WO1999062447A1

WO1999062447A1 - Culotte jetable et procede permettant de la produire en continu

Info

Publication number: WO1999062447A1
Application number: PCT/JP1998/002402
Authority: WO
Inventors: Kenichi Uchimoto; Iwao Matsuura
Original assignee: Toyo Eizai Kabushiki Kaisha
Priority date: 1998-05-29
Filing date: 1998-05-29
Publication date: 1999-12-09
Also published as: CN1270681C; US20020035355A1; DE69838982T2; DE69838982D1; EP1013251A1; CN1265017A; US6369291B1; EP1013251B1; EP1013251A4; ES2299207T3

Description

明細書

使い捨てパンツおよびその連続製造方法技術分野

本発明は、ウェスト用開口と 1対の脚部開口を有すると共に、左右側部が予め接合された形状の使い捨てのパンツに関し、保形性が良好で、しかも容易に製造することのできる吸収体を備えた使い捨てパンツおよびその連続製造方法に関するものである。背景技術

現在市販されている使い捨てパンツは、着用者が使い捨てパンツを着用した状態で歩いたり運動することを前提に構成されているので、使い捨てパンツの吸収体は、高い保形性能が要求される。

このため従来の技術では、吸収体に、パルプ繊維と吸水性樹脂粒子の他に、保形用素材として熱可塑性樹脂を繊維状や粒子状で混入する手段が採用されている。すなわち、このような吸収体を加熱処理すると、この熱可塑性材料が溶融してパルプ繊維や吸水性樹脂粒子に付着するので、加熱処理後にはパルプ繊維同士ゃパルプ繊維と吸水性樹脂粒子が互いに接着して、吸収体の保形性が高まることとなる。また、この熱可塑性樹脂の導入と加熱圧着処理によって、ふわふわして嵩高い吸収体を薄く維持できるという効果も得ることができる。

しかし、上記熱可塑性樹脂の繊維や粒子等が、吸収体中で均一に分散されずに何力所かに集中したような不均一な分散状態となると、熱可塑性樹脂の集中した部分が尿の拡散や浸透を阻害したり、吸水性樹脂粒子の吸水による膨潤を妨げて排泄液の吸収速度を低減させてしまう、という問題があつた。

また、上記吸収体を製造するに当たっては、積繊されて得られた吸収体を加熱処理するためのオーブンを用意する必要がある。このオーブンとしては、熱風循環炉が一般的に採用されている。しかし、 1 O mm前後の厚さに積繊された吸収体の内部まで熱風を到達させるのは難しく、吸収体表面のパルプ繊維を焦がさずに（つまり過度に高温にせずに）、吸収体内部を熱可塑性樹脂の溶融温度に達するまで加熱するためには、吸収体のオーブン内通過時間を長くしなければならない。オーブンの通過時間を長くするには、オーブン自体を大きくする手段も採用できるが、設備が大規模になりコスト的に無駄なので、結局、オーブン内での吸収体の通過速度を遅くせざるを得ない。このため、使い捨てパンツの製造ライン全体の速度も遅いものとなり、製造効率を高めることができなかった。

一方、従来の使い捨てパンツは不織布等で形成されており、ウェスト用開口と 1対の脚部開口の周囲近傍に、糸状 ·帯状の弾性部材（天然ゴムやポリウレタン、ポリオレフインエラストマ一製等）が添設されているが、これら開口の周囲にだけ伸縮ギャザーが形成されていても、着用者への密着性は不充分である。特に、嵩高い大きな吸収体を備えた使い捨てパンツでは、下腹部や臀部が着用者の身体に密着せず、外側に膨らんだ状態となるので、例えば、軽度失禁者が使い捨てパンッを着用し、その後に通常の衣類（ズボンやスカート）を着たときに腰回りが膨れて、外観上好ましくない。また、着用者の心理を考慮すると、使い捨てパンッを着用していることが他人に分からないような形状の使い捨てパンツへの改善が要求されるのは当然のことである。しかし、他人にわからないように、小さな吸収パッドを使用すると、尿漏れを起こすことがあり、実際に尿漏れを起こさなくても、尿漏れするのではないかという不安感から、外出を控えることにもつながっていた。

