜を取り除き、 開口部 400を充填するように、 窒 化チタンからなる第 1の導電性バリア層 300と銅からなる第 1の導電体 30 1から構成される銅配線を形成した (図 7 (b) ) 。
この上に、 平行平板型プラズマ CVD方式を用いて、 シラン (S i H4) と酸 化性ガスとして N 2 Oを含む混合ガスを原料ガスとし、 膜厚 50 n mの第 3の絶 縁性拡散障壁層 209を形成した。 プラズマパワーは 40W、 シラン流量は 50 c c/分、 N2〇流量は 2000 c cZ分、 基板温度は 350°Cである。 これ以 降、 シランと N2 Oとを原料ガスに用いて形成した膜を P— M S Oと省略する。 次に、 この P— M S Oからなる第 3の絶縁性拡散障壁層 209上に膜厚 325 n mの有機低誘電率絶縁膜である S i L Kを塗布、 焼成し、 第 3の絶縁膜 204 を形成した後、 プラズマ CVD法により膜厚 25 nmの酸化シリコンからなる第 2の保護絶縁膜 205を形成し、 半導体装置を構成した (図 7 (c) ) 。
この実施例 3に示した構造において、 プラズマパワー、 シラン流量、 N20流 量をそれぞれ変化させた試料を数種類作成した。 さらに、 第 3の絶縁性拡散障壁 層として P— MS Oの代わりに、 P— TMSを用いた試料も準備した。 この際、 第 3の絶縁性拡散障壁層として P— TMSを形成する際に、 プラズマパワー、 ト リメ トキシシラン流量、 N2〇流量をそれぞれ変化させた試料を数種類準備した。 さらに、 第 3の絶縁性拡散障壁層として P— MS〇、 P— TMSの代わりに、 P 一 S i Nを用いた構造、 プロック膜を用いた構造をそれぞれ準備した。 第 3の絶 縁性拡散障壁層の膜厚はすべて 50 n mである。
このようにして形成した銅配線を有する半導体装置の性能について調べた。 実
施例 1に示した方法と同様の手法を用いて、 各半導体装置に形成した隣接銅配,镍 間の寄生容量を容量一電位法 (CV法) を用いて測定したところ、 絶縁性拡散障 壁層として P_M SOを用いた場合の寄生容量は、 実施例 1において P— TMS を用いた場合 (図 3) の寄生容量とほぼ一致した。 つまり、 絶縁性拡散障壁層と して P_S i Nを用いた場合に比べ 10%ほど寄生容量を低減できるので、 配線 を伝播する信号の速度を 10 %程度向上することができる。 さらにこの試料を利 用して、 隣接する銅配線間の漏れ電流を測定したところ、 絶縁性拡散障壁層とし てブロック膜を用いた場合には、 P— MSO、 P— TMS、 P— S i Nを用いた 場合と比較して、 隣接する配線間の漏れ電流が 50%程度多くなることが明らか となり、 容量素子からの記憶情報の消失や、 L'S I消費電力の增大等の恐れがあ る。
次に上述の銅配線を有する半導体装置の信頼性について調べた結果を、 P— M SOを用いた場合を中心に説明する。 図 8はその一例である。 図 8において、 横 軸は第 3の絶縁性拡散障壁層としで P— MS Oを成膜するときのシラン流量で あり、縦軸は隣接する銅配線間の絶縁破壌寿命の電界依存性から計算した電界強 度 2 M V Z c mにおける絶縁破壌寿命である。 P— M S O成膜時の N 2 O流量は 1000 c c/分であり、 プラズマパワーは 30ヮットである。 図 8から明らか なように、 P— MS Oを成膜するときのシラン流量を 30 c c/分、 50 c cZ 分にすることで、 ブロックまたは P_S i Nを用いたときを上回る、 必要にして 十分な信頼度が得られることがわかった。 同様な傾向、 つまり、 トリメトキシシ ラン流量が一定値を超えると必要な信頼度が得られるという傾向、 は P— TMS
構造においても見られた。
次に、 P— M S O成膜時の成腠条件と隣接する銅配線間の絶縁破壊寿命の関係 を表す第 2の例を図 9に示す。 シラン流 Sは 50 c c/分に固定し、 N20流量 が 500 c cZ分と 2000 c c/分の二通りの場合に対し、 図 8に例示した方 法と同様の方法を用いて、 電界強度 2 MVZ cmにおける隣接する銅配線間の絶 縁破壌寿命とプラズマパワーの関係を調べた。 図 9から明らかなように、 P—M SO成膜時のシラン流量が 50 c c/分、 N20流量が 500 c c/分の時には、 プラズマパワーを 100ヮットから 180ヮットの間に設定し、 シラン流量が 5 O c cZ分、 N20流量が 2000 c c/分の時には、 プラズマパワーを 30ヮ ットから 80ワットの間に設定す'ることで、 ブロックまたは P— S i Nを用いた ときを上回る、 必要にして十分な信頼度が得られることがわかった。 やはり、 同 様のプラズマパワー依存性が、 P— TMS試料においても見られた。
次に、 図 8および図 9に示したような、 ブロックま,たは P— S i Nを用レ'、たと きを上回る、 必要にして十分な銅配線の信頼度が得られる成膜条件、 を用いて形 成した P— MS O膜の漏れ電流と比誘電率を測定した。 その一例を図 10に示す 。 n型シリコン基板上に、 膜厚 100 nmのP—MSOをシラン流量50 c c/ 分、 N20流量 2000 c c/分、 プラズマパワ^" 40ワットで成膜した後、 円 形の銅電極を蒸着した。 その後、 銅電極を +極として P— MS Oに電界を与え、 P— MS O膜の漏れ電流をピコアンメータで測定した結果が図 1 Qに示してあ る。 電界強度 2 MV/ cmにおける漏れ電流は 1平方センチメートルあたり約 2 nA (=2X 10— 9A) であった。 また、 CV法を用いて測定したこの試料の比
