明 細
ィンクジヱッ ト式記録装置および同装置におけるサブタンクへのィンク補 給方法並びに同装置におけるサブタンクへのイ ンク補給量の検証方法
技術分野
本発明は記録へッ ドが搭載されたキヤリッジ上に、 記録へッ ドにィンクを供給 するためのサブ夕ンクが搭載され、 このサブタンクに対してィンク補給チューブ を介してメインタンクからィンクを逐次補給するように構成したィンクジヱッ 卜 式記録装置および同装置におけるサブタンクへのイ ンク補給方法並びに同装置に おけるサブタンクへのインク補給量の検証方法に関する。 背景技術
イ ンクジエツ ト式記録装置は、 印刷時の騒音が比較的小さく、 しかも小さなド ッ トを高い密度で形成できるため、 昨今においてはカラ一印刷を含めた多くの印 刷に使用されている。 このようなインクジヱッ ト式記録装置は、 一般にキヤリツ ジ上に搭載されて記録用紙の幅方向に移動するインクジヱ ッ 卜式記録へッ ドと、 記録用紙を記録へッ ドの移動方向に対して直行する方向に相対的に移動させる紙 送り手段が備えられ、 印刷データに基づいて記録へッ ドよりイ ンク滴を吐出させ ることにより.記録用紙に対して記録が行われる。
そしてキャリッジ上に例えばブラック、 イェロー、 シアン、 マゼンタの各イン クの吐出可能な記録へッ ドを搭載し、 ブラックインクによるテキスト印刷ばかり でなく、 各インクの吐出割合を変えることにより、 フルカラー印刷を可能として いる。
一方、 例えばオフィス向けまたは業務用に提供されるこの種の記録装置にお 、 ては、 比較的大量の印刷に対応させるために、 大容量のィンクカートリ ツジを配 備する必要が生じ、 このためにィンクカー ト リ ッジとしてのメィンタンクを例え
ば装置本体の側部に配置された装着装置 (力—卜リ ッジホルダ) に装填させる形 式の記録装置が提供されている。
そして、 記録へッ ドが搭載されたキヤリ ッジ上にはサブタンクが配置され、 前 記各メィンタンクから各サブタンクに対してィンク補給チューブを介してそれぞ れインクを補給し、 さらに各サブタンクからそれぞれ記録へッ ドに対してインク を供給するように構成されている。
ところで、 昨今においては大きな紙面に対して印刷を行うことが可能な、 キヤ リッジの走査距離の長い大型の記録装置が要求されている。 このような記録装置 においては、 スループッ トを向上させるために、 記録へッ ドにおいては益々多ノ ズル化が図られている。 さらに、 スループッ 卜を向上させるために、 印刷を実行 しながらメインタンクからキヤリッジに搭載された各サブタンクに対して逐次ィ ンクを補給することを可能とし、 各サブタンクからそれぞれ記録へッ ドに対して インクを安定して供給するような記録装置が求められる。
このような記録装置においては、 メインタンクからサブタンクに対して、 それ ぞれのインクに対応してインク補給チューブを接続する必要があり、 キヤリ ッジ の走査距離が大きいために必然的にチューブの引き回し距離が増大する。 しかも 前記したとおり、 記録へッ ドにおいては多ノズル化が図られているために、 イン クの消費量が多く、 メインタンクからサブタンクに接続された各ィンク補給チ ユーブ内においてィンクの動圧が高まり、 サブ夕ンクに対するィンクの補給量が 不足するという技術的課題を抱えている。
このような課題を解決するための一つの手段として、 例えばメィンタンク側に 空気圧を印加し、 メインタンクからサブタンクに対して空気圧によって強制的な インク流を発生させて、 サブタンクに対して必要十分なインクを補給する構成が 採用し得る。
このような構成を採用しようとした場合.、 各サブタンク内のィンク量が常に所 定の範囲となるように管理する必要があり、 記録へッ ドにおけるインクの消費に 応じて、 各サブ夕ンクにおいてメインタンクからのィンクの受け入れ量が調整で きる機能を採用する必要が生ずる。
発明の開示
本発明は、 このような技術的な要請に基づいてなされたものであり、 その目的 とするところは、 メインタンクからサブ夕ンクに対するィンクの補給量を適正に 管理し得るィンクジヱッ ト式記録装置および同装置におけるサブタンクへのィン ク補給方法並びに同装置におけるサブタンクへのィンク補給量の検証方法を提供 しょうとするものである。
上記目的を達成するためになされた本発明のイ ンクジヱッ 卜式記録装置は、 キ ャ リ ッジに搭載されて記録用紙の幅方向に往復移動される記録へッ ドと、 前記記 録へッ ドと共にキヤリッジに搭載され、 メィンタンクからィンク補給路を介して インクの補給を受けると共に、 前記記録へッ ドにイ ンクを供給するサブタンクと を備えたインクジヱッ ト式記録装置であって、 前記サブタンク内に貯留されたィ ンク量を検出するィンク量検出手段と、 メィンタンクとサブタンクとの間のィン ク補給路に配置され、 前記ィンク量検出手段によるインク量の検出状況に応じて メイ ンタンクからサブタンクに対するインクの補給が制御されるイ ンク補給制御 手段とを具備したことを特徴としている。
また、 上記目的を達成するためになされた本発明のインクジヱッ 卜式記録装置 におけるサブタンクへのィンク補給方法は、 キヤリ ツジに搭載されて記録用紙の 幅方向に往復移動される記録へッ ドと、 前記記録へッ ドと共にキヤリ ッジに搭載 され、 メインタンクからインク補給路を介してインクの補給を受けると共に、 前 記記録へッ ドにィンクを供給するサブタンクとを備えたィンクジヱッ ト式記録装 置におけるメインタンクからサブタンクへのィンク補給方法であって、 前記メィ ンタンクには加圧ュニッ 卜を構成する空気加圧ポンプによる空気圧が印加される と共に、 前記サブタンク内に貯留されたインク量の検出状態に応じ'て、 メイ ン夕 ンクとサブタンクとの間のィンク補給路に配置されたィンク補給バルブを開弁制 御するバルブ開弁ステツプと、 ィンク補給バルブを閉弁制御するバルブ閉弁ステ ップとを繰り返して実行するようになされる。
また、 上記目的を達成するためになされた本発明のインクジヱッ ト式記録装置 におけるサブタンクへのインク補給量の検証方法は、 キヤリッジに搭載されて記 録用紙の幅方向に往復移動される記録へッ ドと、 前記記録へッ ドと共にキヤリ ッ
ジに搭載され、 インクカー ト リ ッジからィンク補給路を介してィンクの補給を受 けると共に、 前記記録へッ ドにインクを供給するサブタンクと、 前記サブタンク 内に補給されたィンク量を検出するィンク量検出手段とを備えたイ ンクジヱッ 卜 式記録装置におけるサブタンクへのィンク補給量の検証方法であって、 前記ィン ク量検出手段によってサブタンク内に補給されたィンク量の検出を実行するィン ク量検出ステップと、 前記インク量検出ステップにおいてサブ夕ンク内に補給さ れたインク量が所定値よりも多いオーバーフロー状態を検出した場合に、 前記記 録へッ ドよりイ ンクの排出を実行するインク排出ステップと、 前記イ ンク排出ス テツプの実行後に、 再び前記ィンク量検出手段によってサブタンク内に補給され たインク量の検出を実行し、 オーバ一フロー状態ではないと判定した場合におい て印刷可能状態を継続させると共に、 再度ォ一バーフ口一状態であることを検証 した場合においてエラ一状態であると判定する検証ステップと、 が実行される。 また、 前記ィンク量検出手段によってサブタンク内に補給されたインク量の検出 を実行するィンク量検出ステップと、 前記ィンク量検出ステップにおいてサブタ ンク内に補給されたイ ンク量が所定値よりも多いオーバ一フロー状態を検出した 場合に、 オーバーフロー状態の検出回数をィンクリメントすると共に、 前記記録 へッ ドよりイ ンクの排出を実行するイ ンク排出ステップと、 前記イ ンク排出ステ ップに続いて、 前記ィンク量検出ステップおよびィンク排出ステップを順次繰り 返しつつ、 インクリメントされたオーバーフロー状態の検出回数を所定値と比較 し、 前記検出回数が所定値に達した場合にヱラ一状態であると判定する検証ステ ップと、 が実行される。
更に、 前記ィンク量検出手段によってサブタンク内に補給されたィンク量の検 出を実行するィンク量検出ステップと、 前記ィンク量検出ステップにおいてサブ タンク内に補給されたインク量が所定値よりも多いオーバ一フロー状態を検出し た場合に、 印刷データに基づいて前記記録へッ ドにより、 所定量の印刷動作を実 行させるインク消費ステップと、 前記インク消費ステップの実行後に再び前記ィ ンク量検出手段によってサブタンク内に補給されたィンク量の検出を実行し、 オーバ一フロー状態ではないと判定した場合において印刷可能状態を継続させる と共に、 再度オーバ一フロー状態であることを検証した場合においてエラー状態
であると判定する検証ステップと、 が実行される。 図面の簡単な説明
第 1図は、 本発明を利用したインクジ ッ 卜式記録装置の全体構成を示した平 面図である。
第 2図は、 メインタンクから記録へッ ドに至るィンク供給システムを示した模 式図である。
第 3図は、 各サブタンクを並列状態に配列し、 磁電変換素子を配設した形態を 示した模式図である。
第 4図は、 サブタンクに磁電変換素子を配設した他の形態を示した模式図であ る。
第 5図は、 フロート部材に取り付けられた永久磁石と磁電変換素子とにおける 磁束検出感度の関係を示した特性図である。 '
第 6図は、 フロート部材に取り付けられた永久磁石の配置位置とサブタンク側 における磁電変換素子の配置位置の関係について考察した模式図である。
第 7図は、 フロート部材に取り付けられた永久磁石の配置位置とサブタンク側 における磁電変換素子の配置位置の他の構成について考察した模式図である。 第 8図は、 フロート部材の回動中心と永久磁石との距離に対するサブタンク内 のィンク量検出精度の関係を考察した模式図である。
第 9図は、 フロート部材の回動中心と永久磁石との距離を短縮した場合のサブ タンク内のインク量検出精度の関係を考察した模式図である。
第 1 0図は、 サブタンクに配置されたイ ンク量検出手段により、 イ ンクロー状 態を検出する場合における好ましいインク量の検出レベルを示した模式図であ る。
第 1 1図は、 インク補給バルブが閉弁されている状態におけるメインタンクと 力一トリッジホルダとの一部を示した断面図である。
第 1 2図は、 イ ンク補給バルブが開弁されている状態におけるメイ ンタンクと カートリツジホルダとの一部を示した断面図である。
第 1 3図は、 本発明にかかる記録装置において実行されるメインタンクからサ
ブタンクに対するィンク補給制御ルーチンを示したフローチヤ一トである。 第 1 4図は、 メインタンクから記録へッ ドに至るインク供給システムを示した 模式図である。
第 1 5図は、 第 2図に示されたイ ンクカー卜リ ッ ジの構成を示した断面図であ る。
第 1 6図は、 第 1図に示されたインクジエツ ト式記録装置に搭載された制御回 路の構成を示したプロック図である。
第 1 7図は、 第 1 6図に示す制御回路によってなされる力一トリッジのィンク ェンド状態を検出する動作ルーチンを示したフローチヤ一卜である。
第 1 8図は、 第 1 7図に示すインクェンド状態を検出する動作ルーチンにおい て利用し得るイ ンク残量検出手段の第 1の例を示した模式図である。
第 1 9図は、 イ ンク残量検出手段の第 2の例を示した模式図である。
第 2 0図は、 ィンク残量検出手段の第 3の例を示した模式図である。
第 2 1図は、 本発明にかかるサブタンクへのィンク補給量の検証方法の基本概 念を示したフローチヤ一トである。
第 2 2図は、 他の検証方法の基本概念を示したフローチヤ一卜である。
第 2 3図は、 第 2 1図に示した検証方法を記録装置のィンク補給システムに利 用した場合の制御ルーチンを示したフローチャー トである。
第 2 4図は、 他の検証方法を記録装置のイ ンク補給システムに利用した場合の 制御ルーチンを示したフローチヤ一トである。
第 2 5図は、 本発明を適用したインクジヱッ ト式記録装置におけるメインタン クから記録へッ ドに至るィンク供給システムの他の構成を示した模式図である。 第 2 6図は、 本発明の他の実施形態を示すブロック図である。
第 2 7図は、 第 2 6図の実施形態の変形例を示すプロック図である。
第 2 8図は、 第 2 6図、 第 2 7図に示した形態に用いられるィンク量検出手段 を示すプロック図である。
第 2 9図は、 本発明にかかる他の実施形態を示す模式図である。
第 3 0図は、 再充填 (再補給) する時間とインク残量の関係を示す線図であ る。
第 3 1図は、 インク残量と排出するインク量の関係を示す線図である。 発明を実施するための最良の形態
本発明にかかるィンクジヱッ ト式記録装置の実施の形態について、 図に基づい て説明する。 第 1図は、 本発明が適用され得るィンクジ Xッ 卜式記録装置の一例 を上面図によって示したものである。
第 1図において符号 1はキヤ リ ッジであり、 このキヤ リ ッジ 1はキヤ リ ッジ モータ 2によって駆動されるタイミングベルト 3を介し、 走査ガイ ド部材 4に案 内されて紙送り部材 5の長手方向、 すなわち記録用紙の幅方向である主走査方向 に往復移動されるように構成されている。 そして、 第 1図には示されていない が、 キャリ ッジ 1の紙送り部材 5に対向する面には、 後述するインクジヱッ ト式 記録へッ ド 6が搭載されている。
また、 キャリ ッジ 1には前記記録へッ ド 6にインクを供給するためのサブ夕ン ク 7 a〜7 dが搭載されている。 このサブタンク 7 a〜7 dは、 この実施の形態 においては、 その内部において各インクを一時的に貯留するために、 それぞれの ィンクに対応して 4個具備されている。
そして、 このサブタンク 7 a〜7 dに対して装置の端部に配置されたカー卜リ ッジホルダ 8に装填されたィンク力一卜リッジとしてのメインタンク 9 a〜 9 d から、 インク供給路を構成する可撓性のインク補給チューブ 1 0, 1 0, ……を それぞれ介して、 ブラック、 イェロー、 マゼンタおよびシアンの各インクが供給 されるように構成されている。
