WO1999030387A1

WO1999030387A1 - Connecteur de type a boulons

Info

Publication number: WO1999030387A1
Application number: PCT/JP1998/005487
Authority: WO
Inventors: Kazuo Miyajima; Takayuki Nishimura
Original assignee: The Furukawa Electric Co., Ltd.
Priority date: 1997-12-11
Filing date: 1998-12-04
Publication date: 1999-06-17
Also published as: EP1422788A1; DE69833786D1; EP0961363A1; EP0961363B1; DE69833786T2; US6231369B1; EP0961363A4

Description

明細書ボルト締め型コネクタ技術分野

本発明は、自動車等の車両のワイヤ一ハーネス等の接続に使用されるボルト締め型コネクタに関し、特に、 2つのコネクタ半体がボルト及びナットを用いて一体的に連結されるタイプのボルト締め型コネクタに関する。

背景技術

2つのコネクタ半体を嵌合して形成される従来の多極コネクタは、両者の連結に大きな力を必要とするため、特公平 1 一 5 7 4 7 1号公報等に示されるように、ボルト及びナツトにより得られる締め付け力を用いて連結する構造のものが提案されている。このボルト締め型コネクタは、互いに嵌合される第 1のコネクタ半体と第 2のコネクタ半体とからなり、第 1のコネクタ半体には、先端部にネジ部を有するボルトが回転自在に取り付けられると共に、このボルトの頭部と第 1 のコネクタ半体の外壁面との間にばね部材すなわちコイルスプリングを介在させ、一方、第 2のコネクタ半体には、ナツ卜が固定された構造となっている。この構造によると、ボルトのネジ部をナットにねじ込むことにより、小さな力で両コネク夕半体を連結させることができ、両コネクタ半体が十分に嵌合した状態になると、ボルトのネジ部がナツトを通り抜けてボルトが空回りするようになる。このため、作業者は嵌合が完了したことを感知できると共に、締め過ぎによるコネクタの破損を防止できる。

また、ボルトのネジ部がナットを通り抜けると、ばね部材が圧縮されて、その反発力でボルトのネジ部の基端がナツトに押し付けられる。この状態において、ボルトを逆回転させれば、ボルトのネジ部が確実にナツトにねじ込まれるので、両コネクタ半体を分離するときに便利である。しかしながら、上述のボルト締め型コネクタは、ボルトの頭部と第 1のコネク夕半体の外壁面との間にばね部材としてコイルスプリングを介在させているので

、第 1のコネクタ半体の外壁面から突出するボルトの突出長が長くなり、第 1のコネクタ半体が大型化するという難点がある。また、上記コイルスプリングの代わりに、スプリングヮッシャを用いることも提案されている力、スプリングヮッシャはボルトの頭部および第 1のコネクタ半体の外壁面との接触面積が小さいため、ボルトの軸心がずれやすく、ボルトのネジ部をナットにねじ込むのが困難であな。

また、上述のボルト締め型コネクタにおいては、第 2のコネクタ半体が電気接続箱の一部として形成され、第 1のコネク夕半体にワイヤーハーネスが接続される場合がある。この場合は、第 1のコネクタ半体にハーネスカバーを着脱可能に取り付け、このハーネスカバーの所定位置に形成されたハーネス出口からワイヤ一ハーネスを外部に引き出すようになつている。

ところで、第 1のコネクタに接続されるワイヤーハーネスは、多極用であることから電線本数が多く、又、これら複数の電線を集合させた外径も大きくなる。このため、第 1のコネク夕半体からのワイヤ一ハーネスの引き出し方向をほぼ一定にすることが困難である。ワイヤ一ハーネスの引き出し方向を調整しようとしてハーネス出口付近のワイヤ一ハーネスを無理に曲げると、第 1のコネクタ半体内の端子や電線にストレスがかかり、不具合を引き起こす虞がある。