誘電率は 4. 1であった。' さらにこの試料を用いて、 銅を +極として P—MSO に電界を与え、 140°Cにおける絶縁破壊に至るまでの時間を評価したところ、 約 3000年という結果が得られた。 ここでは、 漏れ電流、 比誘電率、 絶縁破壌 に至るまでの寿命、 ともに一例のみ記したが、 図 8および図 9に示したような、 ブロックまたは P— S i Nを用いたときを上回る、 必要にして十分な銅配線の信 頼度が得られる成膜条件を用いて形成した P— M S〇では、 2 M V/ c mにおけ る漏れ電流は 1平方センチメートルあたり 1 n Aから 10 n Aの範囲にあり、 比 誘電率は 3. 9から 4. 7の範囲にあり、 絶縁破壌に至るまでの寿命は 100年 以上あった。 詳細は省略するが、 同様の傾向は P— TMSを用いた場合にも見ら れた。
次に、 P—MSOおよび P— TMSの特性をさらに詳しく調べた結果、 ブロッ クまたは P— S i Nを用いたときを上回る必要にして十分な銅配線の信頼度が 得られる成膜条件を用レ、て形成した P - MS Oおよび P— T M Sは、 共通の特徴 を持つことが明らかとなった。 P—MSOおよび P— TMSの組成を XP S (X 線光電子分光) 法、 S IMS (二次イオン質量分析) 法を用いて分析した結果、 P— MSOおよび P— TMSはシリコンと酸素を主体に、 微量の窒素を含んでお り、 この膜中に含まれる窒素濃度と 2 MVZ cmに外揷した隣接銅配線間の絶縁 破壌寿命には関連があることがわかった d 図 11はその一例を示す図である。 図 11から明らかなように、 P—MSOおよび P— TMSに含まれる窒素濃度 が 0. 5原子。/。から 12原子。 /。の領域に いて、 100年以上の絶縁破壌寿命を もつ半導体装置を形成できることがわかった。 .
さらに、 図 1 1から明らかなように、 P— M S〇および P— TM Sに含まれる 窒素濃度が 0 . 5原子%から 1 2: 5原子 °/0の領域において、 従来材料である P 一 S i N膜およびプロック膜を用いた場合より高い信頼度をもつ半導体装置を 形成できることがわかった。
また、 C uバリア性が検討された窒素および酸素とシリコンの化合物としては 、 これまで窒素濃度が◦ %である P— T E O Sなどに代表される酸化シリコン、 窒素濃度が約 5 7 %である P— S i N、 窒素濃度が両者の中間的な値 (2 0 °/0程 度) である S i O Nの C uバリア性が検討されたことがある。 これらの材料を用 いたときの絶縁破壊寿命と窒素濃度の関係は図 1 2に示した通りであり、 窒素濃 度が増えるに従い、 絶縁破壌寿命が増大する傾向が伺われることから、 このよう な窒素および酸素とシリコンの化合物では、 膜中の窒素濃度が高いほど C uバリ ァ性が向上すると考えられてきた。 し力 しな力 Sら、 図 1 1および図 1 2に示した ように、 本発明で得られたシリコンと酸素と窆素を主たる構成元素とする P _ M ■ S〇および P— TM Sでは、 膜に含まれる窒素濃度が 0 . 3原子%から 1 4原子 %の範囲において、 従来の絶縁破壌寿命と窒素濃度の関係の予想値を上回る、 高 い信頼度を有する半導体装置を形成できる範囲があることがわかった。
また、 図 1 1に示したように、 P— TM Sを用いた場合に、 膜に含まれる窒素 濃度が約 5原子%であるにもかかわらず、 絶縁破壌寿命の短いものがあった。 そ のような条件で形成した?一 TM S膜の特性を調べたところ、 膜の漏れ電流が 1 平方センチメートルあたり約 2 μ A (= 2 X 1 0— 6 A) 、 比誘電率が約 6、 と特 性が劣化していることがわかった。 その理由を調べるために、 そのような条件で
成膜した P— TMS膜を FT— I R分析 (フーリエ変換式赤外分光分析) したと ころ、 膜に大量の炭素が含まれていることがわかった。 このように、 膜に含まれ る窒素濃度が上述したような適切な範囲内 (こある場合でも、 成膜条件が不適切な 場合には、 膜中の炭素量が多くなるなどして、 所望の信頼度が得られない場合が あった。
つまり本発明の実施例に従い、 銅配線の直上に絶縁性拡散障壁層として、 シラ ンまたはトリメ トキシシランと N20を原料ガスにプラズマ CVD法を用いて、 比誘電率が 5以下、 かつ、 140°C、 2MV/ cmにおける漏れ電流が 1平方セ ンチメートルあたり 10 nA以下、 かつ、 140°Cにおいて銅を陽極としたとき の絶縁破壌寿命が 100年以上の絶縁膜を形成する ;とにより、 隣接する銅配線 間の絶縁膜の信頼度が高く、 隣接配線間の寄生容量が低く、 隣接配線間の漏れ電 流の少ない銅配線を有する半導体装置を形成することが可能となる。
また本発明の実施例に従い、 銅配線の直上に絶縁性拡散障壁層として、 シラン またはトリメ トキシシランと N20を原料ガスにプラズマ CVD法を用いて、 窒 素を含有する酸化シリコン膜を形成し、 その窒素濃度を 0. 5原子%から 1 2原 子%の範囲とすることで、 電界強度 2 MV/ c mにおける絶縁破壊寿命が 100 年以上あり、 隣接配線間の寄生容量が低く、 隣接配線間の漏れ電流の少ない銅配 線を有する半導体装置を形成することが可能となる。
また本発明の実施例に従い、 銅配線の直上に絶縁性拡散障壁層として、 シラン またはトリメ トキシシランと N20を原料ガスにプラズマ CVD法を用いて、 窒 素を含有する酸化シリコン膜を形成し、 その窒素濃度を 0. 5原子%から 12.