一方、 前記キヤリッジ 1の移動経路上における非印字領域 (ホームポジョン) には、 記録へッ ドのノズル形成面を封止することができるキヤッピング手段 1 1 が配置されており、 さらにこのキヤッビング手段 1 1の上面には、 前記記録へッ ドのノズル形成面を封止し得るゴム等の可撓性素材により形成されたキヤップ部 材 1 1 aが配置されている。 そして、 キャリ ッジ 1がホームポジヨンに移動した ときに、 前記キャップ部材 1 1 aによって、 記録へッ ドのノズル形成面が封止さ れるように構成されている。
このキャップ部材 1 1 aは、 記録装置の休止期間中において記録へッ ド 6のノ
ズル形成面を封止し、 ノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する。 また、 このキャップ部材 1 1 aには、 図には示されていないが、 吸引ポンプ (チューブ ポンプ) におけるチューブの一端が接続され、 吸引ポンプによる負圧を記録へッ ドに作用させて、 記録へッ ド 6からインクを吸引排出させるクリーニング動作が 実行される.ように構成されている。
そして、 キヤッピング手段 1 1の印字領域側には、 ゴムなどの弾性素材による ワイピング部材 1 2が配置されていて、 必要に応じて記録へッ ドのノズル形成面 を払拭して清掃することができるように構成されている。
次に第 2図は、 第 1図に示した記録装置に搭載されたィンク供給システムの構 成を模式的に示したものであり、 このインク供給システムについて、 同一符号で 示した第 1図と共に説明する。 第 1図および第 2図において、 符号 2 1は加圧ュ ニッ トを構成する空気加圧ポンプを示しており、 この空気加圧ポンプ 2 1により 加圧された空気は、 大気開放弁を兼ねた圧力調整弁 2 2に供給され、 さらに圧力 検出器 2 3を介して前記した各メインタンク 9 a〜 9 d (第 2図においては代表 して符号 9として示しており、 以下において代表して単に符号 9として説明する 場合もある。 ) にそれぞれ供給されるように構成されている。
前記大気開放弁を兼ねた圧力調整弁 2 2は、 空気加圧ポンプ 2 1によって加圧 された空気圧が所定以上に達した時に、 圧力を開放して各メインタンク 9 a〜 9 dに加わる空気圧を所定の範囲に維持させる機能を有している。 また、 大気開 放弁は空気加圧ポンプ 2 1による加圧状態を、 指令により解除することができる 機能を有している。
さらに、 前記圧力検出器 2 3は、 空気加圧ポンプ 2 1によって加圧された空気 圧を検知し、 空気加圧ポンプ 2 1の駆動を制御するように機能する。 すなわち、 空気加圧ポンプ 2 1によつて加圧された空気圧が所定の圧力に達したことを検出 した場合には、 空気加圧ポンプ 2 1の駆動を停止させると共に、 圧力検出器 2 3 によって空気圧が定められた圧力以下となったことを検出した場合には、 空気加 圧ポンプ 2 1の駆動させるように制御し、 この繰り返しによって前記した各メイ ンタンク 9 a〜 9 dに加わる空気圧が所定の範囲に維持されるように機能する。 前記メインタンク 9は、 その概略構成が第 2図に示されたように、 その外郭が気
密状態に形成されており、 その内部にはインクを封入した可撓性素材により形成 されたインクパック 2 4が収納されている。 そして、 メインタンク 9とインクノ、。 ック 2 4とで形成される空間が空気室 (圧力室) 2 5を構成しており、 この空気 室 2 5内に、 圧力検出器 2 3を介した加圧空気が供給されるように構成されてい る。
この構成により、 各メインタンク 9 a〜 9 dに収納された各ィンクパック 2 4 は、 それぞれ加圧空気による加圧を受け、 各メインタンク 9 a〜 9 dから各サブ タンク 7 a〜 7 dに対して所定の圧力によるィンク流が発生されるように構成さ れている。
前記各メインタンク 9 a〜 9 dにおいて加圧されたィンクは、 それぞれィンク 補給制御手段を構成する各インク補給バルブ 2 6, 2 6……および各ィンク補給 チューブ 1 0, 1 0, ……をそれぞれ介して、 キャリ ッジ 1に搭載された各サブ タンク 7 a〜7 d (第 2図においては代表して符号 7として示しており、 以下に おいて代表して単に符号 7として説明する場合もある。 ) に供給されるように構 成されている。
第 2図に示すサブタンク 7の構成についての詳細な説明は後述するが、 その基 本構成は、 内部にフロート部材 3 1が配置されており、 そのフロート部材 3 1の 一部には永久磁石 3 2が取り付けられている。 そして、 ホール素子に代表される 磁電変換素子 3 3 a , 3 3 b (以下において代表して単に符号 3 3として説明す る場合もある。 ) が基板 3 4に装着されて、 サブタンク 7の側壁に添接されてい る。
この構成により、 フロート部材 3 1に配置された永久磁石 3 2と、 フロー 卜部 材 3 1の浮上位置にしたがった前記永久磁石 3 2による磁力線量に応じて、 前記 ホール素子 3 3 a , 3 3 bにより電気的出力が発生されるィンク量検出手段を構 成している。
したがって、 例えばサブタンク 7内のインク量が少なくなつた場合には、 サブ タンク内に収納されたフロー ト部材 3 1の位置が重力方向に移動し、 これに伴い 前記永久磁石 3 2の位置も重力方向に移動する。 それ故、 永久磁石の移動による ホール素子 3 3 a , 3 3 bの電気的出力は、 サブタンク 7内のィンク量として感
知することができ、 ホール素子 3 3 a, 3 3 bにより得られた電気的出力によつ て、 前記ィンク補給バルブ 2 6が開弁される。
これにより、 メインタンク 9内で加圧されているインクは、 インク量が低下し たそれぞれのサブタンク 7内に個別に送出される。 そして、 当該サブタンク 7内 におけるインク量が所定の容量に達した場合には、 前記したホール素子 3 3 a , 3 3 bの電気的出力に基づいて前記ィンク補給バルブ 2 6が閉弁される。 このよ うな繰り返しにより、 メィンタンクからサブタンクに対して断続的にィンクが補 給されるように作用し、 各サブタンクには常にほぼ一定のインクが貯留されるよ うになされる。
このように、 メインタンク 9内において空気圧によって加圧された各ィンク 力、 サブタンク 7内に配置されたそれぞれのフロート部材 3 1の位置に基づく電 気的な出力に基づいて、 各サブタンク 7に対してィンクが補給されるように構成 されているので、 インクの補給レスポンスを向上させることができ、 サブタンク 7内のィンクの貯留量が適切に管理される。
そして、 各サブタンク 7からはバルブ 3 5およびこれに接続されたチューブ 3 6を介して記録へッ ド 6に対してィンクが供給されるように構成されており、 記録へッ ド 6に供給される印刷データに基づいて、 記録へッ ド 6のノズル形成面 に形成されたノズル開口 6 aより、 インク滴が吐出されるように作用する。 な お、 第 2図において符号 1 1は、 前記したキヤッビング手段を示しており、 この キヤッビング手段 1 1に接続されたチューブは図示せぬ吸引ポンプ (チューブポ ンプ) に接続されている。 また符号 7 eは、 サブタンク 7に設けられた大気開放 口を示している。
次に、 サブタンクに設けられた永久磁石と磁電変換素子の配設例を第 3図乃至 第 9図に基づいて説明する。 第 3図は、 以上説明した構成の各サブタンクを並列 状態に配列し、 サブタンクユニッ トを構成した状態を示し、 且つ前記した磁電変 換素子としてのホール素子 3 3を、 各サブタンクの側壁部に配設させる形態を模 式図によって示したものである。 なお、 第 3図において、 (a ) は (b ) におけ る切断線 E— Eを矢印方向に視た断面図で示し、 また (b ) はサブタンクュニッ トを構成する 1つのサブタンクを面方向に切断した状態の断面図で示している。
並列状態に支持されてなるサブタンクュニッ 卜は、 ホルダ部材 8 1に収納され る。 そして、 このホルダ部材 8 1に形成された取り付け穴 8 1 aに係合する係合 部 8 2 aを備えた基板ホルダ部材 8 2が具備されており、 この基板ホルダ部材 8 2と、 ホール素子 3 3を配列した基板 3 4との間に介在された複数のパネ部材 8 3によって、 ホール素子 3 3がサブタンク 7の側壁部に付勢された状態で配置 される。 この配設例にあってはホール素子 3 3は 1つ設けられている場合を例に とって説明するが、 前記したようにホール素子が 2つ設けられていても良い。 この場合、 図に示すように、 サブタンク 7の側壁にはホール素子 3 3の位置決 めを行う凹部 4 1 cが形成され、 この位置決めのための凹部 4 1 cを形成するこ とによって、 サブタンク 7の側壁部はより薄肉状態とされ、 前記フロート部材 3 1に取り付けられた永久磁石 3 2の移動軌跡とホール素子 3 3との距離が、 よ り接近できるように構成されている。
また、 第 4図はサブタンク 7の側壁に対して磁電変換素子としてのホール素子 3 3を配設させる変形例を模式図によって示したものである。 この変形例はホー ル素子を配設した基板 3 4が、 サブタンク 7に対して熱かしめにより添接される ように構成されたものであり、 (a ) は熱かしめを実行する直前の状態を示し、 ( b ) は熱かしめを実行した後の状態をそれぞれ断面図によって示している。 この場合、 前記サブタンク 7は熱可塑性樹脂により構成されており、 第 4図
( a ) に示すように、 その側壁部には予め一対の突起部 4 1 dが形成されてい る。 一方、 ホール素子 3 3が搭載された基板 3 4には、 一対の突起部 4 1 dに対 応する位置に一対の貫通穴 3 4 aがそれぞれ形成されている。
そして、 第 4図 (a ) に示すように基板 3 4に形成された貫通穴 3 4 aを突起 部 4 1 dに揷通し、 この状態で矢印 Fで示すように突起部 4 1 dを加熱された治 具 (図示せず) を押しつけることにより、 突起部 4 1 dは溶融され、 第 4図
( b ) に示すように突起部 4 1 dは、 熱可塑により平板状に変形し、 基板 3 4を サブタンク 7の側壁部に保持させるようになされる。
この第 4図に示した例においても、 ホール素子 3 3の位置決めのための凹部 4 1 cを形成することによって、 サブタンク 7の側壁部はより薄肉状態とされ、 前記フロート部材 3 1に取り付けられた永久磁石 3 2の移動軌跡とホール素子
3 3との距離が、 より接近できるように構成されている。
また、 永久磁石の移動軌跡と、 ホール素子との距離に関して説明する。 第 5図 は、 前記のようにフロート部材 3 1に取り付けられた永久磁石 3 2の移動軌跡 と、 磁電変換素子としてのホール素子 3 3との距離に関して考察したものであ り、 両者の距離とホール素子 3 3の磁束検出感度の関係について示している。 すなわち、 曲線 Gは永久磁石 3 2の移動軌跡とホール素子 3 3との距離が比較 的近くなるように設定した場合、 また曲線 Hは永久磁石 3 2の移動軌跡とホール 素子 3 3との距離が比較的遠い場合を示しており、 縱実線はホール素子 3 3が受 ける磁束密度を表し、 横実線は永久磁石 3 2の移動軌跡、 すなわち永久磁石 3 2 がホール素子 3 3に最も近接する中央縦実線からの永久磁石 3 2の移動距離を示 している。
ここでは、 前記ホール素子 3 3による電気的出力は、 それぞれにおいて受ける 磁束密度にほぼ比例した直線領域において用いられている (電気的出力が磁束密 度に比例する領域において用いられる) と仮定している。 したがって、 ホール素 子 3 3による電気的出力を受けて、 前記したバルブ手段 2 6を開閉弁させる閾値 電圧 (スレツショルドレベル) を、 第 5図における S Lとした場合、 特性 Gにお ける S Lを横切る領域は、 I として示すようにその幅が狭くなり、 また特性 Hに おける S Lを横切る領域は、 Jとして示すようにその幅が広くなる。
換言すれば、 永久磁石 3 2の移動軌跡とホール素子 3 3との距離が狭い程、 永 久磁石 3 2の相対移動距離の検出感度を向上させることができることとなり、 サ ブタンク内のィンクの残流量の検出精度を、 より向上させることができることに なる。 したがって、 前記したようにサブタンク 7の側壁にホール素子 3 3の位置 決めを行う凹部 4 1 cを形成し、 且つこの位置決めのための凹部によって、 サブ タンク 7の側壁部を薄肉状態とすることで、 サブタンク内のインク残流量の検出 精度がより向上できることとなる。
また、 第 6図および第 7図は、 フロート部材に取り付けられる永久磁石の配置 位置と、 サブタンク側における磁電変換素子としてのホール素子の配置位置との 関係について考察したものである。 すなわち、 第 6図に示す構成は基板 3 4に搭 載されたホール素子 3 3がサブタンク 7の側壁部に配置され、 一方、 フロート部
材 3 1には支持腕部材 4 5の延長線上に永久磁石 3 2が配置され、 フロート部材 に配置された永久磁石 3 2の重力方向の移動に伴う磁力線量をホール素子 3 3に よって感知するように構成されている。 すなわち、 第 6図に示す構成は、 第 2図 乃至第 4図に示した実施の形態と同様の構成である。
一方、 第 7図に示す構成は、 基板 3 4に搭載されたホール素子 3 3がサブタン ク 7の上側壁に配置され、 また、 フロー ト部材 3 1の上側壁に永久磁石 3 2が配 置されている。 そして、 フロー ト部材 3 1に配置された永久磁石 3 2の重力方向 の移動に伴うホール素子 3 3への磁力線量を感知するように構成されている。 し たがって、 第 7図に示した構成においても、 サブタンク 7内のインク残流量に応 じた電気的出力を生成することが可能であり、 この形態も有効に採用し得る。 しかしながら、 フロート部材に配置された永久磁石の移動に伴って、 異なった 位相の出力信号を発生させる複数のホール素子を配置する構成においては、 第 6 図に示した形態が有効である。 この構成を図 8に模式的に示する。 すなわちサブ タンク 7の側壁には、 フロー卜部材に配置された永久磁石の移動軌跡に沿って 2 つのホール素子 3 3 a, 3 3 bが配置されている。 この形態によると、 サブタン ク内にインクを補給する状態を例にした場合、 インクの補給にしたがうフロート 部材の反重力方向への移動 (上昇) により、 まず第 2のホール素子 3 3 bに対し て磁力線が大きく作用し、 さらにィンクの補給が継続された場合において第 1の ホール素子 3 3 aに対して磁力線が大きく作用するようになされる。