本発明の第 1の目的は、熱可塑性樹脂繊維や粒子をパルプ繊維と混合して加熱処理を行う手段を採用せずに、保形性の良好な吸収体構造の使い捨てパンツを高速で製造することである。第 2の目的は、着用者に密着し、着用していることが目立たない外観の使い捨てパンツを提供することである。発明の開示

本発明は、

1つのウェスト用開口と 1対の脚用開口を有し、これらの開口の周縁近傍に弾性部材が添設されると共に、左右両側部が接合されている使い捨てパンツにおいて、

使い捨てパンツは、外側シートと内側吸収部材とを備え、

この外側シートは、ウェスト用弾性部材と脚用弾性部材とが添設されていると共に、これらウェスト用弾性部材と脚用弾性部材との間に、ウェスト用弾性部材と平行の複数本の糸状弾性体からなるフィット用弹性部材が添設されており、内側吸収部材は、透液性トップシ一トと不透液性バックシ一トと両シートの間に収容された吸収体とを備え、

吸収体は、パルプ繊維と吸水性樹脂粒子の混合体からなる上層と、第 1不織布を備えた中間層と、パルプ繊維と吸水性樹脂粒子の混合体からなる下層とを備え、中間層と上 ·下層とは接着剤によって接着されている、

ことを特徵とするものである。

フィット用弹性部材の存在によって着用者への密着性および着用後の外観が、非常に良好となる。また吸収体を中間層として不織布を有し、上 ·下の吸収層がこの中間層不織布に接着剤によって接着されているので、良好な保形性を示すと共に、加熱処理が不要となり、製造速度を速めることができる。

また、本発明の使い捨てパンツの連続製造方法は、

連続する外側シートに、ウェス卜用弾性部材と脚用弾性部材とフィット用弹性部材とを添設する工程と、

パルプ繊維と吸水性樹脂粒子の混合体からなる上層と、パルプ繊維と吸水性樹脂粒子の混合体からなる下層とを、中間層第 1不織布の上下に接着剤によって接着することによって吸収体を製造する工程と、

上記吸収体を用いて内側吸収部材を製造する工程と、

各弾性部材が添設された前記連続する外側シート上に、所定間隔で内側吸収部材を接合して積層体を形成する工程と、

上記積層体を内側吸収部材を内側にして 2つ折りする工程と、

2つ折りされた積層体に、脚用開口部用の切除部を設ける工程と、

2つ折りされた積層体の両側部を接合する工程と、

両側部が接合された積層体を所定間隔で切り離して個々の使い捨てパンツとする工程

とを備えているものである。図面の簡単な説明

図 1は本発明の使い捨てパンツの正面図である。

図 2は図 1に示す使い捨てパンツの一部破断展開平面図である。

図 3は内側吸収部材の実施態様を示す断面図である。

図 4は接着剤の塗布状態を示す平面図である。

図 5は吸収体の平面図である。

図 6は使い捨てパンツの長手方向断面図である。

図 7は本発明の他の実施態様を示す正面図である。

図 8は脚用弾性部材の添設状態を示す平面図である。

図 9は本発明の製造方法を示す斜視図である。図 1 0は本発明の製造方法を示す平面図である。発明を実施するための最良の形態

図 1から図 8によって、本発明の使い捨てパンツの実施態様を詳述する。図 1 に示すように使い捨てパンツ 1の外形は、外側シート 2によって形成されていて、上部にウェスト用開口 3を有すると共に、 1対の脚用開口 4、 4を有するいわゆるパンツ形となっている。また、パンツ 1の前側と後ろ側は、左右の接合部 5、 5により接合されている。ウェスト用開口 3の周縁近傍および脚用開口 4、 4の周縁近傍には、弾性部材として複数本の糸状弾性体（ポリウレタン、ポリオレフインエラストマ一、ゴム等からなるもの）が、ウェスト用弾性部材 5 3および脚用弾性部材 5 4、 5 4として添設されており、これらはそれぞれウェスト用伸縮ギャザーおよび脚用伸縮ギャザーを形成する。ウェスト用弾性部材 5 3と、脚用弾性部材 5 4、 5 4との間には、パンツ全周にわたって、ウェスト用弾性部材と平行の複数本の糸状弾性体がフィット用弾性部材 5 5として添設されている。このフィット用弾性部材 5 5の存在によって、パンツ 1の着用者の下腹部や臀部への密着性を高めることができる。