発明の開示

本発明の第 1の目的は、ボル卜が取り付けられる第 1のコネクタ半体を小型化すると共に、ボルトの軸心のずれを生じ難くしたボルト締め型コネクタを提供す ^とにある

本発明の第 2の目的は、第 1のコネクタ半体からのワイヤーハーネスの引き出し方向をほぼ一定にでき、第 1のコネクタ半体内の端子あるいは電線にストレスがかかり難いボルト締め型コネクタを提供することにある。上記第 1の目的を達成する本発明の第 1の観点によるボルト締め型コネクタは、第 1のコネクタ半体と、第 1のコネクタ半体に嵌合される第 2のコネクタ半体と、第 1のコネクタ半体に回動自在に保持されたボルトと、第 2のコネクタ半体に固定されたナツトと、第 1のコネクタ半体内に位置するボルトの中間部領域に配置され、かつ、第 1のコネクタ半体を第 2のコネクタ半体に嵌合する際に、ボルトのネジ部がナツトを通り抜けて空回りする状態になると圧縮され、この圧縮による反発力でボルトのネジ部の基端をナツトに引き寄せる略 V字形の板ばねと、を有している。

このようにすると、第 1のコネクタ半体の外壁面からボル卜が突出する部分は実質的にボルトの頭部のみとなるので、第 1のコネクタ半体を小型化できる。また、略 V字形の板ばねは、それを圧縮する部材との接触面積を大きくとれるので、ボルトの軸心がずれる可能性が少ない。

上記構成において、第 2のコネクタ半体が、ナツトを固定する筒状のナツト保持部を有し、ボルトが、その中間部領域の頭部寄りに取り付けられたストツバと、その中間部領域のネジ部寄りに形成された段部とを有し、板ばねが、ストツバと段部との間に取り付けられ、ボルトのネジ部がナツトを通り抜けた伏態になると、ストツバとナツト保持部の先端との間で圧縮されるようにしてもよい。このようにすると、ボルトの軸心がずれる可能性がさらに少なくなると共に、第 1のコネクタ半体と第 2のコネクタ半体とを嵌合する前に又は第 1のコネクタ半体と第 2のコネクタ半体とを分離したときに、第 1のコネクタ半体からボルトが抜け落ちるのを防止でき、作業性が大幅に向上する。

また、上記構成において、ナツトを、第 2のコネクタ半体に対して、インサート成形により一体的に固定し、あるいは、第 2のコネクタ半体に形成された筒状のナット保持部に嵌入し、その後、ナット保持部に円筒部材を嵌入して挟持することにより固定するようにしてもよい。

このようにすると、第 1のコネクタ半体と第 2のコネクタ半体とを嵌合する前に又は第 1のコネクタ半体と第 2のコネクタ半体とを分離したときに、第 2のコネクタ半体からナットが抜け落ちるのを防止でき、作業性が大幅に向上する。また、円筒部材を用いてナツトを固定する場合は、発生する鉄粉等を円筒部材の内部空間に溜めることでその飛散を防止できる。

さらに、上記構成において、板ばねが、第 1のコネクタ半体に対して、ボルトの軸回りに回動するのを規制するように保持されるようにしてもよい。

このようにすると、板ばねのガ夕ツキを防止でき、又、嵌合の際に、ボルトのネジ部をナットに対してより一層確実に案内することができる。

上記第 2の目的を達成する本発明の第 2の観点によるボルト締め型コネクタは、第 1のコネクタ半体と、第 1のコネクタ半体に嵌合される第 2のコネクタ半体と、第 1のコネクタ半体及び第 2のコネクタ半体の一方に回動自在に保持されたボルトと、第 1のコネクタ半体及び第 2のコネクタ半体の他方に固定されたナツ卜と、第 1のコネクタ半体に設けられかつワイヤ一ハーネスの引き出し方向を規制して固定するハーネス固定片と、を有している。

このようにすると、ワイヤーハーネスをハーネス固定片に沿って引き出した状態で固定することができる。従って、ワイヤ一ハーネスの引き出し方向をほぼ一定に揃えることが容易であり、これにより、ワイヤーハーネスの曲げ等によるストレスが、内部の端子や電線に加わるのを防止できる。

上記構成において、第 1のコネクタ半体に、ハーネス固定片を嵌入して固定するためのスライド溝を設け、ハーネス固定片が、このスライド溝に対して着脱自在となるようにしてもよい。

このようにすると、第 1のコネクタ半体の成形が容易になり、必要に応じて種々の形状のハーネス固定片を取り付けることができる。

また、上記構成において、第 1のコネクタ半体に取り付けられてワイヤーハーネスを覆うハーネスカバ一を設け、このハーネスカバーのハーネス固定片の近傍において、ワイヤーハーネスを引き出すためのハーネス出口を設けるようにしてもよい。