5原子%の範囲とすることで、 従来材料である窒化シリコン膜およびブロック膜 を用いた場合を超える信頼度を持ち、 隣接配線間の寄生容量が低く、 隣接配線間 の漏れ電流の少ない銅配線を有する半導体装置を形成することが可能となる。 また本発明の実施例に従い、 銅配線の直上に絶縁性拡散障壁層として、 シラン またはトリメ トキシシランと N2〇を原料ガスにプラズマ CVD法を用いて、 窒 素を含有する酸化シリコン膜を形成し、 窒素濃度を 0. 3原子%から 14原子% の範囲とすることで、 従来知見を上回る絶縁信頼度を有し、 隣接配線間の寄生容 量が低く、 隣接配線間の漏れ電流の ない銅配線を有する半導体装置を形成する ことが可能となる。
本実施例では、 第 3の絶縁性拡散障壁層を形成する際の反応ガスとして、 シラ ン (S i H4) を用いたが、 特にこのガスに限定されるわけではなく、 一般式 S i nH (2n + 2) (式中 nは 1以上の整数) で表わされる他の高次シラン、 例えばジ シラン (S i 2H6) などを用いても同様の効果が得られる。 高次シラン系のガス を構成する分子は、 有機基を持たないので、 膜中に炭素が取り込まれ、 漏れ電流 の増大など信頼度低下の懸念が少な 、という長所がある。
また本実施例では、 第 3の絶縁性拡散障壁層を形成する際の反応ガスとして、 有機シランガスであるトリメ トキシシラン ((OCH3)3S i H) も用いたが、 特 にこのガスに限定されるわけではなく、 例えば、'一般式 RnS i H4— n、 (RO) nS i H4— n、 RmS i 2H6一 m、 (RO) mS i 2H6_m、 (RO) nS i R' 4_n (式中 nは 1〜4の範囲の整数、 mは 1〜6の範囲の整数、 Rおよび R' はアル キノレ基、 ァリール基又はその誘導体である) で表わされる他の有機シラン系ガス
を用いても同様の効果が得られる。 有機シラン系のガスは、 絶縁性拡散障壁層の 中に炭素が混入し、 絶縁特性が劣化したり、 比誘電率が増大したりといった問題 が起きやすいものの、 無機シランとは異なり、 発火性が低いために原料ガスの取 り扱いはより容易であるという長所がある。
また本実施例では、 第 3の絶縁性拡散障壁層を形成する際の酸ィヒ性ガスとして 、 N2〇を用いたが、 特にこのガスに限定されるわけではなく、 他の酸化窒素系 ガス、 たとえば NO、 N02でも同様の効果が得られる。 さらに、 ここに示した 酸化窒素系ガスのほかに、 02、 CO、 C〇2、 H20等の酸素原子を含むガスと N2、 NH3等の窒素原子を含むガスの混合ガスでも同様の効果が得られる。 なお 、 この混合ガス中に前記の酸化窒素系ガスを混合させて成膜することも同様に可 能である。 ただし、 02や H2〇等の銅との反応性が高いガスを用いた場合には、 プラズマ CVDを行う際に銅配線の上面が酸化され、 接着性の低下や配線抵抗の 上昇等が起きる恐れがあるので望ましくない。
また本実施例では、 プラズマ励起方式として平行平板型プラズマ励起方式を用 いたが、 本発明はこの方式に限定されるものではなく、 この方式の他に、 誘導結 合型プラズマ励起方式、 電子サイクロトロン共鳴プラズマ励起方式、 などに代表 されるプラズマ励起方式を用いることも可能である。
また本実施例では、 第 3の絶縁性拡散障壁層である P— MS Oおよび P— TM Sの膜厚を 50 nmとしたが、 配線の信頼性や寄生容量に応じて、 第 3の絶縁性 拡散障壁層の膜厚を増減することが可能である。 しかし、 第 3の絶縁性拡散障壁 層を薄くして、 例えば、 10 nm未満にした場合には、 局所的なバリア性の破れ
により信頼度が低下する恐れがある。 一方、 第 1の絶縁性拡散障壁層の厚さを厚 くして、 例えば 200 nmを越える場合には、 この第 3の絶縁性拡散障壁層の比 誘電率は、 第 2の絶縁膜 201や第 3の絶縁膜 204として用いられている有機 低誘電率絶縁膜の比誘電率に比べて一般的に高いため、 配線の寄生容量が増大す る懸念がある。 よってこの厚さは 10 nmから 200 nmの範囲であることが好 ましく、 30 nmから 100 n m範囲であることがより好ましい。
また本実施例では、 第 3の絶縁性拡散障壁層の上に直接第 2の絶縁膜を形成し たが、'本発明はこの実施例に限定されるものではなく、·必要に応じて第 3の絶縁 性拡散障壁層と第 2の絶縁膜の間に、 例えばドライエッチ停止層等を揷入するこ とも可能である。 .. .