したがって、 各ホール素子 3 3 a , 3 3 bの出力を所定の閾値電圧で、 それぞ れ 2値の信号に変換した場合、 (0 0 ) , (0 1 ) , ( 1 1 ) , ( 1 0 ) の各組 み合わせを得ることができ、 サブタンク内のィンク量を精度よく認識することが 可能となる。 これは、 たとえば印字動作によって、 サブタンク内のインク量が 序々に低減した場合においても同様に精度よく認識することができる。
また第 9図は、 前記した第 8図に示す構成において、 フロート部材 3 1の回動 中心と永久磁石との距離に対するサブタンク内のインク量検出精度の関係を考察 したものである。 すなわち第 8図においては、 フロート部材の回動中心 4 4と永 久磁石 3 2との距離を L 1として示しており、 第 9図においては、 その距離を L 2として示している。
また、 第 8図および第 9図に示す形態において、 各ホール素子 3 3 a , 3 3 b の中心部間の距離は同じく L 3として示している。 このような両者の構成におい て、 たとえば L 1が 5 0 mm、 し 2が2 5 01 111、 L 3が共に 5 m mであるとした 場合の第 1と第 2のホール素子 3 3 a , 3 3 bの間における検出精度を比較した 場合、 次のようになる。
すなわち、 第 8図に示す構成において、 永久磁石 3 2が第 1ホール素子 3 3 a に対向した時の永久磁石 3 2と第 1のホール素子 3 3 aの距離と、 永久磁石 3 2 が第 2ホール素子 3 3 bに対向した時の永久磁石 3 2と第 2のホール素子 3 3 b の距離^:の差、 すなわち第 8図に示す W 1は 0 . 2 5 mmとなる。
一方、 第 9図に示す構成において、 永久磁石 3 2が第 1ホール素子 3 3 aに対 向した時の永久磁石 3 2と第 1のホール素子 3 3 aの距離と、 永久磁石 3 2が第 2ホール素子 3 3 bに対向した時の永久磁石 3 2と第 2のホール素子 3 3 bの距 離との差、 すなわち第 9図に示す W 2は 0 . 5 l mmとなる。
前記した W 1および W 2は、 その幅が大きい程、 第 1 と第 2のホール素子 3 3 a , 3 3 bにおける検出にばらつきが発生することとなり、 特に前記したよ うに各ホール素子 3 3 a , 3 3 bの出力を所定の閾値電圧で、 それぞれ 2値の信 号に変換して 4つの組み合わせ状態でサブタンク内のインク量を検出する場合に おいては、 前記 W 1および W 2はよりゼロに近いことが理想的である。
以上の考察にしたがえば、 第 8図に示すようにフロート部材 3 1の回動中心と 永久磁石 3 2との距離がより長くなるように設定することが望ましく、 したがつ て、 フロー ト部材 3 1を回動可能に支持する支持軸 4 4の配置位置は、 サブタン ク 7内における水平方向の端部近傍に形成することが好ましい。
以上の説明で明らかなように、 サブタンク 7内に収容されて、 サブタンク 7内 に貯留されたィンクによって浮上するフロート部材 3 1と、 サブタンク 7内のィ ンク量に応じたフロート部材 3 1の浮上位置にしたがって電気的出力を発生する 出力発生手段としての磁電変換素子 3 3 ( 3 3 a . 3 3 b ) と、 出力発生手段に より得られる電気的出力によって、 サブタンクに供給するインク量を制御する供 給制御手段としてのィンク補給バルブ 2 6とを具備したので、 サブタンク 7内の ィンクの貯留量に応じてメインタンク 9からサブタンク 7に対して逐次ィンクが
補給される。 したがって、 印刷を続行しつつサブタンク内に適性なインクが貯留 されるので、 たとえば大型の紙面に対して印刷を行うことが可能な走査距離の長 い記録装置であっても、 スループッ トを低下させることなく、 安定して印刷を実 行させることが可能となる。
また、 前記サブタンクにおけるフロー 卜部材 3 1によるィンク量検出手段にお いては、 インクローの検出レベルを、 一度のク リーニング動作の実行によるイン クの消費によっても、 サブ夕ンク内にィンクが残留するように設定されているこ とが望ましい。 インク口一の検出レベルをこのように設定することで、 インク量 検出手段が例えばインクローを検出する寸前で、 ク リ一ニング動作が実行されて も、 サブタンク内のィンクが空状態となるのを未然に防ぐことができる。
これを実現する場合におけるィンクロー検出レベルの設定方法としては、 第 1 0図に示したような考え方を採用することができる。 第 1 0図 (a ) および ( b ) には、 インク口一状態におけるサブタンクの様子をそれぞれ模式的に示し ている。 まず、 第 1 0図 (a ) はインク量検出手段により検出される所定値 (ィ ンクロ一) に対応するサブタンク内のインク容量が、 一度のク リーニング動作に よるインクの消費量以上に設定されている状態を示している。 この場合、 インク 口一検出レベルにおけるサブタンク内の残留イ ンク量を (A ) として示してい る。 そして、 一度のク リーニング動作によるイ ンク消費量を (B ) とすれば、 A ≥Bの関係となるようにィンクローレベルを設定すれば、 たとえィンク量検出手 段がインク口一を検出する寸前で、 ク リーニング動作が実行されても、 サブタン ク内のインクが空状態となるのを防ぐことができる。
次に第 1 0図 (b ) は、 イ ンク量検出手段により検出される所定値 (イ ンク ロー) に対応するサブタンク内のインク容量が、 一度のク リーニング動作による ィンクの消費量からク リ一ニング動作中においてサブ夕ンク内に補給されるィン ク量を差し引いた量以上に設定されている状態を示している。 この場合、 インク 口一検出レベルにおけるサブタンク内の残留インク量を (Α' ) として示してい る。 そして、 一度のク リーニング動作によるインク消費量は (Β ) である。 とこ ろが、 ク リーニング動作が実行されて、 インク量検出手段がインク口一を検出し た場合には、 前記したィンク補給バルブ 2 6が開弁されるため、 ク リ一二ング動
作中において (C ) として示すインク量がサブタンク内に補給されることにな る。
したがって、 (A' + C ) ≥Βの関係となるようにインクローレベルを設定す れば、 たとえイ ンク量検出手段がイ ンク口一を検出する寸前で、 ク.リーニング動 作が実行されても、 サブタンク内のィンクが空状態となるのを防ぐことができ る。 これを換言すれば、 前記したように A ' ≥ ( B— C ) の関係となる。 これに より、 ィンク量検出手段により検出するィンクロ一レベルは、 第 1 0図 (a ) に 示した場合よりも、 低いレベルに設定することができることになり、 キヤリ ツジ に搭載されたそれぞれのサブタンク容量を小型に設計することも可能となる。 次に第 1 1図および第 1 2図に基づいて、 メインタンクの力一 卜 リ ッジ 8に対 する装填状態及びインク補給バルブについて詳述する。 なお、 第 1 1図および第 1 2図は前言己したィンクカー トリ ッジとしてのメインタンク 9が、 カー トリ ッジ ホルダ 8に対して装填されている状態において、 メィンタンク.9とカー トリ ッジ ホルダ 8のそれぞれの一部を拡大して示した断面図である。 ここで、 第 1 1図は 力一 トリ ッジホルダ 8に装着されたィンク補給バルブ 2 6が閉弁されている状態 を示し、 また第 1 2図はインク補給バルブ 2 6が開弁されている状態を示してお り、 既に説明した各部に相当する部分は同一符号で示している。
メインタンク 9内に収納されたィンクパック 2 4には、 ィンク導出栓 7 1がー 体に形成されており、 このィンク導出栓 7 1はメインタンク 9の一端部より外部 に突出するように取り付けられている。 この導出栓 7 1には、 その先端部に円環 状に形成されたパッキング部材 7 1 aが配置されており、 導出栓 7 1内を軸方向 に摺動できるように配置された弁部材 7 1 bがばね部材 7 1 cによってパッキン グ部材 7 1 a側に付勢されている。
この構成によって、 メインタンク 9が力一 卜リ ッジホルダ 8側に装填されない 場合においては、 弁部材 7 1 bがパッキング部材 7 1 aに当接して、 インクパッ ク 2 4からのインクが漏出するのを阻止できるように構成されている。 なお、 図 に示す状態は、 弁部材 7 1 bが後述する中空針によって押し込まれ、 イ ンクパッ ク 2 4よりィンクが導出できる態勢になされている。
一方、 カー ト リ ッジホルダ 8側には、 その中央部にィンク受給用接続栓 7 3が
突出して形成されている。 この接続栓 7 3には、 先端部付近にイ ンク導入孔 7 3 aが形成された中空針 7 3 bが配置されており、 さらにこの中空針 7 3 bの 外周をとり巻くようにして、 軸方向に摺動可能に配置された摺動部材 7 3 cが備 えられている。 そして、 摺動部材 7 3 cはばね部材 7 3 dによって前方向に突出 するように付勢されている。
この構成によって、 力一トリッジホルダ 8にメインタンク 9が装填されない場 合においては、 摺動部材 7 3 cが中空針 7 3 bに形成されたインク導入孔 7 3 a を閉塞して閉弁するようになされる。 なお、 図に示す状態は摺動部材 7 3 cが カートリッジホルダ 8側の接続栓 7 3によって押し込まれ、 中空針 7 3 bにおけ るィ ンク導入孔 7 3 aが露出されて、 メイ ンタンク 9側よりィ ンクが中空針 7 3 b内に導入できる態勢になされている。
また、 メインタンク 9の外郭部材には、 空気室 (圧力室) 2 5に連通する筒状 体により構成された加圧空気導入口 7 5が形成されている。 一方、 カートリ ッジ ホルダ 8側には加圧空気供給栓 7 7が配備されており、 この加圧空気供給栓 7 7 内には環状のパッキング部材 7 7 aが配置されている。 したがって、 メインタン ク 9をカートリツジホルダ 8側に装填した図に示す状態において、 カートリッジ ホルダ 8側に配置された環状のパッキング部材 7 7 aが、 筒状体による加圧空気 導入口 7 5の外周面に密着して連結される。 これにより、 加圧空気がメインタン ク 9の空気室 (圧力室) 2 5に導入できるように構成されている。
また、 前記力一トリ ッジホルダ 8側に配備された中空針 7 3 bの基端部には、 ィンク補給バルブ 2 6が配備されており、 このバルブ 2 6を介してィンク補給チ ュ一ブ 1 0が接続され、 前記したようにキヤリッジ 1に搭載されたサブタンク 7 に対してインクが補給されるように構成されている。
前記インク補給バルブ 2 6には、 ダイヤフラム弁 2 6 aが具備されていて、 そ の周縁部が第 1ケース 2 6 bおよび第 2ケース 2 6 cによって挟持されて、 ダイ ャフラム弁 2 6 aは前記両ケース内に収納された構成になされている。 そして、 ダイヤフラム弁 2 6 aのほぼ中央部に取り付けられたスライ ド軸 2 6 dが、 第 2 ケース 2 6 cに対して軸方向に摺動できるように取り付けられており、 このスラ イ ド軸 2 6 dはァクチヱ一夕としての電磁プランジャー 7 9による駆動力を受け
て、 図に示されたように水平方向に駆動されるように構成されている。 したがつ て、 スライ ド軸 2 6 dの軸方向の駆動力を受けて前記ダイヤフラム弁 2 6 aのほ ぼ中央部が水平方向に可動するように作用する。
そして、 この実施の形態においては、 前記電磁プランジャー 7 9による駆動力 が、 支軸 7 8 aを介して回動される駆動レバ一 7 8の一端部に伝達され、 駆動レ バーの他端部において、 前記ダイヤフラム弁 2 6 aを駆動することができるスラ ィ ド軸 2 6 dに伝達されるように構成されている。
さらに、 スライ ド軸 2 6 dと第 2ケース 2 6 cとの間には、 ばね部材 2 6 eが 介装されており、 前記電磁プランジャー 7 9の非通電状態においては、 第 1 1図 に示すように、 ばね部材 2 6 eの付勢力によってダイヤフラム弁 2 6 aの中央部 が、 中空針 7 3 bの基端部と接続された第 1ケース 2 6 bに設けられた開口部 2 6 f を閉塞して閉弁状態とするように作用する。 また電磁プランジャー 7 9に 通電された場合には、 第 1 2図に示されたように電磁プランジャー 7 9の駆動口 ッ ド 7 9 aが引き込まれ、 これによつて、 スライ ド軸 2 6 dは駆動レバ一 7 8を 介して引き出される。 したがって、 ダイヤフラム弁 2 6 aの中央部は第 1ケース 2 6 bに設けられた開口部 2 6 f から離れ、 開弁状態になされる。
それ故、 電磁プランジャー 7 9への通電によるダイヤフラム弁 2 6 aの開弁状 態においては、 第 1 2図に矢印で示した.ようにインクパック 2 4より中空針 7 3 bによるィンク流路を介してダイヤフラム弁が配置された第 1ケース 2 6 b 内にインクが導入され、 第 1ケース 2 6 bに接続されたインク補給チューブ 1 0 を介して前記したサブタンク 7に対してィンクを補給することができる。 そし て、 サブタンク 7内のインク量が所定の容量に達すると、 サブタンク 7に具備さ れたフロート部材 3 1の浮上位置にしたがつた永久磁石 3 2の磁力線量を検出す るホール素子 3 3 a , 3 3 bの出力により、 電磁プランジャー 7 9への通電が遮 断され、 インクの補給が停止される。