このようにすると、ハーネス固定片により固定されたヮ一ヤーハーネスの端子側の部分等を覆うことができ、外部との接触等を防止きる。

さらに、上記構成において、第 1のコネクタ半体及び第 2のコネクタ半体の一方の内部に位置するボルトの中間部領域に配置されかつ第 1のコネクタ半体と第 2のコネクタ半体とを嵌合する際に、ボルトのネジ部がナツトを通り抜けて空回りする状態になると圧縮され、この圧縮による反発力でボルトのネジ部の基端をナツトに引き寄せる略 V字形の板ばねを設けるようにしてもよい。

このようにすると、第 1のコネクタ半体及び第 2のコネクタ半体の一方の外壁面からボル卜が突出する部分は実質的にボル卜の頭部のみとなるので、この一方のコネクタ半体を小型化できる。また、略 V字形の板ばねは、それを圧縮する部材との接触面積を大きくとれるので、ボルトの軸心がずれる可能性が少ない。上記構成において、第 1のコネクタ半体及び第 2のコネクタ半体他方が、ナツトを固定する筒状のナット保持部を有し、ボルトが、その中間部領域の頭部寄りに取り付けられたストツバと、その中間部領域のネジ部寄りに形成された段部とを有し、板ばねが、ストツバと段部との間に取り付けられ、ボルトのネジ部がナットを通り抜けた状態になると、ストツバとナツト保持部の先端との間で圧縮されるようにしてもよい。

このようにすると、ボルトの軸心がずれる可能性がさらに少なくなると共に、第 1のコネクタ半体と第 2のコネクタ半体とを嵌合する前に又は第 1のコネクタ半体と第 2のコネクタ半体とを分離したときに、上記一方のコネクタ半体からボルトが抜け落ちるのを防止でき、作業性が大幅に向上する。

また、上記構成において、ナツトを、第 1のコネクタ半体及び第 2のコネクタ半体の他方に対して、インサート成形により一体的に固定し、あるいは、上記他方のコネクタ半体に形成された筒状のナット保持部に嵌入し、その後、ナット保持部に円筒部材を嵌入して挟持することにより固定するようにしてもよい。このようにすると、第 1のコネクタ半体と第 2のコネクタ半体とを嵌合する前に又は第 1のコネクタ半体と第 2のコネクタ半体とを分離したときに、上記他方のコネクタ半体からナツトが抜け落ちるのを防止でき、作業性が大幅に向上する。また、円筒部材を用いてナットを固定する場合は、発生する鉄粉等を円茼部材の内部空間に溜めることでその飛散を防止できる。

さらに、上記構成において、板ばねが、第 1のコネクタ半体及び第 2のコネク夕半体の一方に対して、ボルトの軸回りに回動するのを規制するように保持されるようにしてもよい。

このようにすると、板ばねのガ夕ツキを防止でき、又、嵌合の際に、ボルトのネジ部をナツトに対してより一層確実に案内することができる。

図面の簡単な説明

図 1 A〜(：は、本発明の第 1の観点によるボルト締め型コネクタの一実施形態を示すものであり、図 1 Aは嵌合開始時の状態を、図 1 Bは嵌合途中の状態を、図 1 Cは嵌合後の状態を示す断面図、

図 2は、図 1の実施形態で使用したボルトの正面図、

図 3 A〜Cは、図 1の実施形態で使用した板ばねを示すものであり、図 3 Aは平面図、図 3 Bは正面図、図 3 Cは底面図、

図 4は、本発明の他の実施形態における第 2のコネク夕半体を示す平面図、図 5は、図 4中の a— a線における断面図、

図 6は、本発明のさらに他の実施形態における第 2のコネクタ半体を示す断面図、

図 7は、図 6に示す実施形態の要部の組立状態を示す断面図、

図 8 Aおよび図 8 Bは、本発明のさらに他の実施形態におけるボルト締め型コネクタを示すものであり、図 8 Aは嵌合開始時の状態を、図 8 Bは嵌合後の状態を示す断面図、

図 9 A〜(：は、本発明の第 2の観点によるボルト締め型コネクタの一実施形態を示すものであり、図 9 Aは第 1のコネクタ半体の平面図、図 9 Bは第 1のコネクタ半体の正面図、図 9 Cは第 1のコネクタ半体の底面図、