パンツ 1の内側には、内側吸収部材 6が取り付けられている。内側吸収部材 6 の内部には、吸収体 7が収容されており、着用者の尿や軟便等の排泄液を吸収する。フィット用弾性部材 5 5の下端 5 5 eは、吸収体 7の長手方向端縁 7 eよりもウェスト用開口端 3 e側になるように、フィット用弾性部材 5 5と吸収体 7との配設位置を調整することが好ましい。両者の配設位置が重なると、吸収体 7が比較的固いので、フィット用弾性部材の伸縮力が阻害されることがある。また、嵩高い吸収体 7の配設位置を、排泄液吸収のために必要な股下近傍に限定することによって、パンツ着用後に膨らみがちな下腹部や臀部のパンツの厚みを低減させることができ、パンツの着用が目立たないようにすることができる。

図 2には、図 1の使い捨てパンツの展開図を示した。パンツ 1は、実質的には、外側シート 2と内側吸収部材 6から構成されている。外側シート 2の中央部に内側吸収部材 6を接合し、パンツの後ろに相当する外側シート 2の B部の両側の接合代 5 a、 5 aと、パンツの前に相当する外側シート 2の F部の両側の接合代 5 b、 5 bとを重ねて接合することによって、図 1に示したようなパンツ形状となる。外側シート 2は、最外層不織布 2 1と内層不織布 2 2とによって形成されている。図 2の例においては、外側シート 2の最外層不織布 2 1がウェスト部端縁 3 eにおいて内層不織布 2 2よりも長く延出されていて、この延出部が内層不織布 2 2の上に折返された折返し部 2 1 aを設けた構成となっている。そして、この折返し部 2 1 aと内層不織布 2 2との間にウェスト用弾性部材 5 3が伸長状態で間欠的に接合されている。また、最外層不織布 2 1と内層不織布 2 2との間には、フィット用弾性部材 5 5および脚用弾性部材 5 4も添設されている。なお、ウェスト用弾性部材 5 3を最外層不織布 2 1と内層不織布 2 2との間に添設する構成を採用することもでき、この場合は折返し部 2 1 aを設けても、設けなくてもいずれでもよい。

最外層不織布 2 1や内層不織布 2 2には、セルロース、レーヨン、アセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、アクリル等からなる不織布（以下、不織布というときは、いずれもこれらの不織布をいう）が好ましく使用でき、撥水処理を施したものを用いてもよい。各弾性部材の各不織布への接合は、ホットメルト接着剤を使用するのが簡便である。

内側吸収部材 6は、最も下側の不透液性バックシート 6 1と、吸収体 7および着用者の肌に当接する透液性トップシ一ト 6 2を備えている。不透液性バックシ —ト 6 1を吸収体 7の左右に延出させて、図 2の斜線部 6 1 aとして示すようにトップシート 6 2の上面に折返す構成を採用してもよい。吸収体 7の両横から尿が漏れるのを防ぐことができる。

図 3には、内側吸収部材 6の好ましい実施態様を幅方向断面図で示した。内側吸収部材 6の中の吸収体 7は、上層 7 1と下層 7 2および第 1不織布からなる中間層 7 3を必須的に備えている。上層 7 1および下層 7 2は、パルプ繊維と吸水性樹脂粒子との混合体である。吸水性樹脂粒子は、吸収体全体（上層および下層の合計）重量の 1 0〜 6 5重量％程度であれば、排泄液の吸収が速やかに行えるため好ましい。

図 3の例においては、下層 7 2の下側で不透液性バックシート 6 1の上側に、第 2不織布 7 5が設けられ、また上層 7 1の上側でトップシート 6 2の下側には、薄葉紙 7 4が設けられている。薄葉紙 7 4と上層 7 1、上層 7 1と第 1不織布 7 3、第 1不織布 7 3と下層 7 2、下層 7 2と第 2不織布は、それぞれホットメルト接着剤等で接合されており、全体として吸収体 7を構成している。