また、 記録装置の動作電源がオフされた場合には、 前記した電磁プランジャー 7 9も非通電状態となり、 これにより第 1—1図に示されたようにばね部材 2 6 e の付勢力によってダイヤフラム弁 2 6 aの中央部が、 中空針 7 3 bの基端部と接 続された第 1ケース 2 6 bに設けられた開口部 2 6 f を閉塞して閉弁状態とされ
る。 したがって、 メインタンク 9とサブタンク 7との間に水頭差があっても、 ィ ンク補給チューブ 1 0を介していずれかの方向にインクが流れるのを阻止するこ とができる。
なお、 第 1 1図および第 1 2図に示された構成から理解できるように、 ダイヤ フラム弁 2 6 aが配置された第 1ケース 2 6 bの開口部 2 6 f に至るィンク流 路、 すなわち中空針 7 3 b内において構成されるインク流路と、 ケース 2 6 b内 から前記ィンク補給チューブ 1 0に至るィンク流路とがほぼ直交するように構成 されると共に、 前記ケース 2 6 bに接続されたィンク補給チューブ 1 0の導出部 、 ほぼ鉛直方向に向かうように配置されている。
この構成により、 インク力一 トリ ッジとしてのメインタンク 9を力一 ト リ ッジ ホルダ 8側に装填した場合に浸入した気泡は、 ダイヤフラム弁 2 6 aの付近に滞 留することなく、 インク補給チュ一ブ 1 0側に向かつて浮上させることができ る。 そして、 インク補給チューブ 1 0側に向かって浮上した気泡は、 前記サブタ ンク 7内に導入されて浮上するため、 当該気泡が記録へッ ド 6側に入り込んで印 字不良を招来させるという問題を回避することができる。
また、 第 1 1図および第 1 2図に示した実施の形態においては、 メインタンク が装填される力一卜リッジホルダ 8にダイヤフラム弁 2 6 aによるィンク補給バ ルブが配置されている。 すなわち、 インク補給バルブはメインタンクからサブ夕 ンクに至るインク補給路におけるメインタンク側の直近に配置された構成とされ ている。 これは、 例えばメインタンク 9をカートリッジホルダ 8から引き抜いた 場合においても、 カートリ ッジホルダ 8の直近にインク補給バルブが配置されて いるので、 インク補給チューブ 1 0に存在するインクが、 カー トリ ッジホルダ 8 側に漏出するのを効果的に阻止することができる。
この場合、 実施の形態においては、 前記したようにカートリ ッジホルダ 8に は、 中空針 7 3 bのインク導入孔 7 3 aを隠蔽して閉弁する摺動部材 7 3 cがー 応備えられているいるものの、 前記したようにィンク補給バルブをメィン夕ンク 爛の直近に配置することは、 摺動部材 7 3 cによるインク導入孔 7 3 aの閉弁作 用と、 インク補給 くルブ 2 6による閉弁作用とが相乗的に作用し、 水頭差による 逆流を受けて力一トリッジホルダ側の接続栓 7 3よりィンクが漏出するのを、 よ
り効果的に阻止することに寄与できる。
以上のように構成されているため、 記録装置の動作中においては、 加圧空気に よってメインタンクからサブ夕ンクに対して常にィンクが押し出されるように作 用する。 そして、 サブタンク内のインク量がインク量検出手段によって検出さ れ、 ィンク量検出手段よりもたらされる制御信号によってメインタンクからサブ タンクに至るインク補給路に配置されたインク補給/くルブを開閉弁制御すること により、 常にサブタンクに対して必要十分なインクを貯留させることができる。 すなわち、 サブタンク内に貯留されたィンク量を検出するィンク量検出手段 と、 メインタンクとサブタンクとの間のインク補給路に配置され、 前記インク量 検出手段によるィンク量の検出状況に応じてメインタンクからサブタンクに対す るインクの補給が制御されるインク補給制御手段とを具備したので、 例えば印字 中においても常にサブタンクに対してィンクが補給されてサブタンク内に適正な インク量を保持させることができる。 したがって、 これを例えば多ノズル化され た記録へッ ドを用い、 且つキヤリッジの走査距離が長い大型の記録装置に採用し ても、 スループッ トを低下させることなく、 安定した印字動作を実行させること ができる。 また、 このインク補給方法を採用したインクジェッ ト式記録装置によ ると、 メインタンクに対して加圧ュニッ 卜による空気圧が印加されると共に、 サ ブタンク内に貯留されたインク量の検出状態に応じて、 メインタンクとサブ夕ン クとの間のインク補給路に配置されたインク補給ノくルブを開閉弁制御するように なされるので、 前記した技術的な効果に加え、 各サブタンクに対するインクの補 給動作を迅速に行うことができ、 各サブタンク内のインク量を常に適正な状態に 管理することができる。
また、 インクカートリッジとしてのメインタンクからキヤリツジに搭載された サブタンクに至るインク供給路に、 記録装置の動作電源がォフ状態において閉弁 されるインク供給バルブを配置したので、 記録装置の休止期間中、 あるいは予期 せぬ停電時において、 メインタンクとサブタンクとの水頭差によりいずれかの方 向にインクが流れるのを阻止することができ、 インクの漏洩により、 機器内を汚 染させることのない記録装置を得ることができる。
また、 上記のように構成されたインクジヱッ 卜式記録装置において、 例えば前
記したフロー ト部材を含むィンク量検出手段が誤作動した場合、 またはインク量 検出手段からインク補給バルブに至る制御信号の伝達系において、 何らかの障害 が発生した場合などにおいては、 サブタンク内に所定量のィンクが補給されてい るにもかかわらず、 インク補給バルブが閉弁されないという事態が発生する。 こ のような事態が発生した場合には、 加圧空気によってメィンタンクからサブタン クに対してインクが補給され続け、 サブタンクに形成された前記大気連通口 (第
2の符号 7 e ) などを介してインクが漏出し、 周囲を汚染させるという問題が発 生し得る。
そこで、 前記したような事態を想定し、 例えばサブタンクからインクが漏出す るような問題が未然に防げるように配慮したサブタンクへのィ ンク補給の制御 ルーチンについて、 第 1 3図に基づいて説明する。 以下、 第 1 3図に示した制御 ルーチンにしたがってサブ夕ンクに対するィンクの補給動作を説明する。
まず、 ステップ S 1 1においては、 サブタンク内の液面検出が実行される。 こ れは前記したようにフロー ト部材に取り付けられた永久磁石の磁力線量を検出す るホール素子 3 3 a, 3 3 bの出力によって判定される。
ここでは、 ィンク量検出手段によりサブタンク内のィンク量が所定の値に満た ないと判定された場合を " L OW" と称呼し、 サブタンク内のインク量が十分な 量に達していると判定された場合を " F U L L " と称呼する。 このステップ S 1 1において " F U L L " と判定された場合にはリターン状態とされ、 引き続 きステップ S 1 1においてィンク量の監視がなされる。 そして、 記録へッ ドによ るインクの消費に伴い、 " L OW" と判定された場合には、 ステップ S 1 2に移 り、 インク補給バルブ 2 6が開弁される。
したがって、 メインタンクよりサブタンクに対してィンクの補給が開始される (ィンク補給ステップ) 。 そして、 引き続いてステップ S 1 3に示すようにィン ク量検出手段により、 サブタンク内のインク量の監視が行なわれる。 前記したス テツプ S 1 2において、 補給バルブ 2 6が開弁された直後においては、 このステ ップ S 1 3においては、 通常 " L OW" の状態が検出され、 ステップ S 1 4に示 す判定がなされる。
すなわち、 ステップ S 1 4においては、 ステップ S 1 2において実行されたィ
ンク補給バルブの開弁動作からの経過時間が判定され、 その経過時間が所定の時 間に満たない場合においてはステップ S 1 3に戻り、 サブタンク内の液面検出、 すなわちインク量検出手段による制御出力の状態が監視される。 そして、 前記し たステップ S 1 4からステップ S 1 3に戻る循環が繰り返される。
前記した所定の時間に満たない状態で、 サブタンクへのィンクの補給がなさ れ、 ステップ S 1 3において " F U L L " になったと判定された場合には、 ステ ップ S 1 5に移り、 これによつてインク補給バルブ 2 6は閉弁され、 リターン状 態とされる (インク補給停止ステップ) 。 したがって、 前記したステップ S 1 1 からステツプ S 1 5に示す動作が繰り返され、 サブタンクにはメインタンクより 断続的にィンクが補給される。 以上のステップ S 1 1からステップ S 1 5に示す 動作の繰り返しは、 ィンクの補給動作が正常になされている状態である。
ここで、 例えばサブタンク内に十分なィンク量が補給されたにもかかわらず、 例えばインク量検出手段を構成する前記フロート部材 3 1が何らかの障害を受け て、 浮上しないような場合においては、 引き続きサブタンク内に過剰な量のィン クが補給される。 また、 インク量検出手段からインク補給 くルブに至る制御信号 の伝達系において予期せぬ障害が発生した場合においても同様であり、 この結 果、 サブタンクからィンクが溢れるという問題が発生する。
前記したステップ S 1 4とこれに続くステップ S 1 6に示すルーチンは、 この ような障害の発生を想定してサブタンク内に過剰な量のインクが補給されるのを 阻止するように制御するものである。 すなわち、 ステップ S 1 4においては、 前 記したようにステップ S 1 2において実行されたインク補給バルブの開弁動作か らの経過時間が監視されており、 ステップ S 1 3およびステップ S 1 4の循環動 作において、 所定の時間を経過しても、 " F U L L " の検出がなされない、 すな わち " L OW" の状態のままであると判定されるとステップ S 1 6に移行して、 インク補給バルブ 2 6を強制的に閉弁させるように作用する (ィンク補給強制停 止ステップ) 。
このような状態は、 前記したようにインク補給系に何らかの障害が発生してい るものと見なすことができ、 したがってステップ S 1 4において管理される所定 時間の経過により、 自動的に強制閉弁させることで、 サブタンク内への過剰なィ
ンクの補給を停止させることができる。 このステップ S 1 4に移行した場合に は、 イ ンク供給不良状態を示すエラー表示を行ない、 イ ンクの補給系統の不具合 の発生をユーザに報知するように構成されることが望ましい。
なお、 以上の構成によると、 例えば、 メイ ンタンクの空気室 (圧力室) 2 5に 所定の空気圧が印加されない場合、 さらにメインタンクからサブタンクに至るィ ンク補給路を構成するチューブ 1 0においてインクが流れにく くなっている場合 などの障害の発生によってもエラー表示を行なうことができ、 この場合において は印字不良が発生し得る状態であり、 いずれにしてもメンテナンスが必要である ことをユーザ一に知らせることができる。
以上の説明で明らかなように、 このインク補給制御方法を採用したィンクジヱ ッ ト式記録装置によると、 インク力一卜リ ッジとしてのメィンタンクからサブ夕 ンクに至るインク補給路に配置されたィンク補給バルブが開弁後、 所定の時間が 経過した場合においては、 ィンク補給バルブを強制的に閉弁させる制御手段を具 備したので、 メインタンクを加圧するこの種のィンク供給システムを用いた記録 装置において、 ィンクの漏洩等により機器内を汚染させるという問題を解消する ことができる。
次に、 メインタンクのインクカートリツジがィンクェンド状態にあるか否かを 検証するインクエンド検出手段を具備した第 2の実施形態について、 第 1 4図乃 至第 2 0図に基づいて説明する。 なお、 第 1図乃至第 1 3図に示された部材と同 一あるいは相当する部材は同一符号を符し、 その詳細な説明は省略する。
インクカートリ ッジとしての前記メインタンク 9には、 第 1 5図にも示された ようにそのケースの一部にメインタンク 9に関する情報を記録できる記録素子 2 7が配置されており、 この記録素子 2 7には後述するように当該メインタンク におけるィンク残量に関するデ一夕が書き込まれている。 そして第 1 4図に示さ れたように、 この記録素子 2 7に対して情報を書き込みまたは読み出しするため の端子 2 8がメインタンク 9の一部に配置されており、 メインタンク 9を記録装 置に装填した場合において、 記録装置側と電気的に接続されてメィンタンクのィ ンク残量に関する情報の授受がなされるように構成されている。
また、 前記メインタンク 9内には、 第 1 5図にも示されたようにメインタンク
9に貯留されたィ ンク量が所定の値以下となったことを検出するイ ンク残量検出 手段を構成する検出スィツチ 2 9を具備させる場合もある。 そして、 前記したィ ンクノ ック 2 4の一面は、 例えば両面接着シー卜 2 4 aによって、 メイ ンタンク 9を構成するケースの内面に貼り付けられており、 またィンクノ、。ック 2 4の他面 には作動板 2 4 bが同様に貼り付けられている。 この構成により、 イ ンクノ、。ック 2 4に封入されたィンクの量が少なくなった場合において、 ィンクノ ック 2 4の 収縮に伴い、 前記作動板 2 4 bの一部が前記検出スィツチ 2 9を例えばォン状態 とするように作用する。
第 1 4図に示されたように前記スィツチ 2 9のオン 'オフ情報が導出される端 子 3 0がメィンタンク 9の一部に配置されており、 メインタンク 9を記録装置に 装填した場合において、 記録装置側と電気的に接続できるように構成される。 一方、 この実施の形態においては、 後述するようにサブタンク内のインク消費 量を演算するイ ンク消費量演算手段が備えられており、 この演算手段によりサブ タンク内のィンク消費が進んだと判定された場合には、 前記ィンク補給バルブ 2 6を開弁制御するように構成されている。 これにより、 メインタンク 9内で加 圧されているインクは、 ィンクの消費が進んだそれぞれのサブ夕ンク 7内に個別 に送出される。