また本実施例では、 第 2の絶縁膜や第 3の絶縁膜として、 有機低誘電率絶縁膜 である S i LKを用いているが、 本発明の効果はこの組み合わせによってのみ発 揮されるわけではない。 低誘電率絶縁膜としては、 テフロン '(デュポン社製、 商 品名) 等に代表されるフッ素樹脂や F L ARE (A l l i e d S i g n a 1社 製、 商口0口名) 等を含む有機膜、 メチルトリエトキシシラン ( (C2H50) 3S i CH3) を原料ガスに用いた CVD絶縁膜やブラックダイアモンド (Ap p 1 i e d Ma t e r i a l s社製、 商品名) や HSG— R7 (日立化成工業社製、 商品名) 等を含む有機含有酸ィ匕シリコン膜、 Na n o g l' a s s (A l l i e d S i g n a l社製、 商品名) や X L K (A 1 1 i e .d S i g n a l社製、 商品 名) 等を含むポーラス絶縁膜、 フッ素等を添加した無機低誘電率酸化シリコン膜 等との組み合わせにおいても同様の効果が期待できる。 なお、 第 2の絶縁膜や第'
3の絶縁膜として低誘電率絶縁膜ではない通常の酸ィ匕シリコン膜 (比誘電率 4程 度) を用いた場合にも、 本発明は有効であるが、 寄生容量を低減するためには低 誘電率絶縁膜との組み合わせが最も有効であることはいうまでもない。
また本実施例では、 銅の成膜法としてスパッタ法とメツキ法を組み合わせたが 、 この方法に限定されるものではなく、 CVD法等によっても成膜可能である。 また本実施例では銅配線層を 1層のみ形成しているが、 必要に応じて配線層を 順次重ねていぐことが可能である。 配線層と配線層間を電気的に接続するための 接続孔を有する層を順次形成する手法 (いわゆるシングルダマシン法) において 、 接続孔を銅で充填する場合 ぉレ)ても本発明は適用可能である。 また、 配I層 と配線層間を電気的に接続するための接続孔を有する層を一括して形成する手 法 (いわゆるデュアルダマシン法) においても本発明は同様に適用可能である。
' <実施例 4>.
図 13および図 14は本発明の半導体装置の製造工程を示す断面図である。 以' 下順を追って説明する。 半導体素子が形成された基 ί$100上に、 膜厚 4 Ο Ο η mの酸化シリコンからなる第 1の絶縁膜 200を形成した後、 基体 100と電気 的接続をとるために、 第 1の絶縁膜 200の所望の領域に開口部を設け、 CVD 法によりタングステン 'プラグ 50 Q,を充填した。'次に、 膜厚 325 nmの有機 低誘電率絶縁膜である S i LK (Dow Ch em i c a l社製、 商品名) を塗 布、 焼成し、 第 2の絶縁膜 201を形成レた後、 プラズマ CVD法により膜厚 2 5 n mの炭化シリコンを主^分とする第 1のェツチング停止層、 兼、 保護絶縁膜 210を形成した。 次に、 通常のフォトリソグラフィ一法とドライエッチ法を糸且
み合わせることで、 第 2の絶縁膜 2 0 1及び第 1のエッチング停止層、 兼、 保護 絶縁膜 2 1 0の所望の領域に開口部 4 0 0を設けた (図 1 3 ( a ) ) 。
この開口部を充填するように、 スパッタリング法を用いて膜厚 3 0 n mの窒化 チタン膜と、 スパッタリング法と電解メツキ法を組み合わせて膜厚 5 0 0 n mの 銅膜を順次形成した後、 CM P法により第 1のエッチング停止層、 兼、 保護絶縁 膜 2 1 0上の窒化チタン膜及び銅膜を取り除き、 開口部 4 0 0を充填するように 、 窒化チタンからなる第 1の導電性バリア層 3 0 0と銅からなる第 1の導電体 3 0 1から構成される第 1の銅配線層を形成した。 その後、 実施例 3に記載したよ うに、 この上に、 平行平板型プラズマ C V D方式を用いて、 シランと N 2 0を含 む混合ガスを原料ガスとし、 膜厚 5 0 n mの P— M S O (窒素濃度 3原子0 /0) か らなる第 3の絶縁性拡散障壁層 2 0 9を形成し、 この P—M S Oからなる第 3の 絶縁性拡散障壁層 2 0 9上に膜厚 3 2 5 n mの有機低誘電率絶縁膜である S i L Kを塗布、 焼成し、 第 3の絶縁膜 .2' 0 4を形成した後、 膜厚 2 5 n mの炭化シ リコンを主成分とする第 2のエッチング停止層、 兼、 保護絶縁膜 2 1 1を形成し た (図 1 3 ( b ) ) 。
次に、 通常のフォトリソグラフィ一法とドライエッチ法を組み合わせることで 、 第 3の絶縁性拡散障壁層 2 0 9及び第 3の絶縁膜 2 0 4及び第 2のエッチング 停止層、 兼、 保護絶縁膜 2 1 1の所望の領域に第 2の開口部 4 0 1を設けた (図 .1 5 ( c ) ) 。 この開口部を充填するように、 スパッタリング法、 電解メツキ法 、 CM P法を組み合わせて、 第 2の開 部 4 0 1を充填するように、 窒化チタン からなる第 4の導電性バリア層 3 0 5と銅からなる第 3の導電体 3 0 6から構
成される銅配線層間接続孔を形成した (図 1 4 ( a ) ) 。