上層 7 1と第 1不織布 7 3、第 1不織布 7 3と下層 7 2との接着は、第 1不織布 7 3にホットメルト接着剤を塗布することにより行われるが、ホッ卜メルト接着剤が固化する前にこれらを接合することが好ましい。第 1不織布の厚み方向に浸透したホットメルト接着剤を通じて、上層 7 1と下層 7 2とが接着するからである。本発明の吸収体 7は、このように、第 1不織布を介して上 ·下層が強固に接合されているので、第 1不織布が芯材として働き、保形性に優れたものとなる。また、ホットメルト接着剤が、上層あるいは下層に浸透して、パルプ繊維同士やパルプ繊維と吸水性樹脂粒子を接合するので、このことも保形性の向上に効果的である。従って、本発明の構成の吸収体を使用すれば、熱可塑性樹脂の繊維を吸収体の中に混入させる必要がなく、吸収体を加熱処理する必要もない。

また、図 3のように、第 2不織布 7 5を下層 7 2の周囲から外側に延出させてこれを下層 7 2の上に折返したり、薄葉紙 7 4を上層 7 1の両横に折り曲げて接合することにより、吸収体 7の保形性はより一層向上する。薄葉紙や第 2不織布は、上層や下層を製造するラインで、それぞれ上層 ·下層を包み込む材料としても使用できるので、製造ラインでパルプ繊維や吸水性樹脂粒子が職場環境中へ散乱するのを防ぐためにも有用である。

上層 7 1、下層 7 2、中間層第 1不織布 7 3、薄葉紙 7 4、第 2不織布 7 5をホットメルト接着剤でそれぞれ接合する際には、吸収体 7の尿や軟便等の排泄液の吸収を妨げないように、ホットメルト接着剤の非塗布部分を設ける必要がある。特に、中間層第 1不織布 7 3には非塗布部分を設けなければ、下層 7 2へ排泄液が浸透しないため好ましくない。非塗布部分を設けるには、ホットメルト接着剤の塗布部分を、図 4 ( a ) 、（b ) 、 ( c ) に示すように、螺旋状、網状、不規則線状等の線状体の集合体とする方法を採用することができる。溶融したホットメルト接着剤を、ノズルコーティング法、スプレーコーティング法等で塗布することにより、塗布部分を線状態の集合体とするのが容易だからである。なお、筋状や点状に塗布するものであっても構わない。

吸収体 7は、図 5に示すように上層 7 1を、その長手方向中央部の左右にくびれ 4 7、 4 7を有する略砂時計形状とし、脚用開口（図 1の符号 4 ) の脚用弾性部材 5 4 (図 1 ) の伸縮性を阻害しないようにする。下層 7 2は上層 7 1と同一形状でもよいが、上層 7 1よりも幅方向において若干小さい長方形状とすることが好ましい。排泄液は、ほとんどが上層 7 1に吸収されてしまうので、下層 7 2 は、大量の尿を吸収する必要が生じた場合の補助吸収部材として設ければよく、上層 7 1よりも小さくすることができるのである。下層 7 2を小さくすれば、股下部のパンツの膨らみが減少するので、着用後に外観上目立ちにくくなると共に、脚用ギャザーの伸縮性の阻害を防ぐこともできる。人間の脚は、普通は、脚の付け根そのものより、付け根近傍の太股部分の方が太いので、下層 7 2を小さくする方が、着用者の運動（太股同士の摺り合わせ）による吸収体のよれやねじれが少なくなり、保形性が向上する。