そして、 当該サブ夕ンク 7内におけるィンク量が所定の容量に達した場合に は、 前記したとおりフロート部材を含むインク量検出手段からの出力に基づい て、 前記インク補給バルブ 2 6が閉弁される。 このような繰り返しにより、 メイ ンタンクからサブタンクに対して断続的にインクが補給されるように作用し、 各 サブタンクには常に一定の範囲のィンクが貯留されるようになされる。
第 1 6図は、 この第 2の実施形態にかかる記録装置に搭載され、 カートリ ッジ のインクエン ド判定手段を構成する制御回路の一例を示している。 なお第 1 6図 においては、 すでに説明した各部に相当する部分を同一符号で示しており、 した がって重複する説明は省略する。 また、 第 1 6図に示されたようにキヤッビング 手段 1 1には前記した吸引ポンプ 1 5が接続されており、 この吸引ポンプ 1 5の 排出側は廃液タンク 1 6に接続されている。
第 1 6図において、 符号 1 0 0は印刷制御手段であり、 この印刷制御手段
1 0 0はホストコンピュータからの印刷データに基づいてビッ トマップデ一夕を 生成し、 このデータに基づいてへッ ド駆動手段 1 0 1により駆動信号を発生させ て、 キャリ ッジ 1に搭載された記録へッ ド 6からインクを吐出させる機能を備え ている。 へッ ド駆動手段 1 0 1は、 印刷データに基づく駆動信号の他に、 フラッ シング制御手段 1 0 2からのフラッシング指令信号を受けてフラッシング操作の ための駆動信号を記録へッ ド 6に出力するようにも構成されている。
符号 1 0 3はクリーニング制御手段であり、 このクリ一ニング制御手段 1 0 3 はクリーニング指令検知手段 1 0 4からの制御信号を受けて、 ポンプ駆動手段 1 0 5を制御し、 吸引ポンプ 1 5を駆動させる機能を備えている。 そして、 記録 装置の操作パネル等に配置されたクリーニング指令スィツチ 1 0 6を操作するこ とにより、 前記クリ一ニング指令検知手段 1 0 4が動作し、 マニュアルによるク リ一ニング操作が実行されるように構成されている。
また、 クリーニング制御手段 1 0 3は印刷制御手段 1 0 0より制御信号を受け るようにも構成されており、 これにより同様にポンプ駆動手段 1 0 5を制御し て、 吸引ポンプ 1 5を駆動させるクリーニング操作機能を備えている。
一方、 前記印刷制御手段 1 0 0、 フラッシング制御手段 1 0 2、 およびクリ一 ニング制御手段 1 0 3よりそれぞれィンク消費量演算手段 1 0 7に対して制御信 号が供給されるように構成されている。 このインク消費量演算手段 1 0 7はサブ タンク 7内に貯留されたインク消費量を演算する機能を有しており、 .印刷データ に基づく印刷制御手段 1 0 0によりなされる記録へッ ドからのインク滴の吐出 数、 フラッシング制御手段 1 0 2よりなされるフラッシング動作による記録へッ ドからのインク滴の吐出数、 またクリ一ニング制御手段 1 0 3によりなされる記 録へッ ドからインクを吸引排出させるク リーニング操作が実行される毎に、 それ ぞれのデータがインク消費量演算手段 1 0 7に供給されるようになされる。 そして、 これらのデータを受けたインク消費量演算手段 1 0 7は、 印刷の実行 による記録へッ ドからのインク滴の吐出数、 フラッシング動作による記録へッ ド からのィンク滴の吐出数、 またクリ一ニング操作の実行毎のィンクの排出処理に 基づいて、 それぞれ係数設定手段 1 0 8にアクセスして、 それぞれに対応する係 数を乗算させることによりサブタンク 7におけるィンクの消費量を演算する。
このようにして演算されたサブタンク 7におけるィンクの消費量は、 サブ夕ン クのィンク消費カウンタ 1 0 9に送られて、 カウン トアップ (加算) するように 作用する。 そして、 当該カウン 卜アップ値が所定の数値に達した場合には、 サブ タンク 7内のインク量が低減した状態であり、 したがって、 イ ンク補給バルブ 2 6が開弁制御されてメインタンクからサブタンクに対してインクを補給するよ うに作用する。
このインクの補給によって、 サブタンク 7内のインク容量が所定の値 (ほぼ満 タン状態) になったことが、 前記ホール素子 3 3 a , 3 3 bによる電気的出力に よって検出されると、 前記したとおりインク補給バルブ 2 6が閉弁制御され、 こ れと同時にサブタンクのィンク消費カウンタ 1 0 9は、 その計数値がリセッ 卜さ れるようになされる。
一方、 前記サブタンクのィンク消費カウンタ 1 0 9よりメインタンクの残量力 ゥンタ 1 1 0に対してサブ夕ンクにおけるィンク消費量の情報が転送されるよう に構成されている。 また、 メイ ンタンクの残量カウンタ 1 1 0には、 装填された メイ ンタンクに搭載された前記記録素子 2 7に格納されたメイ ンタンクのイ ンク 残量に関するデータが、 書き込み読み出し手段 1 1 1を介して予めセッ 卜されて いる。
そして、 リセッ 卜される直前におけるサブタンクのィンク消費カウンタ 1 0 9 による計数値が、 前記メィンタンクの残量カウンタ 1 1 0に送られて、 メインタ ンクのィンク残量を示す計数値から、 サブタンクのィンク消費カウンタ 1 0 9に よる計数値が減算されるように構成されている。 これにより、 メイ ンタンクの残 量カウンタ 1 1 0はィンクの消費に応じて減算され、 その数値データは書き込み 読み出し手段 1 1 1を介してメイ ンタンクに搭載された前記記録素子 2 7に書き 込まれる。 なお、 インク消費量演算手段 1 0 7、 係数設定手段 1 0 8、 インク消 費カウンタ 1 0 9、 残量カウンタ 1 1 0は記録装置側に設けられるのが一般的で あるが、 必要に応じてホス 卜コンピュータ側に設けてもよい。
前記サブタンクのィンク消費カウンタ 1 0 9より、 ィンク補給バルブ 2 6を開 弁制御させるために送出される制御信号は、 計時手段 1 1 2に供給されるように 構成されている。 計時手段 1 1 2はイ ンク補給バルブ 2 6の開弁動作と同時に計
時を開始する。 そして、 サブタンク 7がほぼ満タン状態になされた時に発生する 前記ホール素子 3 3 a , 3 3 bによる出力を受けるように構成されている。 ここで、 前記計時手段 1 1 2はインク補給バルブ 2 6を開弁制御させるために 送出される制御信号を受けて計時を開始し、 所定時間が経過したにもかかわら ず、 サブタンク 7がほぼ満タン状態になされた時に発生する前記ホ一ル素子 3 3 a , 3 3 bによる出力が到来しない場合において、 メインタンクがインクェ ンド状態であることを示すメ ッセイジ等を表示手段 1 1 3に表示させるように構 成されている。
すなわち、 前記した記録装置においては、 メインタンクの空気室 (圧力室) 内 に加圧空気が供給され、 この加圧空気によって各メィンタンクから各サブタンク に対してインクを補給するように構成されており、 したがって、 サブタンクに対 するィンクの補給開始からほぼ満タン状態になされる時間は、 設計上において判 明しており、 この時間を大きく超えた状態においても、 サブタンクに対するイン クの補給が不十分な場合においては、 メインタンクがインクェンド状態であると 推定することができる。
このようにしてメインタンクがインクェン ド状態であることが検出された場合 には、 前記したようにメインタンクがインクェンド状態であることを示すメッセ イジ等を表示手段 8 3に表示させると共に、 記録装置の印刷動作を停止させるよ うに制御される。 これにより、 サブタンク内のインクまで空状態にする問題を回 避することができ、 記録へッ ドのインク供給路に気泡が入り込むのを効果的に阻 止させることができる。 なお、 前記表示手段 8 3は記録装置に設けてもよいが、 必要に応じて、 ホス卜コンピュータ側の表示手段を用いても良い。
またこの時、 メインタンクにおけるインクは、 ほぼ空状態となるまで使いきる ことができ、 ランニングコス トゃ廃棄されるィンクカー ト リ ツジ内の残留ィンク の処理等の負担を軽減することができる。
ところで、 前記した構成によるメイ ンタンクのインクェン ド検出手段による と、 例えばメインタンクからサブタンクに至るインクの補給経路や、 加圧空気の 供給経路に何らかの障害が発生した場合には、 誤ってメインタンクがインクェン ド状態であると認識する可能性がある。 第 1 7図に示した制御ルーチンは、 この
ような問題を回避できるように構成されている。 以下この制御ルーチンを示すフ ローチャー 卜に基づいて、 第 1 6図に示す制御回路と共にその作用を説明する。 メインタンクのィンクェン ド状態を検出するには、 まずステップ S 1 1に示さ れたように、 印刷等に使用したインク量をサブタンク内ィンク消費カウンタに加 算する操作が実行される。 これは、 第 1 6図に示されたインク消費量演算手段に よって演算されたサブタンク内のィンクの消費量を、 サブタンクのィンク消費力 ゥンタ 1 0 9に送り、 そのィンク消費量を加算させるようになされる。 そして、 ステップ S 1 2においてサブタンク内インク消費カウンタが所定値 (A) 以上で あるか否かが検証される。
これは、 第 1 6図に示されたサブタンクのィンク消費カウンタ 1 0 9の計数値 が、 所定の値 (A) を超えているか否かを検証するものであり、 所定の値 (A) を超えていない (N o ) と判定された場合には、 サブタンク内のインク容量に余 裕があるということになる。 したがって、 前記所定の値 (A) を超えるまで、 リ ターンされて前記ステップ S 1 1とステップ S 1 2のル一チンが繰り返される。 そして、 前記ステップ S 1 2において、 サブタンクのィンク消費カウンタ 1 0 9 の数値が、 所定の値 (A ) を超えたと判定された場合には、 ステップ S 1 3に移 り、 サブタンクへのインク補給動作が開始される。 これは、 前記インク補給バル ブ 2 6が開弁制御されることによつ'てなされる。 続いてステップ S 1 4において サブタンクへのインク補給が完了したか否かの検証がなされる。 これは、 前記し たとおり、 ホール素子 2 2 a , 3 3 bによる出力が利用される。
このステップ S 1 4による検証と並行して、 ステップ S 1 8においてサブ夕ン クへのインク補給動作が開始された時より所定時間が経過したか否かの検証も開 始される。 これは第 1 6図に示された計時手段 1 1 2によってなされる。 そし て、 所定時間の経過以前にサブタンクへのインク補給が完了した (Y e s ) と判 定されると、 ステップ S 1 5においてィンク補給動作を停止する制御がなされ る。 これは前記したとおり、 インク補給バルブ 2 6を閉弁制御することによりな される。
そして、 ステツプ S 1 6においてサブタンク内ィンク消費力ゥンタ 1 0 9をリ セッ トさせる操作が実行され、 これに続くステップ S 1 7において、 インク力一
卜 リ ッジのィ ンク残量力ゥンタ 1 1 0から前記 (A ) を減算する操作がな.され る。
これにより、 サブタンクに対してィンクを補給した 1回分のィンク量が減算さ れ、 その減算結果 (換言すればインク力一 卜リ ッジのインク残量) がインク力一 ト リ ッジのインク残量カウンタ 1 1 0にセッ 卜される。
一方、 前記ステップ S 1 4において、 サブタンクへのインク補給が完了せず ( o ) に、 しかもステップ S 1 8において所定時間が経過したと判定された場 合には、 インクカー ト リ ッジが空状態となったことが推定さ'れる。 そこで、 ステ ップ S 1 9においてサブタンクへのインクの補給動作を停止させる操作が実行さ れる。
続いて、 ステップ S 2 0においてカー ト リ ッジのィンク残量カウンタ 1 1 0は 所定値以下であるか否かを判定する操作がなされる。 'ここで、 インクカー ト リ ツ ジのイ ンク残量カウンタ 1 1 0が所定値以下に達していない状態 (N oの状 態) 、 換言すれば、 力一 卜リ ッジ内にィンクが相当に残されている状態にもかか わらず、 前記したようにサブタンクへのィンクの補給が所定時間内に完了しない 場合は、 例えばィンクの補給経路または加圧空気の供給経路等に何らかの 卜ラブ ルが発生していると見なすことができ、 この場合には表示手段 1 1 3にエラー表 示を行なうようになされる。
また、 前記ステップ S 2 0においてカー ト リ ッジのィンク残量カウンタ 1 1 0 が所定値以下に達した (Y e s ) と判定された場合には、 インクカー ト リ ッジが 間違いなくェン ド状態になったと判定するようになされ、 この場合には表示手段 1 1 3にインクェンドを示す表示を行なうようになされる。 すなわち、 前記した ステップ S 2 0による判定手段を備えることにより、 メインタンクのインクェン ド状態を正しく認識することができる。
以上説明した実施の形態においては、 インクカー トリ ッジにおけるィンク残量 の情報をィンクカー ト リ ッジとしてのメインタンクを構成するケースの一部に配 置した記録素子 2 7から読み出し、 この情報からサブタンクのインク消費量を減 算させて、 当該ィンク力一 トリ ッジのィンク残量情報として利用するようにして いる。
しかしながら、 インクカートリッジにおけるィンク残量情報を把握する手段と しては、 例えば第 1 4図および第 1 5図に示したようにィンクカートリ ツジ内に 配置された検出スィツチ 2 9を利用することができる。
この場合、 第 1 7図に示すステップ S 2 0において、 前記検出スィツチ 2 9に よる力一卜リッジのインク残量の情報が利用され、 エラ一状態かインクェンド状 態かを判定する情報として利用される。