図 1 O Aおよび図 1 0 Bは、図 9に示すボルト締め型コネクタを示すものであり、図 1 0 Aは第 1のコネクタ半体の左側面図、図 1 0 Bは第 1のコネクタ半体の右側面図、

図 1 1 Aは、図 1 0 Bの b— b線における断面図、図 1 1 Bは、図 1 0 Bの c 一 c線における断面図、

図 1 2 Aおよび図 1 2 Bは、図 9に示す第 1のコネクタ半体に嵌合される第 2 のコネクタ半体を示すものであり、図 1 2 Aは平面図、図 1 2 Bは正面図である発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。

図 1は、本発明の第 1の観点によるボルト締め型コネクタの一実施形態を示すものである。このボルト締め型コネクタは、図 1に示すように、第 1のコネクタ半体 1 と、第 2のコネクタ半体 2を有しており、これら第 1のコネクタ半体 1 と第 2のコネクタ半体 2とは、お互いに嵌合されるように形成されている。また、これら第 1のコネクタ半体 1及び第 2のコネクタ半体 2には、電気的接続を行なうための複数の端子（不図示）が設けられている。

第 1のコネクタ半体 1は、ハウジングの中央部に垂直に突設された筒部 6を有しており、この茼部 6に対して、ボルト 3が回転自在に揷通されている。ボルト 3は、図 2に示すように、一端部に頭部 3 bを、他端部にネジ部 3 aを有しており、又、中間部の頭部 3 b寄りにストツバを装着するための溝 3 cを、中間部のネジ部 3 a寄りに頭部 3 b側に段差面を向けた段部 3 dを有している。この段部 3 dの外径は、ネジ部 3 aの外径と同じかそれより若干小さくなっている。ボルト 3の溝 3 cには、図 1に示すように、平板状のストツバ 7が取り付けられている。ストツバ 7としては、市販の Cリング等を使用することができる。また、ストツバ 7と段部 3 dの間には、略 V字形の板ばね 5が取り付けられている板ばね 5は、図 3 A〜Cに示すように、上側平板部 5 a及び下側平板部 5 bにそれぞれ形成された上側ボルト揷通孔 5 c及び下側ボルト揷通孔 5 dを有し、又、下側ボルト揷通孔 5 dの縁において斜め下向きに形成された複数の爪部 5 eを有する。

複数の爪部 5 eのそれぞれの先端により形成される円孔の内径は、ボルト 3の段部 3 dの外径より小さく設定されている。このため、板ばね 5をボルト 3にネジ部 3 a側から挿通していくと、まず板ばね 5の上側平板部 5 aがストツバ 7に付き当たり、さらに下側平板部 5 bを押し上げると、爪部 5 eが弾性変形して段部 3 dの外周を乗り越えたのち段部 3 dに引っ掛かる。この状態において、板ばね 5はボルト 3から引き抜けなくなる。また、板ばね 5は、上側平板部 5 aと下側平板部 5 bとの間隔が自由端側へいくほど開いており、圧縮される余裕代を有している。さらに、板ばね 5は、第 1のコネクタ半体 1の中では回転できないように保持されている。これにより、板ばね 5のガタツキを防止できる。

一方、第 2のコネクタ半体 2には、ナット 4が回転しないように取り付けられている。この実施形態において、ナット 4は、第 2のコネクタ半体 2に形成された筒状のナツト保持部 8の中に、インサート成形により一体的に固定されている上記構成からなるボルト締め型コネクタでは、第 1のコネクタ半体 1が第 2のコネクタ半体 2に嵌合させられると、まず図 1 Aに示すようにボルト 3のネジ部 3 aの先端がナット 4に突き当たる。その後、ボルト 3を時計方向に回転させ、ネジ部 3 aをナット 4にねじ込むことにより両コネクタ半体 1、 2を嵌合させていく。図 1 Bは、両コネクタ半体 1、 2の嵌合がすすんで、板ばね 5の下側平板部 5 bがナット保持部 8の先端に接触した段階を示している。この段階で、両コネクタ半体 1、 2の嵌合はほぼ終了しているが、ここまでは板ばね 5は最初の状態から圧縮されていない。また、ボルトのネジ部 3 aはまだナット 4と嚙み合つている。