上記構成の吸収体 7は、図 3のように、不透液性バックシート 6 1と透液性トップシート 6 2に挟まれて、適当に接合される。もちろんトップシート 6 2と薄葉紙 7 4 (薄葉紙を設けない場合は上層 7 1 ) を接着する際には、透水性を阻害しないように接着する。ゾックシート 6 1がトップシート 6 2の上面に折返されている折返し部 6 1 aの上面には、立上がりギャザー 8 1の下端部を接合しておくとよい。立ち上がりギャザー 8 1の先端部に糸状弾性体 8 2を添設することにより、着用者の肌へ向かって立ち上がるので、尿を堰き止める効果を発揮する。図 6は、ウェスト用開口端近傍の好ましい実施態様を示すパンツの長手方向断面図である。最外層不織布 2 1は、図 2にも示したように、ウェスト用開口端において内層不織布 2 2側に折返されて折返し部 2 1 aを形成している。そしてこの折返し部 2 1 aと内層不織布 2 2の間にウェスト用弾性部材 5 3が添設されている。フィット用弾性部材 5 5は、フィット用弾性部材の下端 5 5 eが内側吸収部材 6の中の吸収体 7の長手方向端縁 7 eよりもウェスト用開口端側（図中上側）に位置するように、最外層不織布 2 1と内層不織布 2 2の間に添設されている。図 6の例では、折返し部 2 1 aの下側から内側吸収部材 6の上端部にかけて、別体の不織布 2 3が設けられている。この不織布 2 3は必要により設けられるが、疎水性繊維製の不織布を用いるか、撥水処理を施しておくことにより不透液性にしておけば、内側吸収部材 6が存在しない部分へ尿が浸透していくのを防ぐことができる。

これまでの例では、すべて、フイツ卜用弾性部材 5 5の下端 5 5 eが内側吸収部材 6の中の吸収体 7の長手方向端縁 7 eよりもウェスト用開口端側に位置するように、すなわち、フィット用弾性部材と吸収体とが重ならないように両者の配設位置を調整した例を示したが、フイツト用弾性部材 5 5と吸収体 7はその配設位置が重なってもよい。

例えば、図 7には、内側吸収部材 6および吸収体 7が図 1に比べて長く構成されているパンツの例を示した。なお、図 1に示した構成要素と同じものは、図 7 では省略している。図 7のフィット用弾性部材 5 5 (フィット用弾性部材は、上端 5 5 u eと下端 5 5 eの間に十数本添設されているが、図では省略されている。）と吸収体 7が重なる部分が生じている（斜線で示した領域 X) 。吸収体 7 は不織布に比べると固いため、領域 Xにフィット用弾性部材の伸縮性を作用させても、パンツの密着性向上に効果がない上に、吸収体 7のよれを誘発する可能性がある。しかし、製造上、吸収体に重なる部分のフィット用弾性部材のみを切断する工程は複雑なことから、この領域 Xにおいては、フィット用弾性部材 5 5を外側シ一ト 2に非伸長状態で接合することが好ましい。この構成を採用すれば、製造ラインでフイツト用弾性部材 5 5を切断せずに連続的に添設することができ、しかも、パンツとして着用する際には、吸収体 7に対する悪影響がなくなる。フィット用弾性部材は、吸収体に重なる場合、重ならない場合いずれにおいても、パンツの前側と、後ろ側においてその伸長力を変えてもかまわない。臀部が大きい着用者が多い大型サイズのパンツの場合には、後ろ側の伸長力を前側に比ベて弱めても密着性を確保することができるので、臀部を無理に締め付けないようにできる。また、やせた人には臀部が小さい人が多いので、小さいサイズのパンッでは、前側と後ろ側の伸長力を同程度にしておくことが好ましい。さらに、フィット用弾性部材の配設位置（上下位置）を、パンツ前側と後ろ側で異なるように構成することも可能である。

図 8は、本発明における脚用弾性部材 5 4の添設状態を示す説明図である。脚用弾性部材 5 4は、使い捨てパンツの前側 Fにおいて、パンツの脚用開口部 4の周縁に沿う図中左の側辺部 5 4 aと、図中右の側辺部 5 4じと、側辺部 5 4 aおよび cの先端部同士を連結する連結部 5 4 bとからなる略 U字形のラインを形成している。パンツ後ろ側 Bにおいても同様である。また、図 8に示す通り、脚用弾性部材 5 4の前側のラインと後ろ側のラインそれぞれの連結部 5 4 bは、パンッの股下部において交差していない。この部分で交差させると、脚用弾性部材 5 4の伸縮力で、内側吸収部材がパンツの外側へ絞り出されるため、見栄えがよくないことによる。なお前後の U字形ラインの連結部 5 4 bの対面位置を、パンツの前後いずれかにずらして配設しても構わない。