なお、 インクカー トリ ッジの空気室 (圧力室) に加圧空気を導入してサブタン クにインクを補給するように構成されて t、るが、 本発明はこのような形態の記録 装置以外にも利用することができる。 例えばサブタンク内が負圧となるように吸 引してィンクを補給するような記録装置、 あるいはインク力一トリッジとサブタ ンクとの間に水頭差を持たせてィンク力一卜リツジ側からサブタンクに対してィ ンク流を発生させる記録装置においては、 力一トリ ッジのインク残量検出手段と して、 第 1 8図乃至第 2 0図に示すような物理的な検出手段を利用することがで きる。
まず、 第 1 8図はインクカートリ ツジ 9のケースを透明樹脂で成形し、 この ケースの下側部付近を挟むようにして光源 8 6および光感知センサ 8 7を配置し た構成を示している。 第 1 8図 (a ) に示すように力一トリッジ 9内にィンクが 多量に収容されている場合には、 前記光源 8 6からの投射光が遮断されるため、 センサ 8 7は投射光を感知することができない。 また、 第 1 8図 (b ) に示すよ うにカー ト リ ッジ 9内のィンクが所定値よりも減少した場合には、 透明樹脂で成 形されたケースを介して光源 8 6からの投射光をセンサ 8 7が感知することがで き、 インク残量が所定値よりも少ないことが判定される。
また、 第 1 9図は同じくインク力一トリ ッジ 9のケースを透明樹脂で成形し、 その下底部と側壁部との間の隅角部にプリズム部 8 5を形成した構成とされてい る。 すなわち、 光源 8 6からプリズム部 8 5への入射角と、 プリズム部 8 5から センサ 8 7に至る出射角は、 それぞれ ( = 4 5度) の角度となるように構成さ れている。 そして、 力一卜リッジ 9内のィンクと、 ケースを構成する樹脂との屈 曲率により決定される全反射の臨界角と、 空気とケースを構成する樹脂との屈曲 率により決定される全反射の臨界角の相違によりインクカートリツジ内のィンク
残量を検出するようになされる。
さらに、 第 2 0図はィンクカートリッジ 9のケースの下底面の近傍にィンクの 貯留空間に向かって一対の電極端子 9 0 a , 9 0 bが埋設した構成とされてお り、 一方の電極端子 9 0 aに対して定電圧源 9 1から所定の電圧が印加されるよ うに構成されている。 また、 他方の電極端子 9 0 bには基準電位 (アース) との 間に抵抗素子 9 2が接続されており、 この抵抗素子 9 2に生ずる電位を検出する 電圧検出器 9 3が前記他方の電極端子 9 0 bに接続されている。
この構成により、 前記一対の電極端子 9 0 a , 9 0 bを導通させる程度以上の 容量のィンクがィンクカートリツジ内に残されている場合においては、 電圧検出 器 9 3において所定以上の電圧値が検出される。 また、 インクカートリッジ内に おけるインク残量がェンド状態に近い場合においては、 前記電圧検出器 9 3にお ける電圧値は遥かに低下する。 したがつてこの構成を利用することによって、 ィ ンク力一トリッジ内のィンク残量を検出することが可能となる。
以上説明した第 1 8図乃至第 2 0図に示されたィンク力一トリッジのィンク残 量検出手段を、 前記した第 1 7図におけるステップ S 2 0における力一トリ ッジ の残量カウンタの数値に置き換えて利用することもできる。
このような力一 トリ ッジのィンクェン ド判定方法を採用したィンクジヱッ ト式 記録装置によると、 インクカートリツジからサブタンクに対するィンクの補給時 間が所定の時間を経過しても、 サブタンクに対するインクの補給量が不十分な場 合において、 インク力一トリッジがィンクェンド状態であると判定するように構 成したので、 インクカートリッジのィンクェンド状態を正確に把握することがで きる。 そして、 このような検出方法によりィンク力一 ト リ ッジのィンクェンド状 態を検出することにより、 多量のィンクを残した状態でィンクカートリツジを交 換するなどの不経済な運用を回避することができる。
次に、 前記した 2つのホール素子 3 3 a , 3 3 bを備えたインク量検出手段が インクのオーバーフロー状態を検出した場合において、 前記したような要因によ り偶発的に発生したインク液面の誤検出であるのか、 真の故障によるオーバ一フ 口一状態であるのかを検証する手段について説明する。 なお、 制御回路は第 1 6 図に示したものと基本的に同じであるため、 ここではフローチヤ一卜に基づいて
説明する。
第 2 1図はその第 1の検証手段の基本概念を示したフローチヤ一トである。 す なわち、 まずステップ S 1 1として示すようにィンク量検出手段を構成する 2つ のホール素子 3 3 a, 3 3 bの出力の組み合わせから、 オーバーフロー状態であ るか否かが判定される。 ここで、 オーバ一フロー状態ではない (N o ) と判定さ れれば、 リターンされスター卜から同様の判定が繰り返される。
前記ステップ S 1 1において、 オーバーフロー状態であると判定された場合に は、 ステップ S Ϊ 2に示すようにオーバーフロー時クリ一二ング動作が実行され る。 この時のクリ一ニング動作は、 キヤッピング手段 1 1により記録へッ ド 6の ノズル形成面を封止し、 吸引ポンプ 1 5による負圧を印加することで記録へッ ド からインクを吸引.排出させるようになされる。 そして、 オーバ一フロー時クリ一 ニング動作においては、 前記したマニュアルクリーニング動作、 またはタイマー クリ一ニング動作よりも多くのィンク量を吸引排出させるように作用する。 この様なオーバ一フロー時クリーニング動作の実行後におけるステップ S 1 3 においては、 再びインク量検出手段によりオーバーフロー状態であるか否かが検 証される。 ここで、 オーバーフロー状態ではない (N o ) と判定されると、 リ ターンされる。 これは、 前記したステップ S 1 1における判定時に、 振動等によ り偶発的に発生したィンク液面の誤検出であった場合が考えられ、 この場合には 当然ながらオーバ一フロー状態ではないと判定される。 また、 実際にはオーバー フロー状態に陥っていたものが、 ステップ S 1 2によるオーバ一フロー時クリ一 ニング動作の実行により、 オーバ—フロー状態が解消される場合もある。 いずれ にしても、 再検証の結果においてオーバーフロー状態ではないと判定された場合 には、 記録装置の印刷可能状態が続行されるようになされる。
一方、 前記ステップ S 1 3における再検証の結果においても、 オーバ一フロー 状態である (Y e s ) と判定される場合においては、 何らかの障害によりサブタ ンク内がオーバ一フロー状態に陥っているものと推定され、 この場合には、 メン テナンスが必要であることを示すエラ一表示を表示手段 1 1 3に表示することが 望ましい。
次に第 2 2図は前記したィンク量検出手段がィンクのオーバーフロー状態を検
出した場合における第 2の検証手段の基本概念を示したフローチヤ一卜である。 この第 2の検証手段においては、 記録へッ ドからインクを吸引排出させる操作を 複数回にわたって実行すると共に、 ィンクを吸引排出させる操作の実行毎にィン クのオーバーフロー状態であるか否かを検証するようになされる。 すなわち、 ス テツプ S 2 1 として示すようにィンク量検出手段を構成する 2つのホール素子 3 3 a , 3 3 bの出力の組み合わせから、 オーバーフロー状態であるか否かが判 定される。 これは前記したステップ S 1 1と同様である。 ここで、 オーバ一フ 口一状態ではない (N o ) と判定されれば、 リターンされスタートから同様の判 定か繰り返される。
前記ステップ S 2 1において、 オーバ一フロー状態であると判定された場合に は、 ステップ S 2 2に示すようにオーバ一フロー状態であると判定された回数 n を 1つインクリメントする。 そして、 ステップ S 2 3において、 インクリメント されたオーバーフロー状態の検出回数 nを所定値 Nと比較する。 ここで、 ォー バーフローの検出回数 nが所定値 Nに満たない (N o ) と判定されると、 記録へ ッ ドより所定量のインクの吸引排出を実行する。 この場合においても、 キヤツビ ング手段 1 1により記録へッ ド 6のノズル形成面を封止し、 吸引ポンプ 1 5によ る負圧を印加することで記録へッ ドからィンクを吸引排出させるようになされ る。 なお、 前記ステップ S 2 4において実行されるインクの吸引排出量は、 前記 したオーバ一フロー時クリ一ニング動作におけるィンクの吸引排出量よりも遥か に少ない量となるように制御される。 そして、 再びステップ S 2 1に戻りィンク 量検出手段によりオーバ—フロー状態であるか否かが検証され、 ここで、 ォ一 バーフロー状態ではない (N o ) と判定されると、 リタ一ンされる。 これも同様 に、 先の液面検出時においては振動等により偶発的に発生した誤検出であつたと 推定することができ、 記録装置の印刷可能状態が続行される。
また、 ステップ S 2 1において再度検証したにもかかわらず、 オーバ一フロー 状態であると判定された場合には、 前記したように判定回数 nがさらに 1っィン クリメン卜されるルーチンが繰り返される。 そして、 ステップ S 2 3において判 定回数 nが所定値 Nに達したと判断された場合 (Y e sの場合) には、 何らかの 障害によりサブタンク内がオーバーフロー状態に陥っているものと推定される。
この場合においても、 メンテナンスが必要であることを示すエラ一表示を表示手 段 1 1 3に表示することが望ましい。
この第 2 2図に示した制御ルーチンによると、 記録へッ ドから一度に排出させ るインク量を少なく し、 数回にわたってオーバ一フロー状態であるか否かが判定 される。 そして、 判定回数 nが所定値 Nに達しない状態において、 オーバ一フ 口一状態が解消されたと判定した場合には、 記録装置の印刷可能状態が続行され る。 したがって、 この制御ルーチンによると、 インクの総排出量を低減させるこ とに寄与できる。
第 2 3図は、 第 2 1図に示した検証手段を前記した記録装置のインク補給シス テムに利用した場合の具体的な制御ルーチンを示したものである。 なお、 この ルーチンはィンク力一卜リツジとしての各メィンタンクとそれに対応する各サブ タンク毎に独立して実行される。 そして、 この制御ルーチンは記録装置の動作電 源の投入時、 および印刷中において例えば 5秒毎に起動され、 メインタンクから サブタンクに対するィンク補給の可否判定がなされる。
まず、 記録装置への動作電源が投入された場合にはステップ S 3 1に示すよう に補給停止フラグがリセッ トされる。 すなわち補給停止フラグをリセッ 卜するこ とで、 サブタンク 7に対するインクの補給が可能な態勢になされる。 そして、 ス テツプ S 3 3に示す液面検出の判定、 すなわちィンク量検出手段を構成する 2つ のホール素子 3 3 a , 3 3 bの出力の組み合わせからサブタンク 7内のインク量 の判定がなされる。
一方、 印刷動作中においては、 前記したように 5秒毎にステップ S 3 2に示す 判断に入り、 補給停止フラグがセッ ト状態であるかリセッ ト状態であるかが判定 される。 ここで、 補給停止フラグがセッ ト状態である場合においては、 サブタン クに対するィンクの補給はなされず、 ステップ S 3 4に示すように補給バルブ 2 6は閉弁状態とされリターンされる。 また、 ステップ S 3 2において補給停止 フラグがリセッ ト状態であると判定されると、 前記したステップ S 3 3に進み、 サブタンク 7内のインク液面検出の判定がなされる。
このステップ S 3 3においては、 前記したとおりィンクのオーバ一フロー状 態、 フル状態、 および口一状態の 3つの状態が識別される。 ここで、 オーバーフ
口一状態であると識別された場合にはステップ S 3 5に進み、 補給停止フラグが セッ トされる。 そして、 ステップ S 3 6に示すように補給バルブ 2 6が閉弁され る。 続いて、 ステップ S 3 7に示すように圧力調整弁 (レリーフバルブ) 2 2が 開弁動作される。 これにより、 加圧ポンプ 2 1による加圧空気は大気開放され る。 ここで、 ステップ S 3 8に示すようにオーバーフロー時のクリーニング動作 が実行される。 すなわち、 この時のクリーニング動作は、 すでに説明した第 2 1 図に示すステップ S 1 2と同様の動作であり、 これにより、 記録へッ ド 6からィ ンクの大量吸引が図られる。 これに続くステップ S 3 9においては、 サブタンク 7のインク量がオーバーフロー状態であるか否かが判定される。 すなわち、 この ステップ S 3 9は、 第 2 1図において説明したステップ S 1 3と同様である。 こ のステップ S 3 9において、 なおもオーバ一フロー状態である (Y e s ) と判定 された場合には、 何らかの障害によりサブタンク 7内がオーバ一フロー状態に陥 つているものと推定され、 この場合には、 メ ンテナンスが必要であることを示す エラー表示を表示手段 1 1 3に表示するようになされる。
一方、 前記ステップ S 3 9において、 オーバーフロー状態ではない (N o ) と 判定される場合においては、 前記ステップ S 3 3においてオーバ一フローと判定 した結果が、 偶発的に発生したィンク液面の誤検出であつたと推定することがで きる。 したがって、 この場合においてはステップ S 4 0に示すように圧力調整弁 (レリーフバルブ) 2 2を閉弁動作させると共に、 ステップ S 4 1に示すように 空気加圧ポンプ 2 1を駆動させてィンクカートリ ッジの加圧動作がなされる。 す なわち、 記録装置を印刷可能状態に復帰させてリターンされる。
なお、 前記ステップ S 3 9において、 オーバ一フロー状態ではない (N o ) と 判定された場合においては、 前記したように先の液面検出動作が振動等を受けて 誤検出したものと推定することができるので、 この場合においては、 前記表示手 段 1 1 3に、 例えば 「振動を与えないでください」 等の警告内容を表示するよう にしてもよい。