ボルト 3をさらにねじ込むと、最終的には図 1 Cのように、ボルトのネジ部 3 aがナツト 4を通り抜けてボルト 3が空回りするようになる。これにより、作業者は両コネクタ半体 1、 2が完全に嵌合したことを感知できる。また、この状態になると、板ばね 5がストツバ 7とナット保持部 8の先端との間で圧縮されて反発力を発生し、この反発力でボルトのネジ部 3 aの基端がナツト 4に引き寄せられる。このため、両コネクタ半体 1、 2を分離する場合は、ボルト 3を反時計方向に回転させれば、ボルト 3のネジ部 3 aがナット 4に確実にねじ込まれるので、分離作業を容易に行うことが可能である。

図 4および図 5は、本発明の他の実施形態を示す。第 2のコネクタ半体 2内には、複数の雄端子 1 1が底面から突出した状態で配列されている。従って、第 1 のコネクタ半体 1を不用意に嵌合すると、第 1のコネクタ半体 1のハウジングの一部等が雄端子 1 1の先端に当たって、雄端子 1 1が折れ曲がる等の不具合が発生しやすい。この不具合を解消するため、この実施形態では-. 雄端子 1 1の列の間に雄端子 1 1の高さより高いリブ 1 2を突設して、第 1のコネクタ半体 1を嵌合するときに、ハウジングの一部などが雄端子 1 1の先端に直接当たらないようにしたものである。

また、第 2のコネクタ半体 2のナツト保持部 8は、通常、周壁 1 3で囲まれた部分の中央部に形成されており、第 1のコネクタ半体 1に揷通されるボルト 3もこれに対応する位置に取り付けられているため、誤って第 1のコネクタ半体 1を反対向きで或いは傾いた状態で第 2のコネクタ半体 2に嵌合しようとする場合がある。この場合も雄端子 1 1の変形等が発生しやすい。これを防止するため、この実施形態では、周壁 1 3の内面において、嵌合方向に伸長するガイド用突条 1 4を左右非対称に形成し、第 1のコネクタ半体 1の外面において、この突条 1 4 に対応するガイド溝（不図示）を形成して、第 1のコネクタ半体 1を嵌合するときに、反対向き或いは傾いた伏態では嵌合できないようにしたものである。

図 6および図 7は、本発明のさらに他の実施形態を示す。図 1の実施形態では、第 2のコネクタ半体 2に形成された筒状のナツト保持部 8内に、ナツト 4をィンサート成形したが、インサート成形は面倒である。そこで、この実施形態では、第 2のコネクタ半体 2に形成されたナツト保持部 8内に、ナツト 4を圧入し、さらに第 2のコネクタ半体 2の下側に組み付けられるケ一ス部材 1 5に円筒部材 1 6を突設しておいて、この円茼部材 1 6をナツト保持部 8に挿入することにより、ナツト保持部 8の段差部 8 aと円筒部材 1 6の先端部 1 6 aとでナツト 4を挟持するようにしたものである。このようにすれば、インサート成形しなくても、第 2のコネクタ半体 2に対して、ナット 3を強固に固定することができる。また、両コネクタ半体 1、 2の着脱時に、ネジ部 3 aおよびナット 4から発生する鉄粉を、円筒部材 1 6内部空間に溜めることができるので、鉄粉が電気接続箱内に拡散するのを防止できる。

以上説明したように、本発明の第 1の観点によるボルト締め型コネクタによれば、第 1のコネクタ半体 1内に位置するボルト 3の中間部に略 V字形の板ばね 5 を取り付ける構造としたので、第 1のコネクタ半体 1の外壁面からのボルト 3の突出長を短くでき、第 1のコネクタ半体 1を小型化できる。また、略 V字形の板ばね 5は、それを圧縮する部材との接触面積を大きくとれるので、ボルト 3の軸心がずれるおそれが少なく、両コネクタ半体 1、 2の嵌合作業がやりやすくなる図 8は、本発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態においては、第 1 にコネクタ半体 1は、そのハウジングの中央部に垂直に突設された筒部 6 aを有しており、この筒部 6 aは、図 1に示す筒部 6よりも長く形成されている。従つて、作業者が目視できないような場所において、両コネクタ半体 1、 2を嵌合させる場合に、この筒部 6 aを摑んで作業を行なうことができる。これにより、作業の容易化が達成される。図 9ないし図 1 2は、本発明の第 2の観点によるボルト締め型コネクタの一実施形態を示すものである。このボルト締め型コネクタは、前述の図 1に示すボルト締め型コネクタと同様に、ボルト 3、板ばね 5、及びストツバ 7が組付けられた第 1のコネクタ半体 1 0 0と、ナット 4が組付けられた第 2のコネクタ半体 2 0 0と、第 1のコネクタ半体 1 0 0に取り付けられるハーネスカバー 3 0 0とにより構成されている。