脚用弾性部材 5 4を構成する各糸状弾性体同士の間隔は、側辺部 5 4 a (または 5 4 c ) の上端と連結部 5 4 b中央部との中間部で最も狭く（S ₂) 、側辺部上端（S ^ および連結部中央部（S ₃) へ向かって漸次広くなつている。また、糸状弾性体の伸長力は、側辺部 5 4 a (または 5 4 c ) の上端と連結部 5 4 b中央部との中間部で最も弱く、側辺部上端（S および連結部中央部（S ₃) へ向かって漸次強くなるように添設することが好ましい。この構成によって、パンッの股部を着用者側に密着させるようにすることができ、しかも、脚の付け根の鼠蹊部を圧迫して着用者に痛みを感じさせることはない。

本発明の使い捨てパンツは、図 2の展開図におけるパンツの両側の前後の接合代 5 aと 5 bとを重ねて接合することによって、図 1に示したようなパンツ形状となる。このとき、パンツ両側の接合構造は、最外層不織布 2 1の折返し部 2 1 aが存在している部分においては、最外層不織布 2 1と内層不織布 2 2および折返し部 2 1 aの 3枚が積層された外側シートが 2枚重ねられた構造、折返し部 2 1 aのない（股下側）の部分は、最外層不織布 2 1と内層不織布 2 2とからなる外側シートが 2枚重ねられた構造となる。また、図 6に示した構造のパンツであれば、外側シートとして、折返し部 2 1 aに加えて不織布 2 3がさらに積層された部分が存在しているので、これらが積層された外側シート同士を接合することとなる。パンツ両側部の接合代の接合は、ヒートシール機や超音波溶着機を利用することにより、簡単に行うことができる。なお接合力が不足する場合には、いずれかの層の間に、他の熱可塑性フィルム、不織布、接着剤ネット、接着剤等を付加して、接合力を高める手段を併用しても構わない。

図 1から明らかなように、本発明の使い捨てパンツの大部分が、不織布からなる外側シートのみによって形成されていて、蒸れの原因となる不透液性シートは内側吸収部材の配設位置にしか存在していないため、非常に通気性が良好なものとなる。

以下、図 9および図 1 0を参照して本発明の使い捨てパンツの製造方法を説明する。本発明の使い捨てパンツの連続製造方法は、まず、連続する外側シートに、ウェスト用弾性部材と脚用弾性部材とフィット用弾性部材とを添設する工程を行う。図 9では、最外層不織布 2 1の連続体 1 2 1に、ウェスト用弾性部材 5 3と脚用弾性部材 5 4とフィット用弾性部材 5 5、それぞれの連続体と 1 5 3、 1 5 4および 1 5 5を添設している。添設工程は、最外層不織布連続体 1 2 1および /または各弾性部材の連続体（1 5 3— 1 5 5 ) に、ホットメルト接着剤を吹き付けて、これらの弾性部材の連続体を引っ張りながら、最外層不織布連続体 1 2 1上の所定位置に貼り付け、内層不織布 2 2の連続体 1 2 2をこれらの上に載せて、ローラ 1 0で圧着することにより行われる。脚用弾性部材 5 4を図 8に示したような U字形ラインに添設するには、最外層不織布連続体 1 2 1を走行させながら、脚用弾性部材連続体 1 5 4の支持ガイドを走行方向に直交する方向へ水平移動させることにより貼り付ければ、連続するサインカーブ状に添設されるので、個々のパンツに切り離されたときには u字形ラインとなる。この工程によって、各弾性部材が添設された外側シート 2の連続体 1 2が形成されることになる。なお、最外層不織布 2 1の折返し部 2 1 aを設ける工程、別の不織布 2 3を設ける工程の付加が可能である。