前記ステップ S 3 3に戻り、 このステップ S 3 3において、 インクがフル状態 であると判定された場合においては、 サブタンク 7に対するィンクの補給は不要 であり、 リターンされる。 また、 ステップ S 3 3において、 インクが口一状態で
あると判定された場合においては、 ステップ S 4 2に進みィンク消費量演算手段 を構成するィンク消費カウンタ 1 0 9のカウン卜アップ値を参照する。 そして、 サブタンクのインク消費量が " C h * " 以上であるか否かが検証される。
この " C h * " はパラメータとして設定された所定の値であり、 インク消費力 ゥンタ 1 0 9のカウントアップ値が、 前記所定の値に達していない (N o ) と判 定された場合には、 リターンされる。 また、 ィンク消費カウンタ 1 0 9のカウン トアップ値が、 前記所定の値に達した (Y e s ) と判定された場合には、 サブ夕 ンク 7へのィンクの補給を実行するルーチンに進む。
この実施の形態においては、 前記したようにステップ S 3 3における液面検出 の結果がローの状態であり、 且つ、 ィンク消費カウンタ 1 0 9のカウン卜アップ 値が所定の値以上に達した場合において、 サブタンク 7へのィンクの補給を開始 するようになされる。 この様な論理積の条件を付帯させることにより、 サブタン ク 7へのィンク補給のィンタ一バルを長くさせることができると共に、 サブ夕ン ク 7内のィンク貯留量の管理精度を高めることができる。
すなわち、 例えばステップ S 3 3における液面検出の結果のみで、 サブタンク 7へのィンクの補給を開始させるように構成した場合においては、 インクローの 状態でインクの補給が開始され、 ィンク補給が開始されるとわずかな時間経過で ィンクフルが検出されてィンクの補給が停止される。 さらにわずかな時間経過後 にはインクローの状態となるために、 インクの補給動作が常時頻繁に繰り返され ることになる。 したがって、 前記したようにインク口一の状態となり、 さらにサ ブタンク 7内のインクの消費量が所定値まで進んだことを検証した状態で、 初め てィンクの補給を開始させる操作をなすことで、 十分な時間間隔をもってインク の補給動作が繰り返されることになる。
一方、 例えばステップ S 4 2に示すィンク消費力ゥンタ 1 0 9のカウン トアツ プ値のみを利用して、 サブタンク 7へのィンクの補給を開始させるように構成し た場合においては、 図 1 6に示すインク消費量演算手段 1 0 7における演算処理 に多少の誤差が生ずることはやむおえず、 したがって、 インク消費カウンタ
1 0 9のリセッ 卜およびカウン トアップの繰り返しによって、 その誤差が累積 し、 サブタンク 7のインク量が除々に増大してオーバ一フロー状態に陥り、 最悪
の場合にはサブタンク 7よりィンクが漏出される結果を招く。 またはサブタンク 内のインクのレベルが除々に減少してサブタンク内を空状態にし、 記録へッ ドに 通ずるィンク流路に空気が入り込むという事態を招来させることもある。
前記したとおり、 ステップ S 4 2において、 " Y e s " と判定された場合に は、 サブタンク 7へのインクの補給を実行するルーチンに進む。 ステップ S 4 2 に続くステップ S 4 3においては、 ィンクの補給に基づくサブ夕ンクの液面を監 視するための液面検出操作がなされる。 この時点では、 液面検出結果は殆どにお いてローであり、 ステップ S 4 4において補給バルブ 2 6が開弁され、 メインタ ンク 9からサブ夕ンク Ίに対してィンクの補給が開始される。
ステップ S 4 5においては液面口—継続時間が、 設定時間に達したか否かが検 証される。 換言すれば、 ここではステップ S 4 4において補給バルブ 2 6が開弁 さた後の経過時間が図 1 6に示した計時手段 1 1 2によって計測される。 この時 点では、 前記設定時間時間には達しておらず、 N oと判定される。 したがって、 第 2 3図に示す (A ) のループを経由して再びステップ S 4 3に戻り、 サブタン ク 7へのインクの補給状態が監視される。 すなわち、 ステップ S 4 3からステツ プ S 4 5のインク補給ルーチンが繰り返えされる。 そして、 ステップ S 4 3にお いて、 サブタンク 7のィ ンク液面の状態がフル状態になったことが判定される と、 ステップ S 4 6に移行する。
ステップ S 4 6においては、 前記補給バルブ 2 6は閉弁される。 そして、 ステ ップ S 4 7に示されたようにサブタンク 7のィンク消費力ゥン夕 1 0 9がゼロリ セッ トされる。 また、 ステップ S 4 8においてィンク消費力ゥンタ (最新) を 力一 トリ ッジ残量カウンタから減算する操作が行われリターンされる。 この減算 操作は、 前記したように、 リセッ 卜される直前 (最新) におけるサブタンクのィ ンク消費カウンタ 1 0 9による計数値が、 前記メイ ンタンク 9の残量カウンタ 1 1 0に送られて、 メインタンクのィンク残量を示す計数値から、 サブタンクの インク消費カウンタ 1 0 9による計数値が減算される。 これによりメインタンク 9におけるィンクの残量を管理することができる。
一方、 前記したように (A ) のループを経由してサブタンク 7へのインクの補 給を監視している状態において、 オーバフロー状態が検出された場合において
は、 すでに説明したステップ S 3 5以降のルーチンに入り、 オーバフロー状態の 再検証が実行される。
前記したステップ S 4 5において、 液面口—継続時間が設定時間以上経過した
(Y e s ) と判定された場合には、 サブタンク 7へのインク補給時間が所定の設 定時間に至ってもインクが十分に補給されないことを意味する。 したがって、 ス' テツプ S 4 9に進みィンクカー 卜リ ッジのィンク残量が参照される。 この場合、 メイ ンタ ンク 9の残量カウ ンタ 1 1 0の値が参照され、 イ ンク口一である
(Y e s ) と判定されると、 インクカー トリ ッジ内のインクが不足していること になり、 ステップ S 5 0に示すように補給バルブ 2 6が閉弁される。 そして、 ス テツプ S 5 1に示すように補給停止フラグをセッ ト状態とする。 この場合、 前記 表示手段 1 1 3には、 インクカー トリ ッジがインクアウ ト (インクエン ド) 状態 であることを示すエラ一表示を行うことが望ましい。
また、 前記ステップ S 4 9において、 メインタンク 9の残量カウンタ 1 1 0の 値がインク口一ではない (N o ) と判定された場合には、 インク供給系が何らか の障害を受けてサブ夕ンクに対してィンクが補給されないものと見なすことがで きる。 この場合には、 前記表示手段 1 1 3にインクの供給不良を示すエラー表示 を行うことが望ましい。
第 2 4図は、 サブタンクのィンク量検出手段が所定値よりも多いィンクのォ一 バーフロー状態を検出した場合において、 記録へッ ドよりインクを消費させる操 作を実行した後に、 再度オーバーフロー状態であるか否かを検証するようにした 制御ルーチンを示したものである。 なお、 このルーチンはインクカー ト リ ッジと しての各メィンタンクとそれに対応する各サブタンク毎に独立して実行される。 そして、 この制御ルーチンは記録装置の印刷中において例えば 5秒毎に起動さ れ、 メインタンクからサブ夕ンクに対するィンク補給の可否判定がなされる。 この第 2 4図に示す制御ルーチンは、 前記した第 2 3図に示す制御ルーチンと 略同様な制御形態を有している。 したがって、 それぞれ対応するステップは同一 のステップ符号で示しており、 その詳細な説明は割愛する。 第 2 4図に示す制御 ルーチンにおいては、 ステップ S 3 3におけるサブタンクのィンク液面の判定に おいて、 オーバ一フローと判定された場合においては、 ステップ S 5 2に移行す
る。 そして、 ステップ S 5 2に示したように所定の印刷ページの終了まで印刷を 実行し、 この印刷の実行によって、 記録へッ ドよりインクを消費させる操作がな される。
この場合、 前記所定量の印刷の実行が、 印刷動作中における当該 1ページの印 刷を終了まで継続させるように制御することが現実的である力、'、 例えばホストコ ンピュータ側から印刷指令を受けた全てのページの印刷を終了まで継続させるよ うにしてもよい。 そして、 前記ステップ S 5 2の実行によりィンクを消費した状 態で、 ステップ S 4 3に移行し、 再びサブタンクのインク液面の状態が検証され る。 この再検証の結果、 なおもオーバ一フロー状態であることが検証された場合 には、 ステップ S 3 5以降のルーチンに入る。
なお、 第 2 4図に示した制御ルーチンにおいては、 第 2 3図に示したステップ S 3 8乃至ステップ S 4 1に示した再検証は実行しない。 これは、 ステップ S 5 3においてィンクの消費を実行した後に、 すでにステップ S 4 3において、 なおもオーバフロー状態であるか否かを再検証しているためである。
以上の説明で明らかなように、 サブタンクへのィンク補給量の検証方法を採用 したインクジ ッ ト式記録装置によると、 サブタンクのインク量検出手段が所定 値よりも多いィンクのオーバ一フロー状態を検出した場合においては、 回復処置 の実行後に、 インクのオーバ一フロー状態であるか否かを再検証するようになさ れる。 そして、 再検証の結果において、 オーバーフロー状態が解消された場合に は、 印刷可能状態を継続するようになされるので、 偶発的に発生する誤判定によ る記録装置の稼働停止を避けることができる。
以上説明した第 2図乃至第 2 4図に示す実施の形態は、 いずれも各メインタン クに対して空気加圧ポンプによる空気圧をが印加し、 各サブタンク内に貯留され たィンク量の検出状態に応じて、 各ィンク補給バルブを開閉弁制御するように構 成されており、 この形態は記録装置のィンク供給システムにおける好ましい一形 態として示したものである。 ' しかしながら、 本発明はこのような形態に拘泥されることはなく、 例えば第 2 5図に示したような形態も好適に採用することができる。 すなわち第 2 5図に 示された形態は、 インク供給システムを模式的に示したものであり、 これは既に
説明した第 2図に示すィンク供給システムと比較して説明することができる。 な お、 第 2 5図において、 第 2図に示す各部に相当する部分は同一符号で示してお り、 したがって当該部分の詳細な説明は省略する。
この第 2 5図に示すィンク供給システムにおいては、 メインタンク 9内にイン クを封入した可撓性素材により形成されたインクパック 2 4が収納されており、 このィンクノ、。ック 2 4に封入されたィンクはィンク補給制御手段としてのィンク 送出用ポンプ 3 8の駆動によって送り出され、 ィンク補給路としての可撓性チ ュ一ブ 1 0を介してサブタンク 7に補給されるように構成されている。
そして、 インク送出用ポンプ 3 8は、 サブタンク 7に配置されたフロート上の 永久磁石 3 2とホール素子 3 3 a , 3 3 bの組み合わせからなるィンク量検出手 段による検出状況に応じて、 適宜駆動されるように構成されている。
この構成によると、 ホール素子 3 3 a , 3 3 bにより得られる電気的出力によ つて、 サブタンク 7内のインク量が低下したことが認識されると、 当該サブタン クに対応するインク送出用ポンプ 3 8が駆動され、 これによつて、 メインタンク からサブタンクに対してインクが個別に補給されるようになされる。
そして、 当該サブタンク 7内におけるィンク量が所定の容量に達した場合に は、 前記したホール素子 3 3 a , 3 3 bの電気的出力に基づいて、 ィンク送出用 ポンプ 3 8の駆動が停止される。 このような繰り返しにより、 メインタンクから サブタンクに対して断続的にィンクが補給されるように作用し、 各サブタンクに は、 常にほぼ一定のィンクが貯留されるようになされる。
この構成によると、 第 2図乃至第 2 4図に示す実施の形態のように、 加圧ュニ ッ トを構成する空気加圧ポンプによる空気圧を各メインタンクに印加する構成は 不要となり、 ィンク供給システムの構成をある程度簡素化することができる。 そして、 第 2 5図に示したインク供給システムにおいても、 記録装置の動作電 源がオフ操作された場合には、 当然ながらインク送出用ポンプ 3 8の駆動も停止 状態とされ、 インクの流通が阻止される。 これにより、 各サブタンク 7から各メ ィンタンク 9に対してィンクが逆流するという問題を回避させることができる。 また、 第 2 5図に示すインク供給システムにおいても、 前記した各サブタンクに おけるソフ ト的なインク消費量演算手段を併用することができる。
次に、 第 3の実施形態について、 第 2 6図及び第 2 7図に基づいて説明する。 なお、 第 2図乃至第 2 5図に示した部材と同一部材あるいは相当部材は、 同一符 号を符し、 その説明を省略する。 この実施形態にあっては、 ポンプ制御手段によ り、 記録へッ ドで消費されるインク消費量に一致する量のインクをサブタンクュ 二ッ 卜に補給するようにしたので、 液面検出手段などの構造の複雑化を招くこと なくサブタンクュニッ トのインクレベルを印刷に最適な状態に高い精度で維持す ることができるようになしたものである。
第 2 6図は、 第 3の実施形態を示すブロック図であって、 サブタンクュニッ ト 7は上部に大気連通口 Ί e及びィンク供給口 1 0 aを備えた容器として構成さ れ、 その容器の内部にはインク液面を検出するフロー ト部材 3 1が設けられてい る。 フロート部材 3 1には磁性体 3 2が、 またインクレベルの上限及び下限に対 向する位置には磁性体 3 2を検出するセンサーとしての磁電変換素子 3 3 a、 3 3 bが配置されている。
インクカートリ ッジ 9は、 この実施例においては密封可能なハ一ドケースにィ ンクノ、°ック 2 4を収容し、 ハードケースとィンクノ、°ック 2 4との空間にはポンプ 手段 1 ? 0が接続されていて、 ィンクノ、。ック 2 4をエアにより加圧してィンクを 排出するように構成されている。