尚、板ばね 5及びストッパ 7を取り付けたボルト 3と第 1のコネクタ半体 1 0 0との関係、ナット 4と第 2のコネクタ半体 2 0 0との関係、及び第 1のコネク夕半体 1 0 0と第 2のコネクタ半体 2 0 0とを嵌合する際のボルト 3、ナツト 4 、板ばね 5、及びストツバ 7の作用は、前述の図 1に示す場合と同様であるため、ここでの説明は省略する。

第 1のコネクタ半体 1 0 0には、図 9及び図 1 0に示すように、ハーネスカバ - 3 0 0が被せられる。ハーネスカバー 3 0 0は、第 1のコネクタ半体 1 0 0に対して着脱可能である。ハーネスカバー 3 0 0の一端側には、ワイヤーハーネス 1 2 0を外部に引き出すためのハーネス出口 1 3 0が形成されている。

このハーネス出口 1 3 0に対応させて、第 1のコネクタ半体 1 0 0の一端側には、ワイヤーハーネス 1 2 0の引き出し方向を規制して固定するためのハーネス固定片 1 4 0が設けられている。第 1のコネクタ半体 1 0 0に接続されたワイヤ一ハーネス 1 2 0は、このハーネス固定片 1 4 0にテープ巻きなどにより固定される。

これによつて、第 1のコネクタ半体 1 0 0からのワイヤーハーネス 1 2 0の引き出し方向をほぼ一定に揃えることができる。また、第 1のコネクタ半体 1 0 0 の外側近傍でワイヤ一ハーネス 1 2 0が無理に曲げられた場合でも、その曲げによる影響は、ワイヤーハーネス 1 2 0をハーネス固定片 1 4 0に固定した箇所で遮られ、第 1のコネクタ半体 1 0 0内の端子にまで伝わることがないので、端子や電線にかかるストレスを少なくすることができる。尚、ハーネスカバ一 3 0 0は、ワイヤ一ハーネス 1 2 0を第 1のコネク夕半体 1 0 0に接続し、さらにテープ巻きにより、ワイヤ一ハーネス 1 2 0をハーネス固定片 1 4 0に固定した後に、第 1のコネクタ半体 1 0 0に組み付けられるものである。

次に、ハーネス固定片 1 4 0の取り付け構造と、両コネクタ半体 1 0 0、 2 0 0の誤組付け防止構造について説明する。

第 1のコネクタ半体 1 0 0の一端側の側面には、ハーネス固定片 1 4 0の取り付け部 1 5 0が突設されている。この取り付け部 1 5 0は、図 1 0 B及び図 1 1 に示すように、ハーネス固定片 1 4 0の平板状の基部 1 4 0 aをスライドさせることにより嵌入させて、ハーネス固定片 1 4 0を固定するスライド溝を形成している。また、両側の取り付け部 1 5 0の間には突起 1 6 0が形成され、ハーネス固定片 1 4 0の基部 1 4 0 aが取り付け部 1 5 0に最後まで差し込まれると、この突起 1 6 0がハーネス固定片 1 4 0の基部 1 4 0 aに形成された窓部 1 7 0に入り込み、これによつて、ハーネス固定片 1 4 0が引き抜けないようになる。尚、第 1のコネクタ半体 1 0 0の他端側の側面は平らであり、取り付け部 1 5 0に相当する凸部は形成されていない。

—方、第 2のコネクタ半体 2 0 0には、図 1 2 Aに示すように、周壁 2 1 0内の一端側において、取り付け部 1 5 0がスライド嵌合する凹部 2 2 0が形成されている。周壁 2 1 0内の他端側には、凹部 2 2 0に相当するものは形成されていない。