その後、 上述の工程を繰り返すこ iで、 この上に、 第 4の絶縁性拡散障壁層 2 1 2及び第 5の絶縁膜 2 1 3及び第 3のエッチング停止層、 兼、 保護絶縁膜 2 1 4およびその所望の領域に開口部を有し、 その開口部を充填するように窒化チタ ンからなる第 5の導電性バリア層 3 0 7と銅からなる第 4の導電体 3 0 8から 構成される第 2の銅配線層を形成し、 半導体装置を構成した (図 1 4 ( b ) ) 。 この実施例 4に示した構造において、 膜厚 2 5 n mの炭化シリコンを主成分と するプラズマ C V D膜を、.第 1のエッチング停止層、'兼、 保護絶縁膜 2 1 0及び 第 2のエッチング停止層、 兼、 保護絶縁膜 2 1 1として用いたが、 この他に酸化 シリコン、 窒化シリコン、 有機基含有酸化シリコン、 酸化アルミをそれぞれ使用 して作成した試料を数種類作成した。
このようにして形成した半導体装置 性能及び信頼度を調べたところ、 第 1お よび第 2のエッチング停止層、 兼、 保護絶縁として、 酸化シリコンを用いた試料 では、 他の材料を使用した場合と比較して、 第 2の銅配線層の電気抵抗のばらつ きが大きく、 銅配線層間接続孔の導通歩留ま.りが低下する結果が得られた。 その 理由を調べるために、 第 2の配線層および層間接続孔部分の断面を S E M ( 2次 電子走査型電子顕微鏡) で観察したところ、 酸化シリコンを用いた試料では、 第 2の開口部 4 0 1が第 1の銅配線層以外の領域に開口部を持つ場合に、 その開口 部直下の第 1のェツチング停止層、 兼、 保護絶縁膜 2 1 0が消失し、 第 2の絶縁 膜 2 0 1が露出したり、 第 2の絶縁膜 2 0 1が掘り込まれたりし、 銅配線層間接 続孔の埋め込みが正常に行われない場合が観察された。 さらに、 第 5の導電性バ
リア層 3 0 7と第 4の導電体 3 0 8から構成される第 2の銅配線層が形成され た領域において、 この第 2の銅配線層直下の酸化シリコンによって形成された第 2のエッチング停止層、 兼、 保護絶縁膜 2 1 1が消失し、 配線高さが不均一にな るなどの不良が観察された。 これに対し、 第 1および第 2のエッチング停止層、 兼、 保護絶縁として、 酸化シリコン以外の材料を用いた試料ではそのような不良 は観察されず、 第 2の開口部 4 0 1が第 1の銅配線層以外の領域に開口部を持つ 場合においても、 その開口部直下の第 1のエッチング停止層、 兼、 保護絶縁膜 2 1 0がほぼそのまま残っていた。
第 1および第 2のエッチング停止層、 兼、 保護絶縁として、 酸化シリコンを用 いた試料において、 配線抵抗ばらつきが小さく、.接続孔の導通歩留まりが高い理 由を調べるために、 第 3の絶縁性拡散障壁層 2.0 9である P— M S Oのドライエ ツチ条件 (使用ガス C 4 F S ) で各材料,(酸化シリコン、 炭化シリコン、 窒化シリ コン、 有機基含有酸化シリコン、 酸ィ匕ァノレミ) をエッチングしたときのエッチ速 度を比較した。 その結果、 酸化シリコンのエッチ速度は P— M S Oとほぼ同じで あるのに対し、 他の材料はエッチ速度が遅く、 P— M S O膜と比べ約 1 / 2〜 1 / 2 0の速度であることがわかった。
次に、 第 1の銅配線層の P粦接する銅配線間の漏れ電流および絶縁破壌寿命を評 価したところ、 いずれの試料においても、 電界強度 2 MVZ c mにおける隣接す る銅配線間は 1 0 0年以上の絶縁破壌寿命 ¾持つが、 炭化シリコンを用いた場合 には、 隣接する銅配線間の漏れ電流が、 若干増大する結果が得られた。 また、 第 1の銅配線層の寄生容量を測定したところ、 窒化シリコンおよび酸化ァノレミを用
いた場合には、 寄生容量が若干増大する結果となった。 有機含有シリコンを用い た場合には、 漏れ電流や寄生容量の増大は起きなかったものの、.半導体装置を製 造工程において一部のウェハから膜がはがれる例も見られた。
以上のように、 P— M S O膜に比べてドライエッチ速度が遅い酸化シリコン以 外の材料を用いることで、 配線抵抗のばらつきや導通歩留まりが向上するが、 他 の性能に関しては各材料の特徴があるので、 半導体装置の用途や製造プロセスの 特徴に応じて使い分けるのが望ましい。 '
つまり本発明の実施例に従い、 銅配線の直上に絶縁性拡散障壁層として P— M S Oが形成してある構造において、 この絶縁性拡散障壁層の直下における銅配線 が形成されていない領域を、 P—M S Oのドライエッチ速度の 1 / 2以下の絶縁 膜で被覆することにより、 配線抵抗ばらつきが小さく、 また、 接続孔の導通歩留 の高い銅配 f泉を有する半導体装置を形成することが可能となる。
本実施例では、 銅配線の直上に形成された絶縁性拡散障壁層である P— M S O のエッチング停止層、 兼、 保護絶縁膜として、 炭化シリコン、 窒化シリコン、 有 機基含有酸化シリコン、 酸化アルミの例について検討をおこなったが、 本発明の 効果はこの組み合わせに限定されるものではない。 P— M S Oのドライエッチ条 件を適用したときのドライエッチ速度が、 P— M S Oのドライエッチ速度の 1 Z 2以下であるような絶縁膜材料であれば同様の効果が期待できる。 この際、 その 絶縁膜の比誘電率および漏れ電流が低いほどよいのは言うまでもない。