ポンプ制御手段 1 2 1は、 センサ一としての磁電変換素子 3 3 a、 3 3 bから の信号によりサブタンクュニッ トのィンクレベルが少なくとも下限値より上で、 かつ上限値よりも下となるように流量制御するとともに、 へッ ド駆動手段 1 0 1 によりインク滴の吐出形態に対応してポンプ 7を駆動するように構成されてい る。
この実施例において、 サブタンクュニッ ト 7にインクが補充されていない状態 では、 ポンプ制御手段 1 2 1はセンサ一としての磁電変換素子 3 3 a、 3 3 bか らの信号によりエアポンプ 1 2 0を駆動してィンクカートリッジ 9のィンクをサ ブタンク 7に規定のレベルまで補給する。
図示しないホス卜から印刷信号が入力すると、 印刷制御手段 1 0 0はへッ ド駆 動手段 1 0 1を制御して記録へッ ド 6により印刷を実行する。 ボンプ制御手段 1 2 1はへッ ド駆動手段 2 1からの信号により記録へッ ド 3で消費されるインク
量を検出しながらエアポンプ 1 2 0の排気量を調節してィンク力一卜リ ッジ 6か らのインク流出量を印刷でのィンク消費量に一致するように排出させる。
これにより、 ィンク量の消費が少ないテキス卜の印刷時には小さな流量でィン クカートリッジ 9のィンクがサブ夕ンク 7に流れ込み、 またィンクの消費が多い グラフィック印刷などにおいては大きな流量でィンクカートリ ッジ 9のインクが サブタンク 7に流れ込むことになるから、 サブタンクのインクレベルは常に最適 な状態に維持される。
このように記録へッ ド 6でのィンクの消費量に見合うィンク量をィンクカー卜 リッジからサブタンクュニッ 卜 7に補給するため、 フロート等の液面検出手段の ヒステリシスゃ不感帯の影響を受けることなく、 サブタンクュニッ 卜のィンクレ ベルを常に最適な状態に維持することができる。
なお上述の実施例においては、 ィンクパック 2 4をエアにより加圧してサブ夕 ンク 7にインクを補給するようにしているが、 第 2 7図に示したようにインク供 給チューブ 1 0の途中に送液ポンプ 1 2 2を接続し、 このポンプ 1 2 2の流量を 制御するようにしても同様の作用を奏する。
また、 前記. 3実施形態について、 センサ—としての磁電変換素子 3 3 a、 3 3 bと判定手段を用いた、 サブ夕ンク 7内のィンクのレベルを適正に維持する ことができるインク補給方法を第 2 8図に基づいて説明する。
前記センサーとして磁電変換素子 3 3 a、 3 3 bは、 第 2 8図に示したように サブタンク 7のインクが規定のレベル L 0 を上下に挟み、 かつ指標体としての永 久磁石 3 2の磁界を所定の範囲、 つまりインクレベルを維持すべき範囲 Aで同時 に検出できるように Δ Η 1 + Δ Η 2をあけて配置されている。
これにより、 フロー ト部材 3 1が規定のレベル L 0に対応する位置よりも Δ A 1以上降下した場合には、 指標体 3 2の磁界が上方に位置する磁気センサー 3 3 aに作用しなくなり、 ィンクのレベルが注入を要する液量まで減少したこ と、 またフロート部材 3 1が規定のレベル L 0に対応する位置よりも Δ Α 2より も上昇した場合には指標体 3 2の磁界が下方に位置する磁気センサー 3 3 bに作 用しなくなり、 ィンクのレベルが注入を停止すべき液量に達したことが検出でき る。
つまり、 インクのレベルを適正に維持すべき範囲 Δ A 1 +△ A 2では、 指標体 3 2の磁界が 2つの磁気センサー 3 3 a、 3 3 bに同時に作用するように指標体 3 2の磁束分布や、 磁気センサ— 3 3 a、 3 3 bの感度、 これらの相互の配置の 間隔 Δ Η 1 + Δ Η 2が調整されている。
なお、 イ ンク レベルを維持すべき範囲 Δ A 1 + Δ A 2は、 磁気センサ一 3 3 a、 3 3 bの間隔を拡げると狭くなり、 また縮小すると広くなる。 また指標 体 3 2として上下方向の磁束分布の大きなものを使用すると、 維持すべき範囲 Δ A 1 +△ A 2を拡大することができる。
また、 フロー ト部材 3 1の上面には、 イ ンク レベルの上昇に関わりなく、 フ 口—ト部材 3 1の上限位置を規定する突起 3 l a (第 2 6図、 第 2 7図参照) が 形成されていて、 サブタンク 7の上面に当接してフロート部材 3 1の上昇位置を 制限されるように構成されていて、 フロート部材 3 1が磁気センサ一 3 3 aの検 出範囲外に移動するのを防止されている。
なお、 この実施例では、 フロート部材 3 1に上限規制用の突起 3 1 aを形成し ているが、 サブタンク側に突起を形成しても同様の作用を奏する。
磁気センサー 3 3 a、 3 3 bからの信号を受ける判定回路 1 2 3は、 第 1、 第 2の磁気センサー 3 3 a、 3 3 bが共に L信号を出力した場合には (なお、 この 実施例では L信号とは磁束を検出していない状態を、 また H信号とは磁束を検出 している状態を意味する) 、 インクが過少であるとして第 1のエラ一信号を出力 する。
また、 下方に位置する第 1の磁気センサ一 3 3 bからだけ H信号が出力した場 合には注入開始信号を出力する。
更に、 第 1、 第 2の磁気センサー 3 3 a、 3 3 bから共に H信号が出力した場 合には液量が適正に維持されているから注入停止信号を出力する。
更にまた、 上方に位置する第 2の磁気センサ一 3 3 aからだけ H信号が出力し た場合には過剰供給であるとして第 2のエラ一信号を出力する。
そして、 判定手段 1 2 3からの第 1のエラ—信号は、 警報手段 1 2 4に、 注入 開始信号、 及び注入停止信号はポンプ駆動手段 1 2 1に、 さらに第 2のエラ一信 号は強制停止手段 1 2 5、 この実施例ではポンプ 1 2 0 ( 1 2 2 ) に駆動電力を
供給するスィツチに出力される。
このように制御されることにより、 ィンク供給ュニッ ト 3のインク レベルを規 定のレベル L 0挟む— Δ A 1、 + Δ Α 2の範囲に維持して、 記録へッ ド 4に印刷 に適した水頭差でィンクを供給することができる。
ところで、 インクの補給に際して判定手段 1 2 3から注入停止信号が出力した にも関わらず、 ポンプ駆動手段 1 0 5の不都合によりポンプ 1 2 0 ( 1 2 2 ) の 作動が継続すると、 フロート部材 3 1が突起 3 1 aに規定される上死点まで上昇 する (IV) 。 この状態では、 第 1の磁気センサー 3 3 bから L信号が、 また第 2. の磁気センサ一 3 3 aから H信号が出力するので、 判定手段 1 2 3は第 2のェ ラー信号を強制停止手段 1 2 5に出力して、 ポンプ 1 2 0 ( 1 2 2 ) への作動電 力を断ってィンクの注入を強制的に停止させ、 オーバフローを防止する。
このようにィンクが規定よりも多く注入された場合にあっても、 フロート部材 3 1は、 突起 3 1 aにより一定の上限位置に留められるため、 第 2の磁気セン サー 3 3 aには指標体 3 2の磁界が作用し、 インクが過少となつた状態と区別す ることができる。 つまりフロー ト部材 3 1の上限位置が規制されていない場合に は、 指標体 3 2が第 2の磁気センサー 3 3 aに磁界を作用させることができない 位置まで移動してしまい、 前述の過少となつた状態と区別することができなくな る。
以上説明したように、 サブタンク内に磁性体からなる指標体を備え、 かつその 上限位置が規制されたフロー ト部材が収容され、 またインク供給手段の外部で、 かつ指標体の磁束を同時に受けることができる領域にィンクの規定レベルを上下 に挟むように少なくとも 2個の磁気センサーが配置され、 磁気センサーの信号に より少なくとも 3種類のィンクレベルを検出するようにしたので、 可及的に少な いセンサ一によりィンク供給ュニッ トのィンク量を所定の幅ばかりでなく、 限界 量をまでをも検出して、 高い精度でインクを補給することができる。
また、 インクジヱッ ト式記録装置にあっては、 サブタンク内にインクが充填さ れた状態で時間が経過すると、 サブタンク内のィンクの溶存空気量が増加して飽 和してじまう。 このように、 サブタンク内のインクが飽和した状態で印刷を開始 すると、 記録へッ ド内で十分に負圧が加わらずに吐出状態が不安定になったり、
クリ一二ングの際に泡立ちが生じてクリ一二ングが不十分になったりしやすいと いう問題があった。
次に、 かかる問題を解決した実施形態について説明する。 インクジ Xッ ト式記 録装置は、 図 2 9に示すように、 ホストからの印刷信号に基づいてビッ トマップ データを作成する印刷制御手段 1 0 0と、 モータ 1 3 1を制御してキヤリッジ 1 を主走査方向に移動制御するキヤリ ッジ制御手段 1 3 0と、 上記印刷制御手段 1 0 0からの信号に基づいて圧電振動子を駆動して記録へッ ド 6からインク滴を 吐出させるへッ ド駆動手段 1 0 1とを備えている。
また、 上記記録装置には、 装置の電源オフ等で始動して次回の電源オンまでの 装置の休止時間を計測するタイマ 1 3 3と、 上記タイマ 1 3 3で計測された休止 時間が一定以上に達していれば、 サブタンク 7内のィンクを排出してメインタン ク 9のフレッシュなインクを充填する再充填 (再補給) 制御手段 1 3 2とを備え ている。
そして、 上記サブタンク 7には、 上記再充填制御手段 1 3 2からの指示により 開閉する排出弁 1 3 5が設けられた排出路 1 3 4が連通している。 一方、 メイン タンク 9には、 上記再充填制御手段 1 3 2からの指示により、 メ イ ンタンク 9内 を加圧してィンクノ、°ック 2 4を加圧し、 ィンクノ、°ック 2 4 4内のィンクをサブ夕 ンク 7内に充填 (補給) する、 空気加圧ポンプ 2 1、 圧力調整弁 2 2、 圧力検出 器 2 3からなるパック加圧手段 1 3 6が設けられている。
ここで、 サブタンク 7内のインクは、 装置がオフになってからの休止時間が長 くなるにつれて溶存空気量が増加し、 やがて飽和する。 このように溶存空気が飽 和したインクで印刷を行うと、 前記したように、 クリーニングや吐出が不安定に なりやすい。
したがって、 再充填 (再補給) をするか否かの設定時間は、 サブタンク 7内の ィンクの飽和度が一定以上に達する時間に設定し、 休止状態の装置をオンにした ときに、 休止時間が前記時間を超えていればサブタンク 7内のィンクの飽和度が 高くなっているため、 排出してフレツシュなィンクと入れ換えてから印刷するこ とが行われる。 一方、 休止時間が前記時間に達していなければ、 クリーニングや 吐出はある程度安定しているため、 再充填 (再補給) は行わず、 そのまま印刷を
実行する。
上記構成の記録装置は、 例えば、 つぎのようにして用いることができる。 ま ず、 休止状態の装置の電源をオンにすると、 タイマ 1 3 3が、 前回に電源オフと なつてから今回電源をオンするまでの休止時間を計測する。 ついで、 上記タイマ 1 3 3で計測された休止時間が所定時間に達していれば、 再充填制御手段 1 3 2 の指示により、 排出弁 1 3 5を開弁し、 サブタンク 7内に残留しているィンクを 排出したのち、 パック加圧手段 1 3 6によりメインタンク 9内を加圧し、 インク ノ、。ック 2 4を加圧してィンクノ、°ック 2 4内のィ ンクをサブ夕ンク 7内に充填す る。 そして、 サブタンク 7内をフレッシュなインクで満たしてから印刷を実行す る。 一方、 上記タイマ 1 3 3で計測された休止時間が一定時間を超えていなけれ ば、 そのまま印刷をスタートする。
このように、 装置の休止中にサブタンク 7内のインクが飽和しても、 使用を再 開する際に飽和したィンクを排出してフレッシュなインクと交換するため、 サブ タンク 7内のィンク劣化に起因するクリ一二ングゃ吐出の不安定化が防止され る。 また、 休止時間が短くてそれほど劣化していないインクを排出しないですむ ため、 インクの無駄な消費を低減することができる。
なお、 上記実施の形態において、 装置が休止状態に入る前に、 サブタンク 7内 をインクで満たすようにしてもよい。 このようにすることにより、 サブタンク 7 内のィンクの溶存空気が飽和に達するまでの時間を最大まで長くできるため、 上 記所定時間もそれだけ長く設定でき、 休止時間がそれほど長くない間はサブタン ク 7内のィンクを交換しなくても使用を再開できてインクの無駄な消費を低減す ることができる。
また、 図 2 9に示すように、 サブタンク 7内のインクの残量を検知する、 永久 磁石 3 2、 ホール素子 3 3からなる残量センサ 1 3 7を設けることがより好まし く、 図 3 0に示すように、 サブタンク 7内のインクの残量が少ないほど、 再充填 する時間 Xが短くなるようにタイマ 1 3 3が設定されている。 この例では、 イン クの残量が 1 / 3までは再充填する時間 Xを 1週間とし、 インクの残量が 1 / 3 〜2 / 3までは再充填する時間 Xを 2週間とし、 ィンクの残量が 2 / 3〜満タン までは再充填する時間 Xを 3週間としている。
この記録装置にあっては、 飽和したインクは確実に排出し、 それほど劣化して いないインクを排出しないですむため、 ィンクの使用効率を向上させることがで きる。 なお、 図 2 9に示した装置を用い、 図 3 1に示すように、 休止状態の装置 を使用再開する際に、 サブタンク 7内のインクを一部残して排出し、 フレッシュ なインクを充填するようにしても良い。 この例では、 サブタンク 7の容量の 1 / 3までィンクを排出し、 その 1 / 3のインクを残したままフレッシュなインクを 充填する。
この記録装置にあっては、 サブタンク 7内に飽和したィンクがある程度残って いても、 フレツシュなィンクと混合されることにより、 全体として一定の安定性 が確保できるまで飽和度を下げることができることから、 それだけィンクの消費 を低減することができる。