このような構造にしておくと、第 1のコネクタ半体 1 0 0を第 2のコネクタ半体 2 0 0に嵌合させるときに、ハーネス固定片 1 4 0の取り付け部 1 5 0を第 2 のコネクタ半体 2 0 0の凹部 2 2 0に合わせない限り嵌合ができないので、第 1 のコネクタ半体 1 0 0を誤って左右反対の向きで嵌合してしまう、いわゆる誤組付けを防止できる。

尚、この実施形態では、ハーネス固定片 1 4 0を第 1のコネクタ半体 1 0 0のハウジングとは別部品として製造し、後から第 1のコネクタ半体 1 0 0のハウジングに組み付ける場合を説明したが、ハーネス固定片 1 4 0は第 1のコネクタ半体 1 0 0のハウジングと一体に形成することもできる。また、図 1 2に示すように、第 2のコネクタ半体 2 0 0は、電気接続箱 2 0 0 aの一部として形成されている。さらに、ハーネス固定片 1 4 0力、第 1のコネクタ半体 1 0 0に取り付けられる構成を示したが、第 2のコネクタ半体 2 0 0に取り付けられる構成としてもよい。

次に、第 1のコネクタ半体 1 0 0と第 2のコネクタ半体 2 0 0との嵌合を確認する手段について説明する。

図 9 Bに示すように、第 1のコネクタ半体 1 0 0に取り付けられるハーネス力バー 3 0 0の正面には、 2本のスリット 3 1 0を入れることで弾性片 3 2 0が形成され、この弾性片 3 2 0の自由端側には、ハーネスカバー 3 0 0の周壁より突出する三角山形の突起 3 3 0が形成されている。

一方、第 2のコネクタ半体 2 0 0の周壁 2 1 0の正面には、図 1 2 Bに示すように、穴 2 4 0が形成されている。この穴 2 4 0は、弾性片 3 2 0に形成された突起 3 3 0の頂部が入る大きさで、かつ第 1のコネクタ半体 1 0 0が第 2のコネクタ半体 2 0 0に完全に嵌合したときに、突起 3 3 0が入る位置に形成されてい。

したがって、ボルト 3のねじ込みにより第 1のコネクタ半体 1 0 0を第 2のコネクタ半体 2 0 0に嵌合させていくと、弾性片 3 2 0が内側に弾性変形しながら嵌合が進み、嵌合が完了すると、突起 3 3 0の頂部が第 2のコネクタ半体 2 0 0 の周壁 2 1 0の穴 2 4 0に入り込み、突起 3 3 0の頂部を外部から目視できる状態となる。これにより、嵌合作業終了後でも、穴 2 4 0の中に突起 3 3 0が見えるか否かで、嵌合が正確に行われたか否かを確認することができる。

尚、ハーネスカバ一 3 0 0の上面に形成されているフック 3 5 0は、第 1のコネクタ半体 1 0 0を第 2のコネクタ半体 2 0 0に嵌合させる前の準備段階で、一時的に、第 1のコネクタ半体 1 0 0を車体の一部に吊りさげておくためのものでめ

以上説明したように、本発明の第 2の観点によるボルト締め型コネクタによれば、第 1のコネクタ 1 0 0に、ワイヤ一ハーネス 1 2 0の引き出し方向を規制して固定するハーネス固定片 1 4 0を設けたことにより、ワイヤ一ハーネス 1 2 0 をハーネス固定片 1 4 0に沿って引き出した状態で固定することができる。従つて、ワイヤーハーネス 1 2 0の引き出し方向をほぼ一定に揃えることが容易である。また、これにより、ワイヤーハーネス 1 2 0の曲げ等によるストレスが、第 1のコネクタ半体 1 0 0内の端子や電線にかかり難くすることができる。

産業上の利用可能性

以上のように、本発明のボルト締め型コネクタは、小型化を行ないつつ、組付けを容易にし、さらに、ワイヤーハーネスの引き出し方向を規制することにより端子及び電線に加わるストレス等を低減できるため、自動車等の車両の多極コネクタとして用いるのに有用である。