また本実施例では、 ェツチング停止層、 兼、 保護^縁膜の膜厚を 2 5 n mとし たが、 この膜厚は、 半導体の性能およびプロセスマージンの観点から変化させる
ことも可能である。 エッチング停止層、 兼、 保護絶縁膜の膜厚が厚いほど、 絶縁 性拡散障壁層である P— MS Oのエッチングを過剰に行っても、 信頼度低下は抑 ' 制されるので、 製品歩留の向上が期待できる。 し力 し、 一般的にエッチング停止 層、 兼、 保護絶縁膜の比誘電率は、 その下に用いている絶縁膜、 本実施例では比 誘電率 2. 7の S i LK, の比誘電率より高いため、 配線全体の寄生容量が増大 し、 性能が低下するおそれがある。 一方、 エッチング停止層、 兼、 保護絶縁膜の 膜厚を薄くすれば、 寄生容量の増大は最小限に抑えられるが、 絶縁性拡散障壁層 である P— MS Oのエッチングを過剰に行った場合には、 その下に用いている絶 緣膜、 本実施例で S i LK、 が露出してしまい、 信頼度低下のおそれがある。 し たがって、 このエッチング停止層、 兼、 保護絶縁膜の膜厚としては、 15 nmか ら 1 50 nmが適当であり、 25 nmから 100 nmの範囲がより好ましい。 また本実施例では、 銅配線の直上に絶縁性拡散障壁層として窒素濃度 3 %を含 有する P— MS Oを形成したが、 この窒素濃度に限定されるわけではなく、 実施 例 3に示したように必要な信頼度と性能を満足する任意の窒素濃度の P— MS Oを使用する'ことができる。 さらに必要な信頼度と性能が満たされるのであれば 、 シランの代わりに他の無機シランガスや有機シランガスを用いても作成するこ とことができる。
また本実施例では、 第 2、 第 3、 第 5の絶縁膜として、 有機低誘電率絶縁膜で .ある S i LKを用いているが、 本発明の効果はこの組み合わせによってのみ発揮 されるわけではない。 低誘電率絶縁膜としては、 テフロン (デュポン社製、 商品 名) 等に代表されるフッ素樹脂や FLARE, (A l l i e d S i g n a 1社製
、 商品名) 等を含む有機膜、 メチルトリエトキシジラン ( (C2H5〇) 3S i C H3) を原料ガスに用いた CVD絶縁膜やブラックダイアモンド (Ap p 1 i e d Ma t e r i a l s社製、 商品名) や HSG— R7 (日立化成工業社製、 商 品名)等を含む有機含有酸化シリコン膜、 Na n o g l a s s (A l l i e d S i g n a 1社製、 商品名) や XLK (A l l i e d S i g n a l社製、 商品名 ) 等を含むポーラス絶縁膜、 フッ素等を添カ卩した無機低誘電率酸化シリコン膜等 との組み合わせにおいても同様の効果が ¾待できる。 なお、 第 2、 第 3、 第 5の 絶縁膜として低誘電率絶縁膜ではない通常の酸化シリコン膜 (比誘電率 4程度) を用いた場合にも、 本発明は有効であるが、 寄生容量を低減するためには低誘電 率絶縁膜との組み合わせが最も有効であることはいうまでもない。
また本実施例では、 銅の成膜法としてスパッタ法と ;メツキ法を組み合わせたが 、 この方法に限定されるものではなく、 CVD法等によっても成膜可能である。 また本実施例では銅配線層を 2層のみ形成しているが、 必要に応じて配泉層を 順次重ねていくことが可能である。. ' - <実施例 5〉
図 1 5から図 1 7は本発明のデュアルダマ.シン型銅配線構造体を有する半導 体装置の製造工程を示す断面図である。 以下順を追って説明する。 半導体素子が 形成された基体 10◦上に、 膜厚 400 nmの酸化シリコンからなる第 1の絶縁 膜 200を形成した後、 基体 100と電気的接続をとるために、 第 1の絶縁膜 2 00の所望の領域に開口部を設け、 CVD法によりタングステン'プラグ 500 を充填した。 次に、 膜厚 325 nmの有機低誘電率絶縁膜である S i LK (Do
w Ch em i c a l社製、 商品名) を塗布、 焼成し、 第 2の絶縁膜 201を形 成した後、 プラズマ CVD法により膜厚 25 nmの炭化シリコンを主成分とする 第 1のエッチング停止層、 兼、 保護絶縁膜 210を形成した。 次に、 通常のフォ トリソグラフィ一法とドライエッチ法を組み合わせるこ.とで、 第 2の絶縁膜 20 1及び第 1のエッチング停止層、 兼、 保護絶縁膜 210の所望の領域に開口部を 設け、 この開口部を充填するように、 スパッタリング法を用いて膜厚 30 nmの 窒化チタン膜と、 スパッタリング法と電解メツキ法を組み合わせて膜厚 500 n mの銅膜を順次形成した後、 CMP法により第 1の ツチング停止層、 兼、 保護 絶縁膜 210上の窒化チタン騁及び銅膜を取り除き、 開口部 400を充填するよ うに、 窒化チタンからなる第 1の導電性バリア層 300と銅からなる第 1の導電 体 301から構成される第 1の銅配線層を形成した (図ュ 7 (a) ) 。