続いて、外側シート連続体 1 2に、別工程で製造しておいた内側吸収部材 6を接合する。この内側吸収部材 6は、パルプ繊維と吸水性樹脂粒子の混合体からなる上層と、パルプ繊維と吸水性樹脂粒子の混合体からなる下層とを、中間層第 1 不織布の上下に接着剤によって接着することによって吸収体を製造する工程と、この吸収体をバックシートの上に裁置してからトツプシ一トをこれらの上に裁置し、吸収体を包むようにバックシー卜を巻き上げてトップシートに接合する工程と、所望により、立ち上がりギャザーを接合する工程等から形成される。もちろん吸収体を製造する工程において、図 3に記載されている薄葉紙 7 4や第 2不織布 7 5を接合する工程を付加することが可能である。

内側吸収部材 6を外側シート連続体 1 2上に、所定間隔で裁置して接合した後は、図 9に示すように、この外側シート連続体 1 2を内側吸収部材 6を内側にして 2つ折りする工程、パンツ P iの両側部を接合線 A Lで接合する工程、切断線 C L ₂で切除することにより脚用開口部用の切除部を設ける工程、切断線 C L！で個々のパンツ Pい P ₂に切り離す工程を順次行う。パンツ両側部の接合工程と、脚用開口部用の切除部を設ける工程はどちらが先でも構わない。また、脚用開口部用の切除を外側シート連続体の 2つ折り工程の前に行うこともできる。本発明の製造方法によれば、吸収体を加熱する必要がないため、内側吸収部材の製造を高速で行うことができ、さらに、各弾性部材の添設方向が外側シートの走行方向と一致すること、外側シートの 2つ折り工程やパンツ両側部の接合工程が走行を妨げないこと、等によって、使い捨てパンツを高速連続製造できる。また本発明の製造方法によれば、サイズの異なるパンツを製造する場合、サイズ毎に製造機を揃えなくてもよい。図 10に示すように、ウェストが大きいサイズ^^ iのパンツ P iと小さいサイズ W ₂のパンツ P ₂を同じ製造ラインで製造するときは、図 9における切断線 C 1^と接合線 A Lの位置を変えるだけでよいのである。すなわち、図 9および図 10からわかるように、一点鎖線で示される切断線 CLい Cl^と、この切断線 CI^のパンツ内側に設けられる接合線 AL、 A L (実線）とによって、パンツ Piのウェスト周囲長（W₂の 2倍）が決定される。また、脚用開口の周囲長は 1^の 2倍となる。ここで、切断線 Cl^の代わりに、切断線 CL₃ (点線で示した）、 CL₃を採用して、この切断線 CL₃の内側に、接合線 AL₂、 AL₂を設けることにより、よりも狭いウェスト幅 W₂ を有するパンツ P₂を簡単に製造することができる。このパンツ P₂は、脚用開口の周囲長（2L₂) もパンツ Piに比べて小さくなるので、一般的にウェストの細い人は脚周りも細いという現状に即したパンツを提供できる。

Claims

請求の範囲

1 . 1つのウェスト用開口と 1対の脚用開口を有し、これらの開口の周縁近傍に弾性部材が添設されると共に、左右両側部が接合されている使い捨てパンツにおいて、

使い捨てパンツは、外側シートと内側吸収部材とを備え、

この外側シートは、ウェスト用弾性部材と脚用弾性部材とが添設されていると共に、これらウェスト用弾性部材と脚用弾性部材との間に、ウェスト用弾性部材と平行の複数本の糸状弾性体からなるフィット用弾性部材が添設されており、内側吸収部材は、透液性トップシ一トと不透液性バックシートと両シートの間に収容された吸収体とを備え、

ことを特徴とする使い捨てパンツ。

2 . 上記吸収体は、さらに、吸収体の下層の下側の第 2不織布と、吸収体の上層の上側の薄葉紙とを備え、'

第 2不織布が下層と接着されると共に、下層の周囲から外側に延出する第 2不織布の延出部が下層の上へ折り返されて第 1不織布と重ねられて接着されているものである請求の範囲第 1項に記載の使い捨てパンツ。

3 . 吸収体の上層が下層より大きく形成されており、上層は、その平面形状が長手方向中央部の左右にくびれを有する略砂時計形状に形成され、下層は、その平面形状は長方形状に形成されて、上層の幅方向の中心線と下層の幅方向中心線とがー致するように両層が配置されているものである請求の範囲第 2項に記載の使い捨てパンツ。