Claims

請求の範囲

1 . 第 1のコネク夕半体と、

前記第 1のコネクタ半体に嵌合される第 2のコネクタ半体と、

前記第 1のコネクタ半体に回動自在に保持されたボルトと、

前記第 2のコネクタ半体に固定されたナツトと、

前記第 1のコネクタ半体内に位置する前記ボルトの中間部領域に配置され、かつ、前記第 1のコネクタ半体を前記第 2のコネクタ半体に嵌合する際に、前記ボルトのネジ部が前記ナツトを通り抜けて空回りする状態になると圧縮され、前記圧縮の反発力で前記ボルトのネジ部の基端を前記ナツトに引き寄せる略 V字形の板ばねと、

を有するボルト締め型コネクタ。

2 . 前記第 2のコネクタ半体は、前記ナツトを固定する筒状のナツト保持部を有し、

前記ボルトは、前記中間部領域の頭部寄りに取り付けられたストツバと、前記中間部領域のネジ部寄りに形成された段部とを有し、

前記板ばねは、前記ストツバと前記段部との間に取り付けられ、前記ボルトのネジ部が前記ナツトを通り抜けた状態になると、前記ストツバと前記ナツト保持部の先端との間で圧縮されるようになっている、

請求の範囲第 1項記載のボルト締め型コネクタ。

3 . 前記ナットは、前記第 2のコネクタ半体に対して、インサート成形により一体的に固定されている、

請求の範囲第 1項記載のボルト締め型コネクタ。

4 . 前記ナツトは、前記第 2のコネクタ半体に形成された筒状のナツト保持部に嵌入され、その後、前記ナツト保持部に円筒部材を嵌入して挟持することにより固定されている、請求の範囲第 1項記載のボルト締め型コネクタ。

5 . 前記板ばねは、前記第 1のコネクタ半体に対して、前記ボルトの軸回りに回動するのを規制するように保持されている、

請求の範囲第 1項記載のボルト締め型コネク夕。

6 . 第 1のコネク夕半体と、

前記第 1のコネクタ半体及び前記第 2のコネクタ半体の一方に回動自在に保持されたボルトと、

前記第 1のコネクタ半体及び前記第 2のコネクタ半体の他方に固定されたナツ卜と、

前記第 1のコネクタ半体に設けられ、かつ、ワイヤーハーネスの引き出し方向を規制して固定するハーネス固定片と、

を有するボルト締め型コネクタ。

7 . 前記第 1のコネクタ半体は、前記ハーネス固定片を嵌入して固定するためのスライド溝を有し、

前記ハーネス固定片は、前記スライド溝に対して揷着可能となっている、請求の範囲第 6項記載のボルト締め型コネクタ。

8 . 前記第 1のコネクタ半体に取り付けられて前記ワイヤーハーネスを覆うハーネスカバーを有し、

前記ハーネスカバーは、前記ハーネス固定片の近傍において、前記ワイヤ一ハ —ネスを引き出すためのハーネス出口を有する、

請求の範囲第 6項記載のボルト締め型コネクタ。

9 . 前記第 1のコネクタ半体及び前記第 2のコネクタ半体の一方の内部に位置する前記ボルトの中間部領域に配置され、かつ、前記第 1 のコネクタ半体と前記第 2のコネクタ半体とを嵌合する際に、前記ボルトのネジ部が前記ナツトを通り抜けて空回りする状態になると圧縮され、前記圧縮の反発力で前記ボルトのネジ部の基端を前記ナットに引き寄せる略 V字形の板ばねを有する、請求の範囲第 6項記載のボルト締め型コネクタ。

1 0 . 前記第 1のコネクタ半体及び前記第 2のコネクダ半体の他方は、前記ナツトを固定する筒状のナツト保持部を有し、

請求の範囲第 9項記載のボルト締め型コネク夕。

1 1 . 前記ナットは、前記前記第 1のコネクタ半体及び前記第 2のコネクタ半体の他方に対して、ィンサ一ト成形により一体的に固定されている、

請求の範囲第 6項記載のボルト締め型コネク夕。

1 2 . 前記ナットは、前記前記第 1のコネクタ半体及び前記第 2のコネクタ半体の他方に形成された筒状のナツト保持部に嵌入され、その後、前記ナツト保持部に円筒部材を嵌入して挟持することにより固定されている、

請求の範囲第 6項記載のボルト締め型コネク夕。

1 3 . 前記板ばねは、前記第 1のコネクタ半体及び前記第 2のコネクタ半体の一方に対して、前記ボルトの軸回りに回動するのを規制するように保持されている請求の範囲第 9項記載のボルト締め型コネク夕。