次に、 実施例 3に記載したように、 この上に、 平行平板型プラズマ CVD方式 を用いて、 シランと N20を含む混合ガスを原料ガスとし、 膜厚 50 nmの P— MSO (窒素濃度 3原子。 /0) からなる第 3の絶縁性拡散障壁層 209、 膜厚 32 5 n mの有機低誘電率絶縁膜である S i LKからなる第 3の絶縁膜 204、 膜厚 25 nmの炭化シリコンを主成分とする第 1の中間ストッパ膜 215、 膜厚 32 5 n mの有機低誘電率絶縁膜である S i L Kからなる第 6の絶縁膜 216、 第 4 のエッチング停止層、 兼、 保護絶縁膜 7を順次、 形成した。 その後、 膜厚 7 5 nmの酸化シリコンからなる第 1のハードマスク 218を形成し、 通常のフォ トリソグラフィ一法とドライエッチ法を組み合わせることで、 第 1のフォトレジ ス ト 6◦ 0と第 1のハードマスク 218の所望の領域に第 3の開口部 402を
形成した (図 1 5 ( b ) ) 。
次に、 第 1のフォトレジスト 6 0 0をレジスト ·アツシャで除去後、 再度、 フ ォトリソグラフィ一法を用いて第 1のハードマスク 2 1 8に設けた開口部を覆 うようにレジストを塗布後、 露光、 現像をおこなうことで第 2のフォ トレジスト 6 0 1の所望の領域に開口部を設けた。 その後、 この第 2のフォトレジスト 6 0 1をエッチングマスクに、 ドライエッチ法を用いて、 第 4のエッチング停止層、 兼、 保護絶縁膜 2 1 7の所望の領域に第 4の開口部 4 0 3を設けた (図 1 6 ( a
) ) o
次に、 第 2のフォトレジスト 6 0 1をレジスト ■アツシャで除去後、 第 4のェ ツチング停止層、 兼、 保護絶縁膜 2 1 7をエッチングマスクに用いて、 アンモニ ァガスを用いたドライエッチ法により第 6の絶縁膜 2 1 6に開口部を設けた。 ざ らに、 エッチングガスを C H 4と酸素の混合ガスに切り替えてドライエッチをお こない、 第 1のハードマスク 2 1 8をエッチングマスクとして第 4のエッチング 停止層、 兼、 保護絶縁膜 2 1 7を、 また、 第 6の絶緣膜 2 1 6をエッチングマス クとして第 1の中間ストッパ膜 2 1 5にそれぞれ開口部を形成した (図 1 6 ( b
) ) 0
次に、 再度、 エッチングガスをアンモニアに切り替え、 S i L K膜のエツチン グ膜厚に換算して約 4 2 0 n mに相当する時間のエッチングをおこない、 第 6の 絶縁膜 2 1 6および第 3の絶縁膜 2 0 4に開口部を形成した。 この際、 第 1のハ 一ドマスク 2 1 8、 第 4のェツチング停止層、 兼、 保護絶縁膜 2 1 7、 第 1の中 間ストッパ膜 2 1 5、 第 3の絶縁性拡散障壁層 2 0 9はァンモニァガスでほとん
どエッチングされないため、 図丄 7 (a) に示した構造が得られた。
次に、 第 3の絶縁性拡散障壁層 209を除去するために、 C4F8系のガスを用 いて、 P— MS O膜厚換算で 75 nmのドライエッチを行った後、 クリーニング をおこない、 スパッタリング法、 電解メツキ法、 CMP法を組み合わせて、 膜厚 3.0 n mの窒化チタンからなる第 6の導電性バリア層 309と銅からなる第 5 の導電体 310力 ら構成される、 接続孔を有する第 2の銅配線層を形成し、 さら にその上に、 膜厚 50 nmの P— MS Oからなる第 5の絶縁性拡散障壁層 219 、 膜厚 325 nmの S i L Kか なる第 7の絶縁膜 220、 膜厚 25 nmの酸化 シリコンからなる第 4の保護絶縁膜 221を形成し、 半導体装置を構成した (図 1 7 (b) ) 。
この実施例 5に示した構造において、.膜厚 25 n mの炭化シリコンを主成分と するプラズマ CVD膜を、 第 1の中間ストツパ膜 215として用いたが、 この他 に酸化シリコン、 窒化シリコン、 有機基含有酸化シリコン、 酸化アルミをそれぞ れ使用して作成した試料を数種類作成した。 '
このようにして形成した半導体装匱の性能及び信頼度を調べたところ、 第 1の 中間ストッパ膜として、 酸化シリコンを用いた試料では、 他の材料を使用した場 合と比較して、 第 2の銅配線層および接続孔の電気抵抗のばらつきが大きくなる 結果が得られた。 その理由を調べるために、 第 2の銅配線層および層間接続孔部 分の断面を SEMで観察したところ、 酸化シリコンを用いた試料では、 第 2の銅 配 #泉層直下に存在するはずの第 1の中間ストッパ膜 215が消失しており、 配線 高さが不均一になったり、 接続孔形状が不良になったりする場合が数多く観察さ
れた。 これに対し、 第 1の中間ストッパ膜として、 酸ィヒシリコン以外の材料を用 いた試料ではそのような不良は観察されなかった。 その原因をさらに詳しく調べ たところ、 第 1の中間ストッパ膜として、 酸化シリコンを用いた場合には、 P— M S〇からなる第 3の絶縁性拡散障壁層 2 0 9.に開口部を設けるためにドライ エッチをおこなった際に、 同時 、 第 1の中間ストツパ B莫 2 1 5もエッチングさ れ、 S i L Kからなる第 3の絶縁膜が露出したり、 掘り込まれたりすることが明 らかとなつた。 一方、 第 1の中間ストッパ膜として、 炭化シリコン、 窒化シリコ ン、 有機基含有酸化シリコン、 酸ィヒアルミを用いた場合には、 実施例 5でも述べ たように、 P—M S Oに比べドライエッチ速度が遅いために、 第 3の絶縁性拡散 障壁層 2 0 9に開口部を設けても第 1の中間ス トッパ膜 2 1 5は消失していな かった。 .