4 . 吸収体の中間層の第 1不織布は、接着剤が塗布されている部分と、塗布されていない部分を有し、接着剤塗布部分は多数の線状体が集合して形成されているのである請求の範囲第 2項に記載の使い捨てパンツ。

5 . 外側シートは、最外層不織布と内層不織布とで構成され、この 2枚の不織布の間に、少なくとも、脚用弾性部材とフィット用弾性部材とが添設されているものである請求の範囲第 1項に記載の使い捨てパンツ。

6 . ウェスト用弾性部材が、最外層不織布がウェスト用開口端において内層不織布側へ折返されて形成された折返し部と、内層不織布との間に添設されているものである請求の範囲第 5項に記載の使い捨てパンツ。

7 . フイツト用弾性部材を内側吸収部材の吸収体の長手方向端縁よりもウェス卜用開口端側に添設することによって、フィット用弾性部材と吸収体との配設位置が重ならないように構成されている請求の範囲第 1項に記載の使い捨てパンツ。

8 . フイツト用弾性部材の一部が内側吸収部材の吸収体と重なって配設されており、この重なり部分のフィット用弾性部材は伸縮できないように非伸長状態で添設されている請求の範囲第 1項に記載の使い捨てパンツ。

9 . フィット用弾性部材は、使い捨てパンツの前側と後側とで伸長力が異なるものである請求の範囲第 1項に記載の使い捨てパンツ。

1 0 . 脚用弾性部材は複数本の糸状弾性体から構成され、使い捨てパンツの前側において、脚用開口部周縁のパンツ前側部分に沿う左右側辺部と、側辺部の先端部同士を連結する連結部とからなる略 U字形のラインを形成し、パンツ後ろ側においても同様に、脚用開口部周縁のパンツ後ろ側部分に沿う左右側辺部と連結部とからなる略 U字形のラインを形成し、前側のラインと後ろ側のラインそれぞれの連結部は、パンツの股下部において交差していないものである請求の範囲第 1 項に記載の使い捨てパンツ。

1 1 . 脚用弾性部材を構成する各糸状弾性体同士の間隔が、側辺部の上端と連結部中央部との中間部で最も狭く、側辺部上端および連結部中央部へ向かって漸次広くなるように添設されている請求の範囲第 1 0項に記載の使い捨てパンツ。

1 2 . 脚用弾性部材を構成する糸状弾性体の伸長力が、側辺部の上端と連結部中央部との中間部で最も弱く、側辺部上端および連結部中央部へ向かつて漸次強くなるように添設されている請求の範囲第 1 0〜 1 1項のいずれかに記載の使い捨てパンツ。

1 3 . 内側吸収部材の不透液性バックシートの左右側端が、透液性トップシートの上面に折返されて重ねられ、この折り重ね部の上面に伸縮部材を添設した不織布からなる立上がりギャザーが接合されている請求の範囲第 1項に記載の使い捨てパンツ。

1 4. 使い捨てパンツの左右両側部の接合は、外側シートを重ねて加熱融着することにより行われている請求の範囲第 1項に記載の使い捨てパンツ。

1 5 . 請求の範囲第 1項の使い捨てパンツを製造するための連続製造方法であつて、

連続する外側シートに、ウェスト用弾性部材と脚用弾性部材とフィット用弾性部材とを添設する工程と、

パルプ繊維と吸水性樹脂粒子の混合体からなる上層と、パルプ繊維と吸水性樹脂粒子の混合体からなる下層とを、中間層第 1不織布の上下に接着剤によつて接着することによって吸収体を製造する工程と、

上記吸収体を用いて内側吸収部材を製造する工程と、

上記積層体を内側吸収部材を内側にして 2つ折りする工程と、 2つ折りされた積層体に、脚用開口部用の切除部を設ける工程と、

2つ折りされた積層体の両側部を接合する工程と、

とを備えていることを特徴とする使い捨てパンツの連続製造方法。

1 6 . 連続外側シートの幅または使い捨てパンツの両側部の接合間隔を調整することにより、同じ製造ラインで、大きさの異なる使い捨てパンツを製造するものである請求の範囲第 1 5項に記載の使い捨てパンツの連続製造方法。