次に、 第 2の銅配線層において隣接する銅配線間の漏れ電流および絶縁破壌寿 命を評価したところ、 いずれの試料においても、 電界強度 2 MV/ c .mにおける 隣接する銅配線間は 1 0 0年以上の絶縁破壌寿命を持つが、 第 1の中間ストッパ 膜として炭化シリコンを用いた場合には、 隣接する銅配線間の漏れ電流が、 若干 増大する結果が得られた。 また、 第 2の銅配線層の寄生容量を測定したところ、 窒化シリコンおよび酸化アルミを用いた場合には、 寄生容量が若干増大する結果 となった。 有機含有シリコンを用いた場合には、 漏れ電流や寄生容量の増大は起 きなかったものの、 半導体装置を製造工程において一部のウェハから膜がはがれ る例も見られた。
以上のように、 本実施例で記載したようなデュアルダマシン型鲖配線構造体を
有する半導体装置の製造工程において、 P—M S O膜に比べてドライエッチ速度 が遅い酸ィ匕シリコン以外の材料を第 1の中間ストツノ として用いることで、 配線 抵抗や接続孔抵抗のばらつきを向上できる。 しカゝし、 他の性能に関しては各材料 の特徴があるので、 半寧体装置の用途や製造プロセスの特徴に応じて使い分ける のが望ましい。
つまり本発明の実施例に従い、 第 1の銅配線の直上に絶縁性拡散障壁層として P— M S Oが形成され、 この第 1の銅配線に対して接続孔をもつデュアルダマシ ン型銅配線を形成するに際し、 前記接続孔の加工マスクである第 1中間ストツパ を構成する材料を、 P—M S Oのドライエッチ速度の l Z 2以下の絶縁膜とする ことにより、 配線抵抗ばらつきが小さく、 信頼度の高い銅配線を有する半導体装 置を形成することが可能となる。 : .
本実施例では、 第 1の中間ストッパ膜として、 炭化シリコン、 窒化シリコン、 有機基含有酸化シリコン、 酸化アルミの例について検討をおこなったが、 本発明 の効果はこの組み合わせに限定されるも ではない。 P— M S Oのドライエッチ 条件を適用したときのドライエッチ速度が、 P— M S Oのドライエッチ速度の 1
/ 2以下であるような絶縁膜材料であれば同様の効果が期待できる。 この際、 そ の絶縁膜の比誘電率および漏れ電流が低い.ほどよい.のは言うまでもなレ、。
また本実施例では、 第 1の中間ストッパ膜の膜厚を 2 5 n mとしたが、 この膜 厚は、 半導体の性能およびプロセスマージンの観点から変ィ匕させることも可能で ある。 第 1の中間ストッパ膜の膜厚が厚いほど、 絶縁性拡散障壁層である P -M
S Oのエッチングを過剰に行っても、 信頼度低下は抑制されるので、 製品歩留の
向上が期待できる。 し力 し、 一般的に第 1の中間ストッパ膜の比誘電率は、 その 下に用いている絶縁膜、 本実施例では比誘電率 2. 7の S i L K、 の比誘電率よ り高いため、 配線全体の寄生容量が増大し、 性能が低下するおそれがある。 一方 、 第 1の中間ストッパ膜の膜厚を薄くすれば、 寄生容量の増大は最小限に抑えら れる力 絶縁 1"生拡散障壁層である P— MS Oのエッチングを過剰に行った場合に は、 その下に用いている絶縁膜、 本実施例で S i LK、 が露出してしまい、 信頼 度低下のおそれがある。 したがって、 この第 1の中間ストッパ膜としては、 15 nmから 150 nmが適当であり、 25 nmから 100 nmの範囲がより好まし い。 . . ■ I .
また本実施例では、 銅配線の直上に絶縁性拡散障壁層として窒素濃度 3原子% を含有する P— MS Oを形成したが、 この窒素濃度に限定されるわけではなく、 実施例 3に示したように必要な信頼度と性能を満足する任意の窒素濃度の P— MS Oを使用することができる。 さらに必要な信頼度と性能が満たされるのであ れば、 シランの代わりに他の無機シランガスや有機シランガスを用いたガスで作 成した膜を用いることが可能である。
また本実施例では、 第 2、 第 3、 第 6、 第 7の絶縁膜として、 有機低誘電率絶 縁膜である S i LKを用いているが、 本発明 効果はこの組み合わせによっての み発揮されるわけではない。 低誘電率絶縁膜としては、 テフロン (デュポン社製 、 商品名) 等に代表されるフッ素樹脂や FLARE (A l l i e d S i g n a 1社製、 商品名) 等を含む有機膜、 メチルトリ トキシシラン ( (C2H5〇) 3 S i CH3) を原料ガスに用いた CVD絶縁膜やブラックダイアモンド (Ap p
l i e d Ma t e r i a l s社製、 商品名) や HSG— R 7 (日立化成工業社 製、 商品名) 等を含む有機含有酸化シリコン膜、 N a n o g l a s s (A l i i e d S i g n a l社製、 商品名) や XLK (A l l i e d S i g n a l社製 、 商品名) 等を含むポーラス絶縁膜、 フッ素等を添加した無機低誘電率酸化シリ コン膜等との組み合わせにおいても同様の効果が期待できる。 なお、 第 2、 第 3 、 第 6、 第 7の絶縁膜として低誘電率絶縁膜ではない通常の酸化シリコン膜 (比 誘電率 4程度) を用いた場合にも、 本発明は有効であるが、 寄生容量を低減する ためには低誘電率絶縁膜との組み合わせが最も有効であることはいうまでもな また本実施例では、 銅の成膜法としてスパッタ法とメツキ法を組み合わせたが 、 この方法に限定されるものではなく、 CVD法等によっても成膜可能である。' また本実施例では銅配線層を 2層のみ形成しているが、 必要に応じて配線層を 順次重ねていくことが可能である'。 ,
本発明によれば、 高性能、 つ、 高信頼度の銅配線を有する半導体装置及びそ の製造方法を提供することができた。